イノベーター理論を解説!商品を普及させるために活かすポイントは?

イノベーター理論を解説!商品を普及させるために活かすポイントは?

イノベーター理論を活用して商品を普及させたい!

世の中に新しい商品やサービスを送り出す際には、どのように商品やサービスを市場に普及させるかという戦略が重要となります。

イノベーター理論は、新しい商品やサービスの市場への普及率に関する理論です。この記事では、イノベーター理論とは何かや、イノベーター理論の5つのタイプ、イノベーター理論を商品の普及に活かすポイントを解説します。

また、イノベーター理論の具体的な成功事例や失敗事例も紹介します。ぜひ、この記事を、イノベーター理論の意味や活用方法を理解する参考にしてください。

イノベーター理論とは?

新しい商品やサービスの市場への普及率を表した理論のこと

イノベーター理論とは、1962年にアメリカ・スタンフォード大学のエベレット・M・ロジャース教授が著書「イノベーション普及学」の中で提唱した、マーケティング理論です。イノベーター理論では、消費者を5つの層に分類して、新しい商品やサービスの市場への普及率を表しています。

「普及率16%の理論」との関係性

「普及率16%の理論」の16%とは、イノベーター理論の、イノベーター2.5%とアーリーアダプター13.5%を合わせた数です。ロジャース教授は、この16%に受け入れられるかどうかが、その商品やサービスが普及するカギとなると、「イノベーション普及学」の中で提唱しています。

イノベーターとアーリーアダプターの層まで普及すれば、彼らの情報発信によって、飛躍的に普及を伸ばすことができるとするのが「普及率16%の理論」です。

これに対して、アーリーアダプターとその後のアーリーマジョリティの間にはキャズム(溝)があるとするのが、次のキャズム理論です。

「キャズム理論」との違い

ロジャース教授の提唱する「普及率16%の理論」に対して、マーケティングコンサルタントのジェフリー・A・ムーア氏が提唱したのが「キャズム理論」です。キャズムとは「溝」のことです。

キャズム理論では、アーリーアダプターまでの層を「初期市場」、アーリーマジョリティより後の層を「メインストリーム市場」としています。

そして、この2つの間には大きなキャズム(溝)が存在し、このキャズムを超えることが市場に普及するカギだとするのがキャズム理論です。

イノベーター理論の5つのタイプ

タイプ①イノベーター(革新者)

イノベーター理論の最初の層であるイノベーター(革新者)とは、まず一番初めの時期に商品やサービスを取り入れる層のことです。この層は情報への感度が非常に高く、まだレビューなどがなくても積極的に導入に踏み切る好奇心があります。

「新しさ」に価値を感じるため、商品の良し悪しや利便性などはそれほど問題にせずに興味を持ちます。イノベーターが市場全体に占める割合は、約2.5%と言われています。

タイプ②アーリーアダプター(初期採用者)

イノベーター理論の2番目の層、アーリーアダプター(初期採用者)は、イノベーターほどではないものの流行に敏感な層です。常に情報収集を行い、自分で判断をして商品やサービスを購入します。

アーリーアダプターは情報の収集だけではなく、自らも積極的に情報発信を行うため、「オピニオンリーダー」や「インフルエンサー」などと呼ばれることもあります。

これらのアーリーアダプターが後の層に与える影響が非常に大きく、商品やサービスの普及のカギを握る層と言われています。市場全体の約13.5%がこの層に当てはまると言われています。

タイプ③アーリーマジョリティ(前期追随者)

イノベーター理論の3番目の層、アーリーマジョリティ(前期追随者)は、アーリーアダプターよりは慎重な姿勢をとるものの、平均よりは早く新しいものを取り入れる層です。

アーリーアダプターの影響を大きく受けることが多く、市場への普及につながる存在であることから、「ブリッジピープル」とも呼ばれます。市場全体の34%を占める、ボリュームの大きい層です。

タイプ④レイトマジョリティー(後期追随者)

イノベーター理論の4番目の層、レイトマジョリティ(後期追随者)は、新しい商品やサービスに懐疑的で、広告やセールスにあまり影響をされない層です。この層は、その商品やサービスが過半数の人々に受け入れられたことを確認してから、ようやく導入に踏み切ります。

周囲の動向に従うことから「フォロワーズ」とも呼ばれます。市場全体の約34%を占め、アーリーマジョリティと並ぶ大きな層です。

タイプ⑤ラガード(遅滞者)

イノベーター理論の最後の層、ラガード(遅滞者)は、市場の中で最も保守的な層で、新しいものに興味がないばかりか、「受け入れたくない」と考えています。新しい商品やサービスがただ普及するだけでなく、伝統になるまで手に取ることはないと言われています。

頑なな印象のラガードですが、市場全体の16%を占めるとされています。この層を攻略するには、すでにその商品が定番であることを訴求することが大切です。

イノベーター理論を商品の普及に活かすポイント

ポイント①目新しさを意識する

イノベーター理論を商品の普及に活かすためには、それぞれの層のニーズに応じたアプローチが必要となります。常に最新情報にアンテナを張っているイノベーターへの訴求には、目新しさを意識することが大切です。いかに革新的な新商品であるかを説明し、最先端の新技術が使われていることなどをアピールすると良いでしょう。

ポイント②伝えやすさやベネフィットを重視する

イノベーターほどではなくても流行に敏感なアーリーアダプターは、ただ新しいだけではなく、商品にベネフィットも求めています。

また、積極的に情報を発信する層でもあるため、情報を伝えやすいように、商品の機能や得られる恩恵を分かりやすく提示すると効果的でしょう。

ポイント③安心感を打ち出す

アーリーマジョリティ以降のメインストリーム市場には、目新しさよりも安心感を提示することがイノベーター理論活用のポイントです。

インフルエンサーなどのアーリーアダプターに影響されやすいアーリーマジョリティには、自身が信頼するメディアで紹介されることなどが安心感につながります。

ポイント④危機感を意識させる

新しい商品に対する警戒心が強いレイトマジョリティには、すでにその商品やサービスが世の中の常識となっていることをアピールできるとよいでしょう。「その商品やサービスを使っていなければ時代遅れになる」というような危機感を意識させることがポイントです。

ポイント⑤生産性の高い消費者層に予算と時間を費やす

最後の層であるラガードは、新しい物に対して興味がなく、興味を持たせるようにアプローチすることも難しいでしょう。この層に無理に働きかけることより、その分の時間や労力を、普及率アップが見込める層へ投入した方が、イノベーター理論を効果的に活用することが出来るでしょう。

イノベーター理論の成功事例と失敗事例

イノベーター理論の成功事例

ここからは、実際にイノベーター理論を活用して、商品やサービスの普及に成功した事例を紹介します。イノベーター理論の成功事例として有名なのが、ネスレ日本の「ネスカフェ・コーヒーアンバサダー」制度です。これはネスレ日本が、自社で開発したコーヒーマシン「バリスタ」を普及させるために始めた制度です。

一定条件を満たせば、アンバサダーは自宅と職場に無料でマシンを設置できるという制度で、さまざまな種類のコーヒーを、コーヒー代だけで体験できます。

このアンバサダー制度によって、アーリーアダプター層にアプローチして、多くのアンバサダーを生み出し、市場の普及に成功しました。

イノベーター理論の失敗事例

次に、イノベーター理論活用の失敗事例、つまり、キャズムを超えられなかった事例を紹介します。今や広く普及し、当たり前となった電子書籍ですが、kindleやiPadの参入前には、SONYとNECがオリジナルのデバイスを発売していました。

しかし、著作権トラブルなどでコンテンツを思うように増やすことが出来ず、市場を拡大できずに撤退することとなりました。つまり、アーリーアダプターへのベネフィットが提供できなかったために、市場普及させることが出来なかったのです。

その後に参入したkindleが、豊富なコンテンツや廉価な端末でベネフィットを提供し、AppleのiPadの発売で安心感も加わり、キャズムを超えて成功を収めました。

イノベーター理論の意味や活用法を覚えておこう!

イノベーター理論の意味や活用法について詳しく解説しました。イノベーター理論を活用して、商品を普及させるには、キャズムを超えることが重要となります。

イノベーター理論を活用して、それぞれの層へ適切なアプローチを行い、新しい商品やサービスの普及に役立ててください。

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