カルチャーフィットの意味や見極め方を解説!
人材不足や採用難が続く現代において、どういった人材を獲得するかが重要な課題になっています。そして、採用後に雇用のミスマッチが起きることを防ぐために、カルチャーフィットを考えた面接を行っていきましょう。カルチャーフィットの意味や見極め方を参考に採用を進めてください。
カルチャーフィットとは?
企業の文化に馴染めている状態を指す言葉
カルチャーフィットは、企業文化に馴染めている状態を指す言葉です。カルチャーは「文化」、フィットは「適合」などを意味しています。入社後に企業の中でうまく能力を発揮できるかにつながる要素なので、採用のときの見極め化が重要になるのです。
スキルフィットとの違い
カルチャーフィットとスキルフィットの意味の違いも確認しておきましょう。カルチャーフィットが「文化」に適合しているのかに対し、スキルフィットは「能力」が適合しているかを判断する指標です。採用後の業務に対して、能力が適しているかを確認する言葉になります。
このカルチャーフィットとスキルフィットは、どちらもバランス良く適合しているのがベストです。どちらか一方に偏っているだけでは能力を発揮しにくい状態なので、しっかりとした見極め方が求められます。そういった見極め方や育成方法について確認していきましょう。
「カルチャーフィット切り」の言葉の意味
カルチャーフィット切り、という言葉の意味も覚えておきましょう。これは採用時に関係する言葉です。採用面接を行っている時に、担当者が応募者が自社にカルチャーフィットしていないと感じた際に、採用を見送ることを意味します。
たとえ応募者の能力が高くても、自社の文化にマッチしていなければトラブルの原因になります。また、応募者にとっても入社後に不満を感じて離職する原因になるのです。面接担当者はこういった部分の見極め方を丁寧に検討し、カルチャーフィット切りを行ってください。
カルチャーフィットが注目されている背景
早期退職率の高さによる人材不足
入社から3年以内に退職した人を早期退職者、と言います。近年は少子高齢化により人材不足の問題がありますが、同時に早期退職率の高さも無視できないポイントなのです。
採用して教育や研修を行った若手社員が早期退職することは、時間もコストも無駄になります。早期退職率は平均で3割以上になっており、100人中30人が3年以内に退職するのは大きな問題です。そういった問題に対処するために、カルチャーフィットが重要視されています。
企業が採用するときにカルチャーフィットを重視することで、雇用のミスマッチを減らすことができるのです。企業風土に馴染めないことで退職するのを防ぎ、気持ちよく多くのことを学んで吸収してもらえます。早期退職者に悩んでいる企業は、カルチャーフィットを重視した面接を行いましょう。
リモートワークの普及によるコミュニケーション不足
新型コロナウイルスの影響で大手企業だけでなく、中小企業でもリモートワークが普及しました。リモートワークにはメリットも大きいですが、コミュニケーション面ではトラブルも確認されています。
直接顔をあわせて交流をしたい、と考える人も多くいるため、リモートワークを取りやめる企業も出ているのです。また、こういったリモートワークによって、社内文化にマッチすることが難しくなりました。
そのため、企業の経営理念などが浸透しない状態が進んでおり、一致団結して目標達成を行うのが困難になっているのです。こういった時事的な問題もカルチャーフィットが注目されている理由です。
カルチャーフィットの効果
モチベーションと生産性の向上に繋がる
カルチャーフィットしている社員がいることは、企業にとってメリットがあります。企業理念や社員同士の価値観がマッチしていることで、モチベーションと生産性の向上につながるのです。
人間関係が円滑な状態は良い影響を生み、社員も気持ちよく仕事に取り組むことができます。また、カルチャーフィットによって価値観が統一されているため、企業が達成したい目標に向かって一丸となって取り組めるのです。カルチャーフィットしている企業の団結力は注目点といえるでしょう。
早期離職を防ぐことができる
企業にとって離職率が高い職場は人材難に陥るので、避けたい問題です。そういった問題を防ぐためにカルチャーフィットが重要になります。特に新入社員の早期離職を防ぐことで、新しい人材のパワーが企業をもちあげてくれるのです。
カルチャーフィットしない場合のリスク
コミュニケーションコストが増えてしまう
カルチャーフィットしていない場合、企業内で価値観が異なり、意思統一ができなくなります。何かプロジェクトを始めるときも考えがまとまらず、効率の悪い状態になるでしょう。
こういったコミュニケーションコストが増えることは、ストレスの原因にもなります。悪い雰囲気はどんどん広がっていくため、ギスギスした関係になるので早期に改善することが必要です。
カルチャーフィットしていないままでは、早期退職やストレスの蓄積など悪循環が続きます。カルチャーフィットのために個人プレーに走っている特定の人物の解雇や社内研修で価値観の統一を行ってください。
特定の企業で働く動機が薄くなってしまう
企業で働く上で「この会社で働き続けたい」というモチベーションが重要です。つまり「この会社じゃないとだめだ」という動機が必要になります。そういった部分にカルチャーフィットは関係しており、早期退職対策になるのです。
カルチャーフィットしていない状態では、プロジェクトなどが一区切りついた段階で、退職者が発生する可能性があります。これは、自分がカルチャーフィットするような良い環境や条件の企業を求めてしまうのが関係しています。この点に注意してカルチャーフィットを考えた採用を行いましょう。
カルチャーフィットを進める方法
言語化したカルチャーを社内に周知させる
カルチャーフィットを進める方法を紹介します。まずは企業内にカルチャーを定着させることで、自社の文化を知らせやすくなります。そのために、カルチャーを言語化することがおすすめです。
企業風土や文化を言語化するのは難しいことですが、これができると社員も新しく採用面接を受ける人も企業のカルチャーを理解しやすくなります。企業理念や行動規範をわかりやすい言葉に直したり、キャッチフレーズのような形で周知させてみましょう。
カルチャーに沿った社内制度を作る
自社のカルチャーを言語化できたら、カルチャーに沿った社内制度を作成してください。社内制度として反映されることで、社員に浸透するので重要な点です。定期的な交流会の開催や書籍購入費の補助など、グループや個人ごとの具体的な制度を設定することが求められます。
定期的に社内研修を実施する
社内研修を行い、カルチャーフィットをより促進させましょう。企業理念や文化を直接伝えることで、より意味を理解してもらえます。また、カルチャーフィットの意味も説明して、社員にその重要性を理解してもらいましょう。
また、言語化したカルチャーは社内研修だけでなく、外に発信することも重要です。企業情報や理念を発信するメディアを作ることも重要であり、社風や考えを理解してもらえるきっかけにしてください。
カルチャーフィットを見極めることができる面接時の質問内容
カルチャーフィットについての考えを聞く
採用面接のときに、カルチャーフィットを見極めるための質問を行っていきましょう。質問の答えによって見極め方の参考にしてください。基本となるのは面接を受けに来た応募者に対して、カルチャーフィットについての考えを聞きましょう。
応募者がカルチャーフィットに対する考え方をしっかりと持っていれば、入社後も安心してその活動を見守ることができます。同時に個人の価値観や考え方を知ることができるので、採用の見極め方として利用することも可能です。
自社のカルチャーについて質問する
自社のカルチャーに対する考えを質問しましょう。「弊社のカルチャーについて知っていますか?どのような場所でそれを知りましたか?」という風に質問してください。
カルチャーフィットに対する考え方だけでなく、情報収集能力を知ることにもつながります。自分が希望する企業に対する意欲や積極性を知れる質問であり、こちらも採用の見極め方として活用できるでしょう。
その中で応募者が自分の中でどういった情報を重要視しているかを知れます。採用担当者は自社にマッチする人材かを判断するポイントになり、チームとして活動していけるかを見極めてください。個人プレーが得意な人材も悪いわけではありませんが、プロジェクトを行う上で輪を乱す可能性があります。
価値観を具体的に知ることができる質問をする
採用面接を行う上では、応募者の価値観を知ることが重要です。個人の価値観と自社の企業内での価値観が合っているか考えて、カルチャーフィットしているか参考にしましょう。
幅広い質問項目を設定することで、応募者の価値観を確認できます。カルチャーフィットを知ることは、応募者の様々な情報を知ることにつながるでしょう。その上で、長く自社で働いてくれる人物かを見極めてください。
採用時におけるカルチャーフィットの見極め方のポイント
ポイント①1DAYインターンを実施する
採用時にカルチャーフィットの見極め方のポイントを解説します。おすすめなのは、1DAYインターンを実施する方法です。言葉や文字だけではどうしても伝わりにくい部分があるので、実際に働いてもらうことでカルチャーフィットするかを感じてもらうのがよいでしょう。
応募者はもちろん、社員側もカルチャーフィットするかを判断することで、実際に入社してからもうまくコミュニケーションを取れるか判断できます。インターンシップは学生のイメージがありますが、近年では社会人インターンという方法もあるので、こちらも活用してください。
社会人インターンの場合は学生のインターンシップと異なり、給与が発生することが多いです。短期間のものや長期休暇を利用するタイプなども存在しており、よりカルチャーフィットの見極め方として参考になるデータが集まるでしょう。
ポイント②複数社員による面接を実施する
応募者の気質やコミュニケーション能力を知るためには、複数社員による面接の実施がおすすめです。タイプの異なる面接官を用意し、応募者との交流を行ってください。
部署や役職が異なる面接官で行うと、応募者にマッチした採用が行えるか判断材料になります。こういったことは雇用のミスマッチを防ぐためにも意味があるので、複数社員による面接が必要です。
普段は面接担当者ではなくとも、配属先のメンバーや上司が参加することも検討しましょう。お互いが早い段階で交流することで、企業風土や職場の考え方を知ることができます。
ポイント③リファレンスチェックを実施する
応募者の前職での人柄や勤務態度を直属の上司などに問い合わせるのが、リファレンスチェックという方法です。最終的な採用の判断になる情報が得られることもあり、本当の姿を知る上でも活用できます。
普段の働きぶりや姿勢を知ることで、自社のカルチャーにフィットするかを判断できるでしょう。リファレンスチェックは採用予定者に行う方法であり、うまく活用すれば雇用のミスマッチ対策にもつながる方法です。
ポイント④カルチャーフィット診断を実施する
適性検査の一種として「カルチャーフィット診断」が存在します。面接官の主観による診断ではなく、AIを使って客観的なデータを得られるのがポイントです。近年は採用判断にAI技術を活用するところが増えており、そういった一環として採用することをおすすめします。
カルチャーフィットを活用して企業促進を図ろう!
カルチャーフィットの意味や重要性について解説しました。カルチャーフィットは企業文化にどれだけマッチしているかを調査し、採用の判断材料にする考え方です。もちろん、採用後の社員にとっても重要であり、カルチャーフィットしていない状態が続くと、離職率が高まる可能性があります。
採用面接の段階でしっかりと見極めを行っておくことで、その後のトラブルや教育コストを削減できるので重要です。複数社員による面接や1DAYインターンなどを活用して、自社とマッチしているか丁寧に確認を行いましょう!