ケースメソッドとは?利点と研修の進め方・取り入れる時のポイント

ケースメソッドとは?利点と研修の進め方・取り入れる時のポイント

ケースメソッドの意味や利点を知りたい!

教育手法の一つとして注目されているケースメソッド。取り入れた際にはどのような利点があるのでしょうか。また、よく似た言葉のケーススタディとはどのような違いがあるのでしょうか?

この記事では、ケースメソッドの言葉の意味や利点について、また、研修の進め方や取り入れる際のポイントなども詳しく解説します。ぜひ、この記事を参考にして、ケースメソッドを積極的に取り入れ、人材育成に役立ててください。

ケースメソッドとは?

ここでは、ケースメソッドの言葉の意味や歴史について解説します。また、ケーススタディとの違いについても説明しますので、ケースメソッドの理解に役立ててください。

ケースメソッドの言葉の意味

ケースメソッドとは、実際に起きた事例をもとに、最善策を討議して導き出す教育や研修の手法です。具体的な事例を取り上げてディスカッションを行うことで、さまざまな失敗例や最善策を疑似体験することができます。

この疑似体験によって問題解決能力を高めることができるため、能力開発やリーダー育成に取り入れる企業が増えているのです。

ケースメソッドの歴史

ケースメソッドは、もとはアメリカのハーバード・ビジネス・スクールで1930年代に開発された方法です。日本には1960年代に紹介され、多くの企業で取り入れられたり、学校での教員研修などに活用されています。慶應義塾大学大学院経営管理研究科(慶應無事ネススクール)では開校以来、慶應型ケースメソッドが核とされてきました。

ケーススタディとの違い

ケースメソッドとケーススタディは言葉は似ていますが、学ぶ姿勢が能動的か、受動的かという違いがあります。ケースメソッドは、ディスカッションを繰り返して事例研究を深め、実践力を身に付けていく能動的な学習です。ケーススタディも、具体的な事例を学ぶことは、ケースメソッドと変わりはありません。

しかし、ケースメソッドが、最善策をディスカッションで導き出していくのに対し、ケーススタディは、用意された教材を講義などによって習得する、受動的な学習方法方法です。インプットして学習するケーススタディに対し、ケースメソッドはアウトプットを重ねることで実践力を養うことができるのです。

ケースメソッドの利点

ケースメソッドで能動的に学習することで、どんな利点が生まれるのでしょうか。ここでは、大きなポイントを2つ紹介します。

利点①客観的に物事を捉えることができる

ケースメソッドは、ある事例に対してディスカッションを重ねることで、最善策を導き出す学習方法です。ケースメソッドによって、自分の意見だけではなく、さまざまな意見を聞いて問題解決に結びつける疑似体験を重ねていきます。これにより、物事を客観的に捉える能力を身に付けることができるのです。

利点②優先順位をつけて解決を図ることができる

ケースメソッドによって具体的な事例を疑似体験することで、問題への分析力や洞察力を養うことができます。自分で考えて決断する力が身につき、問題に対しても優先順位をつけ、解決へと導くことができるようになるのです。

ケースメソッド研修の進め方

問題解決能力を養い、経営者やリーダーとしての実践力を育むことのできるケースメソッド。ここからは、実際にケースメソッドを研修に取り入れる際の進め方を解説します。

進め方①事前に個人研究を行う

ケースメソッド研修では、具体的な事例を用いて、問題解決を導き出す過程を疑似体験することが大切となります。受講者はまず、与えられた課題を理解し、自分の考えをまとめる個人研究を行います。次のディスカッションへの準備のためにも、この予備学習は十分な時間をとって行うことが大切です。

進め方②グループディスカッションを行う

十分な個人研究を行った後に、グループディスカッションでそれぞれが用意した意見を発表します。それぞれの意見を聞きながらディスカッションを重ね、相手の考えを受け入れたり、自分の考えを建設的に伝える力を養っていきます。

進め方③講師が学習者の主体性を引き出す

ケースメソッドは、受講者それぞれが能動的に取り組む学習方法です。しかし、ディスカッションを有意義に進め、考察を深めるためには講師の役割も重要となります。講師はディスカッションを有意義に進めるために、軌道修正や問題提起を行ったり、理論や結果を掘り下げるなどして、学習者の主体性を引き出します。

ケースメソッドを取り入れる時のポイント

ケースメソッドを取り入れるためのポイントとなる事例はどのように選ぶのがのぞましいのでしょうか。ここでは事例を選ぶ際のポイントや、目的別の学習方法についても考察します。

ポイント①取り上げる事例の選び方

ケースメソッドを学ぶ上で重要になるのが事例選びです。講師は受講者に合った事例を選ぶことが大切です。事例選びのポイントは、受講者の職種に関連のある身近な事例であること、過去5年以内の事例であること、分析や考察がなされていない事例であることです。

ケースメソッドでは実際の事例を学ぶことで、その業界についての知識もえることができます。また、事例が古くなってしまうと、現在のビジネスには活かせない場合もあるため、あまり古い事例は望ましくないでしょう。

ポイント②目的によって学習法を変える

ケースメソッドを取り入れる目的は、問題への理解力を深めることや、事例となった業界の知識を知ることができる点などがあります。理解力を深めるためには、複数の企業の事例を取り上げ、それぞれのビジネスモデルの違いを検証することが有効です。

業界の知識を深めるためには、古い事例も役立ちます。古い事例を考察したのちに、新しい事例を学ぶことで、業界を取り巻く環境などへの理解を深めることができます。

ケースメソッドを積極的に取り入れよう!

問題解決の疑似体験を通して、実践力を身に付けられるケースメソッドについて解説しました。ケースメソッドによって、ディスカッションでアウトプットを重ねることで、計画力や実行力を養うことができます。ぜひ、ケースメソッドを積極的に取り入れ、経営者やリーダーとなり得る人材育成に役立ててください!

ビジネスカテゴリの最新記事