強い組織を作る為に必要なことは何か?基本原則も解説!
企業を運営するために強い組織を作ることは、企業の中でも重要な仕組みを整えるためにも必要です。そこで、なぜ強い組織を作る必要があるのか、強い組織を作るための基本原則、手法などを紹介していきます。
強い組織を作ることは、企業が常に成長していくために外すことができない仕組みです。この仕組みを理解し、構築していくことで、企業にとって重要な資源である人材を守ることや、良質なチーム作りへと繋がっていきます。強い組織を作るための仕組みを理解して、現場へ反映させていきましょう。
強い組織とは?
社員一丸となって目標達成のために動いている組織のこと
強い組織では、企業に勤めている全社員が、会社の目標・理念が理解した上で、社内における自分の役割も把握している状態でいることです。共通認識が同じであるゆえに、チームである社員たちが分裂することはありません。
更にこの状態であれば、円滑のコミュニケーションを図ることが出来るため、チームにとって最善である決断を決定・実行することができます。また、強い組織であれば、マネジメントが上手く運ぶために大きな利益を生み出すことを可能にします。
強い組織を作る目的
企業にとって強い組織を作りを目指すことは、企業の規模に関係なく必要なことです。強い組織を作ることは、組織の構造、人事システム、文化を構築していことに繋がります。
この3つを構築すことで、企業内で働く人材がチームとなって循環し、動いていきます。その結果、企業が目標達成のために定めた指針に向けて、全ての社員が効率的に動くことが可能になり強い組織になる重要な仕組みです。
強い組織作りによって得られる効果
企業は、半永久的に存続できる企業であり続けることが目標の一つです。この目標を達成するために、何をするべきか検討を行い、業務や業績に対して目標数値を定めます。
なおかつ、強い組織を作ることは、内外における時代の流れに変化が生じても、組織作りで構築された仕組みがあることで、素早く対応し、更に強い組織へと作り変えていくことができます。
強い組織作りの基本原則
専門化の原則
強い組織を作るには、基本原則に基づき運営していくことが重要です。まず、一つ目の原則として挙げられるのが、専門家の原則です。決められた業務を分業・特化させ専門的に扱うことで、社員のスキルアップ・効率を高めることができます。
専門家の原則は、個人の役割・目的が明確に伝わるため、社員の責任意識が高まり、結果的に成果を高めようと業務に取り組みます。強い組織を作るためには外せない原則です。
権限責任一致の原則
強い組織作りにおいて、権限責任一致の原則というものがあります。この原則は、与えられた権限に対する責任の重さを同一である、という考えをベースとして、組織の体制を整えることです。
与えられた権限に対し責任が重すぎると、期待値が高いことや難しい業務であることが明白なために、社員やチームのモチベーションが低下する可能性が高くなります。
他にも、権限を必要以上に与えたことで、上司や管理者がその権限に対して過大な結果を求めてしまう結果になり、チーム内が腐敗してしまうケースも少なくありません。強い組織にするためにも、与える権限と重さはバランスよく合わせていきましょう。
統制範囲の原則
統制範囲の原則は、通称「スパンオブコントロール」と呼ばれています。こちらも強い組織作りに必要なもので、管理者が、チーム内の社員を統制しやすくするために、人数をコントロールすることを指します。
管理者が管理できる社員の人数をオーバーしてしまうと、誰が何の業務を遂行しているかが把握でできません。その結果、業務の遅れ、ミスの発生など、トラブルが起こる危険性が高くなります。
そういった事態を避けるためにも、管理者や下に就く社員の力量を考えてコントロールしましょう。業務に支障が出ない範囲での階層管理体制を整えてる仕組みも強い組織を作りに大切です。
令統一性の原則
強い組織を作るには、誰が命令を出していくのか整えていく必要があります。そのため、命令統一性の原則では、命令を出す担当者を統一するという方法です。一つの仕事に対して、チームを編成し、その作業内容によって業務を細分化させて業務にあたります。
そういったチーム編成において、それぞれの業務担当者が異なる指示を下すと、現場に混乱が生じてしまいます。そういった混乱は、時間のロスに繋がり、生産性も低下してしまうので、指示を出す担当者は統一させておくことが大切です。
権限委譲の原則
強い組織を作るためには、権限委譲の原則というのもあります。この原則は、チーム内において自分が担当する仕事を相手に委ねることを意味しています。上司から部下に対して仕事を割り振る際、達成目標や内容をしっかりと説明してから仕事を任せてみましょう。
また、仕事を相手に任せる場合、しっかりと業務に対しての内容や目的を説明し、任せたからには執拗に干渉せずに相手の裁量に委ねるように意識を持つようことも大切です。
強い組織を作る為に必要なこと
企業理念の浸透
ここからは、強い組織作りのために必要なことを紹介していきます。企業において、社風・風土など組織の文化を社内に根付かせることは、強い組織を作る基盤となります。そのためには、企業が会社を設立した際に掲げた企業理念を浸透させ、全社員が同じビジョンを持っていましょう。
企業理念を浸透させることで、企業が目指す方向性、目的、社員一人一人が持つべき視点をしっかりと認識してもらうことができます。企業理念を認識してもらうことで、社員自身がどんな役目を果たすべきかを理解してもらため、高品質なパフォーマンスが期待できます。
組織目標の共有
企業理念を認識した後に、必要なのが組織の目標を共有していくことです。こちらも、強い組織作りには欠かせない事項です。企業理念は、社長の思いなどが込められている用語的なものが多いため、業務にそのまま反映させて行動に移すことが難しい場合も少なくありません。
その為にも、1年後・半年後・1ヶ月後など期間を設けて企業の目標を定めていき、それに並行して社員一人一人の目標も明確にさせていきましょう。目標が明確になったことで、社員は何をすべきかがはっきりと見えてくるため、自分の担当における業務遂行がしやすくなります。
組織を引っ張るリーダーシップ
強い組織を作るために外せないのが、組織を引っ張ることができるリーダーシップを持った人材です。リーダーシップを持った強い組織は、社員のモチベーションが高くなり刺激し合いながら成長していくことができます。
他にも、人事や経営側からの働きかけで動く社員だけでなく、自ら動いていく社員が増えることで、質の高いパフォーマンスに繋がります。その結果、企業は高い業績を得ることができるでしょう。
円滑な業務進行に繋がるチームワーク
強い組織作りには、円滑に業務を進めるためにも質の高いチームワークが必須です。社員同士が団結することで、お互いをフォローしながら業務を進めていくようなチームは、質の高い業務遂行に繋がります。
更に、良好なチームワークのある強い組織は、働くうえでも仕事にやりがいが感じやすく、仕事の満足度も高くなります。このように、企業の目標達成におけるよい組織作りというだけでなく、人事面においても良い結果となるでしょう。
事業戦略と人事評価の連動
強い組織を作るために、様々な仕組みで構築したとしても、経営陣がしっかりと事業戦略を練った上で業務を遂行しなければ、よい結果は生まれません。
また、強い組織を作るだけでなく、維持していくことも大切です。そのためには、社員のモチベーションを下げないためにも、万人が納得できる人事評価を行わなくてはいけません。
事業戦略・人事評価を連動させながら、しっかりと整備することも、強い組織作りには欠かせない基盤の一つとなっています。
自社に合った人材育成
強い組織を作るには、人材育成が欠かせません。社員の個性を強みにできるような人材育成が求められます。その際、個人一人一人にあわせて人材育成を行うだけでなく、自社において何をしたいのか、自分自身の強みを知り会社にどう生かせるのかを、研修や座学などを通じて教育していきましょう。
強い組織を作る為の施策
施策①理念や行動規範のガイドライン化
強い組織を作るための施策を紹介していきます。まず一つ目は、理念や行動規範をガイドライン化させることです。企業に勤めるなかで、社員は理念や行動規範を念頭に置いて業務に従事していく必要があります。そのためにも、理念・行動規範について一目でわかるように明文化しておきましょう。
ガイドライン化する必要性としては、新入社員や中途入社の社員にわかりやすいこと、復習が可能であること、再現性が高いことの3点です。覚えやすいだけでなく、いつでも思い出せる、誤ることなく全社員に伝えることを可能になります。
施策②全社ミーティングの活用
強い組織を作るには、理念・行動規範の浸透を狙った全社ミーティングです。理念・行動規範は、文字で明文化されただけでは完全に理解するのは難しいでしょう。そのため、企業における経営理念をしっかりと理解している人物が社員にその意図を伝える場が必要です。
そこで、活用しやすいのが全社ミーティングです。ミーティング内では、社内の生い立ちや歴史にも精通している経営陣側の社員が、企業理念・行動規範をしっかり説明することで、全社員にその意図・意味をしっかりと理解してもらうことができます。
全社ミーティングを定期的に行うことで、より確実にその意図を伝え、強い組織作りに反映させることができるでしょう。
施策③コミュニケーションの習慣化
コミュニケーションを慣習化させることも、強い組織を作る施策として有効です。企業理念・行動規範をしっかりと伝えることで、意識を共有していくことは大切です。また、それと同時に、現場で働く社員の目線に立ったコミュニケーションをとることも強い組織にとっては重要です。
常に、現場の社員目線に立って、理解してもらえるようにコミュニケーションを図りましょう。例えば、チームのリーダーがメンバーに対してて定期的に、1on1でミーティングを行ってみてもいいでしょう。業務を振り返り、目標数値を共有することで、チームワークも生まれます。
施策④人事評価制度の見直し
強い組織を作るためには、人事にも注意を払わなくてはいけません。そのためにも、適正な評価ができるように人事評価制度を見直してきましょう。強い組織を作るための仕組み作りに力を注いていても、納得できる人事評価でなければ、社員のモチベーションは下がる可能性が高いです。
評価の理由や背景が明確であるかを確認したうえで、見直しを行いましょう。他にも、評価を行う時期・回数や、業務の結果だけでなくプロセスも評価しているか、などを見直していこともポイントの一つです。
施策⑤充実したスキルアップ支援プログラムの策定
強い組織作りには、人材育成も外せません。社員のスキルが高くなれば、成果も自然と高くなります。そのためにも、スキルアップ支援プログラムを策定してみましょう。
資格取得支援や研修制度など業務に必要な制度を選択して個々の能力を伸ばしていきましょう。また、社員が適正なプログラムに参加できるように、管理者は日頃から社員とコミュニケーションを図って、悩みや目標を整理しておくことも強い組織作りには大切です。
強い組織作りに役立つ書籍
企業文化 ダイバーシティと文化の仕組み
強い組織作りを実践してみたいと考える際、参考にするのにおすすめの書籍を紹介します。まず、組織文化について知識を深めていきたい人におすすめするのが、組織文化論の第一人者である、エドガー・H・シャインが書いた「企業文化 ダイバーシティーと文化の仕組み」です。
2016年に出版されたこちらの本は、昨今の企業におけるグローバル化やIT活用などの進展によって生まれた課題に対しても掘り下げて論じられています。昨今のビジネス実務に活用しやすい一冊です。
組織デザイン
強い組織を作る際、組織の構造についてより知識を深めたいと思う人もいるでしょう。組織構造を知ることは、生産性が高い組織に共通する仕組みを理解することにも繋がっていきます。そこでおすすめするのが、沼上幹が書いた「組織デザイン」です。
組織デザインの原則を理解し、企業内の問題点を抽出、業務をどのように分業・調整していくかに注目して解説されています。組織デザインに関する基礎知識が体系的にまとめられた一冊です。
日本の人事システム その伝統と革新
日本と海外では人事システムが異なるため、海外の強い組織作りに関する著書を読んでも上手く反映できるか不安になるかもしれません。そんなときにおすすめするのが、「日本の人事システム その伝統と革新」です。
こちらの本では、日本の組織に特化した内容となっており、人事部に関する組織文化、思想、メカニズムなどについても詳しく書かれています。人事システムにおける変化や今後の方向性についても書かれていますので、日本のシステムをしっかりと理解したい人におすすめです。
強い組織を作る為に必要なことを覚えておこう!
企業が目指す将来像や事業計画における目標を達成するために、強い組織を作りることは外せない仕組みの一つです。強い組織を作ることは、企業を成長させるだけでなく、半永久的に持続させていく目的も達成する可能性をひめています。
また、企業の財産の一つである、優秀な人材を手放さない、新たな良い人材を手に入れることができる有効な手段としても活用できるため、現場の仕組みとしてしっかりと構築していかなくてはいけません。今回、紹介したような基本原則などを覚えてしっかりと強い組織作りへ反映させていきましょう。