インナーコミュニケーションを成功へ導きたい!
自社の社員の定着率を高めるために、インナーコミュニケーションが重要です。少子高齢化により労働人口が減少している中で、自社の社員の帰属意識を高めることが求められています。
そして、モチベーションが高い状態で仕事を行ってもらうのも重要な要素です。そういったモチベーションアップなどにつながる、インナーコミュニケーションの特徴をまとめているので参考にしてください。
インナーコミュニケーションの意味と重視される背景
インナーコミュニケーションの言葉の意味
インナーコミュニケーションは、社内に向けたメッセージなどを発信し、共通の目的意識が持てるように社員間でコミュニケーションを取ることを意味します。インナーコミュニケーションは、社内コミュニケーションや社内広報、インターナルコミュニケーションとも呼ばれる言葉です。
重視される背景①社内コミュニケーションの希薄化
インナーコミュニケーションが重視されている背景には、社内コミュニケーションの希薄化です。特に新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークやリモートワークが導入されて、直接顔をあわせてコミュニケーションを取る機会が減りました。
久しぶりに出社しても、どこか以前のようにコミュニケーションが取れずになる事例が存在します。今後もテレワークやリモートワークは導入が進むことが考えられるだけに、社内コミュニケーションの希薄化をどうやって防ぐかが課題になっているのです。
重視される背景②人材の流動性の高まり
雇用に関する価値観の変化もインナーコミュニケーションが注目されている理由になります。日本では長らく終身雇用制度が一般的でした。しかし、現代社会では成果主義を導入する企業も増えており、社員側の価値観も多様化して一つの企業で最後まで働くことが当たり前では無くなったのです。
こういった変化において、企業は優秀な社員が流出しないようにインナーコミュニケーションを行って、帰属意識を高めることが重要になっています。
インナーコミュニケーションのメリット
メリット①社員間コミュニケーションの活性化に繋がる
インナーコミュニケーションのメリットとして、社員間のコミュニケーションの活性化につながるのがポイントです。社員同士のコミュニケーションが活発になれば、仲間意識や仕事に対するモチベーションがアップします。
また、そのコミュニケーションの輪が広がることで、他部署や役職の異なる社員間で交流が生まれて、社内全体の連帯感が生まれるのです。
メリット②企業ビジョンや理念を浸透することができる
インナーコミュニケーションのメリットとして、企業のビジョンや理念が浸透することが挙げられます。インナーコミュニケーションでは、社内イベントや社内報を活用するので、そのことで企業の掲げるビジョンや方針が自然と浸透するようになるのです。
社員が企業の理念や行動方針を理解していると、仕事に対して自主的に判断して積極的にアプローチできます。社内の連帯感が増して、目指す目標に対して同じ方向を向けられると大きなプロジェクトを達成することにつながるでしょう。
メリット③社員のモチベーションを高めることができる
仲間との交流や上司とのコミュニケーションが取れることで、社員同士のモチベーションが高められます。明確に目的を設定してインナーコミュニケーションを行うことで、企業に対する愛社精神や仕事のタスクを円滑にこなすことにつながるのです。
社員一人ひとりの仕事が明確になれば、組織やチームとして一つにまとまることができて、全体のモチベーションが高まります。難しいプロジェクトもインナーコミュニケーションができていれば、社員一丸となって乗り越えられるでしょう。
メリット④社員のエンゲージメントを高めることができる
エンゲージメントは、仕事に対するポジティブな心理状態を意味する言葉です。ビジネスにおいては、従業員が会社に対して持つ貢献意欲のことも意味します。モチベーションと比較すると、エンゲージメントは社員と会社の双方向なつながりです。
インナーコミュニケーションが円滑に行われていると、会社への貢献意欲が生まれて、エンゲージメントが高まっていくのです。
メリット⑤人材流出の防止に役立つ
会社に対する愛社精神が生まれるインナーコミュニケーションは、結果的に人材の流出を防ぎます。インナーコミュニケーションによって社員間のコミュニケーションが取れ、企業の経営理念などが理解できているので帰属意識が高くなるのです
企業から離れる理由の中に、社内での人間関係が原因になることがあります。特に若い世代では社内の人間関係に悩むことが多いため、インナーコミュニケーションによって良好な状態を保つのが重要になるのです。良き仲間や上司を得られることで、人材が流出するのを防ぎましょう。
インナーコミュニケーションのデメリット
デメリット①社員からの信頼を失ってしまう場合がある
インナーコミュニケーションをうまく行わないと、逆に信頼を失ってしまうことがあります。その原因は社員の状況を理解せずに、トップダウンでインナーコミュニケーションの運営を行ってしまう例です。
経営層や管理者層による一方的な社内イベントや的外れな施策は、正しいインナーコミュニケーションにつながりません。まずは、社員の状況などをしっかりと分析した上でインナーコミュニケーションに関するイベントや交流を行っていくのが重要になります。
社員が感じている不安や不満を調査し、理解をした上でインナーコミュニケーションを進めていくことが重要です。インナーコミュニケーションは社員側に立って進めていくようにしましょう。
デメリット②自社に合った施策が必要になる
自社に合ったインナーコミュニケーションの形を導入しましょう。他社のインナーコミュニケーションの事例をそのまま活用すると、うまく効果が発揮できない場合があります。後ほどインナーコミュニケーションの企業事例を紹介しますが、そのまま導入するだけは目的が果たせないかもしれません。
その理由は、インナーコミュニケーションの効果を発揮するためには、会社ごとの理念や社員像、仕事内容や規模などを踏まえて行っていく必要があるからです。社内イベントの内容もそれにあわせて異なってくるため、アクティブなものや自由なイベントなどを適切に行ってください。
デメリット③目先の効果を追ってしまいがちになる
インナーコミュニケーションは、目先の効果を追ってしまうと本来の目的を果たせなくなります。インナーコミュニケーションの効果を得るためには、短期的ではなく中長期的な施策として行っていきましょう。
施策はどうしても早急に効果を得たくなりますが、インナーコミュニケーションに関しては時間をかけて変化を見ていく必要があります。インナーコミュニケーションを施策するときは経営層も担当者も、時間をかけて見守りましょう。
インナーコミュニケーションの具体的な手法
手法①社内報を発行する
インナーコミュニケーションの具体的な手法を解説します。まずは、社内報を活用してインナーコミュニケーションを行っていきましょう。社内報は全社員に対して一斉にコミュニケーションが取れるのが特徴です。また、紙媒体だけでなく、Webを用いた社内報も活用してください。
手法②SNSツールやイントラネットを活用する
社内用のSNSツールやイントラネットもおすすめです。イントラネットは、組織内におけるプライベートネットワークを使ったもので、内部ネットワークとも表現されます。
柔らかなコミュニケーションを取れるのが特徴で、即時性と利便性があるのも注目ポイントです。若い世代に使いやすいツールであり、絵文字やスタンプなどを使いながら交流を行って、モチベーションをアップできるでしょう。
手法③社内イベントを開催する
社内イベントを通してインナーコミュニケーションを行ってください。社内イベントに該当するものは、研修やワークショップ、アウトドアアクティビティが挙げられます。また、近年では新型コロナウイルスに配慮してオンラインアクティビティも注目されているのです。
イベントでは普段と違った一面を見られるのがメリットであり、オンラインでも様々な社内イベントが行えます。若い世代に人気のe-sports大会やオンライン人狼や謎解きも活用し、若い世代のモチベーションをアップさせましょう。
手法④オフィス環境を整備する
オフィス環境を整備することもインナーコミュニケーションの方法です。社内のレイアウトを変更し、社員間の交流を促進させましょう。また、働く場所を固定しないフリーアドレス制などもインナーコミュニケーションにつながります。
インナーコミュニケーションを成功させるポイント
ポイント①社内全体で取り組みを進める
インナーコミュニケーションを成功させるためには、様々なポイントが存在します。まず、インナーコミュニケーションは社内全体で取り込むのが大前提です。一般の社員だけでなく、経営陣も同じようにインナーコミュニケーションに取り組みましょう。
大切なことはやらされることではなく、自分たちが思い描く企業の姿を考えながら、それぞれが積極的に取り組むことです。企業をより良い形にし、モチベーションをアップさせてください。
ポイント②中長期的な目標としてじっくりと取り組む
デメリットのところでも触れましたが、インナーコミュニケーションは中長期的な目標として取り組むのが大切です。社員それぞれが成長していく中でコミュニケーションが活発化し、より良い関係性が生まれるので焦らずに変化を見守りましょう。
ポイント③複数のコミュニケーション方法を活用する
モチベーションをアップするために、複数のコミュニケーション方法を活用しましょう。社内報やイベントだけでなく、現代的な社内SNSを使った方法もおすすめです。親睦会や飲み会のような形が苦手な人でも、社内SNSでは積極的に関われるタイプもいます。
社員全体を考えた複数のコミュニケーション方法を導入することで、それぞれのモチベーションをアップさせられるでしょう。
インナーコミュニケーションの企業事例
企業事例①コニカミノルタ株式会社
コニカミノルタ株式会社は、新型コロナウイルスに関係したインナーコミュニケーションを導入しています。本社から映像を中継する形で入社式をオンラインで開催しました。
Web会議の形ではなく、動画配信プラットフォームのQumuを活用し、それぞれの社員が配属地に近い拠点で入社式を受けています。安定した視聴環境を確保することで、コロナ禍という状況に対応したインナーコミュニケーションを成功させた事例です。
企業事例②株式会社肥後銀行
株式会社肥後銀行では、インナーコミュニケーションを成功させるために放送局を開設しています。通達文書では理解レベルにばらつきがあったことから、研修を受けたスタッフが動画制作から配信までを行って、様々なコンテンツを配信するようになりました。
積極的に動画配信に関するノウハウを蓄積しており、今後は動画を活用した顧客サービスの展開も視野にいれています。こういった新しい技術を取り入れるインナーコミュニケーションもモチベーションアップにつながるでしょう。
企業事例③トヨタ自動車株式会社
トヨタ自動車株式会社では、社内イベントや有志活動を支援するサークル活動補助が導入されています。駅伝大会やファミリーデーなど、仕事とは異なる気軽なイベントでインナーコミュニケーションを取っているので参考にしましょう。
企業事例④ヤフー株式会社
ヤフー株式会社では、オープンコラボレーションが導入されています。これは、壁やパーテーションを取り払い、机もジグザグに配置してフリーアドレスにする方法です。オフィスレイアウトを変更するインナーコミュニケーションの方法であり、交流を活発にする上で活用してください。
企業事例⑤株式会社リクルートホールディングス
株式会社リクルートホールディングスでは、社内報に力を入れています。社内報では社員の意識調査や取り組みなどを紹介し、マナー啓発や社内イベントのお知らせが掲載されているのです。また、社内報は英語版も作成されており、グローバルな情報共有にも力を入れています。
インナーコミュニケーションの活性化に取り組もう!
インナーコミュニケーションのメリットやデメリットについて解説しました。社員間でコミュニケーションを取るインナーコミュニケーションは、モチベーションアップやコミュニケーションの活性化につながる行為です。
テレワークやリモートワークが注目されている現代において、インナーコミュニケーションの活用は重要な意味を持ちます。社内報やイベント、社内SNSなど様々なインナーコミュニケーションで交流を活発化してください。インナーコミュニケーションを取り入れて、社員間の結束を高めましょう!