テレワークやリモートワークで生産性が低下する原因を解説！
新型コロナウイルスや働き方改革によって、テレワークやリモートワークを導入する企業が増えました。メリットの多い施策ですが、どうじに生産性が低下する点も指摘されているのです。テレワークやリモートワークで生産性が低下する原因についてまとめました。
テレワークとリモートワークの生産性が低下する原因
原因①コミュニケーションの頻度や質の低下
テレワークやリモートワークで生産性が低下する原因を確認しましょう。テレワークやリモートワークの生産性が下がる原因として、コミュニケーションの頻度や質が関係していると考えられています。
通常であれば、オフィス内で勤務する社員同士は自然とコミュニケーションを取り、何気ない日常の出来事から業務に関することを話すでしょう。しかし、テレワークやリモートワークでは、業務や会議内容以外の気軽に話す時間を取ることが少ないため、コミュニケーションの頻度や質が低下します。
また、チャットツールで連絡を取る場合は相手の表情が見えないため、意思疎通が難しくなるのです。そのため、当たり障りのない会話だけになってしまって、新しいアイデアの共有やディスカッションの機会が減ります。このことが生産性を低下する原因になっているのです。
原因②業務の進捗状況が把握しにくい
業務の進捗状況の確認がしにくいのも、生産性の低下につながっています。社内で勤務しているときであれば、気軽に進捗状況を確認できますが、テレワークやリモートワークではわざわざ確認のための連絡などが必要になります。この点が生産性低下の原因につながっているのです。
原因③労働状況や業務プロセスの把握が難しい
テレワークやリモートワークでは、基本的な仕事時間などが決められることが多いですが、実際にどのように取り組んでいるかは分かりにくいです。そのため、社員のモチベーションが低下し、さぼりやすい環境になります。
社員側としても、業務に対する取り組みが適切に評価されるのか、不安に感じているのです。こういった点を踏まえて、企業としては労働状況や業務プロセスの把握ができるようなシステムを導入しなければなりません。
原因④仕事のオンオフの切り替えが難しい
実際にテレワークやリモートワークを開始すると、その難しさを感じる人も多いです。その原因は、仕事のオン・オフの切り替えの難しさで、同じ業務量でも自宅で行うほうが長くかかってしまうことがあります。
社内で集中して仕事に取り組むのと比較して、どうしても自宅での作業は集中力が続きにくく、オン・オフが曖昧になって、だらけやすくなるのです。
原因⑤自宅の作業環境が整っていない
先程のオン・オフにつながる部分として、自宅の作業環境が整っていないことも問題点になります。社内勤務であれば、仕事に関するスペースや備品などは最初から整っていますが、自宅ではプライベートスペースとの境界が曖昧です。
こういった点が作業効率が落ちることや、通信環境が整っていないことに関係して生産性が下がる原因になっています。こういった問題点をしっかりと把握して改善に取り組むことが、テレワークやリモートワークの生産性を上げることにつながるので取り組んで行きましょう。
テレワークとリモートワークの生産性を高める方法
毎日同じ時間に朝礼を行う
テレワークとリモートワークの生産性を高めるための方法を確認してください。テレワークやリモートワークを行う場合も、毎日同じ時間に朝礼を行うことが重要です。仕事のメリハリをつける効果があり、オン・オフを切り替えることにつながります。
テレワークやリモートワークで希薄になりやすいコミュニケーションを保つ効果もあり、朝礼で画面を通してモチベーションを上げましょう。
業務終了後に報告の時間を設ける
朝礼と同様にテレワークとリモートワークの終了後は、報告の時間を設けましょう。画面上で顔を確認しながら業務完了を報告することで、コミュニケーションが高まります。また、上司は業務に対するフィードバックを行いましょう。
このように業務完了の報告を行えば、仕事のオン・オフが切り替えられます。画面越しとはいえ、程よい緊張感を得られなが仕事をすることは重要です。自宅でもメリハリをつけて仕事を行うためには、オフィスで勤務していたときに近い環境を作ることが必要になります。
孤独を避けるようにする
業務に関してだけでなく、テレワークやリモートワークでは人間関係が希薄になり、コミュニケーション不足になりやすいです。特に一人暮らしの社員の場合は自宅に一人でいる時間が長くなり、気持ちが沈みやすくなります。
コミュニケーションが減ることでモチベーションが低下し、そのことで仕事が疎かになり、場合によっては離職する事案もあるのです。Web会議ツールやチャットツールを活用し、業務以外の話題も話せるような時間を作りましょう。
自宅の仕事環境を整える
テレワークやリモートワークの生産性を上げるために、自宅にオフィスで勤務しているときと同じような仕事環境を作りましょう。ワンルームではなかなか難しいですが、プライベートと仕事スペースを分けて設置するのがおすすめです。
部屋が複数ある場合は、仕事だけの部屋を用意するのが良いでしょう。また、ネットワーク環境やデバイスツールなどのパソコン作業に必要なものを整えてください。会社から補助金が出る場合もあり、デュアルモニターやデスクなどを用意することで生産性が上げられるので検討しましょう。
運動習慣を取り入れる
モチベーションを維持するためには、心身ともに健康なことが一番です。テレワークやリモートワークは、通勤時間や移動が減り、一気に運動不足に陥ります。普段何気ない行動が運動になっていたことに気づかず、テレワークやリモートワークで体力不足になってしまうのです。
通勤時間が無くなる代わりにゆっくりと睡眠を取るのも大事ですが、朝や夕方にウォーキングの習慣を入れたり、ジム通いを始めたりするのが良いでしょう。運動をすることでストレス発散になり、太陽の光を浴びるとホルモンバランスも整うので体を動かすことを習慣化してください。
社員同士の繋がりを大切にする
社員同士のつながりを大切にして、テレワークやリモートワークでも絆が深まるような環境を作りましょう。社員同士のコミュニケーションを密にして、直接顔をあわせていなくても、オフィスで勤務していたような交流を続けられるようにサポートすることが大切です。
勤怠管理と評価制度を見直す
モチベーションを維持するために、テレワークやリモートワークでも社員の仕事を評価できる勤怠管理と評価制度の見直しを行いましょう。クラウド系の勤怠管理サービスを活用するのも選択肢に入れて、成果主義を導入することも検討してください。
社員とすれば、自宅勤務でもしっかりと仕事をしていることを評価されるか心配になっています。テレワークやリモートワークでも評価がしっかりと行われていれば、自宅勤務でも意欲的にサボらずに仕事に取り組んでくれるでしょう。
業務プロセスの可視化を行う
勤怠管理や評価制度の見直しとあわせて、業務プロセスの可視化が重要です。オフィス勤務で当たり前に行われていた業務も自宅勤務ではうまく取り組めないことがあります。
こういった問題は、業務プロセスや進捗状況を確認するためのITツールの導入することがおすすめです。リアルタイムに近い形で状況を確認できるため、進捗状況を直接報告しなくても業務をこなせるようになります。また、こういったシステムはオフィス勤務にも活かせるので導入しましょう。
文書の電子化を行う
テレワークやリモートワークに必須ともいえるのが、文書の電子化です。テレワークやリモートワークでは、ネットワークで文書のやり取りを行うため、様々なものを電子化することが求められます。このタイミングで紙媒体の書類を減らして、電子化を行うこともおすすめです。
一部の重要書類や法律で紙媒体での保管が義務付けられているもの以外は、電子化することは問題ありません。ただし、そういったITに疎い層に対するフォローや理解を深めることも重要な要素です。どういったものを電子化するかを検討して、よりテレワークやリモートワークの生産性を高めましょう。
テレワークとリモートワークの生産性向上に役立つツール
社内コミュニケーションツール
テレワークやリモートワークで生産性向上に役立つツールを活用してください。まずは、テレワークやリモートワークに最適な社内コミュニケーションツールです。
社内コミュニケーションツールに含まれるものは、ビジネスチャットツール、グループウェア、社内SNSになります。テレワークやリモートワークにおいて、チャットで軽く雑談を楽しむことはコミュニケーションの上で大切なので気軽に活用しましょう。
また、スケジュール管理やタスク管理をツールで行うことで、テレワークやリモートワークの進捗状況を社内全体で確認することができます。直接本人に連絡を取らなくても業務が進んでいることが分かるので、ツールを導入して生産性を向上してください。
マニュアル作成ツール
テレワークやリモートワークを導入する上で、マニュアル作成ツールが活躍します。業務のために必要なマニュアルを電子化することで、管理や共有が簡単に行えるようになります。
一度マニュアルを作成して共有すれば、いつでもどこからでも確認することが可能です。たとえば、サテライトオフィスやカフェなどで仕事を行ったとしても、電子マニュアルがあればすぐに確認できます。その結果、テレワークやリモートワークの生産性が向上するのです。
RPAツール
RPAツールは、パソコンで行う定型的な操作をソフトウェアが自動で行ってくれることを意味します。事務系の作業を得意としており、Excelに入力したデータの基幹システムへの自動転記や請求書メールの自動送信など様々なことを自動で行ってくれるのです。
せっかくのテレワークやリモートワークを導入する上で、作業の効率化はどんどん行っていきましょう。自動化によって生産性の向上につながり、テレワークやリモートワークがさらに快適になります。
オンラインストレージ
データ共有のためにオンラインストレージがおすすめです。ネット上にデータを保存することで、クラウドサービスともいわれます。自動的に同期されることで紛失や保存忘れなども防げます。また、複数人で同時に作業を行うのにも適しているので、テレワークやリモートワークに活用しましょう。
テレワークとリモートワークの生産性向上に成功した企業事例
企業事例①八尾トーヨー住器株式会社
八尾トーヨー住器株式会社はテレワークとリモートワークの生産性向上に成功しています。特にサテライトオフィスやモバイルワークを活用し、残業時間を63.3%減少させたのです。働き方改革としてテレワークやリモートワークを取り入れたことで、離職者を抑制し、採用も増えています。
企業事例②チューリッヒ保険会社
チューリッヒ保険会社では、2012年頃からテレワークやリモートワークを開始しています。その後、2020年頃にコールセンターを含む全部門の95%の在宅勤務に成功しました。
テレワークやリモートワーク用の在宅勤務のオペレーションを設定し、生産性を低下しない基本のシステムを構築しています。特にメンタル面のサポートに力を入れており、テレワークやリモートワークをする際の不安解消を心がけているので参考にしましょう。
企業事例③日本航空株式会社
日本航空株式会社では、週に2回のテレワークやリモートワークを認めており、フラックス勤務精度と併用できるようになりました。つまり、働く場をオフィスに固定するのではなく、自宅を含め社員が働きやすい場所で働く環境を整えています。
企業事例④株式会社ベネッセホールディングス
株式会社ベネッセホールディングスでは、移動時間や通勤に要する時間削減のためにテレワークやリモートワークが導入されました。社員一人ひとりが楽しく働ける環境をサポートすることで、生産性を向上させています。
テレワークとリモートワークの生産性を高めよう！
テレワークやリモートワークの生産性が下がる原因について解説しました。テレワークやリモートワークは、オフィス勤務と異なりコミュニケーション不足やモチベーションの維持が難しい働き方です。同時に書類やマニュアルの電子化によって効率化や生産性を高められるのも魅力になります。
企業がテレワークやリモートワークという働き方をよく理解し、環境を整備することが重要になります。テレワークやリモートワークは今後も導入する企業が増えていくので、生産性を高めるポイントを理解しながら活用していきましょう！
