- 1. ストレスマネジメントの効果や活用方法を詳しく解説!
- 2. ストレスマネジメントとは?
- 3. ストレスマネジメントの必要性が高まっている理由
- 4. ストレスマネジメントを用いる現場
- 5. ストレスマネジメントの効果
- 6. ストレスマネジメントを活用したストレスへの対処法【個人】
- 7. ストレスマネジメントを活用したストレスへの対処法【組織】
- 8. ストレスマネジメントに欠かせないコーピング【問題焦点型】
- 9. ストレスマネジメントに欠かせないコーピング【情動焦点型】
- 10. ストレスマネジメントにおけるストレスチェック制度の流れ
- 11. ストレスマネジメントが学べる本
- 12. ストレスマネジメントの研修事例
- 13. ストレスマネジメントを実施して生産性の低下を食い止めよう!
ストレスマネジメントの効果や活用方法を詳しく解説!
身体や心に負荷がかかり悪影響を及ぼすストレスが現在の社会問題となってるため、そのようなストレスを上手くコントロールし、原因となるストレッサーに適切に対処していくストレスマネジメントが昨今、注目されています。
ストレスマネジメントの効果や活用方法を知り活用することで、ハラスメントの少ない、働きやすい職場環境を整備することが可能です。
職場においてストレスマネジメントを行い、社員の健全な心身を保ち、企業の生産性の向上や業績アップに繋げていきましょう。
ストレスマネジメントとは?
ストレスを上手にコントロールする方法のこと
現代社会は人間関係の複雑化や仕事の多様化などにより、心身の健康状態に支障をきたすストレスが大きな問題になっています。そのような社会では、ストレスを上手にコントロールすることが必要不可欠です。
ストレスを無くすことは非常に困難なため、ストレスと上手に付き合いストレスを引き起こすストレッサーを適切に排除するストレスマネジメントが重要視されています。
ストレスの言葉の意味
ストレスマネジメントでコントロールするストレスは、元々物理学の分野で使われていたもので外部からかけられた圧力によって生じた歪みのことです。それが医学的な分野で使われ始め、ストレッサーによって刺激を受けた時に心身に生じる緊張状態や歪みを意味します。
外部からの刺激であるストレッサーには、睡眠不足や病気などの心身的要因、人間関係や過労などの社会的要因、騒音や気候などの環境的要因があります。
ストレスが生まれる仕組み
ストレスは先述の心理的・社会的・環境的ストレッサー、ストレッサーに対して体の中の五感が反応してネガティブな評価をする認知、認知したストレッサーから自分を守るために体の不調やイライラを引き起こす身体的・心理的・行動的ストレス反応の3つの要素が順番に反応することによって生まれます。
ストレスの種類
ストレスの意味を理解しストレスマネジメントを効果的に行うためには、2つに分類されるストレスの種類を知っておく必要があるでしょう。
1つ目のストレスは「急性ストレス」と呼ばれ、新しく物事を始めるときや職場の移動などの急激な変化によるストレスです。このストレスは比較的短期的なものですが、長期に続く場合は専門家のケアが必要です。
2つ目のストレスは「慢性ストレス」と呼ばれるもので、ストレス状態が長期間にわたって続いているストレスです。過労状態が慢性化している場合がこのストレスで、ストレスマネジメントがより効果的なのは慢性ストレスと言われています。現代社会では、組織としてもこのストレスをコントロールするように取り組むことが大切でしょう。
ストレスコーピングとの違い
ストレスマネジメントと似た言葉にストレスコーピングがあります。ストレスコーピングとは、ストレスを軽減するための対処法を知り、ストレス反応を和らげることを意味する言葉です。
ストレスコーピングには、認知に働きかけてストレスを軽くしていく「情動焦点型コーピング」とストレスの要因を取り除くことが目的の「問題焦点型コーピング」の2種類があります。
ストレスマネジメントはストレスをコントロールすることを意味するので、ストレスコーピングはストレスマネージメントを行うための一つの方法と言えるでしょう。
ストレスマネジメントの必要性が高まっている理由
現代は技術革新や人口減少によって市場が目まぐるしく変化しており、それに伴って労働者のメンタルヘルスの不調が増加しています。メンタルヘルスの不調は仕事のパフォーマンスに悪影響を与え、生産性の低下に繋がるでしょう。
また、社会全体としてはうつ病などの精神疾患や脳梗塞や心筋梗塞などの肉体的疾患にもつながることから、医療費負担の増加も重要な課題です。ストレスマネジメントの必要性が高まっている理由を企業の現場から考えてみましょう。
職場でのストレスが増え続けているため
現在の日本社会は、市場のニーズの変化や人手不足の影響による労働環境の悪化が社会問題となっています。労働環境の悪化は一人一人のストレスを増やし、職場の雰囲気の悪化に繋がります。そのような緊張感のある職場では、従業員のモチベーションが下がり、最悪の場合は従業員の長期休業や退職につながります。
労働力の低下によって生産性が下がるため、企業の業績がダウンしてしまい、さらにプレッシャーがかかってストレスが増え続ける負のスパイラル状態に陥ってしまいます。
従業員が心身ともに健康でいるためのストレスマネジメントを行うことは、職場環境を見直し、企業が健全な経営を行うために非常に効果的と言えるでしょう。
ストレスチェックを行う事が義務化されたため
2015年12月の労働安全衛生法の改正に伴い、労働者50人以上の事業所では年1回自分のストレスがどのような状態にあるのかを調べるストレスチェックを実施することが義務づけられました。
この可視化されたチェックによって、労働者は自分のストレスレベルをフィードバックすることができ、ストレスを自覚できます。ストレスレベルが高い場合は事業所に申し出て医師による面接を実施し、事業所は医師からのアドバイスに従って職場環境の改善を行わなければなりません。
ストレスチェックを行うことにより、メンタルヘルスの不調や可能性を見つけだし、ストレスマネジメントを行うとともに労働環境を見直すことが、現代の企業に求めれているでしょう。
ストレスマネジメントを用いる現場
現代社会に欠かせなくなっているストレスマネジメントですが、具体的に現場でどのように使われているかを紹介します。
企業の現場
市場のニーズの変化やテクノロジーの進化で経営戦略の見直しや仕事のやり方の変化が必要とされている現在の経済では、ストレスがかかる場面が多いためストレスマネジメントが重要視されています。
人によりストレスを与えるストレッサーは様々です。それらのストレッサーを把握、分析し、会社全体でストレスマネジメントを行うことが、これから企業が競争社会を生き抜くためには必要でしょう。
介護の現場
高齢化社会が急速の加速するなか注目されているのが、介護の現場でのストレスマネジメントです。介護従事者が人手不足で過剰労働になると、そのストレスが介護する人への虐待など不適切な介護に繋がりかねません。
介護職員が適切なケアを実施するためには、労働条件や働きやすい職場環境が必要不可欠です。そのためには、組織が一体となってストレスマネジメントを行ってサポートしていくことが大切でしょう。
看護の現場
ストレスマネジメントは看護の現場でも活かされます。看護の仕事は生命に関わる仕事のため緊張感を常に持っていなければならず、分担できない専門知識が必要な仕事があるため業務量が多くなってしまい、知らず知らずのうちにストレスがかかり、メンタルヘルスの不調状態に陥ってしまうでしょう。
看護職には特有のストレッサーが存在します。それらをできる限り取り除き、健全に集中して業務に取り組めるストレスマネジメントを行うことが重要でしょう。
教育の現場
社会の変化に伴い、子供達を取り巻く環境も急激に変化しています。そのためメンタルヘルスの不調を訴え、不登校や引きこもりになってしまう子供が増えています。
メンタルに不調をきたした子供へは、寄り添うというストレスマネジメントをおこない、子供の気持ちを聞いてあげることが大切です。
それとともに、ストレス反応の種類やストレスとのつきあい方を教え、予防することも大切なストレスマネジメントです。子供のうちからストレスをコントロールする方法を身につけていれば、困難に直面したときの回避の仕方がわかり、ストレスを貯めない生き方ができるでしょう。
ストレスマネジメントの効果
先述のように様々な現場で活用されているストレスマネジメントを行うことで、実際にどのような効果があるかを解説しましょう。
従業員の精神面が健康になる
ストレスを抱えて仕事をしていると、精神的に追い詰められていき、身体にまで影響をおよぼすことがあります。例えば鬱病や自律神経失調症などにかかると、脳がうまく機能しなくなるためネガティブ思考になってやる気が減退していき、身体では腹痛や頭痛、めまいを引き起こすでしょう。
ストレスマネジメントを行うと、ストレスをコントロールできるので、思考もポジティブになっていくため、精神的に安定してきます。精神面が安定すると体の不調も減り、積極的に業務に取り組むことができるでしょう。
職場環境の改善に役立つ
ストレスが積み重なると、常に緊張状態になるので気持ちに余裕がなくなり、周囲にも悪影響を及ぼしてしまいます。しかしストレスマネジメントによってストレスをコントロールできるようになると、周囲にきつく当たってしまうようなことはなくなり、職場の雰囲気が良くなるでしょう。
ストレスマネジメントによる職場環境の改善は、従業員のモチベーションをアップし、生産性を向上させることができます。そのため、企業の安定した業績にも繋がるでしょう。
コミュニケーション・エラーの防止に繋がる
人と人とのコミュニケーションにおいて、価値観の違いやとらえ方の違い、解釈のヅレなどによて様々なコミュニケーションエラーが発生してしまいます。ストレスに対しても同様で、同じ刺激に対して受ける側によってストレスとして感じる度合いは違ってきます。
ストレスマネジメントを行うことで、相手との感覚をすり合わせることも可能になります。自分がストレスと感じないことでも相手によってはストレスであることを認知し、理解することで、コミュニケーションエラー発生の防止にも繋がるでしょう。
ストレスマネジメントを活用したストレスへの対処法【個人】
現代社会で社会生活を行うためには、ストレスマネジメントが不可欠です。そのようなストレスマネジメントを活用したストレスへの対処法を具体的に紹介します。
対処法①ストレス要因を自覚する
ストレスマネジメントを活用してストレスに対処するには、まず自分のストレッサーを自覚することが大切です。その時、メモなどにチェックしておくとよいでしょう。そして次にできるだけそのストレッサーを遠ざける努力をします。
ストレスマネジメントを実施する時、具体的にストレッサーを想起すると、遠ざけるための工夫を行いやすくなります。また、排除したいストレッサーに優先順位つけておくと遠ざけやすくなるでしょう。
対処法②マイナスのエネルギーを別のものに向ける
ビジネスシーンでは、ストレッサーを把握し遠ざけることによってストレスマネジメントをすることが難しい場合が度々あります。
その様な時には遠ざけるというマイナスのエネルギーを使うのはいったん止め、別のことに新しくチャレンジしたり、仕事や趣味に没頭したりするプラスのエネルギーに向けるのがよいでしょう。特にスポーツなどで体を使ってリフレッシュするとエネルギーを発散しやすいのでおすすめです。
対処法③十分な休息時間を確保する
ストレスと向き合うストレスマネジメントを行うためには、心身の健康が不可欠です。そのためにはしっかり食べて、十分な休息時間を確保することが大切でしょう。
睡眠不足は精神に緊張感を与え、ネガティブ思考に陥りやすくなります。睡眠の他、入浴やマッサージなど心がリラックスできることを多く取り入れることもお勧めです。時間がなければ、深呼吸するだけでも違ってくるでしょう。
対処法④自分自身を正当に評価する
高いモチベーションを保つためには、「自分にはできる」という自己効力感や「自分で自分を褒める」自己肯定感が必要です。他人からの評価も大切ですが、まず自分で自分を正当に評価することが、心身のバランスを保つためには重要です。
ストレスマネジメントを活用して自分を正当に評価すると、他人とのコミュニケーションも上手くいきます。そのため人間関係によるストレスが減り、職場の雰囲気がよくなるでしょう。
ストレスマネジメントを活用したストレスへの対処法【組織】
現代の競争社会の中で組織が健全に活動するためには、ストレスマネジメントが必須となってきました。組織が取り組むべきストレスマネジメントを具体的に紹介します。
対処法①ストレスマネジメントを優先する風土作りを行う
先述のようにストレスマネジメントは個人でもできますが、それには限界があります。組織全体にストレスマネジメントを優先する風土があると、個人個人がストレスに向き合う余裕ができるでしょう。
従業員のメンタルが安定すると、会社の雰囲気が良くなり、生産性が上がります。そのため、企業の業績アップにも繋がるので、ストレスマネジメントを優先する風土作りは会社の経営に非常に重要な役割を果たすと言えるでしょう。
対処法②コミュニケーションツールを設置する
市場のニーズの多様化、人口減少による人手不足、社会のグローバル化など様々な社会の変化に対応するためには、社内のコミュニケーションをスムーズに行うことが必要不可欠です。
そのため、スマートフォンやタブレットなどの端末をはじめ、クラウドサービスや各種プラットホームなどのコミュニケーションツールを活用して円滑なコミュケーションが可能な体制を構築することがストレスマネジメントを実施する際に必要でしょう。
対処法③サポート体制を整備する
従業員一人一人のメンタルヘルスを良好に保つためには、企業がストレスマネジメントをサポートする体制を整備する必要があります。
定期的に面談を行ったり、人事部に相談窓口を設置したり、産業医やカウンセラーなど相談できる人を採用するなどのサポート体制で、社員がストレスに早く気付き、適切なストレスマネジメントを行えるようにすると良いでしょう。
対処法④従業員の知識やスキル向上をバックアップする
先述のように、個人がストレスに対処するには自分自身を正当に評価する自己効力感が必要です。そのため、企業全体で従業員一人一人が自信を持てるような知識やスキル向上のバックアップをすることも、ストレスマネジメントとの一つとして効果的でしょう。
また、適切なストレスマネジメントが実施できるように、指導したり研修を行ったりするなどの支援も重要でしょう。
対処法⑤社内の専門家にストレスマネジメントを委ねる
従業員が50名以上の企業では、産業医やカウンセラー、衛生管理者、精神科医、保健師などの専門家を選任する義務があります。それらの専門家にストレスマネジメントを委ねるのも効果的な手段でしょう。
彼らは適切なストレスマネジメントを指導したり、内容によっては専門機関や外部専門医を紹介します。また、ストレスが少ない職場になるように、職場環境に対しても助言を行うこともあるでしょう。
対処法⑥社外の専門家にストレスマネジメントを委ねる
社内に専門家がいない組織の場合は、地域産業保健センターや従業員支援プログラム、労災病院などの社外専門家を活用する方法も効果的です。また、社内専門家で対応できない難しい事案もこれらの社外専門家に相談するとよいでしょう。
現代社会では、従業員、企業、専門家が連携してストレスマネジメントを行う仕組みを作ることが非常に重要でしょう。
ストレスマネジメントに欠かせないコーピング【問題焦点型】
ストレスマネジメントを効果的に行うためには、ストレッサーに上手く対処しようとするコーピングが欠かせません。コーピングの方法には「問題焦点型」と「情動焦点型」がありますが、まずは問題焦点型を解説します。
問題焦点型の特徴
ストレスの原因であるストレッサーを見極め、ストレッサーから距離を置くことによってストレスを受けないようにしていく、原因解決を重視する方法が問題焦点型コーピングです。
上司や専門家からアドバイスを受けたり、環境や考え方を変えたりしてストレスを根本からなくしていくコーピングで、ストレスマネジメントを行う上で非常に効果的な方法でしょう。
対処法①原因から距離を置いてストレスを受けないようにする
問題焦点型コーピングの方法には、原因となるストレッサーから距離を置いてストレス回避する方法があります。人が原因でストレスを感じている場合は、できればその人を遠ざけるのが良いでしょう。
現実ではなかなか距離を置くことは困難ですが、少しずつでも遠ざけることができれば、効果はあります。もし根本原因を排除することができれば、ストレスマネジメントの高い効果を得ることができるでしょう。
対処法②身近な人に相談する
問題焦点型コーピングの一つに身近な人に相談する事も挙げられます。悩みや不安を人に話すとストレス解消ができたり、参考になる意見をもらえたり、話しているうちに気持ちに整理がつき、よい対処方法が浮かぶこともあるでしょう。
相談するストレスマネジメントにおいて、相手は身近な人だけでなく、公的機関の相談窓口やNPO団体、SNSを使う方法もあります。また企業によっては、相談室や意見箱などを活用してサポートを実施しています。
対処法③ストレスを感じている内容への捉え方を変える
ストレスを感じているときは考え方がネガティブになりがちですが、考え方をポジティブに切り替えてみるとストレスが軽減されるケースもあります。
その際のストレスマネジメントとしてお勧めなのが、ノートにストレスの原因を書き出してみて、1つ1つの事柄をポジティブに変換していくことです。書いていくうちに頭が整理されて、前向きに捉えられる思考に変わっていくでしょう。
ストレスマネジメントに欠かせないコーピング【情動焦点型】
ストレスマネジメントに欠かせないコーピングには【情動焦点型】の方法もありますので、解説します。
情動焦点型の特徴
問題焦点型がストレッサーそのものに働きかけるのに対し、情動焦点型はストレッサーに対する考え方や感じ方を変えようとするコーピングです。
リフレッシュのために旅行に行ったり、睡眠をしっかりとってリラックスするなど、自分自身の感情を別の事をすることでコントロールしてストレスを軽減していきます。
対処法①リラックスする
辛いという感情を和らげるには、ヨガやアロマテラピー、腹式呼吸法などのリラクゼーション法を身に付けてリラックスすることが大切です。
あえてリラクゼーション法を身に付けなくても、お風呂にゆっくり入ったり、ストレッチをしたり、遠くを眺めたり日常生活を少し変えてみるだけでもストレスマネジメントの効果はあるでしょう。
対処法②リフレッシュする
リラックスと同様、ストレスを和らげるには気分転換をしてリフレッシュすることも効果的です。好きな事に没頭したり、旅行などで日常から離れて過ごすことで解放感を得ることや、仕事以外の人とのコミュニケーションを取ることは生活を豊かにします。
他にも体を動かしたり、お笑いなどを見てよく笑うこともストレスを軽減し、免疫力をアップすると言われています。
対処法③親しい人とコミュニケーションを取る
親しい人とおしゃべりをすることもリフレッシュになります。仕事から離れてたわいもない話をしたり、懐かしい昔話で花を咲かすことで心が晴れていきます。
また、人に話すことで頭が整理でき、気持ちが落ち着きます。親しい人とコミュニケーションを取る事は、ストレス解消と共に心の安らぎにもなるでしょう。
対処法④自分に合った睡眠時間を確保する
心身の健康を保つためには、質の良い睡眠が必要不可欠です。寝不足は仕事の効率を悪くし、メンタルヘルスの不調を引き起こします。
必要な睡眠時間は人によって違います。自分に合った睡眠時間を確保し短時間の昼寝をすると、仕事の効率アップに最も効果的でしょう。
ストレスマネジメントにおけるストレスチェック制度の流れ
平成27年12月より厚生労働省によりストレスチェック制度が施行されました。このチェックにより職場における従業員のストレス状況の把握が可能になり、従業員のメンタルヘルスの不調を未然に防げるようになりました。実際にストレスチェック制度を導入する時の段階別の流れを解説します。
ストレスチェックの流れ①事前準備と質問票の配布
ストレスマネジメントにおけるストレスチェックの流れとして、まず初めに従業員に制度の導入を告知します。次に、誰にいつどんな質問をするか、ストレスチェック制度の実施方法を社内の衛生委員会で話し合います。
話し合った実施方法を社内規定として明文化し、従業員に周知して質問票を配布します。そして、実施体制や役割分担を決定します。
ストレスチェックの流れ②評価と判定
次に、厚生労働省が推奨する、全57項目からなる「職業性ストレス簡易調査表」に基づいてストレスチェックを実施し、高ストレス者を選定します。
高ストレス者の判定基準は定められていないので、各会社が自社の衛生委員会の判断によって判定するのが一般的です。
ストレスチェックの流れ③検査結果の通知
ストレスチェック制度により評価・判定が実施された後、結果は産業医などの医師や保健師によって各従業員に通知されます。検査結果は分かり易いように数値やレーダーチャートなどの図表で提示されます。
検査結果は個人情報に当たるため、取り扱いには細心の注意が必要でしょう。いくら上司といえども、本人の同意なく開示をすることはできません。
ストレスチェックの流れ④検査結果の分析
個人の検査結果の開示は本人の同意が必要になりますが、10人以上の集団の集計や分析は事業者に提示が可能です。ストレスチェック検査の結果を分析することでその集団の特徴や傾向が把握できるので、事業者は集団分析の結果を基にストレスを軽減して働きやすい職場にするようにしていきましょう。
ストレスチェックの流れ⑤面接指導の実施
ストレスチェックの結果が高ストレス者と判定された従業員が希望した場合は、産業医などの専門家が心身の状態などを確認する面接指導を行うことができます。
高ストレス者と判定された人は、ストレス度合いがかなり高い人です。そのため個人のストレスマネジメントでは回復が難しいことが多いので、できるだけ専門家による面接指導を受けることが望ましいでしょう。
ストレスチェックの流れ⑥面接結果に応じた対策の実施
専門家による面接指導の結果において必要な内容は本人の意向に従って事業者に報告され、事業者はそれに応じたストレスマネジメント対策を講じる必要があります。対策には休暇を増やしたり、配置換えを行ったり、従業員のストレッサーをできる限り取り除く措置を講じる必要があるでしょう。
ストレスマネジメントが学べる本
現代社会を生き抜くために必要なストレスマネジメントを学べる書籍を紹介しますので、自分に合ったストレスマネジメントを見つけて取り組む参考にしてください。
ストレスマネジメント入門
主にビジネスシーンでのストレスマネジメントについて、具体的な方法を紹介している書籍です。著者は精神産業医でカウンセラーとしても活躍している島悟氏と佐藤恵美氏で、彼らの長年の経験に基づいてストレスマネジメントの技術をだれもが学び、実践できるように書かれました。
ストレスマネジメントの事例を挙げて取り入れ方を解説しているので、これからストレスマネジメントに取り組みたい人やストレスマネジメントを部下に教えたい管理職の人にお勧めです。
実践!ストレスマネジメントの心理学
自分に適したストレスマネジメントの方法を見つけて無理せず継続的に取り組み、自分を成長していくための道しるべが書かれています。
自分のストレッサーが何かに気付く方法やその対処法が分かり易く解説されているので、ストレスマネジメントを実行しやすいです。マイナスにとらえがちなストレスを上手くコントロールしてプラスに活かすことができるので、前向きに物事を考えることができるようになります。
ストレスマネジメントの研修事例
従業員のメンタルヘルスを健康に保つために、ストレスマネジメントの研修が注目されています。実際に行われているストレスマネジメント研修の事例を紹介します。
研修事例①株式会社インソース
株式会社インソースでは「従業員の健康は組織の経営課題」として、様々な種類のストレスマネジメント研修プログラムが用意されています。
リーダーのための研修や自分に合ったストレスマネジメントを見つける研修など豊富な種類の研修があり、ロールプレイングやワークなどを通して実践的な学びが可能です。
研修事例②SMBCコンサルティング株式会社
三井住友銀行グループのSMBCコンサルティング株式会社の社員研修では、ストレスマネジメントについて学ぶことができます。他の受講者とコミュニケーションを図るグループディスカッションなどを実施し、ストレスに関する対処法を学びます。
定められた研修ではなく、企業のニーズに応じてカスタマイズされた独自のストレスマネジメント研修を実施できるので、効果的に学ぶことができます。
研修事例③NPO法人日本メンタルヘルスケアサポート協会
NPO法人日本メンタルヘルスケアサポート協会は、適切なストレスマネジメントを活用して日本経済の向上を目指す団体です。この団体のストレスマネジメント研修は、セルフケアでのストレスケア法の習得が目的で、ストレスを感じた時に適切なストレスマネジメントを行うことで心身の健康を保ち、生産性を向上させていきます。
研修事例④株式会社ザ・アカデミージャパン
株式会社ザ・アカデミージャパン では、企業の業績アップに貢献できるように主に管理職のためのストレスマネジメント研修を行っています。
部下のメンタルヘルスの不調は、仕事の効率を悪化させチームの生産性を下げてしまうでしょう。チームの業績ダウンはマネージャーの精神状態も不安定にさせるので、自分自身のストレスマネジメントも必要になります。管理職のストレスマネジメント研修は、チームのリーダーとマネージャーの双方に効果的な役割を果たすでしょう。
研修事例⑤株式会社ダイヤモンド社
職場での人材育成には経験学習が必須であると考えている株式会社ダイヤモンド社では、マネージャーを中心に経験に基づくストレスマネジメント研修を行っています。
ストレス耐性テストであるDISTを用いて本人は部下のストレス耐性を把握させ、職場で適切にストレスマネジメントを実践できるような方法を研修します。
ストレスマネジメントを実施して生産性の低下を食い止めよう!
市場の競争が激化し、テクノロジーが急激に進化している現代社会ではストレスにさらされる機会が増えています。過度のストレスは、メンタルヘルスの不調をきたし生産性を低下させます。
適切なストレスマネジメントを実施することで、モチベーションをアップさせ、生産性の低下を食い止めることが可能になります。これからの社会で生き残っていくためには、自分や部下にあったストレスマネジメントを検証し、実践していくことが、企業の業績をアップし成長していくために重要と言えるでしょう。