新卒採用の仕組みを解説！メリットやデメリットは何か？
新卒採用は、大企業を始め、多くの企業が取り入れている採用方法です。この記事では、新卒採用の仕組みを詳しく解説します。また、新卒採用と中途採用の違いや、さまざまな手法についても紹介。
新卒採用を行うにあたってのメリットやデメリットについてもまとめました。新卒採用が適している企業や、トレンドなどについても触れていますので、ぜひ参考にしてください。
新卒採用とは？
卒業したばかりの学生を企業が採用すること
新卒採用とは、大学や高校、専門学校などの教育機関を卒業したばかりの学生を採用することです。新卒採用に関して、原則として年齢制限などはありませんが、一般的には大学を卒業したばかりの22歳前後の学生の就職が該当します。
この新卒採用は日本では多くの企業で採用されており、学生が行う就職活動は、企業の新卒採用に向けて行われている場合がほとんどです。
新卒採用の現状
日本の多くの企業はこれまで新卒採用と終身雇用をベースに行われてきました。現在に至るまで新卒採用を行っている企業は数多くあり、大企業などでも人材雇用のベースとなるのは新卒採用という例が少なくありません。
現状として、従来までは起業セミナーなどを実施して、学生とコミュニケーションを取りながら新卒採用をする動きが顕著でしたが、新型コロナウイルスの流行と共にオンラインに移行。現在では企業の多くは、オンラインをベースとした新卒採用を実施しています。
新卒採用の目的と背景
新卒採用の傾向は、日本の企業においては特に多い傾向に。その背景には、日本の高度経済成長期が存在してます。かつての日本は人材を必要なだけ採用し、そのまま終身雇用して企業を発展させていることを目的としていました。例えスキルが無くても、若い人材を確保し、企業人として育成することを主軸において採用活動を実施。
これは求職者にも大きなメリットがあり、大企業に就職できれば、その後の仕事や給与が上昇し、定年まで安定した生活を送ることが可能になります。企業にも求職者にもメリットの大きい新卒採用は、高度経済成長期以降も日本企業のスタンダードとなり、現在まで受け継がれているのです。
新卒採用と中途採用の違い
目的や背景の違い
新卒採用と中途採用は、まず募集の目的が違います。人事採用の目的は、企業の発展や事業の計画、経営を成し遂げるためのものです。企業における採用は、そうした目的を主軸として、増員募集と欠員募集の2種類に分けられています。
新卒採用の場合は、スキルや経験のない新卒の学生を育て、企業人することが目的です。そのため、増員募集のカテゴリーになります。一方、中途採用は即戦力や、すぐに企業のチカラとなる人材の募集を目的としているため、欠員募集または増員募集になります。
採用対象の違い
新卒採用は、基本的にその年度に大学や高校、専門学校を卒業予定の学生が対象となります。しかし、企業によっては卒業後3年以内の人材を新卒として扱うことも。これは国の方針に則した取り決めですが、すべての企業に当てはまるとは限りません。一方、中途採用は社会人経験者が対象となります。
しかし、社会人経験が3年に満たない場合の再就職者のことを、第二新卒と呼ぶ場合もあり、新卒採用と同様の待遇で採用する企業もあるようです。
スケジュールの違い
新卒採用の場合の就職活動スケジュールは、基本的に4月採用を目標として行います。企業によって採用時期は違いますが、一般的には採用開始時期は前年の3～4月から始まります。そこから、企業説明会、書類選考、面接、内定などが行われ、卒業後の4月に就職となる運びです。
多くの企業は学生のスケジュールに合わせて採用を行っています。一方、中途採用の場合は新卒採用とスケジュールは大きく違います。中途採用は欠員募集や、増員募集を目的としているため、タイミングはまちまちです。
また、採用までの期間も新卒採用と比べて圧倒的に短く、数週間程度で採用までの結論が出されます。人材によっては、即採用、即就職というケースも少なくありません。
採用方法の違い
新卒採用と中途採用では、採用の方法に大きな違いがあります。新卒採用の場合は、社会人経験のない学生に就職後のイメージやビジョンを持ってもらうため、インターンシップや会社説明会、見学会などを行い、時間をかけて採用を行っています。
一方、中途採用は新卒採用と違い、採用人数が限定的であるため、スピード感や効率を重視した採用手法が主になります。また、より効率的な方法として、ヘッドハンティングや、人材紹介のエージェント会社を介して、ピンポイントで採用するケースも多いようです。
新卒採用のメリット
メリット①企業文化の継承に繋がる
企業が新卒採用を行う大きなメリットのひとつが、企業文化を継承しやすい点です。企業文化は、企業の経営理念や運営手法など、企業独特の文化のことを指します。
こうした企業文化は、企業を支える礎になり、大きな飛躍へと導くことでしょう。新卒採用の社員の場合は、こうした企業文化を受け入れやすく、愛社精神が生まれやすいというメリットがあります。
メリット②同じタイミングで研修を行うことができる
多くの新卒採用は、大学などの学校を3月に卒業して、4月から企業に入ることになります。そのため、研修を行う際も、新入社員や同期社員といったくくりでまとめられる点が大きなメリットです。企業にとって必要なスキルを身につける研修は非常に重要であり、社員としても同期入社の仲間と共に切磋琢磨する機会になるでしょう。
また、まとまった人数で研修を行うことによって、社員同士に親和性が生まれ、企業文化が根付きやすいというメリットもあります。
メリット③社内の活性化に繋がる
新卒採用は、中途採用と違い、これまで社会人経験が無かった若い人を中心に採用を行います。そのため、若い人材が企業に入ることによって、社内の雰囲気や人間関係に少なからず影響を与えることになるでしょう。若いチカラは企業にとって刺激になります。
また、既存の社員も、新卒採用の社員を迎え入れることによって、責任感や指導力が自然と身につくことでしょう。こうした動きは、企業にとってプラスの原動力になり、社内の活性につながるメリットがあります。
メリット④採用コストが安い
新卒採用の給与は、一般的に初任給と呼ばれ、ここから業績や在籍年数によって給与額が変動していきます。中途採用の場合は、新卒採用と違い、前職の給与や、スキルなどを加味した給与額を算定しなければいけません。
企業にとって、新卒採用の社員に向けて一定期間の教育を施す必要性はありますが、まとまった人材の確保は確実にできます。また、給与面でも中途採用の人材よりも比較的安い金額で雇うことができるという点が大きなメリットとなるでしょう。
メリット⑤将来の経営幹部候補となる人材の育成が可能
新卒採用の社員は、学校を卒業したばかりの人材が主となるため、職種や勤務地など選択の自由度が比較的高い傾向にあります。そのため、企業内のさまざまな職種を経験するジョブローテーションや、転勤などをして、将来の企業幹部候補となるフレキシブルな人材を生み出すことが可能です。
企業のあらゆる文化や知識を理解し、会社に貢献する社員を育てるためには、早いうちから育成しなければいけません。新卒採用の場合は、他の企業のやり方や理念に染まっていない若者が多くいます。そのため、幹部候補の育成を行う際、新卒採用は最適の土壌だと言えます。
新卒採用のデメリット
デメリット①多くの人が同時に入社する
新卒採用には、一度にたくさんの人材を確保できるメリットがありますが、これがデメリットになる場合も。新卒採用の後、企業としては人材の受け入れ先を手配する必要性が生まれます。
また、社会人としての基礎を一から教えるには、一定の労力を割かなければいけません。ある程度の人数を採用する場合は、新卒採用社員だけでなく、彼らの指導に当たる社員にもコストがかかる点が大きなデメリットだと言えるでしょう。
デメリット②社会人としての生活に馴染めない場合がある
採用する新入社員は、数が多い分、企業人としての資質はまちまちである可能性も否定できません。入社後も学生気分が抜けず、5月の大型連休や夏休みを境に、会社を辞めてしまう事例も多く、こうした点をデメリットと捉える企業も多いです。
新卒採用の場合は社会人経験が浅く、辞職を簡単に捉えがちかもしれませんが、企業にとっては採用前後の労力や、給与などのコストも発生します。企業にとっては人材、コスト共に損失になってしまう点がデメリットです。
デメリット③選考から入社までが長い
企業にとって、新卒採用は企業の未来を担う人材を育てる大きなプロジェクトの一つです。そのため、選考から入社まで、ある程度の期間が必要となります。企業によっては説明会やインターンなどを含めると、採用までに1年近く要する場合も。
新卒採用は、企業にとっても学生にとっても、重要なターニングポイントとなるため、人材の選考は非常に重要ですが、人材不足に困る企業にとってはあまり効率的とは言えず、デメリットの方が多いかもしれません。
デメリット④景気変動の影響を受けやすい
新卒採用のデメリットのひとつに挙げられるのが、景気変動の影響を受けやすい点です。これまでの日本の景気動向に照らし合わせて考えると、景気がいい時は新卒採用を盛んに行い、学生にも求人が多く届く傾向にありますが、不景気になると新卒採用を行う企業も少なくなり、人材は飽和状態になることも。
景気変動による人材の需要と供給に齟齬が生まれ、景気がいい時期は人材不足になり、反対に景気が悪い時期は有効求人倍率の低下になり、失業率も上がります。そのため、新卒採用を行う企業や、新卒採用を狙っている学生にとって、景気変動は重要な指標だと言えるでしょう。
景気変動によって変化する新卒採用は、企業にとってメリットも多くありますが、景気悪化の際には大きなデメリットを生むリスクもあります。
デメリット⑤即戦力が望めない
社会人経験のない学生を採用するのが新卒採用の特徴です。そのため、会社にとって即戦力にはなりにくいというデメリットがあります。
しかし、新卒採用は時間をかけて企業人を育てるという大義があるため、一概にデメリットとは言えません。人材不足で困っている企業の場合は、適宜中途採用を活用するなど、適材適所の人材を心がけるといいでしょう。
新卒採用の手法【計画の立案】
自社の状況を整理して把握する
企業が人材の募集を行う際には、まず自社の状況を把握しておく必要があります。これは新卒採用に限らず、中途採用やパート、アルバイトの募集も同様です。
自社の状況が曖昧なまま人員を補充してしまうと、人材のミスマッチや社内不和など、さまざまなデメリットを引き起こす可能性も。人材を募集する際には、自社に何がどのくらい必要かを、字残にしっかり洗い出しておく必要があります。
過去の採用活動を振り返る
新卒採用など、人材募集を行う前にするべきことは、過去の採用活動を振り返ることです。過去の実績から、目標達成率や内定辞退者、コストなどを振り返り、その反省点を人材採用に活かして行うと効率的になるでしょう。また、活動内容や時期、行ったイベント等を分析して、その都度ブラッシュアップすることが重要だと言えます。
将来を見据えた要員計画を決める
新卒採用に限らず、人材を募集する際は、将来を見据えた人員計画を描いてから行いましょう。それぞれの部署やチームなど、分析の粒度を細かく分析することによって、適切な人員配置が見えてくることがあります。
人員計画は企業の発展に欠かせないプロセスのひとつです。新卒採用においても、こうしたことを心がけるよって、よりコストパフォーマンスの高い採用活動になるでしょう。
アクションプランを策定する
新卒採用を行うにあたっては、採用目標とアクションプランの策定を行うと効率的です。特に採用目標の場合は、学生にとっての就職活動の行動指針になるため、企業側でも明確に把握しておきましょう。また、アクションプランを作成することによってこ、採用が効率化するだけでなく、実績が見える化し、今後の採用活動の参考にもなります。
新卒採用の手法【インターンシップの開催】
新卒採用を行っている企業のほとんどが、インターンシップを採用しています。ここでは、インターンシップについて目的や開催時のポイントなどを詳しく解説します。
インターンシップとは？
インターンシップとは、企業の理解を深めるために学生に足して行う就業体験の機会です。学生にとっては、実際の業務の一端を体験することによって、より企業のシステムや雰囲気を体感する絶好の機会だと言えるでしょう。
企業にとっても、採用活動を行う前に、優秀な学生を見極め、効率的な採用活動ができるなど、双方に大きなメリットがあります。現在、新卒採用を実施している企業のほとんどが、インターンシップを採用しています。
インターンシップを開催する目的
企業にとってもインターンシップの実施目的は、仕事を通じて企業や仕事に関する理解を促進することがほとんどです。その他にも、入社意欲の高い学生との関係性の構築や、社会貢献といった意味合いも多く、統計によると新卒採用を行っているほとんどの企業がインターンシップを行っています。
インターンシップを開催する時のポイント
企業が新卒採用の対象者に向けてインターンシップを行う場合は、以下のポイントを押さえておきましょう。インターンシップを行う場合は、会社の宣伝ではなく、あくまで企業における職場体験であることを念頭に置いて行いましょう。
そこから学生への便宜を図ったり、反対に学生の労働力を搾取するといった行為には細心の注意を払わなければいけません。また、インターンシップの実施期間も、学生の生活に支障のない1日から多くとも1週間程度に設定することが推奨されています。
新卒採用の手法【母集団形成】
新卒採用を実施するにあたっては、ある程度の人数を対象に、広く募集をかける必要があります。ここでは、新卒採用の基盤となる母集団形成について詳しく説明します。
大学の就職課を活用する
ある程度まとまった人数の新卒採用を行う場合には、まず大学の就職課の相談する手法があります。中途採用や第二新卒が点在する人材紹介会社と違い、大学の就職課の場合であれば新卒の学生に絞ってピンポイントで募集をかけられるメリットがあります。そのため、多くの企業は、現在も大学と友好的な関係のあるケースも多く見られます。
新卒ハローワークを活用する
新卒ハローワークとは、名前の通り新卒に特化したハローワークのことです。日本全国のハローワークに設置されており、卒業予定の学生や既卒者を企業に紹介しています。公的機関であるため、人材の質はやや下がる傾向にあるというデメリットはありますが、幅広い層から人材を選べるというメリットも。
就職サイトを活用する
新卒採用に質や専門性を求めている企業は、就職サイトを活用するのもひとつの手です。大学やハローワークのような公的機関とは違い、豊富な人材の中から、企業の求める資質を備えた人材を選んでオファーを出すことが可能。求人の募集にはある程度のコストがかかりますが、優秀な人材の投資と考える企業も多いようです。
新卒紹介を活用する
新卒紹介とは、簡単に言うと、中途採用の人材サービスの新卒バージョンです。ある程度のスキルと持った学生を人材会社の方でスクリーニングし、優秀な新卒を求める企業にマッチングを行います。成功報酬になるため、マッチングが成功した場合は企業は報酬を支払うというシステムです。
就職フェアや合同説明会を活用する
大手企業から中小企業までが集まる就職フェアや合同説明会は、企業にとって新卒採用を進める絶好の機会です。学生にとっても、企業と直接対話ができる機会であるため、多くの人材の関心を集められることでしょう。
フェアや説明会の参加にはある程度のコストがかかりますが、人材確保や学生との接点が作れるため、現在も多くの企業が出展しています。
ソーシャルリクルーティングを活用する
SNSの普及で推進されているのが、ソーシャルリクルーティングです。SNSなどの双方向でコミュニケーションが取れるソーシャルメディアを使用し、企業の情報発信が重要なカギになる手法で、幅広い企業が利用しています。
ダイレクトリクルーティングを活用する
ダイレクトリクルーティングとは、一般的な採用活動とは違い、企業側から学生にオファーを出してアプローチをすることを指します。いわば逆求人と呼ばれる採用活動の一環で、能力のある人材の確保を目指す企業が積極的に行っています。
リファラル採用を活用する
大学の教授や、自社の社員、取引先など、つながりのある人物からの紹介によって採用を行う手法のことをリファラル採用と言います。企業の特性を知った上で人材を紹介している要素が多く、企業と相性が良い人材が集まりやすいというメリットがある手法のひとつです。
リクルーター制度を活用する
リクルーターとは、入社を志望する人材と連絡を取り合い、採用活動を行う専門の社員のことです。このリクルーターは新卒採用だけでなく、中途採用などにも幅広く活用されるなど、多くの企業で採用している手法です。
新卒採用の手法【選考と内定出し】
就職試験の内容や、選定基準はそれぞれの企業によって異なりますが、流れなどはほとんど同じです。ここでは新卒採用の一般的なプロセスを紹介します。
書類選考を行う
エントリーシートなどを活用して、入社希望者の選考を行うのが書類選考です。書類選考の基準はそれぞれの企業によって違いますが、その後の面接や研修などによっても合否率に変動があります。エントリーシートはそれぞれの企業によって異なりますが、履歴書とは少々内容が異なります。
エントリーシートには、企業に入社する際の志望動機や、自身の目標、企業にとっての採用基準に満たしているかなど、さまざまな内容の記載が必須になります。
筆記試験や適性検査を行う
一般的に、書類選考の次は筆記試験や適性検査になります。一般常識や企業の知識などの筆記試験に加え、職業適性やストレスチェックなど、社会人として就業に耐えうるかの適性検査を実施。そこから、志望者が企業に向いているか、また社会人として常識があるかなどの見極めを行うことができます。
面接を行う
書類選考、筆記試験、適性検査をパスした後は、一般的に面接が行われます。面接は企業によって方法が違いますが、複数回の面接機会を設けている会社の場合には、一次面接がグループで、二次面接や最終面接はマンツーマンで行う場合が多いです。
また、近年では面接だけでなく、グループディスカッションやZoom面談など、さまざまな手法が取り入れられています。時代や、企業のニーズにマッチした選考を行うのも、多くの企業に課せられたミッションのひとつだと言えるでしょう。
内定出しを行う
選考により内定者が決まったら、まずは電話や封書でその旨を伝えます。その時点で、入社する意思が明確にあるかの最終確認を行いましょう。その後、内定出しの解禁日を待ってから、内定通知書の送付を行います。
これらには法的な決まりはありませんが、電話のみの場合は内定者にとっても不安要素が大きいため、多くの企業では内定通知書を発行したり、内定式を行ったりと、内定者への働きかけをしています。
新卒採用の手法【内定者フォローと内定取り消し】
新卒採用を決定した後に欠かせないのが、内定者フォローです。また、場合によっては内定取り消しなどを行わなければいけないケースもあるでしょう。ここでは、内定者フォローと、内定者取り消しを行う際の基準と、ポイントを詳しく解説します。
内定者フォローとは？
内定決定から実際の入社までにはある程度の時間があります。そのため、学生の中には入社までの間に「この企業でいいのか？」といった疑問がわく、いわゆる内定ブルーに陥ってしまう場合も。そこで、企業は内定者が安心して入社できるよう、入社までの期間に内定者フォローを行う必要があります。
フォローは主に内定決定者同士の集まりや、研修などが行われ、入社前から団結が取れるように企業はさまざまな工夫をしています。
内定取り消しとは？
企業の状況や、景気、社会情勢、または内定者の都合や事情によっては、内定を却下する内定取り消しが実施される場合もあります。正当な理由であれば問題ありませんが、些細な理由や、社会的に見て不当である場合は、内定取り消しが無効になる場合も。
内定者フォローを行う時のポイント
内定者フォローを行う際には、企業の都合を強いたり、学生の負担になったりしないように注意しましょう。内定者は新入社員と違い、まず学業が優先です。企業としても、内定者の意見を聴くなどして、学生にとってやりやすい内定者フォローを行いましょう。
内定取り消しを行う時のポイント
内定取り消しを行う際には、まず取り消し理由を明白にしておくことが重要です。内定を取り消す場合、相手に相応の理由がある場合や、企業としてどうしても雇用ができない場合のどちらかです。そのどちらにも該当しない場合は不要な内定取り消しになり、場合によってが学生から訴えられるケースもあるので注意が必要です。
新卒採用が適している企業
新卒採用はどの企業でも向いているわけではありません。ここでは、新卒採用が特に向いている企業の特徴をまとめました。
企業文化を浸透させたい企業
企業文化を浸透させたい企業の場合は、中途採用よりも新卒採用の方が、より適した人材が集まりやすいでしょう、新卒採用は中途採用と違い、社会人経験がないため、企業の文化が浸透しやすい傾向にあります。
企業の伝統を受け継いでいくためには、企業文化の理解度が高い社員の存在が必要不可欠です。そのためにも、新卒採用者を増やし、企業文化を根付かせる教育を行う必要があります。
成長意欲を高めたいと考えている企業
成長意欲を高めたいと考えている企業にとっても、新卒採用は成長を助ける働きを担うことになるでしょう。新卒入社の学生は、やる気に溢れ、他の社員にもいい影響を与えられます。若い社員の活気に満ちた会社は、その後の成長の起爆剤にもなるでしょう。成長を促進したい企業は、新卒採用を積極的に行うといいかもしれません。
広く採用活動をしたい企業
広く採用活動をしたい企業にとっても、新卒採用は有効な手法です。就職フェアや、説明会など、採用活動を幅広く行うことで、企業にとっても宣伝や業務拡大の足掛かりになることも。また、業務の拡大を狙う企業の場合は、新卒社員を大勢確保することによって、さらなる飛躍を遂げることができるでしょう。
新卒採用のトレンド
新卒採用の手法には、景気や時代と共にトレンドが見られます。ここでは、近年の新卒採用のトレンドについて詳しく解説します。
オンラインを活用した採用活動が増えている
新型コロナウイルスの影響により、企業は積極的にオンライン採用を行うようになりました。これまでの対面だった企業説明会や面接と違い、すべてオンラインに移行。配信やビデオ通話を使って、企業説明会や面接を行う企業が多くなりました。
オンライン化することによって人事採用担当の負担が軽減。学生にとっても効率的になるなど、多くのメリットがあしました。しかし、オンラインのみだと企業理解の習熟度が浅く、ミスマッチが起こりうるデメリットもあるでしょう。
HRテックの導入が進んでいる
近年は人工知能の普及により、採用にもAIを活用したHRテックを活用する企業が増えています。HRテックとは、AIやビッグデータなどのテクノロジーを駆使して人事業務を効率化させるサービスです。
HRテックを導入することにより、採用担当の負担を軽減。また、応募者の傾向や活動の分析もできるので、今後の採用活動に活かすことも可能です。
新卒採用は事業の飛躍的な成長に必要不可欠！
新卒採用は、企業の目的や理念に則した人材を育成するために、非常に効果的な採用手段です。新卒採用は、メリットやデメリットはそれぞれありますが、企業での活躍を望む人にとっては最適の採用方法だと言えます。また、経営の観点からも新卒採用を行うことによって、企業にとって有用な人材を育むことが可能です。
新卒の学生と、企業の双方の目的がマッチすれば、より大きな発展が期待できることでしょう。新卒採用は、企業にとっても、学生にとってもメリットのある採用方法の一つだと言えます。
