スマートワークの意味を解説！メリットや導入ポイントは何か？
働き方改革や新型コロナウイルスの影響もあり、いろいろな働き方が導入されています。その中でスマートワークという働き方に注目しましょう。スマートワークを導入するメリットやポイントについて解説します。実際にスマートワークを導入している活用事例も含めて参考にしてください。
スマートワークとは？
時間と場所にとらわれない柔軟な働き方のこと
スマートワークは、ICTと言われる情報通信技術を活用して生産性を高める働き方を意味します。今後、日本における働き方の中で重要になっていく考えです。スマートワークを導入することで得られるメリットを含めて、働き方の一つの方法として検討していきましょう。
テレワークとの違い
スマートワークを考える上で、テレワークとの違いについても確認してください。テレワークという言葉は新型コロナウイルスの影響もあり、一気に認知されるようになりました。
2つの言葉は基本的に同じような意味を持ちますが、スマートワークはICTを活用した働き方の総称で、その中にテレワークが含まれていると考えましょう。つまり、スマートワークを実現するためにテレワークを効果的に活用することが重要になります。
ワーケーションとの関連性
ワーケーションは、リゾート地などで休暇をとりながら仕事をすることを意味します。こちらも先程のテレワークと同じく、スマートワークを実現するための一つの方法といえるでしょう。
ワーケーションは仕事と休暇を融合させた働き方であり、ストレスの多い現代社会において、休暇を兼ねて働く労働形態が注目されています。非日常の環境で仕事をできるのがメリットであり、場所にとらわれず働けるのがポイントです。
スマートワークと比較すると、リフレッシュや休暇取得の促進が目的であり、こちらの導入もあわせて検討してみてください。
スマートワークが誕生した背景
ワークスタイル変革の影響
では、スマートワークが誕生した背景を確認しましょう。一番の理由として挙げられるのはワークスタイル変革の影響です。少子高齢化や女性の社会進出、ブラック企業やパワハラ問題など様々な働き方に関する事柄が注目されるようになりました。
同時に企業は多角化やグローバル化を進めており、従来の働き方では対応できない状態になったのです。そこで注目されたのがITやAI技術でした。高速通信やクラウドサービスを活用して、直接出社しなくても円滑なコミュニケーションを取れるようになったのです。
これらのサービスを利用するためのスマートデバイスも高性能化しており、今後も成長していくことが期待されています。技術の進化と価値観の多様化によって、ワークスタイル変革が起きてスマートワークが誕生したわけです。新しい働き方を活用することで、働きやすい環境を得られます。
少子高齢化による労働力不足
少子高齢化により労働力不足になっており、働き方を変えることで対策を取る企業が増えました。その一つとしてスマートワークを活用することがおすすめです。
スマートワークを活用することで、自宅で子育てを行いながら働く事もできますし、高齢者のスキルを活用することが可能になります。ライフスタイルに応じた時間の活用ができることで、今までなら「働きたいけど働けない」という人たちが参加できるようになりました。
男女間の格差
男女間の格差に対する考え方も、スマートワークが誕生した背景だといえるでしょう。女性の社会進出が進み、キャリアを重ねていく上で、結婚や出産、子育てなどは難しい問題でした。
そういったキャリアを継続したい人にとって、スマートワークは時間を有効活用できる働き方です。出社して長時間拘束されながら働くことはできなくても、スマートワークなら様々な場所や条件で働くことが可能になります。
男性も女性も働き方や意識が変わってきた中で、会社に直接出社する形だけが働き方ではなくなってきたのです。男女間の格差の問題も含めて、今後さらに注目される働き方といえるでしょう。
スマートワークのメリット
メリット①労働生産性の向上に繋がる
スマートワークのメリットは、労働生産性の向上につながる点です。従来の働き方だけでは対応できなくなった現代において、臨機応変な勤務体系を選べるのがメリットになります。自分が理想とする環境で働くことで、短時間で成果を出しやすくなるのも注目のポイントです。
メリット②ワークライフバランスを実現することができる
働くだけに人生の時間を消費するのではなく、自分らしさを大切にして余暇時間を楽しむことができます。スマートワークは家族や友人などの大切な人と過ごす時間を確保しやすく、趣味や資格取得などにもチャレンジしやすくなるのです。
こういったワークライフバランスを実現できると、健康促進やアイデアがわきやすくなり、結果的に仕事のクオリティを上げることにつながります。
メリット③従業員のモチベーションアップに役立つ
スマートワークを導入することで従業員のモチベーションにつながり、ライフプランを見つめ直すきっかけになるのです。心に余裕を持てることで、自発的な行動が増えます。モチベーションがアップした社員は離職率も下がり、愛社精神を持った状態になるのです。
メリット④ダイバーシティを推進することができる
価値観の多様化が進んだ現代では、ダイバーシティの推進が求められています。ダイバーシティは、個人や集団の間に存在している様々な違いを意味しており、多様性や相違点などを表す言葉です。
企業のダイバーシティ推進は必須であり、グローバル化との関わりも深い考えになります。スマートワークを導入して、多様性に対応した働き方を進めていきましょう。
日本でスマートワークの導入が進まない理由
ペーパーレス化が浸透していないため
日本はスマートワークの導入がなかなか進んでいないと考えられています。その理由としてペーパーレス化が浸透していないことが問題です。申請用紙や契約書をネットを経由して行える企業もあれば、今でも紙ベースで運用しているところがあります。
すべてをペーパーレス化する必要はありませんが、スマートワークを行っていく上では見直しが必要な要素です。また、ペーパーレス化を進めるためには企業だけでなく、国が法整備を行っていくことが重要になるでしょう。
情報漏洩リスクの懸念があるため
情報セキュリティに対する甘さが原因で、日本では情報漏洩問題が注目されています。そういった問題を抱えている現状では、スマートワークを導入しづらいのも事実です。企業全体がセキュリティ意識を高めることで、スマートワーク化を進められます。
社外に情報を持ち出して仕事を行うため、従業員のセキュリティ意識を高めることが必須です。従業員に貸与するPCへのセキュリティソフトの導入やどこまで持ち出し可能なのかを検討してください。
公平な業績評価の設計が難しいため
スマートワークは社内で仕事をするのと異なり、働いている様子を確認できません。そのため、従来と同じ形で人事評価や業績評価を行うのが難しくなります。そのため、成果主義のような結果を重視する評価に変更することを検討しなければなりません。
しかし、成果主義は従業員にプレッシャーがかかりやすい制度です。テレビ通話などを利用した面談を導入するなど、様々な新しい仕組みを導入していきましょう。そうすることでスマートワークを導入しても、公平な評価を行えるようになります。
スマートワークを導入する時のポイント
ポイント①働き方の選択肢を増やす
スマートワークを導入する時のポイントを紹介します。働き方の選択肢を増やし、ライフスタイルに合わせた形を選べるようにしましょう。それぞれの社員の状況や勤務形態を確認し、スマートワーク希望者を募ることもおすすめです。
たとえば、自宅から職場までが離れており、通勤時間が長い従業員をリストアップします。そういった従業員にスマートワークを導入し通勤時間を削減しましょう。
この通勤時間削減を自分の趣味の時間に使ったり、資格やスキル獲得に使ったりすることで、モチベーションを高めることができます。家族との時間を増やすことも可能であり、仕事とプライベートを両立したい従業員にとってメリットが大きい働き方といえるでしょう。
ポイント②企業と従業員の信頼関係を構築する
企業と従業員の信頼関係を構築した上でスマートワークを導入するのがおすすめです。社外で仕事をするスマートワークは、直接顔を合わせて働く今までのスタイルとは大きく異なります。
一部の社員からすれば、「スマートワークをしていると言っても、隠れてサボっているんじゃないか？」と考える人も出てくるでしょう。こういった考えや疑念を抱かれないためにも、企業と従業員の信頼関係構築が必須です。
スマートデバイスが普及していることもあり、テレビ通話など様々な方法で状況確認は行なえます。しかし、これをやりすぎると「監視されているような気分になり、スマートワークのほうが疲れる」という従業員も出てしまうでしょう。
テレビ通話による面談や定期報告をどのようなタイミングで行うか、直接会う機会を作るかなどのコミュニケーションの取り方を検討してください。
ポイント③評価制度を見直す
スマートワークを活用するためには、従来の評価制度では正しい判断が行えない可能性があります。そのため、成果主義や目標管理制度などの新しいシステムを導入しましょう。
目標管理制度では、企業が達成して欲しい目標を提示して、上司と従業員が話し合いを行います。そこで個人の目標設定を行って、自発的に達成方法を考えて行動する制度です。
業務報告や進捗確認に対して、上司が適切にアドバイスを行ってサポートすることが求められます。評価は基本的に数値や目に見える成果で行うのがポイントであり、憶測や推測は判断に使用しません。スマートワークのような働き方に適した制度なので活用しましょう。
ポイント④個人の意識を変える
新しい制度を導入する際は、そのことに抵抗感を持つ従業員も出てきます。しかし、時代の変化に対して働き方を変えるのは重要な取り組みです。なぜ、スマートワークという働き方が必要なのかを説明し、柔軟な考え方ができるように企業が説明を行ってください。
スマートワークの活用事例
活用事例①コニカミノルタ株式会社
コニカミノルタ株式会社では、グローバル人材の活用に積極的な企業です。同時にダイバーシティを推進し、その中でスマートワークを導入しました。働き方改革に取り組んだことで、新しいアイデアや柔軟な働き方が行えるようになり、市場改革も成功しています。
活用事例②イオングループ
イオングループでは、キャリアに合わせた働き方の変更が選択できます。ライフスタイルに合わせた働き化が取り入れられたことで、離職率の低減に成功しました。
活用事例③富士通株式会社
Web会議を導入して出張コストを削減したのが富士通株式会社です。テレワークの導入にも積極的で、自宅やサテライトオフィスでの勤務も推奨しています。時代の変化に合わせた働き方を導入した活用事例として、非常に参考になる企業です。
活用事例④株式会社リクルートスタッフィング
株式会社リクルートスタッフィングでは、男女差がない環境づくりを目指してスマートワークが導入されました。子育てや介護などで労働時間が制限されている人に対して、働きやすい環境づくりを行ったのです。
一日の平均労働時間の削減や時間あたりの売上生産性アップに成功しており、結果的に顧客満足度や業務効率アップにつながりました。
活用事例⑤ソフトバンク株式会社
ITやAI技術に関するノウハウがあるソフトバンク株式会社では、これらの技術を使って半分の時間で生産性を2倍にすることを目標にしました。育児や介護の負担がある社員は週3回まで在宅勤務を認めるなど、新しい取り組みにチャレンジしています。
活用事例⑥株式会社小松製作所
株式会社小松製作所では、ダイバーシティ経営の推進を行っています。その中で育児や介護のための支援や、フレックスタイムの導入を行っています。こういった柔軟な働き方や多様性を認める姿勢が注目されており、スマートワークによって働きやすい環境整備が行えました。
スマートワークを導入して従来の働き方を見直そう！
情報通信技術を活用した、時間や場所にとらわれないスマートワーク、という働き方について解説しました。スマートワークはグローバル化や価値観の多様性に対応できる、柔軟な働き方として注目されています。
労働人口が減少し、介護などの問題も抱えている現代社会において、人材難対策として導入が進められています。自社の従業員のモチベーションをアップさせるためにも、スマートワークを導入して従来の働き方を見直しましょう！
