リアリティショックの意味を解説!原因や対策法は何か?
本記事では、リアリティショックについて紹介します。リアリティショックは、新入社員の入社後に起こる現象です。リアリティショックの言葉の意味と原因についてまとめました。
また、入社前後のリアリティショックの対策や、転職時の注意点も掲載しています。企業に入社してリアリティショックを受けた人は、参考にしてください。
リアリティショックとは?
まずは、リアリティショックについて紹介します。リアリティショックの言葉の意味やリスクをまとめました。また、リアリティショックを受けると、新入社員もベテランの場合でも仕事に影響を及ぼす可能性があります。
リアリティショックの言葉の意味
リアリティショックは、入社前に抱いていた企業の理想と、入社後の現実のギャップに衝撃を受けてしまう社員を言います。入社する前は、自分のスキルや「やりがいのある仕事が出来そう」とやる気をだす新入社員が多いです。
しかし、いざ入社してみると、自分の思っていた仕事現場と違い、希望の職種とは全く違った業務に配属されてしまったとガッカリする人がいます。「就職活動と入社後の実態に関する調査」では、リアリティショックを抱える社会人は、76.6%とかなり多い結果になりました。
リアリティショックは不可避なリスク
リアリティショックを受けた新入社員は、ストレスが多くなり、リスクと感じる人も多いです。しかし、リアリティショックは、実際に仕事をしないと分からないため、自分で回避するのが難しいでしょう。
新しい職場で働くためには、リアリティショックを回避する事はできません。転職先で新たに働くためには、避けるのではなく、仕事場で適切に対応する能力を身につけるのが大切です。
仕事のモチベーション低下に繋がる
リアリティショックを受けた人は、仕事のモチベーションが一気に低下します。新入社員が自分の理想とのギャップに対してうまく対応できない状態が続くと、仕事に不快感やストレスが溜まります。
また、仕事に対するモチベーションが下がったまま仕事をすると、なかなか成果を上げるのが難しいでしょう。さらに、社員は職場での評価やモチベーションが下がり、やる気をが無くなります。
早期退職に至ることがある
リアリティショックを受けると、早期退職をする社員が出てくるでしょう。社員は、理想と現実のギャップが大きければ大きいほど、不安やストレスが溜まります。そして、出勤しているだけで、常にネガティブな考えが出てきます。
やがて、その状態が激しくなり、精神的に追いつめられると、早期退職をする新入社員が表れるので注意が必要です。
ベテラン社員にも起こることがある
リアリティショックは、新入社員に多い現象ですが、ベテラン社員にも起こる可能性があります。経験豊富で仕事ができる社員でも、配属先の変更や転勤など、大きな環境の変化があります。
転勤先で職場の人間関係や雰囲気に馴染めないと、ベテラン社員でもリアリティショック状態になるので、注意が必要です。
リアリティショックの具体的な事例
パーソル総合研究所は「就職活動と入社後の実態に関する定量調査」を行いました。その中で、「入社前のイメージと異なっていたこと」についてアンケートを実施しています。結果は、「給料・報酬の低さ」「昇進昇格のスピードの遅さ」があげられています。
そして、「仕事に対する達成感」「やりがい」「働きやすさ」などについても理想と現実とのギャップを感じている人も多いです。
リアリティショックの原因
次は、リアリティショックの原因について紹介します。新入社員やベテラン社員がリアリティショックを受けてしまう原因は、能力不足や人間関係があります。
原因①自分の能力不足を痛感するため
新入社員は、苦しい就職活動をして内定をもらい、やる気を持って入社します。しかし、新入社員は学生時代の経験しかないため、仕事でミスをする可能性が高いでしょう。
そして、連続してミスをすると、やる気がなくなりストレスが溜まります。その結果、理想と現実に苦しんでしまい、リアリティショックを受ける社員が増えてきます。
原因②社内の人間関係が上手くいかないため
リアリティショックを受ける社員は、人間関係がうまくいってない人も多いです。また、リアリティショックに限らず、人間関係に悩む社員は後を絶ちません。変化するスピードが速い現代では、世の中とのギャップに対応するのが難しいです。
さらに、企業内では、上司と新入社員との年齢差も広がっているため、上の言葉の理解に苦しむ人もいるでしょう。中にはあえて厳しい言葉をかけて、やる気を出させる上司も存在するので、それがストレスになってしまう原因の1つでもあります。
原因③職場の雰囲気に馴染めないため
職場の雰囲気に馴染めず、リアリティショックに陥る社員もいます。実際に配属された職場の雰囲気が自分の思った状況と違って、ストレスがたまる社員が多いです。また、新入社員に限らず、中途採用の場合でも、対応するのは難しいでしょう。
例えば、大企業に勤めていた社員が、中小企業やベンチャーに転職します。そうすると、大手企業とは全く違う社風や雰囲気に戸惑ってリアリティショックを受けてしまいます。そして雰囲気に馴染めないまま、会社を辞めてしまう人も多いです。
リアリティショックへの対策【入社前後】
次は、リアリティショックの対策について紹介します。入社前後でギャップを感じる場合は、インターンシップを活用すると良いでしょう。また、上司や先輩に相談できる環境作りも大切です。
インターンシップを活用する
インターンシップを内定者に活用すると、リアリティショックの対策になるでしょう。在学中に企業で就業体験を積ませると、社会人と学生時代の自分との違いが見えてきます。実際に職場を早く経験する事で、理想と現実のギャップを事前に把握する事が可能です。
また、企業の職場の雰囲気や仕事内容を体感させて、入社後に過度な期待を持たせすぎないようにしましょう。
現実的な仕事情報の事前開示を行う
リアリティショックを軽減するには、仕事情報の事前開示を行いましょう。職場の良いところも悪いところも含めて、ありのままの情報を提供します。仕事の情報の開示は、採用する際に実施するケースが多いです。しかし、リアリティショックの対策として取り入れても良いでしょう。
企業は、仕事内容や職場関係などの情報を提供すると、入社前の内定者も安心します。
内定者フォローを心掛ける
内定者のフォローもリアリティショック対策の1つです。就活を終えた学生は、卒業するまで企業に関わりません。そのため、学生と社会人との違いや、働く意思をしっかりと自覚してもらう必要があります。
また、事前にリアリティショックについて説明しておくと、新入社員は心構えができるでしょう。理想と現実とのギャップに悩むのは当然の事という理解をしてもらう必要があります。
上司や先輩に相談できる環境を作る
新入社員と一緒に業務を行う上司や先輩は、相談できる環境を作っておくと良いでしょう。また、新入社員は、「リアリティショックを受ける可能性が高い」と覚悟を持っておきましょう。入ってくる社員との年齢が近ければ近いほど、自然と会話が弾み、悩みを打ち明けてくれます。
しかし、上司や先輩と新入社員との年齢の差がある職場の場合は、すでに働いている社員にも、リアリティショックを学ばせる必要があります。
マンツーマンの新入社員教育を実施する
リアリティショックの症状を軽減するには、マンツーマンで新入社員の教育を実施しましょう。OJT教育の時に、不安や悩みを聞き、話しやすい環境を整えておきます。そして、新入社員と1対1で話して、心のメンタルのケアをしっかり行いましょう。
また、所属先の上司以外の先輩社員が、研修生に指導や支援を行うメンター制度を導入しても良いでしょう。
新人フォロー研修を実施する
新入社員には、定期的なフォローアップ研修を実施すると良いでしょう。基本的なスキルや会社のマナーを確認し、入社時の失敗や成功体験談を話すと、新入社員に親近感がわきます。その他にも、同僚同士の意見交換などのコミュニケーションも、メンタルをフォローするのにとても大切です。
入社3か月~1年未満の社員を集めて、積極的にコミュニケーションを取るように手配しましょう。
リアリティショックへの対策【就職活動中・転職時】
次は、就職活動中や転職時のリアリティショックへの対策について紹介します。しっかり対策して、リアリティショックを軽減しましょう。
企業研究で想像力を補強する
リアリティショックを軽減するには、企業を研究しましょう。リアリティショックは、企業と自分の考えとの理想と現実のギャップによって発生します。企業の理念やビジョンなどを固定概念を入れずに徹底的に研究をします。
そして、就職先の企業の考えを知る事が出来れば、自分の思い込んでいたイメージとのギャップに気づけるでしょう。その後に入社しても、大まかな事情は頭の中に入っているため、リアリティショックを回避できます。
「違い」をはっきりさせる
理想と現実との差が激しい場合は、「違い」をはっきりさせましょう。企業と自分との「違い」を感じた場合、自分のリアリティショックを分析すると良いでしょう。何がどう違うのかをはっきりさせると、企業に対して適切な対処ができます。まずは、考えすぎないで、感じた事をそのまま紙に書き留めます。
「違い」の原因を掘り下げる
理想と現実のズレをメモに書き留めたら、その原因を掘り下げましょう。例えば、上司が分からないのに教えてくれないとします。その場合は、教えてくれない事に対して「違い」が生じています。それは、新入社員は、教えてくれて当たり前だと感じているからです。
漠然とした原因でも客観的に見ると、必ず答えが出てくるので、1つずつ原因を追究しましょう。
適切なアプローチを考える
リアリティショックを軽減するには、適切なアプローチを考えましょう。メモをとり、原因を見つけたら、自分は何に悩んでいたのかが見えてきます。悩んでいる原因の中に少なからず、悩みの共通点があります。そして、その共通点を見つけて、それに対して適切なアプローチを職場で実行しましょう。
そうすると、上司や先輩社員との人間関係も良くなり、働きやすい職場を気付けるでしょう。
看護師におけるリアリティショックの現状
次は、看護師のリアリティショックの現状にについて紹介します。看護職では、リアリティショックでの離職率が高いです。また、リアリティショックに慣れている社員が多く、新入社員は孤立してしまいます。
看護職ではリアリティショックによる離職率が高い
看護職は、医療の専門知識が多いほかに、命に関わる責任の重さがあります。その他にも、介護や看護を24時間行い、一般企業と比べると、休みがありません。そして、交代勤務となっており、自分が体調不良でもなかなか休めません。
そのため、新入社員は心にストレスを抱えて、リアリティショックになってしまう人が増えています。新入社員はリアリティショックの考えが大きく膨らみ、心に大きなダメージを受けて、最終的には離職してしまいます。
孤立が加速するという負のスパイラルに陥りやすい
看護職の社員や職員は、リアリティショックを克服してきた人が多いです。自力で克服した社員は、「辛ければ辞めればいい」「いつかは終わる」といった考え方を持っている人が多数います。
そして、新しく入社した看護師が、リアリティショックを受けていても放置してしまいます。そして、看護師の孤立が加速してしまう負のスパイラルに陥ります。それらを無くすために、最近では、先輩と新入社員とのマンツーマン教育を取り入れている医療業界が多いです。
リアリティショックへの対策を実施しよう!
リアリティショックは、入社した社員が、理想と現実のギャップに衝撃を受けてしまう事です。リアリティショックを受けた社員は、仕事に対してモチベーションが下がり、最終的には、早期退職してしまうケースがあります。
リアリティショックを軽減するためには、上司や先輩が新入社員の心のケアが大切です。リアリティショックの対策をしっかりして、新入社員が働きやすい職場にしましょう。