商品回転率の求め方や上げ方をマスターしたい！
効率よくビジネスを行うためにも、在庫管理は重要。ネットショップを運営している人が、特に気にして管理しているのが在庫です。在庫管理の中でも、避けて通れないのが商品回転率。
本記事では、商品回転率をは把握するメリットや意味、求め方を詳しく解説します。しっかりと在庫管理するために必要な情報を紹介しているので、参考にしてください。
商品回転率とは？
まず初めに、商品回転率の意味を解説します。商品回転率はビジネスを始めるうえで、とても重要なワードとなります。商品回転率と同様の意味で使用されがちな言葉についても、詳しくまとめています。
商品回転率の言葉の意味
抱えている在庫が一定の期間で、どれだけ入れ替わったかを数値で表したのが、商品回転率。1か月で自社の在庫が3回入れ替わった場合、商品回転率は3回/月となります。
商品回転率が高い数値を表す商品は、人気の売れ筋商品。一方、回転率の数値が低い商品は、売れていない商品となります。在庫削減を徹底する場合、商品回転率の低い商品に着目するのがおすすめ。
しかし、商品回転率では利益が高いか低いかまでは管理できません。回転率が低くても、利益が高いものもあるため、商品回転率だけを意識してはいけません。さまざまな分析方法を用いて、在庫管理する必要があります。
在庫回転期間との違い
商品回転率と同様の意味で使用しがちな、在庫回転期間。在庫回転期間は、在庫がすべて入れ替わるまでにかかった期間を表します。2か月で在庫が入れ替わる商品の在庫回転期間は、2か月/回となります。
在庫回転期間が短い製品が売れ筋商品。一方、在庫回転期間が長い商品は、なかなか売れない商品と考えられます。
商品回転率を把握するメリット
メリット①売れ筋製品の把握に繋がる
商品回転率は、売れ筋商品を把握できます。商品回転率の高い商品は、売れ筋商品となるため、在庫を増やすなどといった、対策を打つことも可能。もちろん、人気のない商品も把握できるため、大量に在庫を抱えてしまう前に、在庫を削減するための対策も考えられます。
メリット②在庫が適正かどうかの指標になる
在庫管理を行う際に、よく耳にする適正在庫という言葉。適正在庫とは、販売機会を獲得できる商品の、最小限の在庫です。売れ筋の商品は、いつでも人の手に届くように余裕のある在庫数でも問題ありません。
しかし、なかなか売れない商品を最大限の在庫以上に抱えると、経営を圧迫する不良在庫となります。売れ筋商品と人気が低迷している、2つの商品をバランスよく保つことが、ビジネスの成功につながります。
メリット③コストを抑えることができる
商品回転率の低い商品を多く在庫に抱えていると、さまざまなコストが発生します。商品を保管している倉庫には、建物の固定資産税や管理にかかる人件費など、商品を保管するだけで、さまざまなコストがかかっています。
人気が低迷している商品の在庫を削減することで、無駄なコスをを抑えることも可能になります。
メリット④作業動線を見直すきっかけになる
ビジネスを成功させるためには、効率よく作業できる空間作りが重要。商品回転率の高い商品は、よく売れる人気商品です。人気商品は、搬送しやすい場所に置いておくことで、効率よく搬送作業に入れます。
商品回転率は、在庫管理だけでなく作業動線を見直すきっかけにもなります。また、作業動線が見直されることで、倉庫で働くスタッフも働きやすくなり、モチベーションアップにもつながります。
メリット⑤需要予測の参考にもなる
商品回転率は、需要予測の参考にもなります。毎月の在庫回転率を計算し、前月より回転率が下がった商品があるとします。この場合、なぜこの商品の商品回転率が低下したのか、早い段階で調査できます。なぜ需要がなくなったのかなど、しっかり把握することで適正な在庫量に調節可能です。
商品回転率の計算方法
「金額」から計算する方法
金額を利用した商品回転率の求め方は、期間中の売上高（売上原価）÷期間中の平均在庫高（平均在庫金額）から計算できます。平均在庫高は、（期間開始の在庫高＋期間終了時の在庫高）÷2で計算してください。
期首在庫金額が50万円、入庫金額が30万円、期末在庫金額が30万円として、商品回転率を計算していきます。売上原価は、50万円+30万円－30万円＝50万円となります。平均在庫高は、（50万円+30万円）÷2＝40万円と計算できます。
商品回転率は、50万円÷40万円＝1.25となります。年単位だけでなく、月単位も同じ求め方が利用できます。正確な値を算出するためにも、販売金額ではなく売上原価を使用することがおすすめ。売上原価を用いた計算をした場合、回転率のズレを防ぐためにも、金額を売上原価で統一してください。
「個数」から計算する方法
個数を利用した商品回転率の求め方は、今期の総出庫数÷今期の平均在庫数から計算できます。総出庫数は、期間中に出庫した在庫の数となります。今期の平均在庫数は、（期首在庫数－期末在庫数）÷2から計算可能で、期間中に抱えていた在庫の平均個数を指します。
例えば、総出在庫数が400個、期首在庫数が300、期末在庫数が100と仮定します。この場合、今期の平均在庫数は、（300－100）÷2=100となります。商品回転率は、400÷100=4回/年と求められます。
計算した値の判断基準
実際に、商品回転率を計算したけれど、算出された数値が高いか低いか判断できない人も少なくありません。商品回転率は商品によって、大きく異なります。そのため、一概に数値が高いから売れ筋、数値が低いから売れないと言い切ることができません。
在庫が適正か判断するためにも、過去の商品回転率を比べたり、相対的に評価しましょう。適正な判断が難しい場合、経済産業省が発表している、商品回転率のまとめを参考にしてください。
商品回転率を上げるためのポイント
リードタイムを把握する
商品回転率を上げるために、リードタイムの把握は重要。リードタイムとは、商品の発注から納品までにかかる時間のこと。このリードタイムを短くすることで、商品回転率上げることにつながります。
納期が短くなることで、商品を迅速に顧客に届けられます。商品が迅速に届けられることで、顧客満足度も上がり、自然と販売個数が増加するため売り上げもアップします。リードタイムは各工程を見直すことで、短縮できるため、すこしでも短縮できる工程がないか、確認しておきましょう。
事前に販売計画を立てる
商品回転率を上げるためには、事前に販売計画をたてておくこが大切。繁忙期などは、店舗やインターネットショップの運営に翻弄されて、商品回転率の確認を怠ってしまうことも。
忙しい中でも、商品回転率を意識しながら働けるような環境を作る必要があります。目標となる回転率を設定するなど、簡単な販売計画も効果的です。スタッフ全員が商品回転率を意識しながら働くことで、大きく売り上げがアップします。
また、資金に余裕のある場合は商品回転率を把握できるシステムの導入などを検討しても良いでしょう。
在庫状況を定期的に見直す
多くの商品在庫を抱える企業にとって、在庫状況の定期的な見直しは重要な業務のひとつ。毎月の商品回転率を見ながら、現状が適正在庫であるか判断する必要があります。在庫状況を見直すときは、トレンドの確認も重要。トレンド商品は、品切れに確率が高いです。
前月の回転率が低いからといって、在庫所分した商品が、今月のトレンドにマッチした商品をして再注目されることも。現在のトレンドを把握し、在庫切れをおこさないように、在庫状況は定期的に確認しておきましょう。
経営の視点で考えてみる
商品回転率は、企業の売り上げや利益に大きな影響を与えることも。そのため、店舗の運営に関わるスタッフ全員が経営の視点から、在庫について考える必要があります。
同時に、競合店の販売状況もしっかりと把握しておきましょう。競合店が品切れを起こし、需要に追い付かない場合など、自社製品が代用できるため売り上げにつながります。実際に店舗で働くスタッフは、競合店の情報など入手しやすいため、トレンドや在庫管理だけでなく。追跡業務も行いましょう。
商品回転率の求め方を覚えてビジネスの効率化を図ろう！
商品回転率の意味や求め方について、詳しく紹介しました。商品回転率を把握しておくことで、倉庫の配置を変えたり、在庫管理にかかるコストの削減にもつながります。在庫管理に悩んでいる人は、本記事で紹介した商品回転率の求め方を理解して、ビジネスの効率化を図りましょう。
