採用難から脱却する方法を知りたい!
少子高齢化によって採用難に陥っている企業が多いです。また、応募者が減ることによって、限られた人材の中から自社にマッチする人材を探さなければなりません。このような人手不足に陥る原因や対策方法について解説します。採用難を乗り越えて、有能な人材を獲得しましょう!
採用難の現状
採用難に悩んでいる業界
日本企業は採用難に陥っているのが現状です。特に採用難なのは、運送や建設業、医療や福祉系、飲食などのサービス業、そしてIT業界です。それぞれの採用難の理由は異なりますが、根本的な解決には至っていません。それぞれの原因や具体的な対策についても紹介していきます。
有効求人倍率は年々上がり続けている
採用難に関して考えるときに注意したいのが、有効求人倍率は年々上がり続けていることです。有効求人倍率というのは、一人の求職者に対して存在している求人数のことを意味します。
2019年5月の全国平均は1.62で、コロナ禍の2021年6月分は1.13、7月は1.15でした。もちろん、地域ごとによって有効求人倍率は異なりますが、それでも一人に対して一つ以上の仕事は用意されており、2010年頃は0.52という時期もあったので大きく改善されていることが確認できます。
この状態はメリットもデメリットもあり、求職者からすれば仕事が選べる状態なので企業は採用難の原因になるのです。こういった有効求人倍率も採用難の理由として参考にしながら、対策を考えていきましょう。
中小企業の9割が人手不足を実感している
特に深刻な採用難に陥っているのが中小企業です。データによっては中小企業の9割が人手不足で採用難を感じています。採用難の問題を解決しないと人手不足はさらに加速し、現在働いている社員の負担につながるでしょう。
人材不足による倒産も増加している
人材不足が続くと企業は本来の仕事を円滑に行えないようになり、最終的には倒産する可能性があります。人手不足が原因で倒産する企業は増えており、そのために様々な対策を行っているのです。同様の理由で倒産しないように、必要な対策を学んでいきましょう。
採用難によって人手不足が起きる原因
原因①少子高齢化による労働人口の減少
採用難によって人手不足が起きる原因を解説します。最も大きな理由は少子高齢化による労働人口の減少です。出生率が下がり続けていることが理由で、今後もこの問題を根本的に解決する方法は見つかっていません。女性の社会進出や経済面の問題などが理由と考えられています。
若い人材の働き手が減少することによって、体力が必要な業界では特に採用難が起きているのです。こういった理由を踏まえた対策が必要といえるでしょう。
原因②若者の離職率の増加
人手不足は入ってくる人間が少ないだけでなく、出ていく人間が多い場合にも起きます。こういった若者の離職率が人手不足の理由になることがあるのです。
企業が職場環境を改善せず、長時間の残業やパワハラが横行していると離職率は上がります。また、若者の価値観は多様化しており、終身雇用制度も少なくなっている中で、一つの企業にずっと在籍するメリットが薄れていることも離職率につながっている点も注目しましょう。
人手不足や採用難に陥る理由が企業の働き方に関する考え方が原因になっているかもしれません。改めて自社の社員にアンケートを行って、職場環境などに対する意見を集めることがおすすめです。
原因③働き手の高齢化
少子高齢化が進む中で、働き手の高齢化も問題になっています。60代を超えても現役として働ける人材がいることは喜ばしいことですが、同時に企業はそういったベテランに頼るしかないのも事実です。
業種によっては高齢な社員を長時間働かせることはリスクがあり、いつまで働いてくれるか分からない不安定要素もあります。新しい技術を習得してもらって、20年30年と企業を背負ってくれる存在を企業は求めているだけに、働き手の高齢化は先を見据えた上で悩みの種といえるでしょう。
原因④採用にお金をかけられない
採用難によって人手不足が起きる理由として、採用コストが関係しています。企業は様々な理由からコストカットを行っており、採用予算のために潤沢な資金が用意できていません。
こういった採用にお金をかけられない状態も採用難につながっています。企業の中には無料のハローワークや縁故採用で採用コストを削減している事例もあり、若い人に対するアプローチが不足している点が問題です。
原因⑤求められるスキルが高度化している
技術革新により人材に求められるスキルが高度化しています。特にITやAIに関する技術は非常に重要になっており、グローバル化によるグローバル人材も必要です。
先程の高齢化に関連する問題点であり、年配の人には最先端のITやAI技術を取得するのは難しく、どうしても吸収力のある若手が必要になります。こういった求められるスキルの高度化と求職者の能力がマッチしないことも採用難に関係していることを覚えておきましょう。
原因⑥スキルにあった賃金形態になっていない
こちらも働き方改革が関係していますが、スキルにあった賃金形態になっていないことも、採用難の原因といえます。未だに日本では年功序列制度や終身雇用制度を重視している企業があり、欧米型の成果主義を取り入れられていないところが多いのです。
もちろん、成果主義にもデメリットは存在しますが、現代社会では高いスキルを持った人材を獲得し、技術力をアップさせることが必須になっています。しかし、そういったスキルに見合った賃金形態にしていないため、有能な人材を獲得できないこともあるため、雇用の見直しも検討してください。
採用難が企業に与える影響
競争力の低下
採用難が続くと企業に様々な影響を与えます。その中で注意したいのは競争力の低下です。新しい人材が入ってこないと、既存社員の昇格や昇給が行いにくく、業務遂行にも影響が出てきます。
新しい人材から受ける刺激もなく、疲労だけが溜まっていくためサービスの質が低下し、顧客離れも起きてしまうのです。中小企業では既存社員への負担がどんどん増して、さらに離職者が生まれて人材不足に陥ります。
採用コストの増加
採用難への対策を行わないままでは、採用コストの増加が起きやすくなります。採用難が起きる理由を確認して、いままでとは違う採用方法を検討しましょう。
現代社会では求人広告を出す程度では採用難が解決せず、採用コストだけがかかっていく状態になっています。いかにして自社に興味を持ってもらい、より多くの応募者を集められるか工夫する必要があるのです。
採用難の具体例
具体例①応募者が来ない
採用難の具体例を確認して対策の参考にしましょう。採用難の具体例として、一番多いのは応募者が来ない状態です。さきほどの採用コストの増加でも触れたように、求人広告を載せていれば応募が来る時代は終わったといえます。
パソコンやスマホを使って多くの会社を調査できるため、応募者の目を引くような求人広告を出す必要があるでしょう。受け身の姿勢で応募が来るのを待つのではなく、自分から動く必要があるのです。
具体例②面接した人材に内定が出せない
せっかく面接を行ったものの、内定を出せないことも採用難の具体例に該当します。自社の事業課題と採用の目的が明確になっていないと、応募者の希望条件とマッチしない問題が発生します。特にヘッドハンティングのような形では、人材要件を明確にして取り組むようにしましょう。
具体例③内定後にドタキャンされる
求職者は一社に絞って面接活動を行っているとは限りません。内定を出したものの相手に断れることもあるでしょう。その理由はすでに他のところで内定が出ていたり、面接を行っているうちに希望条件とのズレを感じた可能性があります。
面接の回数や必要書類が多すぎる、面接会場は遠方すぎた、といった理由も考えられ、途中辞退も少なくはありません。新型コロナウイルスの影響もあり、テレワーク面接を取り入れる会社も増えています。こういった方法を検討することで、辞退を減らしましょう。
採用難の具体的な対策
対策①シニア層や主婦層を採用する
採用難の具体的な対策に取り組んでください。採用難を解決するためには、新しい採用方法を取り入れることが必須です。たとえば、シニア層や主婦層を採用することで採用難を解決することができます。
これは採用難を解決するために、今までよりも採用ターゲットを広げる形です。シニア層や主婦層が求めている労働条件を検討し、働きやすい環境を構築することが求められます。シニア層や主婦層の考え方やスキルを活用することで、採用難だけでなく新しいアイデアにつながるかもしれません。
対策②女性の就業継続率アップをサポートする
女性の意識の変化や働き方改革によって、女性の社会進出が高まりました。女性が離職や休職する理由は様々ですが、どのようにして就業継続率をアップさせるかが課題です。女性が長く働いてくれる職場は職場環境が良い証拠であり、口コミなどで評判が広がる可能性もあります。
特に女性の妊娠や育児に関するフォローをどのように行うかが課題です。女性にとってキャリアプランを大きく変更しなければならないだけに、不安を抱えるポイントになります。短時間労働を許可することや、復帰をサポートすることで継続率がアップするのでおすすめです。
個別に面談を行って、今後の計画や希望をしっかりと汲み取ってあげることが大切です。採用難を解決するために、女性に長く安心して働いてもらえる環境づくりを行いましょう。
対策③企業の知名度をアップさせる
より多くの応募者が訪れることで採用難を解決できます。そのため、採用難対策として知名度アップは必須です。現代では多くの人がパソコンやスマホを使って情報収集を行っており、そういった人たちの目につくような宣伝を行うのも方法です。
また、自社の取り組みが取り上げられるような働き改革を行うと、国に取り上げてもらえるかもしれません。こういった企業の知名度アップで採用難を乗り越えましょう。
対策④社員寮を用意する
働きやすい環境を作ることで採用難対策にしてください。たとえば、社員寮を用意するのも対策につながります。遠方や会社に興味があるけど住居を確保するのが難しい人に効果が出ます。
製造業や建設業は自社の社員寮を用意しているところが多く、住み込みで働く形は珍しくありません。また、派遣労働などの期間工に対しても社員寮は助かる施設です。こういった人たちの採用が増えることで、採用難を改善することができるので検討してください。
対策⑤インターンシップを導入する
インターンシップは非常に重要な制度です。基本的に学生に一定期間仕事を体験してもらって、自社のことをよく知ってもらうのが目的になります。学生側も企業側もお互いのことをよく知れるため、雇用のミスマッチが起きにくくなるのがメリットです。
また、近年は社会人インターンという制度も注目されています。学生のインターンシップとは異なり、給与が発生するのが特徴です。転職希望者に自社での仕事を経験してもらって、そのまま雇用することが多いのもポイントになります。
面接と職場体験を同時に行うような制度なので、採用難を解決しながら有能な人材を獲得できるのでおすすめです。また、自社の評判を広げる口コミ効果もあるので、積極的に活用しましょう。
対策⑥募集要項を細分化する
応募者にわかりやすい形で募集するのもおすすめです。現代社会では様々な仕事が存在しており、その内容も様々です。たとえば営業職の場合、具体的にはどういった内容を行うのか細かく示すほうが良いでしょう。明確なターゲットを設定することで、採用難対策になります。
対策⑦友人紹介制度を導入する
自社で働く社員の信頼度が高い場合、紹介制度を活用するのも選択肢です。自社に勤務する人物に友人などを紹介してもらって、採用につなげる方法になります。
この方法のメリットは求人広告のコストがかからない点です。紹介する社員に友人の情報などを細かく説明してもらって、自社に適しているか考えましょう。その上で実際に自社を受けてもらうか検討してもらうのが安全です。
これらの対策によって採用難の状態から大きく改善できます。また、採用難を改善するためには、魅力的な職場環境を作り、アピールしていくことが一番の基本です。
採用難の理由と対策を知っておこう!
採用難の理由や対策について解説しました。採用難は自社が採用活動を思っても適した人材が集まらず、人材不足に陥ることを意味します。人手不足が原因でさらに社員が離職する可能性もあるだけに、採用難は重大な問題です。