採用コンセプトについて解説!目的や作り方と企業事例を紹介

採用コンセプトについて解説!目的や作り方と企業事例を紹介
目次

採用コンセプトの意味や作り方を知りたい!

少子高齢化で人材不足に悩んでいる企業が多いです。その中で少しでも多くの求職者に興味を持ってもらうために、採用コンセプトを作りましょう。採用コンセプトの目的や作り方、企業事例をまとめています。自社の採用コンセプト作りの参考にしてください。

採用コンセプトとは?

採用コンセプトの言葉の意味

採用コンセプトとは、企業が採用活動を行う基本方針を意味します。また、その採用を行う時に求職者にどのようにアプローチするのか、という意味です。企業が採用したい人物をメッセージとして発信し、求職者は求められている人材や企業文化が伝わるように設定しましょう。

採用コンセプトは「らしさ」が起点になる

企業は採用コンセプトを設定するときは、自社の企業理念や「らしさ」を起点にすることが大切です。自社の企業理念を前提に、どのような事業や価値提供を行っており、それを実現するために必要な人材の内容をまとめましょう

そして、採用コンセプトでは自社の価値観や独自文化を明確にし、他社との差別化を行うことが求められます。設定された採用コンセプトと求職者が求めているものがマッチすることで、人材獲得につながるのです。

採用コンセプトは表現や制作物の指針にもなる

明確な採用コンセプトが設定できると、自社の表現や制作物の指針にもなります。制作物は採用パンフレットや採用サイトが含まれ、説明会や面接方法の指針にもなるのです。大学に訪れるリクルーターの方針などにも関係するので、採用の根幹に関係してきます

コンセプトとメッセージの違い

採用コンセプトと似たものとして、採用メッセージが存在します。簡単に違いを説明すると、採用コンセプトは指針で、採用メッセージはコンセプトをベースにメッセージ化したものです

企業のらしさや理念から作られる採用コンセプトは、あまり凝ったキャッチフレーズ化する必要はありません。逆に採用メッセージの場合は、表現を工夫して求職者などに伝わりやすいメッセージ性が求められます。情緒的なものやロジカルなものなど、個性的なものになることもあるでしょう。

そのため、採用コンセプトは自社で考え、採用メッセージは外注する企業もいます。こういった違いがあるからこそ、採用コンセプトをしっかりと設定しないと、採用メッセージで表現されるものがズレてしまうことがあるのです。

採用コンセプトの目的

自社の価値観や理念を端的に表現するため

採用コンセプトの目的は、自社の価値観や理念を端的に表現するためです。企業理念や戦略をターゲットに分かりやすく伝える必要があり、自社の軸となっているものが伝わるようにしましょう

あまり長々と説明するものではなく、理念や戦略をターゲットに端的に伝わるような表現にします。ブランドイメージに近い部分があり、自社が必要としている人材が応募してくれるように設定すれば雇用のミスマッチも防げるのです。

求職者ターゲットの心に響かせるため

求職者ターゲットの心に響かせるためにも、採用コンセプトは重要な役割を持ちます。企業が求める人材にマッチしている求職者ターゲットは、人材難の現代社会において逃すことのできない人材です。そういった人材に自社に興味を持ってもらえる、心を動かすような言葉を設定しましょう。

他社との差別化を図るため

他社との差別化を図るために、採用コンセプトを活用してください。同じ業界や業種では、求職者ターゲットとして考える人物像が他社と似ることが多く、差別化を図る必要があります。

自社が他の企業とどのように違うのかを採用コンセプトで伝えなければなりません。他社に負けないような魅力を伝えることで、求職者ターゲットの注目を引くことができるのです。

採用コンセプトの作り方

作り方①事実の深堀りと差別化を行う

実際に採用コンセプトを組み立てて行きましょう。採用コンセプトの作り方の中で重要な6つのステップを解説します。最初に行うのはシーズの発見です。シーズというのは、自社ならではの価値観やらしさを意味する言葉になります

そのために事実の深堀りと差別化を行って自社分析を行いましょう。自社の社員にインタビューなどを行って魅力を再確認することもおすすめです。企業の価値観や考え方、強みや競合他社との比較がシーズの発見につながっていきます。

作り方②世の中やターゲットのニーズを見つける

自社分析に続いて、世の中やターゲットなる求職者のニーズを考えてください。ターゲットとなる存在には学生や転職者も含まれるので、こちらのニーズを見える化することが大切です。特に現代の学生が仕事に対してどういったものを求めているのかを確認することが必要になります

作り方③要件定義を確認する

シーズの発見とニーズの発見ができたら、その交点を探して採用活動でやるべきことを再確認しましょう。求職者のニーズに偏りすぎるのではなく、自社の強みやらしさを活かしつつ行うことが大切です

作り方④ターゲットのペルソナを設定する

ペルソナは心理学で用いられる言葉で、人格を意味する言葉になります。ビジネスやマーケティングの世界では、サービスや商品の典型的なユーザー像を意味する言葉です。実際にその人物が実在しているように、細かな情報を設定していきましょう。

たとえば、実際に社内で活躍している人物をモデルにしたり、自社の戦略に必要な人物像から考えるのもおすすめです。能力やスキルだけでなく、価値観や性別、年齢、趣味などのパーソナリティも考えてください。

このようにして出来上がったターゲットのペルソナを参考に、採用コンセプトに役立てて、面接などにも活用していきましょう。

作り方⑤コンセプトを言語化する

要件定義した内容をペルソナに届けるための、発信方法を考えてください。このコンセプトの言語化を行うことで、具体的な戦略が見えてきます。相手に明確に伝わるように言葉を探して、言語化してください

作り方⑥コンセプトの検証とブラッシュアップを行う

採用コンセプトが出来上がったら、検証とブラッシュアップを行っていきましょう。社内のメンバーや内定者など、想定したペルソナに近い人材に見てもらうことがおすすめです。自由に意見をもらい、複数のコンセプトを確認してもらいましょう。

採用コンセプトの検証を行ってもらい、自社の理念や戦略、必要としている人材が伝わるのか、意見をもってください。ブラッシュアップを繰り返して質の高い採用コンセプトが出来上がれば、全体に伝えて認知してもらいます。

自社の戦略を進めていくためにも非常に重要なものなので、採用コンセプトは表現や制作物、採用方針や採用説明など、様々な場所で活用しましょう。

採用コンセプトの企業事例

企業事例①ダイキン工業株式会社

採用コンセプトの企業事例を確認していきましょう。自社の戦略を考える上で、採用コンセプトの企業事例を参考にしてください。まずは、空調関係で知名度のあるダイキン工業株式会社の採用コンセプトです。

ダイキンは「国境はない。マニュアルもない。だから、ダイキンの仕事は面白い。」という採用コンセプトを掲げています。ダイキンは日本だけでなく、海外での売上も大きくグローバル化を進めている企業です。

そのため、世界を意識した人材を求めていることが分かるように設定されています。採用コンセプトを見るだけで、企業がどういった戦略でビジネスを行っているかが分かり、求めている人材像も確認できる事例なので参考にしてください。

企業事例②サントリーホールディングス株式会社

フランクな採用コンセプトを掲げているのは、サントリーホールディングス株式会社です。サントリーの採用コンセプトは「やってみなはれはサントリーそのものである」になっており、挑戦する姿勢を尊ぶ社風が表現されています。

この「やってみなはれ」の理念は、創業者から受け継がれてきたものであり、社員に共有して欲しい基本の部分です。キャッチーな言葉だけど、砕けすぎていない雰囲気がポイントになります。こういった採用コンセプトは様々な世代に響くわかりやすいものといえるでしょう。

企業事例③株式会社ツムラ

漢方薬メーカーであるツムラは「自分らしさと想いを伝えて欲しい」というダイレクトな採用コンセプトを掲げています。採用コンセプトの起点である「らしさ」を表現したものになっており、個性を大切にする企業であることが伝わる内容です

他の企業の採用コンセプトと比較すると、少し抽象的な表現ですが、短くコンパクトに自社の理念をまとめています。漢方薬という人間のパワーの源に関わる製品を扱っているだけに、人を重視した採用コンセプトといえるでしょう。

企業事例④小田急電鉄株式会社

小田急電鉄株式会社は「夢 いろんな夢があっていい。みんな同じじゃつまらない。理想の姿をイメージしよう 小田急で働こう。」という採用コンセプトです。

小田急は鉄道に関係する仕事がメインですが、沿線の商業施設での勤務や鉄道インフラを支えるために、IT技術者も必要としています。そのため、求職者ターゲットとして列車運行以外の仕事もあることを伝える必要がありました。

既存のイメージから脱却できるような採用コンセプトを考えたものであり、あえて列車に関するようなワードを使っていないのも注目ポイントです

企業事例⑤Plan・Do・See

Plan・Do・Seeはホテルやレストランを運営する企業です。日本だけでなく世界中で展開しており、ブライダル関連に強い企業になります。しかし、企業としてはブライダルだけではグローバルな成功を収めるのは難しいと感じており、採用コンセプトではそういった点に注意したそうです

そこで「日本のおもてなし文化を、世界に広める仲間を集める。」という採用コンセプトを設定しました。ブライダルだけでなく、日本のおもてなし文化を世界に伝えることが、今後の経営戦略であることを明確にしています。

企業事例⑥株式会社エー・ピーカンパニー

株式会社エー・ピーカンパニーは、塚田農場などの居酒屋チェーンを展開する企業です。採用コンセプトは「第6次産業として、農業や漁業と飲食業をつなげる」というものを設定しました。

居酒屋チェーンとして食事を提供するだけでなく、農業や漁業とのつながりを大切にし、新しいサービス展開を行っていくことをアピールしたのです。知名度に対して企業自体がどのようなことを行っているのかを、分かりやすく提示した事例なので参考にしましょう。

企業事例⑦株式会社ほぼ日

コピーライターの糸井重里が主宰する「ほぼ日刊イトイ新聞」などを発行する、株式会社ほぼ日は「いい人、もっと募集。」という言葉を選びました。また、それを補足するメッセージとして「思いきりはたらける場所が、あります」というのも設定されています。

短くわかりやすい内容は、コンテンツ制作や運営を行っている企業らしさがあらわれており、端的ながら直感的なメッセージ性がある採用コンセプトです

企業事例⑧RIZAPグループ株式会社

ジムやダイエットに関する仕事に携わっているライザップグループは「人は変われる。を証明する」という採用コンセプトになっています。CM同様に明確でメッセージ性のある内容になっており、企業戦略やターゲットにしている人材がわかりやすくなっているので参考にしましょう

企業事例⑨株式会社鹿児島銀行

株式会社鹿児島銀行は「銀行から、はみ出せ」という強いメッセージを選びました。固いイメージのある銀行ですが、既存の考えにとらわれずに、新しい発想を求めているのが伝わる採用コンセプトです。やる気に満ち溢れた若い人材を求めている企業は、こういった内容を選んでみてください。

企業事例⑩株式会社電通

日本を代表する広告代理店である株式会社電通は「前例のない未来をつくるのは、キミだ。」という採用コンセプトを設定しました。このメッセージからは、与えられた仕事をこなすよりも、自分から世の中を変えたい、と考えている人材を求めていることがわかります

このようにそれぞれの企業によってメッセージは様々です。経営戦略や企業理念、欲している人材など様々なものが採用コンセプトとして言語化されているので、企業事例を参考に設定してみましょう。

採用コンセプトを作って理想の人材を確保しよう!

採用コンセプトの意味や目的について解説しました。採用コンセプトは、採用活動における指針を意味する言葉です。自社が求める人材やターゲットを明確にし、企業理念や経営戦略を知ってもらうことが重要になります。

特定のブランドイメージから脱却するためにも使える考え方です。そういった点を考えながら採用コンセプトを設定し、理想の人材を確保しましょう!

ビジネスカテゴリの最新記事