PL脳が会社をダメにする!ファイナンス思考が必要な理由と脱却事例

PL脳が会社をダメにする!ファイナンス思考が必要な理由と脱却事例

PL脳から脱却してファイナンス思考を身に付けたい!

「PL脳」という言葉を知っていますか?PL脳とは売り上げや利益ばかりを追求して経営するやり方のことですが、現代の変化の激しい時代ではPL脳から脱却してファイナンス思考になる必要があります。

この記事では、PL脳の言葉の意味や会社をダメにする理由、ファイナンス思考が必要な理由について紹介します。また、PL脳から脱却した企業事例についても紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

PL脳の意味と会社をダメにする理由

まずは、PL脳の意味や会社をダメにしてしまう理由について解説していきます。

PL脳とは経営の中でも会計のみを重視したやり方のこと

PL脳とは、経営の中でも会計のみを重視したやり方のことであり、「PL」とは財務諸表の1つの損益計算書のことを指します。PL脳で経営を行っている会社だと、経理部が作成した資料のうち損益計算書しか見ていないことが多いです。売上から費用を引いて利益がどのくらい残るかを見て経営を進めます。

会社をダメにする理由①時代の変化に対応できないため

PL脳が会社をダメにする1つ目の理由は、現代の変化に対応できないためです。PL脳的な考え方は「売上を最大限伸ばし経費を最小限にとどめれば、利益は最大になる」というシンプルな考え方です。

ただし、現代のビジネス環境は変化の流れが激しく、産業構造自体が大きく変わっていきます。昔の日本の高度経済成長期とは異なり、目先の数字だけを見ていても時代の変化に対応できず、経営を悪化させてしまうのです。

会社をダメにする理由②会社の価値が正しく表れていないため

PL脳が会社をダメにする2つ目の理由は、会社の価値を正しく表れていないからです。企業の価値は損益計算書だけで正しく判断はできません。

例えば企業の合併や買収をする時は、将来的なキャッシュフローを含めて会社の価値を計算します。もし他社から会社の合併や買収の話があった際に、損益計算書だけで判断基準とすると、会社の価値を安く見積もってしまう可能性があるでしょう。

PL脳のファイナンス思考が必要な理由

続いて、PL脳のファイナンス思考が必要な理由について解説します。

PL脳における弊害

PL脳における弊害は、現代のビジネス環境には適していないことが挙げられます。現代はテクノロジーが大きく進歩しており、ビジネス環境は常に変化しています。今まではビジネスとして成りたっていたものが全く成り立たなくケースもよくあります。

具体的に説明するために世界の時価総額を見てみると、30年ほど前なら日本企業が上位を独占していました。しかし、現代は日本を象徴する企業であるトヨタでさえも上位30位に入っていないという状況なのです。

ファイナンス思考との違い

PL脳とファイナンス思考は、朝倉祐介著「ファイナンス 思考」という本の中で使われた言葉です。ファイナンス思考とは、 企業価値を最大にすることを目標にした考え方です。そのため目先の売上や利益だけを求めるPL脳とは大きな違いがあります。

ファイナンス思考は将来的に会社を成長させていくためにはどのような手を打つべきかを決定していくやり方であり、長期的な視点から、将来生み出すキャッシュフローを最大にするためにはどうすればいいのかを考えていきます。

ファイナンス思考の必要性

PL脳を脱却するためにも、ファイナンス思考は大切な考え方です。日本はPL脳に支配されている企業がほとんどだといわれています。

企業の長期的な成長のために先行投資することはリスクを負う可能性があるでしょう。そのため業績が悪化することを避けるために、積極的な事業投資を躊躇してしまうのです。PL脳は衰退していく経営であるといえるため、ファイナンス思考を身に付ける必要があります。

PL脳から脱却する方法

PL脳から脱却する方法は、ファイナンス思考を身に付けて経営に取り入れることです。ファイナンス思考を身に付けるには、ファイナンス思考に関する本や講座、セミナーを活用してみてはいかがでしょうか。

そして知識をインプットしたら、経営に取り入れるなど、必ずアウトプットするようにしましょう。未来の会社の成長から現在を見る視点を持つためにも、経営者はファイナンス思考を実行できるようになることが重要です。

PL脳から脱却した企業事例

最後に、PL脳から脱却した企業事例について紹介します。

企業事例①GAFA

PL脳から脱却に成功した企業事例の1つ目は、米国の企業であるグーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの4社を合わせたGAFAです。この4社に共通することは「短期的なPL上の数値にはネガティブな影響が出る意思決定をして、将来の成長に必要な事業には大きな投資をしていること」です。

例えばGAFAの一角であるアマゾンは、主力であるEC事業に加えて、AWSと呼ばれるクラウドサービスへの先行投資をすることによって、巨大企業に成長しています。このようにGAFAは継続的な複数事業の成長性が評価され、時価総額を大きく成長させることに成功しました。

企業事例②コニカミノルタ株式会社

PL脳から脱却に成功した企業事例の2つ目は、日本の電機メーカーであるコニカミノルタ株式会社です。同社は高度経済成長期時、カメラメーカーとして大きく会社を成長させました。しかし、インターネットの普及に伴って苦戦を強いられるようになったのです。

そこで自社の主力事業であったカメラ事業を手放して、ソフトウェアや事務設備などの部門で再び会社を伸ばしています。このようにして、PL脳からうまく脱却してファイナンス思考に移った会社は成功しているケースが多いです。

PL脳から抜け出して会社の利益を伸ばそう!

ここまで、PL脳が会社をダメにする理由やファイナンス思考が必要な理由、PL脳から脱却した企業事例について紹介しました。PL脳のような売り上げ・利益至上主義では、社員の努力がもうけと連動しないので社員が疲弊してしまい、会社はやがて回らなくなります。

そのためPL脳から抜け出して、ファイナンス思考を身に付ける必要があるのです。ファイナンス思考を身に付けるために、まずはファイナンス思考についての本やセミナーを活用してみてはいかがでしょうか。

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