パワハラとモラハラの違いは?職場で起こった時の対処法も解説!

パワハラとモラハラの違いは?職場で起こった時の対処法も解説!

パワハラとモラハラの違いを知りたい!

社会的な問題として取り上げられることが増えたパワハラとモラハラについて解説していきます。働く場は誰にとっても心地よく、ストレスが少ない場所が理想的です。

そういった場で社員に対して厳しいパワハラを行っている上司がなかなか減らないのも実情です。また、そういったパワハラと同じく家庭内に関係するモラハラも問題になっています。それぞれの違いや対処法についてまとめたので、問題解決の参考にしてください。

パワハラとモラハラの違いとは?

パワハラの定義

それぞれの定義と違いについて確認していきましょう。パワハラは「パワーハラスメント」のことで、優越的な関係にもとづく身体的および精神的な苦痛や嫌がらせを意味します

現在はパワハラ防止法という法律で、企業はハラスメントを防止することが義務付けられているのです。ハラスメントが起きやすいのは上司と部下の関係であり、優越的な関係を利用して業務上の必要を超えた要求を行う状態になります。

また、取引先などからハラスメントが行われることもあるでしょう。長年の付き合い、というものでハラスメントが行われていないか見つめ直すことが求められているのです。

モラハラの定義

モラハラは「モラルハラスメント」のことで、道徳を理由として精神的な苦痛や嫌がらせを意味しています。職場でもハラスメントは起きますが、家庭内での増加が問題視されているのです。

また、加害者側が悪いことをしていると感じていないことが多く、目に見えない被害者が多いのも特徴になっています。

一種の精神的な洗脳や支配が見られる行為であり、直接殴ったり大声で叱責していなくても、態度などで相手を追い詰めるようなものがモラルハラスメントにあたると考えましょう。

パワハラとモラハラの違い

パワーハラスメントとモラルハラスメントの大きな違いは直接肉体的なダメージを与えるかどうかです。パワーハラスメントは殴る蹴るなどの直接的な暴行が含まれ、また地位や立場の優位性を利用するのが特徴です。

モラルハラスメントは精神的な部分にダメージを与えることが多く、同僚や家族などからも行われています。また、セクハラは男性から女性のイメージが強いかも知れませんが、モラルハラスメントは同性同士でも起きるので注意しましょう。

パワハラやモラハラがもたらす会社への悪影響

会社への悪影響①使用者責任が生じる

それぞれの違いを確認しながら、会社にどういった悪影響が起きるかを確認してください。まず、こういった問題が発生すると、会社や職場は不法行為責任である使用者責任者に問われます。

つまり、危険行為を犯した加害者だけでなく、それを雇っている企業にも責任があるわけです。自社の社員がハラスメントを行っていないか調査することが重要で、問題が起きないように環境を整えるようにしましょう。

会社への悪影響②債務不履行責任が生じる

職場環境配慮義務である債務不履行責任が問われることもあります。これは雇用主が労働者が快適に働ける環境を整える義務があるためです

それぞれの問題の違いを理解しながら、どのようにしてハラスメントが起きないように防止するか検討することが必要になります。セミナーや研修を通して従業員だけでなく、企業自体が防止策に積極的に取り組んでください。

会社への悪影響③職場環境が悪化する

問題が放置されたままになると、職場環境が悪化します。会社が問題に対処してくれない状態が続くと離職者が増え、社会的な信用も失われるでしょう。

直接、ハラスメントを受けている人だけでなく、周囲でそれを見ている社員も離職を考えるためです。場合によっては立場上、いじめなどに加担させられることもあり、職場環境はどんどん悪化していくので注意が必要になります。

会社への悪影響④心理的ストレス反応のリスクが高くなる

経営者は社員の心の状態をより良くすることが大切です。ハラスメントが放置されていると、いじめを受けている側は心理的ストレス反応のリスクが高くなっていきます。

PTSDなどが発症すると簡単に治すことは難しく、離職する可能性が高くなるでしょう。また、問題を放置すると加害者もハラスメント行為がさらにエスカレートしていきます。そのことで職場で負の連鎖が起きる可能性があるので、こういった悪影響に注意してください

パワハラとモラハラを防ぐ方法

経営者が方針を明確にする

では、パワハラとモラハラを防ぐためにはどういった方法があるのでしょうか?それぞれの問題点の違いも考えながら防止策を検討してください。防止策が取れている企業は他とは違い、経営者がまず明確な方針を示していることです。

トップが対応の間違いを無くし、問題点をしっかりと理解することが求められます。会社がそういったことに取り組む意思があり、問題点を理解してくれているなら社員も安心感が得られます。また、問題行動を起こしている人物も考えを改めることでしょう。

労使協定などでルールを決める

社員が間違いを起こさないように、そして自分たち自身で守るためにも労使協定などでルールを定めましょう。加害者に対する処分を明確にしておくことで、間違いが起きないに未然に防げるようになります

社内の実態調査を実施する

経営者や人事は社内の実態を調査することが重要です。ハラスメントを起こす人物の特徴として、立場上優位に立っている人や自尊心が強すぎる、というものが挙げられます。

自分の行動に間違いが無い、と考えている人は周囲にもそれを強制することがあるのです。そういった性格的な特徴を持っている人物の行動を調査し、部下がハラスメントにあっていないか調査しましょう。

社員への啓発や教育の場を設ける

防止策として社員への啓発や研修を行ってください。講演会やセミナーを通して実例などを交えて問題を理解させることが必要です。パワーハラスメントやモラルハラスメントの違いを含め、どういった人がハラスメントを起こしやすいのかを学ぶことが求められます。

パワハラやモラハラが職場で起こった時の対処法

対処法①言動を録音しておく

職場でハラスメントが起きたときの対処法について確認しておきましょう。聞き間違いなどを防ぐためにも録音しておくことが一番の重要な証拠になります。

ただの勘違いではないことを明確化するためにも役立ち、周囲に助けを求めることにも使えます。時には会社ではなく、録音データを持ってマスコミに駆け込むことも選択肢です。

対処法②メールやLINEの内容を保存しておく

同じく周囲に勘違いなどと言われないように、メールやLINEの内容は保存しておきましょう。メールやLINEはクラウドにバックアップを取ることもできるので、間違いで消してしまったときにも対応できます

家庭内で起きるモラルハラスメントは、メールやLINEなどにも記録として残ることが多いです。夫や妻に対する暴言や威圧的な言動を間違いなく記録してくれる存在になるので、スクリーンショットやクラウドへのバックアップを活用しましょう。

対処法③SNSの画面を保存しておく

近年はソーシャルネットワーキングサービスが普及し、FacebookやTwitterなどを利用する人が増えました。SNSは使用者側がアカウントを削除して証拠隠滅する危険性があります。

そのため、SNSでハラスメントを受けた場合はすぐに画面を保存しておきましょう。自由に利用して削除できるという特徴をふまえて、証拠化することを忘れないでください。

対処法④相談窓口を設置する

経営者や人事は問題が悪化しないためにも、相談窓口を設置しておきましょう。経営者側が社員を守るためにも相談窓口を設置して危険を防止することが必要です

対処法⑤外部機関のサービスを利用する

ハラスメントの定義をより明確に理解している外部機関を頼ることもおすすめします。労働に関する定義に詳しい弁護士に相談したり、労働基準監督署の総合労働相談コーナーを活用してください

こういった機関ではハラスメントに対する相談を日頃から受け付けており、日本語以外の言語にも対応しています。言語の違いにも対応してくれるので、外国人労働者にも頼れる存在です。そして、実際に危険がある場合は行政指導を行ってくれるので問題解決につながります。

パワハラやモラハラの違いを覚えておこう!

パワーハラスメントやモラルハラスメントの違いや定義について解説しました。どういった特徴を持った人が起こしやすいのか、そしてどのような防止策や対処法があるのかを確認しましょう。こういった問題行動を起こす人の特徴として、ほとぼりが冷めると同じようなことを起こす可能性があります。

経営者や人事はハラスメントを起こす人間の特徴をよく理解し、間違いのない適切な対処を行ってください。そして、より良い環境を作って、社員が身体的・精神的にストレスを抱え込まない環境を作ることを心がけましょう。

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