テレワークやリモートワークのコミュニケーション不足問題
テレワークやリモートワークが推奨され、さまざまな企業でテレワークやリモートワークが導入されています。働きやすい環境で生産性が上がることや、通勤の負担が減るというメリットが挙げられます。
しかし、テレワークやリモートワークを導入した企業からは、コミュニケーション不足が問題視されています。
本記事では、テレワークやリモートワークのコミュニケーション不足の原因や課題、コミュニケーション不足の対策方法を紹介します。コミュニケーションを促すコツも解説しているので、参考にしてください。
テレワークやリモートワークのコミュニケーション不足の原因
原因①仕事に関する連絡のみになってしまう
テレワークやリモートワークを導入した際に、社員同士のコミュニケーションで利用されるチャットツール。チャットツールでのやり取りは、仕事関連の連絡ばかりになりがち。文字でやりとりするチャットツールは、無駄を省きたいと思う人が多いため、チャットツールでの雑談を避ける人が多いです。
また、文字でのやりとりは相手の感情が分かりにくく、コミュニケーションが取りづらいという問題も。チャットツールでの連絡は、ストレスに感じる人も多く、さらにコミュニケーション不足になります。仕事のみの連絡にならないように、雑談を入れるなど、場を和ませる工夫も必要です。
原因②ツールが上手く使いこなせていない
若い世代はSNSを頻繁に使用していることもあり、チャットツールも上手く使える人が多い傾向にあります。しかし、チャットツールに慣れていない世代は、絵文字を使うチャットツールでのやりとりや、挨拶の省略に不快感を感じることも。
SNSやチャットツールの使い方や方法は使いこなせているものの、目上の人にチャットツールでコミュニケーションを取ることに抵抗を持つ人も少なくありません。ツールがうまく使いこなせないことで、さらにコミュニケーション不足問題が深刻化しています。
原因③オンラインの特性を理解できていない
オンラインコミュニケーションには、同期型と非同期型といった、それぞれの特性があります。同期生とは相手に速い反応を求めます。一方、非同期型のオンラインコミュニケーションは、相手にすぐに反応を求めません。
チャットツールでのやりとりは、早く反応しなければならないという責任感を感じている人も。やりとりの内容が速効性を求めているのか、しっかりと解釈する必要があります。相手から連絡がこないと不信感を抱いたり、不安に感じたりすることで、コミュニケーション不足が生じていきます。
テレワークやリモートワークのコミュニケーション不足の課題
課題①認識違いが起こりやすい
テレワークやリモートワークで利用されているチャットツールは、文字だけのやりとりがほとんど。もちろん、絵文字や顔文字は使用できますが、上司や目上の人には使用しにくいと考える人も多いでしょう。
文字でのやりとりは、言い回しや相手の解釈の仕方によって、認識に齟齬が生じることも。齟齬が生じた場合、また文字で誤解を解こうとするため、さらに状況が深刻化します。認識の違いが起こらないように、やりとりの仕方には工夫が必要です。
課題②タイムラグが生じやすい
チャットツールは、離席中や別の案件に集中している間は気づかないことも。このようなタイムラグが、致命的なミスにつながることもあります。重要な案件や早急に返信が必要な場合は、チャットツールではなく、電話などがおすすめ。
チャットツールで内容が伝わりにくい場合は、電話で補足説明するのがベスト。テレワークやリモートワークを円滑に進めるためには、タイムラグが生じないような仕組みづくりや工夫を考えましょう。
課題③仕事に対する評価が難しい
テレワークやリモートワークは、部下の仕事に対する評価が難しいというデメリットも。テレワークやリモートワーク導入前は、部下の仕事への取り組みを身近で見て、評価を行うことができました。
テレワークやリモートワークが導入されたことにより、業務に対するプロセスなどが見えないため、成果物のみを評価しなければなりません。
ツールを使ってコミュニケーションを取りながら業務を行った場合でも、詳細なプロセスは確認できないことが多いでしょう。プロセスを確認できるようなツールを取り入れるなどし、成果物以外も評価できる工夫が必要です。
課題④精神的なケアが難しい
社員のメンタルケアが難しいのも、デメリットのひとつ。通常のオフィス勤務に比べると、約7割以上がテレワークやリモートワークでのメンタルケアが難しいと回答しました。
テレワークやリモートワークは、コミュニケーション不足によって孤立し、孤独感が生まれてしまうことも。また、外出も制限され、オンとオフの切り替えも難しくなります。社員のメンタルケアを担当している人にも、コミュニケーション不足により、負担がかかってしまいます。
テレワークやリモートワークのコミュニケーション不足解消法
解消法①自分から積極的に情報を発信する
コミュニケーション不足を解消するには、自分から積極的に情報を発信することが重要。どんな些細なことでも、こまめに連絡を入れることで、意思疎通がしやすくなることも。自分の考えを察してもらうことや、相手の表情から考えを読み取ることができないため、自ら情報共有を行う必要があります。
解消法②雑談を意識的に増やす
コミュニケーションが不足しがちなリモートワークでは、雑談を意識して増やすことが大切。目上の人や上司とやりとりする時、雑談をしていはいけないと考えている人がほとんど。意識的に雑談を増やすことで、部下の考えや悩みにもいち早く気づくことができます。
仕事の連絡をするチャットに雑談を挟むことに抵抗がある人は、雑談専用のチャットやチャンネルを用意するなど、工夫も大切。雑談専用のチャンネルを設けることで、上司や部下関係なく気軽に連絡がとれるでしょう。
解消法③絵文字や顔文字を活用する
チャットツールでのやりとりは、文字や句読点だけでは、内容や感情が伝わりにくいことも。単調な文章は、威圧感を与えてしまうことも考えられます。絵文字や顔文字をうまく活用することで、文章のニュアンスや感情が伝えやすくなります。
絵文字や顔文字を使用する際は、使い過ぎには注意が必要。絵文字や顔文字を多く使用することで、文章が読みにくくなることも考えられます。絵文字や顔文字を使用する時は、無暗に使い過ぎないようにしましょう。
解消法④稼働状況を全員で共有する
同じ空間で仕事していないため、他の人の仕事の進捗状況を把握できません。仕事をスムーズに行うために、メンバー間で、稼働状況を共有できるようにする工夫が必要。現在の業務内容や進捗状況、課題は全員に共有しておきましょう。
解消法⑤オンライン会議を上手く活用する
オンライン会議を活用することで、コミュニケーションをとりやすくなります。オンライン会議では、誰かが一方的に話すだけでなく、全員でコミュニケーションをとりながら行うのがベスト。
オンライン会議でコミュニケーションを促すには、いくつかのコツがあります。1つ目のコツは、ビデオで参加し表情を見えるようにすること。2つ目のコツは、いつもより大きなリアクションを心掛けることです。コツを掴んで、積極的にコミュニケーションを図るように、心がけましょう。
ビデオ会議で、各自が大きな声で大きなリアクションを取ることで、実際に顔を合わせて会議をしているような感覚になり、コミュニケーション不足解消につながります。オンライン会議を行う時も、全員が発言できるように工夫してください。
解消法⑥メッセージをこまめに確認する
返信がこないと不安に感じる人も多いため、メッセージはこまめに確認しておきましょう。チャットツールを見逃していて、大きなミスにつながってしまうことも。すぐに返信できない場合は、あらかじめ連絡できない時間を共有しておくことを、おすすめします。
解消法⑦使用するツールを統一しておく
テレワークやリモートワークを導入する時は、使用するツールを統一しておくとベスト。ツールを使いこなせない人もいるため、すべての人が使いやすいと感じるコミュニケーションツールを導入する必要があります。
最初は難しいと感じるツールでも、使い方のコツをつかめば簡単。使い方が分からないときは、教え合えるようにツールに詳しい人を用意しておきましょう。
解消法⑧ツールを使用する時のルールを決めておく
ツールを使用する時は、連絡は業務時間内に行うといった、簡単なルールを決めておきましょう。業務時間外に連絡がくると、仕事とプライベートを分けにくいという声も。また、業務時間外に連絡をとることで、情報量に違いが生じ、仕事のミスにもつながります。
テレワークやリモートワークのコミュニケーション不足に注意!
テレワークやリモートワークのコミュニケーション不足の原因や課題を紹介しました。文字でのやり取りが多いテレワークは、相手の表情が読み取れず、意思疎通が困難。また、コミュニケーション不足によって、社員のメンタルが不安定になりがちです。
テレワークやリモートワークを導入する時は、仕事の進捗状況だけでなく、コミュニケーション不足にも注意しておきましょう!