ゼロベース思考を身につける方法を解説！
本記事では、ゼロベース思考のやり方や、身につけ方について紹介します。市場の成長パターンを短期化し、企業で柔軟な発想を持つためにはゼロベース思考が重要です。また、グローバル化が進んでいる経済では、商品やサービスの開発が必要不可欠です。
ゼロベース思考のやり方を学ぶと様々なメリットがあります。ゼロベース思考を導入した成功例や事例なども掲載しているので、参考にしてください。
ゼロベース思考とは？
まずは、ゼロベース思考について紹介します。言葉の意味や、役に立つ場面をしっかり押さえましょう。また、ゼロベース思考とトレンド思考との違いなどもまとめています。
ゼロベース思考の言葉の意味
ゼロベース思考とは、規則や考え方など固定概念にとらわれる事無く、真っ白できれいな状態から物事を考えるやり方です。そのため、新たな発想や柔軟な考えが持てるので、ビジネスをする際の課題や、解決方法が見つかりやすいです。
また、ゼロベース思考は、訓練や講習など特別な勉強をする必要がなく、普段の生活や姿勢などを変えるだけで身につけられます。
ゼロベース思考が役立つ場面
ゼロベース思考は、小売業や工場など現場の従業員から経営者など、幅広い場面で役に立ちます。ゼロベース思考は、社内全体の意識改革や人材の育成に繋がるので、ビジネスを始めていくうえで、重要な思考方法です。
しかし、今までの実績や考え方がしっかり身についている企業も多いため、前例を否定する思考とみなされます。その結果、組織内では反発を生んでしまう可能性があるので注意しましょう。
ゼロベース思考が注目されている背景
ゼロベース思考は、新しいものやイノベーションを生み出す時などに使われます。また、ビジネス環境の固定概念を崩す事ができるので、新しい風を取り入れるために取り入れている企業も多いです。消費者のニーズや価値観の多様化により、日本の企業の経営環境が厳しくなっています。
そのため、今までのやり方では、生き残るのが難しいです。ゼロベース思考を取り入れて、新しい価値観や想像力を生み出し、優秀な人材やスキルを身につけましょう。
トレンド思考との違い
トレンド思考の意味は、主に目標設定をする際に使われ、今までの思考から未来を考えるやり方です。新しい考え方でビジネスを始めるゼロベース思考とは、真逆の意味を持っています。
トレンド思考は、一般的なやり方ですが、過去の経験に基づいて解決策や改善方法などを打ち出すため、先入観が入る可能性があります。そのため、過去の規則や常識などがそのまま使われるため、新しい経営戦略が打ち出せない場合があるので注意しましょう。
ゼロベース思考のメリット
次は、ゼロベース思考のメリットについて紹介します。ゼロベース思考の意味をしっかり理解すると、様々なメリットが見つかります。迅速な解決方法や柔軟な発想が見つかるので、しっかり身につけましょう。
メリット①迅速かつ最適な解決法を打ち出すことができる
ゼロベース思考は、組織や常識に囚われないため、最適で迅速な解決方法を見つけられます。どんな企業でもイレギュラーや課題が発生します。通常は、トラブルなどが発生した場合、今までの経験を活かして解決する場合が多いです。
企業の存続や確実性の低い経営は、トレンド思考では解決するのが難しい場合があります。ゼロベース思考を取り入れると、業界や組織の固定概念に囚われないので、迅速で最適な解決方法を生み出せるでしょう。
メリット②柔軟かつ創造的な発想が可能
ゼロベース思考は、過去の経験をもとに問題を解決しないため、柔軟で創造的な発想が持てます。新しい価値観や独創的な発想が生み出されるため、消費者の新たなニーズに対応が可能です。日本企業の多くがイノベーションを実施し、新しい経営戦略を生み出しています。
そこにゼロベース思考をもつ人材を導入すると、柔軟は発想が持てるため、労働環境や業務内容を変えられます。
メリット③顧客視点での思考を習得することができる
ゼロベース思考は、消費者や顧客の立場になれるので、利用者目線で物事を考えられます。しかし、現代の日本企業の組織は、株主や経営者など様々な利害関係があるため、暗黙の了解で物事が進む場合が多いです。
そのため、利用者や顧客のニーズに応えていくには、消費者の視点で合わせなければいけません。経営危機が増加する中で、生き残るためには、一度リセットする必要があります。ゼロベース思考を持ち、新たな考えを発信する事が、生き抜いていくためには必要でしょう。
ゼロベース思考のトレーニング方法
次は、ゼロベース思考のトレーニング方法について紹介します。ゼロベース思考のやり方はとても簡単で、普段の生活から身につけられます。やり方をしっかりマスターして企業に取り入れましょう。
トレーニング方法①テーマを決めてからアイデアを書き出す
ゼロベース思考をトレーニングする際は、まず初めにテーマを決めてから考えましょう。新商品のアイディアや、テーマが決まったら、なるべく大きな紙に書くやり方がおすすめです。過去に売れた商品のイメージに左右されてしまう場合や、消費者のニーズに対応したい時などは紙に書きましょう。
トレーニング方法②シンプルに考える
ゼロベース思考をトレーニングするには、シンプルに考えると良いでしょう。初めに、今までの経験や企業内の知識をすべてメモします。そして、メモした内容を一度すべて忘れて、1から知識を蓄えるように意識します。できるだけシンプルな考えに持っていきながら紙に書いていきましょう。
すべて書き終わったら、固定概念に囚われていないかをチェックし、2枚の紙を見比べます。
トレーニング方法③「できること」を素直に考える
ゼロベース思考を取り入れる場合は、「できること」を素直に考えましょう。考えに迷ったら、自分にブレーキをかけてしまっている、「できない」と感じる理由を紙に書きます。
そして、できないと感じる理由をすべて取り除いたらどうなるのか、を素直に書きましょう。そうする事で、自分の本心が見えてきます。
トレーニング方法④自由に考える
ゼロベース思考は、誰にも囚われない自由な考え方が重要です。まずは、「こうあって欲しい」と感じる事を紙に書きます。そして、自分の立場や仕事のスキルなどを一度忘れて、何も知らない消費者の目線で自由に考えましょう。
トレーニング方法⑤初歩的な知識やスキルで考えてみる
ゼロベース思考をトレーニングする際は、初歩的な知識やスキルしか持ってない前提で考えます。すでに身につけている知識やスキルは、自分なりのこだわりがあるため、限界を勝手に決めてしまう場合があります。
ゼロベース思考を取り入れるためには、一度リセットし、スキルや知識がない人は何を求めるのかをしっかり考えましょう。また、初歩的な知識やスキルが想像しづらい場合は、自分に馴染みのない分野について考えるのがおすすめです。
ゼロベース思考を身に付ける時の注意点
ゼロベース思考は、目の前の状況や目標を冷静に分析します。そして、新しい発想や解決策を導き出します。しかし、過去の成功した体験や考え方が強く、あまり受け入れられない場合もあります。現状を変えたい場合は、比較的新しい考えを持っている社員や若手の管理職を取り入れましょう。
そして、ゼロベース思考を実践し、冷静に状況を分析して上司に提案する事が大切です。
ゼロベース思考の活用事例
次は、ゼロベース思考の活用事例について紹介します。ゼロベース思考を取り入れた営業での事例や目標設定する際の活用方法などをまとめました。
営業における活用事例
ゼロベース思考を営業で使用する場合、今現在取り組んでいる内容を一度白紙に戻す必要があります。また、営業をかける顧客や企画部、間接部門などのやり取りなど、考える事がとても多いです。そのため、管理職などの他の部門よりもゼロベース思考を取り入れやすい現場と言えるでしょう。
ゼロベース思考を採用する場合は、既存の顧客や営業方法、人材育成のやり方が「ない」状態で仮定しましょう。そうする事で、先入観や固定概念を超えた新しい発想が生まれます。
目標設定における活用事例
ゼロベース思考を目標設定に使用する場合は、「どうすればよいのか」「何のためにするのか」などを白紙の状態から考えましょう。勤務している従業員が新しく目標設定をする際に、過去の出来事や経験から考える場合が多いです。
高い目標を達成するには、未来の視点で考える必要があります。そのため、過去の成功体験や経験を一度忘れて、新しい解決策を見出すには、ゼロベース思考は欠かせません。現状を冷静に分析して、目標達成の確立を上げましょう。
ゼロベース思考の成功例
次は、ゼロベース思考の成功例について紹介します。カフェで有名なドトールコーヒーの成功事例をまとめました。さらに、アパレル業界で人気のあるユニクロの成功例も掲載しています。
成功例①株式会社ドトールコーヒー
ドトールコーヒーは、これまでの喫茶店で販売されているコーヒー価格を見直し、成功しています。通常の喫茶店で販売されているコーヒーは、1杯500円程度が主流でした。しかし、ドトールは当時から1杯150円と破格の値段で販売しており、常識から完全に外れていました。
「競合が500円なら、400円くらいで出そう」といった考え方に囚われていたら、成功しなかったかもしれません。ドトールコーヒーの創業者は、景気が悪い時代にも美味しいコーヒーを届けたい、という強い気持ちがありました。
そして、利用者に負担にならずにコーヒーを安く提供できるように、試行錯誤したと言われています。
成功例②株式会社ユニクロ
ユニクロは、ゼロベース思考を取り入れて、保湿インナーのヒートテックを販売し、成功しています。2003年に販売したヒートテックは、繊維などを製造して販売している東レ株式会社とユニクロの共同開発で生まれました。
また、2001年度に赤字になってしまった東レは、従来のものづくりから、新しいサービスへと発想を変えて、2006年ユニクロと戦略的パートナーシップを組んでいます。その結果、機能性が抜群で、おしゃれな保湿インナーが生まれました。
ゼロベース思考が学べる本
次は、ゼロベース思考が学べる本を紹介します。事例や成功例を参考にするのも良いですが、まずはしっかりと学んで、自分の中に身につけましょう。
ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング
世界で有名なコンサルティング会社「マッキンゼー・アンド・カンパニー」がもとになっている本です。こちらの会社で14年間勤務していた赤羽雄二氏が執筆し、20数年間改良されています。
頭がよくなる世界一シンプルなトレーニングは、「考える」「書く」だけで、ゼロベース思考が身に付くシンプルなやり方です。すぐに実践できるので、新入社員や初心者におすすめです。
0ベース思考
スティーヴン・レヴィット氏とスティーブン・ダブナー氏が、完全合理性に基づいて書かれたゼロベース思考の本です。身近な事例をもとに、社会の一般常識や思い込みなどを解説していきます。とても読みやすくいので、1から学びたい人におすすめです。
ゼロベース脳コーチング
ゼロベース脳コーチングは、名前の通り、ゼロベース思考をコーチングに置き換えた本です。コーチングは、近年、経営者やエグゼクティブの間で人気を集めています。そのため、固定概念や思い込みを克服する理由で、本を手に取る人が増えています。
ゼロベース思考を学ぶと、1ランク上のコーチングを実践できるでしょう。
ゼロベースランニング
ゼロベースランニングは、名前の通り、ゼロベース思考をランニングのフォームに置き換えている本です。人それぞれには、考え方のクセがあるように、ランニングのフォームにも特徴があります。
そのため、普段のランニングフォームに潜んでいる特徴を、一度リセットする必要があります。自分に合ったランニングフォームを身につけて、ストレスや疲労が溜まりにくい体にしましょう。
ゼロベース思考を鍛えよう！
ゼロベース思考を身につけると、様々なメリットがあります。 今までの成功例だけで運営してくと、経営が悪化する可能性がでてきます。 そのため、ビジネスをしていく上で生き残るためには、柔軟な発想と行動が必要です。
また、意識改革や組織の強化にも繋がるので、ビジネスで生き抜くためにも、ゼロベース思考を取り入れましょう。
