ワークエンゲージメントとは?意味や高める方法もリサーチ!

ワークエンゲージメントとは?意味や高める方法もリサーチ!

ワークエンゲージメントの意味や高める方法を紹介!

ワークエンゲージメントとは、従業員が仕事に対してボジティブかつ充実していることを表現した言葉であり、心理状態を示す概念の一つです。ワークエンゲージメントの取り組みは、今までのメンタルヘルス対策よりも多くのメリットをもたらします。

この記事では、ワークエンゲージメントの言葉の意味やワークエンゲージメントを高める方法、ワークエンゲージメントを向上させるメリットなどを紹介します。

ワークエンゲージメントとは?

ワークエンゲージメントの言葉の意味

ワークエンゲージメントの意味とは、従業員と会社の間に構築される「愛着心」や「思い入れ」であり、仕事に対してボジティブかつ充実している心理状態を示します。この言葉の意味は、燃え尽き症候群(バーンアウト)の研究で有名なオランダのユトレヒト大学のウィルマー・B・シャウフェリ教授によって定義されました。

ワークエンゲージメントにおける3つの要素

ワークエンゲージメントは、「熱意」「没頭」「活力」の3つの要素が満たされている心理状態のことを意味します。「熱意」とは、自身のスキルや仕事内容に対するやりがいや強い思い入れであり、熱意が高まるほど仕事への探求心が向上します。

「没頭」とは、熱中して仕事に取り組んでいる状態を指し、仕事に没頭しているほど、人為的なミスが減少したり、作業速度や効率が飛躍的に向上します。「活力」とは、仕事に対して積極的に取り組むエネルギーのことを指し、活力を高めると、仕事へのストレスを感じにくくなり、生き生きと仕事を楽しむことができます。

ワーカホリズムとの違い

ワークエンゲージメントとワーカホリズムとの違いは、仕事に対する態度に大きな違いがあります。「ワーカホリズム」は活動水準の面では高いですが、仕事への態度にネガティブな傾向がある状態のことを意味しているので、「仕事が楽しい」というボジティブな態度で仕事に取り組む姿勢が見られません。

ワークエンゲージメントを向上させるメリット

メリット①組織の活性化に繋がる

ワークエンゲージメントが高まった従業員は、自信に満ちあふれており、パフォーマンスが最大化されます。それによって、従業員の生産性が向上し、結果として、組織の活性化に繋がります。

こうして組織の力が底上げされると、これまで達成が不可能とされてきた課題を解決することも現実味を帯びてくるでしょう。社員個人だけではなく組織の可能性も広がることにより、組織がさらに活性化していきます。

メリット②人材が育ちやすい組織風土の構築に繋がる

ワークエンゲージメントを向上させることは、人材が育ちやすい組織風土の構築に繋がります。「熱意」「没頭」「活力」を持った従業員は非常に魅力的であり、増えれば増えるほど他の従業員にもよい刺激となります。

また、刺激を受けた従業員もまたワークエンゲージメントを高めていきます。「刺激が刺激を生み出す」という最高の循環が構築され、意欲的な人材の育ちやすい組織として定着するでしょう。

メリット③メンタルヘルス対策になる

ワークエンゲージメントを向上することは、社会問題として話題になっている職場でのメンタルヘルスの対策にも繋がります。多くに会社は、組織内で発生するストレスマネジメントの取り組みについて課題を抱えています。

メンタルヘルス対策の取り組みとして多いのは、ストレスチェックによる早期発見や、発生してしまったストレス要因の対応です。ただし、この取り組みはストレスが発生することが前提となっている対処方法でしかありません。

しかし、ワークエンゲージメントを向上によって得られるストレス対策は予防的効果が含まれます。よって、戦略的にストレスに強い組織を構築することができます。

メリット④顧客満足度が向上する

ワークエンゲージメントを高めることによって、従業員が仕事に熱意を持って力を注ぐことができ、間接的に顧客満足度も高めることができます。

実際に、自社で扱う製品やサービスの価値に自信を持って商品を説明する営業担当ならば、顧客はその人や会社に対して安心感を抱いて信頼度を高めることができるでしょう。また、熱意を持った従業員が作った商品の質は高く、顧客に対して大きな感動を抱かせることができます。

ワークエンゲージメントの測定方法

測定方法①MBI-GS

まず、ワークエンゲージメントの測定方法として、MBI-GS(Maslach Burnout Inventory-General Survey)が挙げられます。この測定方法は、ワークエンゲージメントを測定するものではなく、対概念であるバーンアウトを測定をします。なので、MBI-GSで得た結果が低ければワークエンゲージメントが高いと判断します。

MBI-GSは、「疲労感」「シニシズム」「職務効力感」という3項目があり、計16項目の質問で構成されています。そして、その質問に対して得た回答を測定結果として得るというものです。

測定方法②OLBI

OLBI(Oldenburg Burnout Inventory)とは、MBI-GSと同様に、バーンアウトを測定することでワークエンゲージメントの測定を行う方法です。「疲弊」「離脱」というネガティブな2因子で質問内容を構成しています。OLBIの測定結果が低いほど、ワークエンゲージメントが高いという結果になります。

測定方法③UWES

ワークエンゲージメントを測定する方法は、UWES(Utrecht Work Engagement Scale)が最も一般的であり、高い安定性を持っています。UWESはワークエンゲージメントを構成する3要素の「活力」「熱意」「没頭」に関する17問の質問に答えるだけの簡単な測定方法です。

日本は他の国に比べて、このUWESの値が低い傾向にあります。ただ、「集団の調和」を重視する文化のある日本では、「熱意」「没頭」「活力」が内在されている従業員であっても、ポジティブな感情として仕事に取り組みことを控えている可能性があります。

ワークエンゲージメントを高める方法【個人資源】

自己効力感(セルフエフィカシー)を高める

自己効力感(セルフエフィカシー)とは、人が行動や成果を求められる状況下において、「自分は必要な行動をとることで結果を出せる」と考えられる力を意味します。この自己効力感を高めることで、新しいことに積極的に挑戦したり、簡単に諦めなかったり、前向きな発言が増えます。

この自己効力感が自信を生み出すことで、積極的に仕事に関わりを持つことができるようになり、ワークエンゲージメントを高めることができます。

ポジティブ思考を身に付ける

ポジティブ思考を身に付けると、落ち込んでしまうような失敗をしてしまっても、行動し続けられたり、挑戦し続けたりできるようになります。また、失敗による不安感を取り除いてくれますし、失敗から多くの改善点を発見し、成長の糧としてくれます。ポジティブ思考によって、日々の業務に熱意を持って取り組みすることができるでしょう。

物事の手本や模範となる成功モデルを設定する

会社内に物事の手本や模範となるロールモデルを設定することで、ワークエンゲージメントを高めることができるでしょう。実際に職場内で成功モデルを設定することによって、優れたスキルや仕事に対する熱意や活力を学ぶことができます。

また、目標となる人物を設定すれば、自分との差異が明確になって、改善すべき要素が洗い出せます。それによって、自分の現状を客観的に把握することができ、「自分が何を学ぶべきか」を明確に持って仕事に望むことができます。

ワークエンゲージメントを高める方法【仕事資源】

外部影響による動機付けをする

まずは、外部影響による動機付けをすることがワークエンゲージメントを高める最適な方法です。外部影響による動機付けとは、報酬や評価、罰則といった、外部からの働きかけによる動機付けを意味する言葉です。

具体的な会社組織が行う動機づけとして、仕事に没頭できる職場環境を構築する取り組みを行うことや、上司や先輩からの一方的サポートではなく、従業員同士がお互いにサポートし合える環境を構築する取り組みを行うこと、従業員のパフォーマンスを正しく評価できる人事評価制度を用意することなどが挙げられます。

性格や考え方に合った成長機会を与える

ワークエンゲージメントを高める方法として、従業員の性格や考え方に合った成長機会を与えることも重要です。性格や考え方に合った仕事をすることによって、ストレスの負荷が少なく、スキルをより効率的に学べるので、自己効力感を高めることができます。

具体的な成長機会として、外部の研修やセミナーへ参加、eラーニングなどの学習機会の提供、裁量権などの権限を与えることなどが挙げられます。

ポジティブフィードバックを意識的にする

ポジティブフィードバックとは、評価の対象者の言動に対してポジティブなフィードバックを行うことによって、個人と組織の両方にとって理想的な関係へと導く人材育成テクニックを意味します。ポジティブフィードバックの評価者は、作業した結果を褒めたり、改善点を見つけ出し前向きな言葉で指摘してあげます。

このポジティブ・フィードバックは対象者から尊敬を得ている人物が行うほど効果が高い傾向があります。そのため、成功モデルに設定されている人物や経営者などが積極的に評価に参加するのがよいでしょう。

ワークエンゲージメントを高めて積極的に仕事と向き合おう!

ワークエンゲージメントは、「熱意」「没頭」「活力」が満たされている心理状態を指します。ワークエンゲージメントが高まれば、従業員一人ひとりの生産性も大きく向上するだけでなく、独創的な発想などが生まれるかもしれません。

ワークエンゲージメントを測定する方法には、いくつかの方法があります。それぞれの会社に合った測定方法を選び、実際に実行に移してみましょう。

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