プロセス評価の意味や目的を解説!
プロセス評価の意味や目的について紹介します。プロセス評価は、目標達成までの過程を評価する人事考課手法の1つです。人事育成にも使われる事から、様々な企業で採用しています。
本記事では、プロセス評価のメリットやデメリットについてまとめました。また、プロセス評価を導入する際のポイントや企業事例なども掲載しているので、参考にしてください。
プロセス評価とは?
まずは、プロセス評価について紹介します。プロセス評価が企業に注目されている背景や、メリット、デメリットについてまとめました。
結果や過程を評価する人事考課手法のひとつ
プロセス評価とは結果だけではなく、最終目標に至るまでのプロセスを評価する、人事考課手法の1つです。思い通りの結果が生まれなくても、そこにたどり着くまでの行動や活動を評価します。
また、上司や部門内ごとに分けて、企業の経営理念に沿っているかを評価基準にし、社員全体に情報を共有します。
プロセス評価が注目されている背景
今の日本の企業は、年功序列制度から成果主義に変わり、業績を見て評価するようになりました。しかし、業績だけで評価すると、月や半年ごとの短いスパンで結果を追い求めがちです。そうすると、目の前の数字だけを追いかけるようになり、リピート客を減らしてしまう可能性があります。
新規の顧客だけでなく、リピート客を作るためには、長期の過程を可視化する必要があります。固定客を増やして、利益を上げるために、採用する企業が多くなりました。
プロセス評価のメリット
プロセス評価は、社員のやる気を出し、コミュニケーションが取れるメリットがあります。長期的なプロジェクトの場合、すぐに結果がでません。そのため、その努力があまり評価されないケースが多いです。
しかし、プロセス評価を導入すると、結果以外のプロセスも評価できるので、社員のやる気が上がります。
プロセス評価のデメリット
プロセス評価は、社員のやる気を出させるメリットがあります。しかし、プロセスを見て判断するため、適切な精査が行いない可能性があります。そうすると、社員の評価が不公平になる可能性があるので、注意が必要です。
プロセス評価のデメリットを回避するには、具体的な行動目標を設定しましょう。行動基準を見える化すると、プロセスの評価がしやすいです。また、評価する人事も平等な対応をするように心がけましょう。
プロセス評価の目的
次は、プロセス評価の目的について紹介します。プロセス評価は、社員の日頃の行動を変える事ができます。また、人材育成やモチベーションの向上、業績を上げる事が可能です。
透明性の高い評価や社員の行動変革を行うため
プロセス評価は、長期的なプロジェクトの場合でも、評価が可能です。プロセス評価は、成果に向けた行動やサポートとして貢献している社員に対しても公正な評価ができます。また、プロセス評価の基準を数値化する事で、誰でも分かる評価基準にできます。
そのため、透明性の高い評価が確認できるので情報共有が可能です。そして、社員がどのような行動をすると、評価が上がるのかが確認できます。
社員の人材育成やモチベーション向上に役立てるため
プロセスの評価を公平に実行すると、社員は人事に対して不満が減るでしょう。そうすると、社員はモチベーションが上がり、積極的に仕事に取り組みます。評価基準が明確になるため、業務に必要なスキルや、成果が上がる行動を実行してくれます。
また、プロセス評価は、本人の強みや弱みが分かるため、自己啓発に繋がり、社員の人材育成に有効です。
経営理念に即した行動や企業の業績向上を促すため
プロセス評価を経営理念に沿って評価すると、その結果に合わせて行動してくれます。そして、経営理念の理解度が高まり、社員のモチベーションが上がります。また、モチベーションだけではなく、会社全体で人材育成や行動改革が起こり、業績の向上が期待できるでしょう。
プロセス評価の導入方法
次は、プロセス評価の導入方法について紹介します。プロセス評価を導入すると、適切な目標設定ができ、役割分担を数値化する事が可能です。
導入方法①適切な目標を設定する
プロセス評価を導入する際は、適切な目標設定が必要です。ただし、目標を設定する際は、成果に対しての最終目標にしましょう。プロセス評価の目標設定には、4つの方法があります。1つ目は、部下と上司との話し合う場を設けて、軌道修正しながら個人の目標を立てましょう。
2つ目は、目標がどのくらい達成できているかを数値化します。3つ目は、社員の役割やスキル、やる気などによって難易度を変えます。そして、4つ目は、社員がつまずいたときに、目標達成ができるようにサポートしましょう。
導入方法②プロセスを標準化する
プロセス評価を導入する際は、プロセスを標準化して分かりやすいようにしましょう。プロセスの標準化は、業務をしてきた行動の中から、最善の方法を見つけて設定します。
そうすると、どの社員でも同じ方法で成果を出せます。また、同じプロセスだと、社員同士で共通の評価内容を用いる事が可能です。
導入方法③プロセスの重要度を決める
プロセス評価を導入する際は、プロセスの重要度を決めると良いでしょう。どのプロセスを優先すると会社からどのように評価されるかを明確にします。評価基準が明確だと、社員全員がそのプロセスに対しての優先順位が分かります。プロセス評価を数値化して、重要度を決めましょう。
導入方法④役割分担を数値化する
プロセス評価を採用する際は、役割分担を決めましょう。同じプロセスでもそれぞれの役割があります。どの社員がどこまで役割を全うするのかを共通認識させる必要があります。その際に、役割分担の比率や重要度をなるべく細かく数値化しましょう。
プロセス評価を適切に機能させるポイント
次は、プロセス評価を適切に機能させるポイントについて紹介します。プロセス評価を機能させるには、自社に合った評価制度を作りましょう。そして、評価の定量化を心掛けましょう。
ポイント①自社に合った評価制度を構築する
プロセス評価を機能させるには、自社に合った評価基準を作りましょう。プロセス評価は、成果を出すために使われる手法です。そのため、プロセスの評価だけで人事考課を行うのではなく、業績もしっかり評価する必要があります。
また、プロセス評価の方法は1つだけではなく、該当する評価がいくつも存在します。そのため、どの評価方法をどのくらい取り入れるのか、をしっかり考えましょう。自社にとって最適なプロセス評価を構築して、会社全体のやる気を上げましょう。
ポイント②評価の定量化を心掛ける
プロセス評価を機能させるには、評価の定量化を行いましょう。プロセス評価は、結果までのプロセスを評価する手法ですが、上司によって評価が変わるケースが多いです。
誰でも平等に結果を出すには、定量化を心掛ける必要があります。評価基準をしっかり作る事で、人が変わっても安定した判断ができます。
プロセス評価の企業事例
次は、プロセス評価の企業事例について紹介します。実際に導入した2社の事例をまとめました。
企業事例①日本たばこ産業株式会社
日本たばこ産業株式会社は、プロセス評価の導入により、業務の改善に効果がでています。営業部の上司が社員にプロセスを評価してほしいかを尋ねたところ、部署内全員がプロセスの評価を望みました。
また、プロセス評価の方法についても、営業部長や社員達が徹底的に評価方法を話し合い、「基本行動」をまとめました。基本行動に沿って社員が動き、業務改善に繋がり、業績を残しています。
企業事例②トヨタ東京カローラ株式会社
トヨタ東京カローラ株式会社は、2002年に職能的人事制度から、プロセス評価とチーム評価に分けて業績を判断するように変更しました。例として、営業活動の流れと、取り組む姿勢の2つに分けました。さらに、細かく評価項目をトータルで20個設定します。
プロセスの評価は〇と×で判定をしており、〇で1ポイント、最高で20ポイント獲得できます。プロセスを分かりやすく評価して、社員が見やすい制度にしました。
プロセス評価を人材育成や業務改善に活かそう!
プロセス評価は、最終目標だけでなく、そこに至るまでのプロセスを評価する人事考課手法の1つです。プロセスを評価は、人材育成もできるので、社員のやる気や行動も変える事が可能です。
プロセス評価の導入は、誰でも分かりやすく設定できるため、社員全員に共有できます。プロセス評価を導入して、人材育成や業務改善に活かしましょう。