集団凝集性の特徴を解説!
企業は集団で構成されている組織です。そのため、集団の意識を統一させて強い集団を目指すことが求められます。そのことに関係する集団凝集性について紹介します。集団凝集性のメリットやデメリットを知り、企業をより良い方向に成長させましょう。
集団凝集性とは?
集団凝集性の言葉の意味
「集団の持つ様々な要素を活用することによって所属する人間を引きつけ、集団の一員として長期に渡り活躍してもらうための動機づけを行う力」を集団凝集性といいます。そのため、集団凝集性を持つ手段は帰属意識が高く「まとまりの良い集団」になるのがポイントです。
集団凝集性の種類
集団凝集性は2つの種類に分けることができます。それは「対人凝集性」と「課題達成凝集性」です。 対人凝集性は「集団内においてメンバー同士が好意的なつながりを持つことで生じる魅力」を意味します。加太達成凝集性は「集団によって個人が得られる権利や自己実現などの魅力」です。
対人凝集性では集団への帰属意識、課題達成凝集性は集団への貢献意識や役割へのモチベーションが高まります。それぞれの意味を把握しながら、集団凝集性のメリットも確認していきましょう。
集団凝集性と組織コミットメントの関連性
集団凝集性との関連性が高いものに「組織コミットメント」が挙げられます。これは組織に所属する個人の組織に対する帰属意識を意味する言葉です。
2つの違いとして、集団凝集性が人材を引き寄せてとどまらせる力なのに対して、組織コミットメントは愛社精神や忠誠心などの感情によって縮まる心理的距離を表す概念になります。この2つは双方向の関係性にあると考えてください。
企業における集団凝集性のメリット
メリット①目標達成に全意識を集中させることができる
企業における集団凝集性のメリットとして、目的達成に全意識を集中させられるという特徴があります。所属する集団がお互いにプラスの効果を与えられるので、相乗効果が拡大していくのが大きなメリットです。
この状態を維持できることで、大きな課題に対して全意識を集中させて乗り越えられるようになります。連帯感を持った企業づくりをする上で参考にしてください。
メリット②安定性の高い集団を構築することができる
集団凝集性が高まることで安定性が生まれます。これは集団凝集性を獲得した期間が長ければ長いほど、安定性が高まるのが特徴です。「自分がこの集団に所属し続けたい」という気持ちになり、その後に自分の決断が間違っていなかったことを確信することでより強い帰属意識が生まれます。
メリット③強い集団へと成長することができる
帰属意識が生まれ、安定性の高い集団が持つ特徴として、高い結束力が挙げられます。集団が同じ時間を共有することで相互理解が深まり、より高い連携力につながっていくのがメリットです。
集団凝集性が高い集団は入れ替わりが少ない、という特徴があるので強い集団へと成長していきます。さらに成功体験を積むことで個人の意識も高まり、トラブルにも負けない強い集団として成果を出してくれるのは大きなメリットといえるでしょう。
企業における集団凝集性のデメリット
デメリット①作業効率が低下する
メリットも多い集団凝集性ですが、デメリットも存在します。たとえば集団の規範意識が低いままでは、逆に作業効率が低下することがあるのです。
集団規範は集団内の価値判断基準や思考様式で、作業効率に大きく関係します。この部分が欠如していると集団の意識は低いものになり、馴れ合いに近い形になるのです。そうならないためにも集団規範意識を高めることを忘れないようにしましょう。
デメリット②集団浅慮(グループシンク)に陥る恐れがある
集団浅慮というのは「会議などにおいて決定することに意識が集中し過ぎて、最善ではない策を選択してしまう心理状況」を意味します。一人であれば選ばないような不合理な選択肢でも、集団内で生まれるプレッシャーによって集団浅慮が生まれるのです。
このデメリットが起きないように集団凝集性のメリットをうまく引き出すようにしましょう。特に先駆者や経験者の存在が発言しにくい雰囲気を作らないように、全体が意見しやすい環境作りが求められます。
また、時間的圧力や利害関係にも注意しましょう。短時間で決定を行おうとすると分析力や判断力が失われます。そして、自身に関係するテーマが課題の場合も選択を誤ることがあるのです。集団において何かを決定するときは、最善策を選べるように環境を整えましょう。
デメリット③同調圧力によって集団判断を誤ることがある
同様のデメリットとして同調圧力も注意してください。集団における多数派が少数派に対して同調圧力をかけることで、集団判断を誤ってしまう可能性があります。
いわゆる「空気を読んで」という雰囲気や「暗黙の了解」のようなものが生まれやすいのも、集団におけるデメリットです。集団を構成するメンバーの特徴を理解して話し合いを進めることが必要になるでしょう。
会議などを行うときに、ファシリテーターと呼ばれる中立の進行役を取り入れるのもおすすめです。ファシリテーターがいると単純な多数決に持ち込むのではなく、年齢や役職などにとらわれることなく意見を言いやすくしてくれます。
デメリット④柔軟性や独創性が低下する
団結力が高まる集団凝集性ですが、同時に独創性や柔軟性が失われるデメリットがあります。時には外部や第三者の意見を取り入れることで技術革新が起きるのですが、そういったものを受け入れにくい状態ができるのです。
どうしても人間は安定性が現状維持を求めようとしますが、企業の多角化が進む現代においては取り残される原因になります。集団凝集性を高めながら柔軟性や独創性を確保することを意識してください。
集団凝集性の特徴を覚えておこう!
集団凝集性の特徴について解説しました。集団凝集性が高いと、集団に人材と引き止める求心力があり、強い結束力を構築してくれます。帰属意識が高い集団が集まることで、企業は安定性と労働生産性を得るので、このことを意識しながら活動していきましょう。