キャリアサバイバルの意味や活用する時のポイントを解説!
近年、急速なテクノロジーの進化により、あらゆるものが複雑化し、先行きを見通すことが困難となっています。さらには、新型コロナウイルスの流行によって、リモートワークの導入や業務内容の変更など、働き方にもさまざまに変化しています。
この、働き方を取り巻く環境のなかで、今、キャリアサバイバルが注目されています。この記事では、キャリアサバイバルを活用するメリットや、取り組むポイントについて解説します。
ぜひ、この記事を参考にして、キャリアサバイバルを活用し、自身のキャリアと組織とのマッチングの質を高めてください。
キャリアサバイバルとは?
キャリアサバイバルの言葉の意味
キャリアサバイバルとは、アメリカのエドガー・シャイン博士が提唱したキャリア理論です。「サバイバル」の文字通り、自分の持つキャリアを上手に組織のニーズに対応させて「生き残る」という概念です。
社会の変化が速度を増し、個人のニーズに合った職種や環境で働き続けることが難しい時代となってきました。コロナ禍のよって、働き方の変化を余儀なくされるようなケースも増えています。
しかし、そのような場合でも、個人のニーズと組織のニーズを分析してすり合わせ、よりよいキャリアを積み重ねようというのが、キャリアサバイバルの考え方です。
キャリアサバイバルが提唱された理由
キャリアサバイバルが提唱された背景には、急速に変化する社会の中で、個人のニーズに沿った仕事を維持することが困難になってきたことがあげられます。
こうした変化に対応するために、個人側のニーズと企業側のニーズをすり合わせて適応させていくという、キャリアサバイバルが提唱されるようになったのです。
キャリアアンカーとの違い
キャリアアンカーとは、キャリアをデザインするうえで、「自分はこうありたい」という基準のことを言います。キャリアアンカーのアンカーとは、船の「錨(いかり)」のことを指し、キャリアアンカーとは、波風があってもぶれない「能力」や「価値観」などをあらわしています。
キャリアアンカーとキャリアサバイバルは、どちらもキャリアをデザインしていくうえで大切な考え方です。「自分がどうありたいか」をあらわすキャリアアンカーを満たすために、キャリアサバイバルを活用して、「組織の中でどう生き残るか」を考えることが重要です。
キャリアサバイバルを活用するメリット
メリット①離職防止やキャリア形成に繋がる
キャリアサバイバルは、企業や組織のニーズと、社員個人のニーズを分析してすり合わせ、キャリアを積み重ねていくことを目的としています。このため、キャリアサバイバルを上手く活用することで、社員の離職防止やキャリア形成につなげることができます。
メリット②社員のモチベーション向上に役立つ
現在の職務がキャリアアンカーに沿うものではなかったとしても、社員一人一人がキャリアサバイバルを考えることで、自身が必要とされるスキルを理解し、自発的に業務に取り組めるようになります。
キャリアサバイバルによって組織から期待されるスキルが理解できると、目標が明確になり、社員のモチベーションの向上に役立ちます。
キャリアサバイバルで個人が取り組むべきポイント
ポイント①現在の職務と役割の棚卸しを行う
キャリアサバイバルの提唱者エドガー・シャイン博士は、個人がキャリアサバイバルに取り組むべきポイントを六つにまとめています。
この、キャリアサバイバルの一つ目のポイントは、現在行っている業務内容や役割の棚卸を行おこなうことです。現在行っている業務や役割を整理することで、企業から何を求められているかを理解することもできます。
ここで同時に、自分が何を大切にしているかなど、自分自身のキャリアアンカーについても整理しておくとよいでしょう。
ポイント②環境の変化を識別する
キャリアサバイバルの二つ目のポイントは、 今後、自身を取り巻く環境がどう変化していくのかを考えることです。
現在、求められていることがどう変化する可能性があるのか、マーケットや企業、利害関係者が変化しうる状況について考察します。マーケットや企業、利害関係者を取り巻くさまざまな環境変化を想定し、シミュレーションを行いましょう。
ポイント③環境の変化が与える影響を評価する
キャリアサバイバルの三つ目のポイントは、 環境の変化が、自身の利害関係者に与える影響を評価することです。環境の変化が利害関係者に影響を及ぼすと、利害関係者から期待されることにも変化をきたすことがあります。環境が変化したときに、自身に期待されることがどう変化していくのかという事を考えておくのです。
ポイント④職務と役割に対する影響を確認する
キャリアサバイバルの四つ目のポイントは、 ③で自身に期待されることが変化したときに、それが現在の職務や役割にどう影響するのかを考えることです。
ポイント⑤職務要件の見直しを行う
キャリアサバイバルの五つ目のポイントは、 ④で職務や役割が変化した場合の職務要件を見直すことです。期待の変化に応えるためにはどのような職務要件が必要なのかを考察します。
ポイント⑥プランニング・エクササイズの輪を広げる
キャリアサバイバルの最後のポイントは、ここまでの分析とシミュレーションに矛盾がないかチェックし、具体的なプランを作成することです。社会や企業、利害関係者の変化していく期待に応えるために何が必要なのかをプランニングし、実行していくのです。
キャリアサバイバルを活用してマッチングの質を高めよう!
キャリアサバイバルについて、キャリアアンカーとの違いや活用するメリット、取り組むべきポイントを解説しました。キャリアアンカーに沿った仕事や環境を維持するためには、キャリアサバイバルを活用して、企業や組織のニーズに上手に対応していくことが大切です。
また、企業側でもキャリアサバイバルに取り組む社員に、企業側のニーズを伝えることで、よりお互いのニーズを満たすことができます。この記事を参考にしてキャリアサバイバルを活用し、組織とのマッチングの質を高め、キャリア開発に役立ててください。