強い組織作りを実現して会社を成長させたい!
会社を経営していくためには、組織作りが大切です。しかし、組織作りは、抽象的な言葉で、具体的に何をしたら良いのか分からない人も多いです。そこで、強い組織作りの意味や目的、必要な事をまとめました。また、組織作りの基本原則や実現するためのポイントなども掲載しているので、参考にしてください。
強い組織の意味と組織作りの目的
まずは、強い組織の言葉の意味と、組織作りの目的を紹介します。強い組織作りの意味や目的をしっかり理解して、社員のモチベーションを高めましょう。
強い組織の言葉の意味
強い組織とは、経営者や会社の社員全員が同じ目標を達成するために、動いている組織の事を言います。具体的には、社員全員が会社の目標や理念、自分のやるべき事を理解して働いている状態です。
経営理念や目標、自分の役割が会社と一致していれば、強い組織作りができます。また、同じ方向に動いている社員は、お互い強い信頼関係が生まれます。さらに、会社内でコミュニケーションが取れ、社員が会社にとってより良い行動を取ってくれるでしょう。
組織作りの目的
組織作りは、経営理念や会社の目標に向かって社員を動かす事です。社員は一人ひとりスキルや考え方が違います。違う事を理解しなければ、組織のチームワークは良くなりません。しかし、社員全員のスキルや考え方を成長できる環境にすると、強い組織が誕生します。
そのためには、社員全員が会社の目標に取り組めるような環境にしましょう。
組織作りの基本原則
次は、組織作りの基本原則について紹介します。組織作りには、経営戦略論の「組織設計の5つの原則」があります。
基本原則①専門家の原則
組織作りの基本原則1つ目は、専門家の原則です。専門家の原則は、会社の中で仕事内容を分散して、専門的に取り組む業務です。また、組織の生産性が向上するとほとんどの企業が採用します。
専門的な分野に特化すると、その仕事だけのスキルを上げれば良いので、無理に新しい事を学ぶ必要がありません。また、個人の役割が明確になるため、仕事の成果に対する責任感も高まります。
基本原則②権限責任一致の原則
組織作りの基本原則2つ目は、権限責任一致の原則です。権限責任一致の原則は、与えられた権限と自分が背負う責任の重要さが一致するように取り組む事を指します。
自分が与えられた権限に対して責任が重すぎてしまうと、難しすぎて業務を実行する前に、モチベーションが下がってしまいます。そして、スキルがある優秀な社員が次々と退職してしまう場合もあるので、注意が必要です。
権限と責任の重さのバランスは組織作りに重要なので、しっかりと見極めましょう。
基本原則③統制範囲の原則
組織作りの基本原則3つ目は、統制範囲の原則です。統制範囲の原則は、別名スパンオブコントロールと呼ばれており、上司が部下を統制するのに必要な人数をコントロールする事です。
上司が面倒見切れない人数の部下を抱えてしまうと、社員がどの業務をしているのか把握できません。そのため、トラブルが発生してしまい、会社全体にリスクが起きてしまう可能性があります。上司や部下のスキルや人間性を考えて、業務に支障が出ない範囲で管理体制を整えましょう。
基本原則④令統一性の原則
組織作りの基本原則4つ目は、令統一性の原則です。令統一性の原則は、指示を出す上司を統一する手法です。チームを細かく分けて業務を行っている会社は、それぞれの上司が指示出しをしているため、現場が混乱してしまうケースがあります。
そのため、毎回違う上司から指示をもらう度に確認が必要になるため、生産性が低下してしまう可能性があります。意見の不一致や時間ロスを減らすためにも、指示を出す上司はしっかり決めておきましょう。
基本原則⑤権限委譲の原則
組織作りの基本原則5つ目は、権限委譲の原則です。権限委譲の原則は、自分の持っている業務を他の社員に委ねる事をいいます。上司から部下に業務を任せる時は、達成目標や内容をしっかり伝えておく必要があります。
業務内容が曖昧だと、引き継いでもらう社員との認識がズレるので注意しましょう。 業務を任せた相手にだけ責任を擦り付けるのではなく、その後のサポートも大切です。
また、引き継ぐ社員が合意していないのに、業務を一方的に押し付けると離職する可能性があるので、納得してもらってから実行しましょう。
会社が成長する組織作りに必要なこと
次は、会社が成長する組織作りに必要な事を紹介します。強い組織作りをするためには、経営理念やビジョンを社員に知ってもらう必要があります。また、経営計画書と人事評価制度もしっかり連動させましょう。
経営理念やビジョンを社員に浸透させる
会社が持っている経営理念やビジョンを社員に浸透させましょう。仕事に関するアンケートを行ったところ、職場を辞めた社員のほとんどが「将来性が見えない」といった理由で、転職を決意したと回答しています。
つまり、「将来性が見えていれば、会社に勤めたい」と考えている人が多い結果にもなります。そのためには、会社の経営理念やビジョンをしっかりと社員に知ってもらう必要があるでしょう。優秀なスキルや、やる気のある社員をとどめておくためにも、経営理念やビジョンを明確にしましょう。
会社全体で目的や目標を共有する
強い組織作りを実行するためには、会社の経営理念をしっかり周知し、目的や目標を共有しましょう。目的や目標の共有は、組織作りにとても重要です。
社員が同じ方向に向いて業務を実行すると、違うチームや部門でも協調性のある関係ができます。また、協調性のある会社にするためにも、目的や目標の共有や、経営計画書と人事評価制度の連動が大切です。
経営計画書と人事評価制度を連動させる
経営計画書と人事評価制度を連動させる事も組織作りに重要です。多くの企業は、経営計画が存在し、人事評価制度も導入しています。しかし、経営計画書と人事評価制度が連動していないと、両方がかみ合わず、会社と社員が成長しません。
経営計画書と人事評価制度が連動できるように、設計や運用を見直して、適切な評価が下せるような仕組みを作りましょう。
行動理念を明確にして浸透させる
組織作りには、行動理念を明確にする事も重要です。経営理念の実現に向けてどのように行動したら良いのかを明確にして、社員に浸透させましょう。
経営理念やビジョンが定まっていても、行動の仕方が分からないと社員は動けません。行動の方針や目的を見える化し、それに対して実行する事で、社員のモチベーションが上がります。
自社が5年後に描くビジョンを考える
5年後のビジョンを考える事も組織作りに大切なポイントです。ビジョンを描く際は業績を数値で表し、会社の5年後の状態を考えて、最終的な未来像を打ち出すと良いでしょう。テンションが上がるビジョンがあるだけで、社員のモチベーションがかなり上がります。
また、「社内の業績1位を目指す」「ボーナスアップ」など具体的な目標を設定すると、さらにやる気が高まります。
リーダー格となる社員を育てる
リーダー格となる社員を育てるのも、組織作りには重要です。会社を成長させるためには、チームや事業のリーダーとなる社員を早い段階から育てましょう。
しかし、チームリーダーと目標達成を管理するマネージャーは役割が違うの注意しましょう。リーダー格を育てて、チームをサポートできるような社員を育てると、会社は成長します。
強い組織作りを実現するポイント
次は、強い組織作りを実現するためのポイントを紹介します。強い組織作りを実現するには、行動規範や人事評価制度の見直し等が重要です。
ポイント①理念と行動規範をガイドライン化する
強い組織作りを実行するには、経営理念と行動規範をガイドライン化しましょう。会社で働く人にとって経営理念や行動規範はとても重要です。
長く勤務している人はもちろん、新入社員や中途で入ってきた社員にも、一目で分かるようにしておきましょう。ガイドライン化にすると、いつでも復習ができるので、実行する確率が上がります。
ポイント②理念と行動規範の浸透を狙ったミーティングを行う
強い組織作りを実現するには、理念と行動規範を浸透させるためのミーティングを行いましょう。理念や行動規範は抽象的で、完全に理解できるものではありません。そこで、理念や行動規範の意図を知ってもらうためにも、理念を理解している人に説明してもらいましょう。
その際、企業の生い立ちや歴史を説明すると、より明確に意図を伝えられます。全社ミーティングを行い、上の人は社員に語り掛けて理解してもらいましょう。
ポイント③社員の目線に立ったコミュニケーションを習慣化する
強い組織作りを実行する際は、社員の目線に立つ事が重要です。目標や経営理念は、社員の理解と納得が得られないと、実行してくれません。納得や理解をしてもらうためにも、社員と同じ目線に立ってコミュニケーションを取る必要があります。
具体的には、チームのリーダーが部下と1対1で話し合う事です。1対1で話すと目標の共有ができ、社員の思っている事をじっくりと聞く事ができます。
ポイント④人事評価制度を見直す
強い組織作りをするには、人事評価制度を見直しましょう。評価に対して社員が納得しないと、仕事のモチベーションが下がります。そして、最終的には会社を辞めてしまう可能性があります。
離職を避けるためにも、人事評価制度について再確認しましょう。人事評価を行う時期や社員のプロセスなど、細かく見直す必要があります。
ポイント⑤スキルアップ支援を充実させる
強い組織作りには、スキルアップ支援も重要です。社員のスキルが上がると、成果が高まり、社員のやる気が上がります。スキルアップのためにも、社員が成長できる環境を整えてあげる事が大切です。資格取得や研修制度など、社員のスキルを上げる制度は数多く存在します。
会社の業務に合わせて、必要なスキルを導入しましょう。また、社員が自分の得意な事業に参加できるように、日ごろのコミュニケーションも大切です。
強い組織作りにおすすめの本
次は、組織作りにおすすめの本を紹介します。強い組織作りを実行するためには、本を読んで勉強をしましょう。組織作りを学ぶためのおすすめの本を3冊紹介します。
企業文化 改訂版 ダイバーシティと文化の仕組み
企業文化ダイバーシティと文化の仕組みは、エドガー・H・シャインが執筆した書籍です。エドガー氏は組織文化論の第一人者で、数多くの本を執筆しています。
エドガー氏の本は、ビジネスに実際使えるポイントが多く、高い評価を得ています。組織作りの入門から実用まで掲載しているので、理解度を高めるのにおすすめです。
学習する組織
学習する組織は、2001年にピーター・M・センゲが執筆した書籍です。1990年代にビジネス業界で一躍人気となり、100万部のベストセラーになりました。
ピーター・M・センゲは、20世紀のビジネス業界で最も大きな影響をもたらした1人で、マネジメントの変化や柔軟さの理論を提唱しています。本に書いている内容は、少し難しく、身につけるには時間がかかります。
変化し続けるビジネス業界で生き残るために、必要な組織作りが掲載しているので、、じっくり学びたい人におすすめです。
アメリカ海軍に学ぶ最強のチームの作り方
アメリカ海軍に学ぶ最強のチームの作り方は、2015年にマイケル・アブラショフが執筆した書籍です。マイケル氏は、アメリカ海軍の艦長を務めており、落ちこぼれの艦を2年で最高のチームに変えています。本の内容は、物語のような文章で、読みやすく魅力的です。
また、実際に艦内で起こった事例も書かれているので、説得力があります。モチベーションやスキルの上げ方が掲載されているので、組織作りに活かしましょう。
強い組織作りのポイントを覚えておこう!
強い組織作りを実行すると、周りの環境や他の会社の規模に流されずに、社内のやる気を上げられます。また、強い組織になるには、たくさんの条件がありますが、一つひとつ解決していきましょう。
強い組織になると、社員のモチベーションが上がり、会社内の雰囲気も良くなります。組織を強くして、楽しくて活気のある会社にしましょう。