チームビルディングの意味や手法などを詳しく解説!
難易度の高い目標に立ち向かうためには、個々のスキルや能力を最大限に生かして仕事を行う必要があります。このようば場面で重要な取り組みが、チームビルディング。チームビルディングは、個人のスキルを発揮しながら目標達成を目指します。
本記事ではチームビルディングの意味と目的、メリットやデメリットをまとめています。チームビルディングにおすすめの手法も解説しているので、チームビルディングという取り組みをしたい人は参考にしてください。
チームビルディングの意味と目的
チームビルディングの言葉の意味
チームビルディングとは、個人のスキルや能力を最大限に発揮し、高度な目標達成を目指す取り組みです。チームビルディングという言葉は、直訳するとチームを構成するという意味。ただ優秀な人材を集めるだけでなく、目標達成に必要な能力やスキルを持った人で、チームを構成することが重要です。
チームビルディングという言葉と同様の意味で使用されがちなチームワーク。チームワークとは、メンバー同士が成長しながら目標達成を目指します。
チームビルディングは、すでに持ち合わせたスキルや能力で、目標達成を目指すため、リスクを伴う場合があります。同じような意味で使用されがちですが、内容が異なるため、注意が必要です。
目的①主体性を身に付ける
新入社員や若手社員の研修の中で、主体性を身に付けるという目的でも、チームビルディングという取り組みが行われます。チームビルディングにおいて、メンバーとのコミュニケーションや仕事に取り組む姿勢は重要視されます。チームビルディングは社会人としての基本を体感できます。
チームビルディングは最後まで仕事をやり遂げるという責任感を感じさせるためにもおすすめ。社会人としての基本や主体性をチームビルディングを通して教えていくことが大切です。
目的②リーダースキルや変革力の育成
チームビルディングは、リーダースキルや変革力の育成という目的でも有効な取り組みのひとつ。3年目以降の中堅社員は、上司や部下の間でコミュニケーションをとり、チームをまとめる重大なポジションになります。
将来的にはプロジェクトのリーダーとなり活躍する機会が多くなる中堅社員にチームビルディングという取り組みを促すことで、リーダースキルや変革力の育成につながります。
目的③目標達成に向けての体制作り
管理職は部下のマネジメントや、仕事を行う体制づくりを行う立場。会社のトップでもある経営者や役員の意思を、部下に伝達し目標達成を促す重要なポジションになります。
将来は役員になり、会社の経営について議論する立場になることも考慮し、この層には目標に向けての体制作りを目的とし、チームビルディングを行います。
目的④ビジョンの共有と牽引
組織のトップに位置する経営者や役員は、会社の経営や社員へのマネジメントを行う立場。役員や経営者へのチームビルディングでは、経営ビジョンの共有や牽引が目的とされています。
チームビルディングの主なメリット
メリット①コミュニケーションの活性化
チームビルディングは、チームのメンバー同じ目標を達成するために活動するため、チーム全体が活気づきます。目標達成に向けて、メンバー間で会話が必要。積極的にメンバー間で会話することで、コミュニケーションの活性化が期待できます。
上司と部下の間では、報告や連絡、相談が随時行われます。また、メンバーのスキルや能力を理解しておくことで、相談しやすくなるといった効果も期待できるでしょう。
メリット②モチベーションの向上
チームビルディングを成功させるには、メンバーの1人1人のモチベーションが高い状態であることが必須。チームビルディングという取り組みを行うことで、チーム全体に一体感が生まれます。チームに貢献したい、チームのために何かしたいといった承認欲求がうまれることも。
チームビルディングはモチベーションの向上だけでなく、モチベーションをアップさせることで生産性や品質を向上させるメリットもあります。
メリット③新しいアイデアの誕生
新しいアイデアが誕生するのも、チームビルディングのメリットのひとつ。チームビルディングでは、いろいろなスキルや能力を持ったメンバーが集まります。チームビルディングの中で、お互いの意見をぶつけ合うことで、新たなアイデアがうまれることも。
いろいろな意見を聞くことで、今までにない発想があり、想像力を養うことも可能。今まで1人では、考えられたかったようなことが思いつくため、今後さらに仕事の幅が広がる効果も期待されます。
チームビルディングにおける5つのプロセス
チームビルディングを効果的に行うには、5つのプロセスが重要。タックマンモデルと呼ばれている、チームビルディングにおける5つのプロセスを紹介します。
プロセス①形成期
チームが発足して、すぐの時期を指す形成期。形成期の段階では、メンバー同士のコミュニケーションも少ないため、相互理解もなく、目標も定まっていない状態。
メンバーによっては、積極的にコミュニケーションをはかろうとするものもいるが、お互い遠慮しがちです。形成期の次の段階では、メンバーの相互理解を得るために、コミュニケーションをとる必要があります。
プロセス②混乱期
メンバー間の相互理解も深まるが、メンバー間で対立が起こりやすい混乱期。チームが発足して、時間が経つとメンバー間で性格の不一致や考え方の違いで対立が起こり、混乱しやすくなります。
次の段階では、対立を抑えるためのディスカッションを行い、お互いの考えを認め合うことが必要となります。
プロセス③統一期
メンバー同士の考え方や価値観を理解しはじめた、統一期。チームの安定感を感じられる時期で、チームの目標やメンバーの役割が明確になる時期でもあります。団結力が感じられるのも、この統一期がほとんど。
次の4段階目では、メンバーのスキルや能力に合わせた役割分担を行い、メンバー全員が納得できるような、目標設定が必要になります。
プロセス④機能期
メンバーが与えられた仕事や役割を果たし、フォロー体制まで整った環境ができるあがる、機能期。メンバー全員が同じ目標達成に向けて、能動的に動きます。機能期は同じ目標に向けて、進んでいく時期でもあるため、チームの団結力はこの時期が一番高いとされています。
機能期は目標に対する成果が生まれる時期でもあるため、仕事へのパフォーマンスも向上します。チームのパフォーマンスを維持するために、リーダーはメンバーのフォローをしっかりと行う必要があります。
プロセス⑤散会期
目標達成し、メンバーが次の仕事に向けて移動をはじめる散会期。チームでの活動を振り返り、解散を惜しむメンバーも。メンバー間で解散を惜しんだり、お互いを賞賛しあうような景色が見られた場合、チームビルディングが成功したと考えても良いでしょう。
閑散期はプロジェクトが終了して、ホッと一息つける時期でもあります。仕事に一区切りつくことで、次の仕事にも新たな気分で臨めるため、今後の仕事へのパフォーマンも向上します。
チームビルディングにおすすめの手法
手法①ゲームを実施する
メンバーが招集され、チームが発足したばかりの形成期は、まだ緊張しているメンバーも多いです。チームビルディングでは、効率よく成果を上げるためにも、メンバーの緊張は早めに解いてあげることがベスト。
緊張している人が多い場合、全員が楽しく参加できるゲームがおすすめ。ただ楽しいだけのゲームではなく、メンバー間のコミュニケーションを促す効果のあるゲームや、戦略的な思考を養う効果のあるゲームを実施しましょう。
マシュマロチャレンジ
マシュマロチャレンジとは、制限時間内に高くマシュマロを積み上げた人が勝ちとなるゲーム。マシュマロチャレンジに必要な準備物は、マシュマロと乾麺のパスタ、テープと紐のみです。メンバー間で相談しながら、自立可能なタワーを作り上げていきます。
マシュマロチャレンジは、協力しなければ勝てない仕組みとなっており、メンバー間にも共有の目的が生まれます。そのため、チームビルディングで行うワークとしては、最も効果的と言われています。
脱出ゲーム
脱出ゲームとは、チームで謎解きしながら、制限時間内に会場から脱出するゲーム。謎を解くためには、メンバー間のコミュニケーションや情報共有は必須。コミュニケーションも促す効果もあるため、チームビルディングのワークとしておすすめです。
十人十色ゲーム
少ない準備物で手軽に実施できる、十人十色ゲーム。十人十色ゲームは、他人の好みを予想するゲームです。このゲームで勝つためには、相手の好みや考え方をしっかりと理解する必要があります。十人十色ゲームは、自分の好みと他人の好みは異なるということを理解する目的でも実施されます。
手法②チーム全員で体を動かす
目標達成するためには、チームが一致団結することが必要不可欠。チームを一致団結させたい場合は、スポーツや野外アクティビティなどで体を動かすことが効果的です。一緒にスポーツすることで、コミュニケーションの活性化も期待できます。
手法③イベントを開催する
チーム内のコミュニケーションを促すためにも、イベントの開催も効果的。メンバーのプライベートな場面を知っておくことで、コミュニケーションがとりやすくなり、会話も増えます。全員が楽しめるようなバーベキューや旅を企画するのもおすすめ。
仕事以外の場所で親睦を深めることで、関係性も強化されます。よりよいチーム作りをするためにも、イベントを実施し、プライベートでも交流を深めていきましょう。
手法④ワークショップを実施する
自主的な行動が必要となる、ワークショップもおすすめ。ワークショップを実施することで、メンバー間で議論が繰り返されます。繰り返し議論を行い、成果を出すという経験はチームビルディングにも役立ちます。
手法⑤日常業務の中で交流の機会を設ける
チームビルディングのために、時間を設けるのが厳しいという場合は、日常生活の中でコミュニケーションをとる時間を設ける必要があります。お互いの意見を尊重したり、情報共有を徹底することで、チームビルディングの成功につながります。
チームビルディングを行う時の注意点
注意点①目標設定を強制しない
目標設定を強制してしまうと、仕事をやらされていると感じるメンバーや、仕事への責任感で精神的に疲れてしまうメンバーが出ることも。強制的な目標に対して、不満や疲れを感じてしまうと、チームの仕事へのパフォーマンスも低下します。
チームビルディングの効果を存分に発揮するためには、メンバーにヒアリングを行いながら目標設定することが大切。ヒアリングを行うことで、実現可能な目標設定が可能になります。
注意点②メンバーのスキルや関係性などを考慮する
チームの人数が多ければ、仕事のパフォーマンスが向上し、収益につながるわけではありません。メンバーのスキルや関係性を考慮したチーム編成も大切です。メンバーのスキルや関係性を考慮せずに配置した場合、パフォーマンス低下につながります。
チームの人数はもちろん、配置や仕事内容は、メンバーのスキルや関係性によって決めていきましょう。スキルや関係性を考慮して仕事を割り振ることで、メンバーの仕事に対するモチベーションアップにもなります。
注意点③メンバーへの丸投げもNG
仕事のパフォーマンスを向上させるために、メンバーに自由に仕事をしてもらうことも大切。しかし、メンバーのスキルや関係性などを考慮して、仕事を与えることも重要です。スキルや関係性を考慮せず、仕事を丸投げしてしまうと、スキルが伴わない場合は負担に感じることも。
なぜこの仕事をこの人に与えるのかという理由を明確にすることで、仕事に取組みやすくなります。また、業務の内容や意味を丁寧に説明することも、チームビルディングで仕事を行う上で大切になります。
チームビルディングの効果を最大限に活かそう!
チームビルディングの意味や目的、メリットやデメリットについて紹介しました。チームビルディングを成功させるためには、メンバー間のコミュニケーションが重要。チームビルディングにおすすめの手法や、チームビルディングを行う時の注意点も解説しているので、チームビルディングを取り入れる際の参考にしてください。