在宅勤務のメリット・デメリットを企業側と働く側からリサーチ!

在宅勤務のメリット・デメリットを企業側と働く側からリサーチ!
目次

在宅勤務のメリットや導入事例を詳しく解説!

新型コロナウイルスの影響もあり、多くの企業が在宅勤務を取り入れています。アフターコロナになっても、在宅勤務を継続していく企業も多いでしょう。そんな働き方改革の一つとも言える、在宅勤務のメリットやデメリットを企業側と働く側から解説します。

在宅勤務とは?

自宅で仕事を行う勤務形態のこと

在宅勤務は自宅で仕事を行う勤務形態のことです。いままで在宅勤務はデザインやプログラミングなどの、パソコンを使う専門職がメインでした。現在は働き方改革や新型コロナウイルスの影響から在宅勤務を取り切れる企業が増えています。

テレワークとの違い

在宅勤務とテレワークの違いも確認しておきましょう。テレワークはインターネットなどの情報通信技術を使って、場所や時間を選ばずに仕事をすることです。つまり、在宅勤務はテレワークの中に含まれる「内勤型テレワーク」のことです

また、テレワークには雇用型テレワークと自営型テレワークがあります。企業に雇用されながら働くのが雇用型テレワークです。雇用型テレワークは在宅勤務の他に、勤務場所にとらわれないモバイルワークと、サテライトオフィスなどで仕事をする施設利用型勤務に分かれます。

自営型テレワークの場合は、個人事業主として自宅で働く形になり、フリーランスやノマドワーカーのことです。こういったテレワークや在宅勤務の違いも把握しながら、導入事例を参考にしてシステム作りを進めましょう。

在宅勤務の普及率

ITやAI技術など様々な技術が進化し、ネット環境も非常に快適になりました。パソコンだけでなく、スマホも高性能化し、アプリを使って多くの作業が行えます。こういった技術の進化により、在宅勤務の普及率は年々上昇しているのです。

総務省が行った「平成30年版 情報通信白書」によると、2018年の日本企業におけるテレワークの導入割合は13・9%でした。また、そのうち在宅勤務を行ったことのある企業は29.9%です。この調査から調査対象企業のおよそ24社に1社が在宅勤務を導入していることがわかります

特に近年は新型コロナウイルスの影響もあり、テレワークや在宅勤務という言葉が広まり、実際に導入をチャレンジした企業が多くありました。その中で在宅勤務のメリットやデメリットを経験し、継続や中止など様々な決断が見られたのです。

在宅勤務の導入が急速に進んでいる背景

場所に縛られない働き方へのニーズ

在宅勤務の導入が急速に進んでいる背景には、働き方改革が価値観の多様化が関係しています。今までのように企業に属する従業員は必ず自社に出勤して仕事をするだけが働き方ではなくなったのです。ITやインターネットの技術が進化した現代では、場所に縛られない働き方が実現できます。

また、育児や介護などを続けながら仕事をしたい人に対する理解も深まってきました。今まではそういったことが原因で退職を決断していた人にとっても、在宅勤務は大きなメリットがあるのです。

個人の価値観の多様化に対して、企業は従業員が働きやすい環境整備を進め、そのことで離職率を低下させています。労働人口の減少が今後も続くと考えられている現代では、従業員が企業に出社する以外の形が求められており、このことが在宅勤務の急速な導入に関係していることを覚えておきましょう

在宅勤務導入を押し進める政府の施策

企業が従業員の働きやすい環境を構築する上で、国のバックアップも需要になります。2012年に国の成長戦略の中に「テレワーク」の言葉が盛り込まれ、在宅勤務を導入する企業への助成金やPR支援が行われるようになったのです

企業や従業員、国にとって在宅勤務は大きなメリットがあるだけに、様々な支援の施策が進んでいます。国が在宅勤務のメリットをよく理解し、企業を後押しをするようになったのも導入スピードが上がった理由です。

在宅勤務に必要なスキル

スキル①IT機器やソフトウェアの設定を自分で行う能力

詳しいメリットや導入事例を解説する前に、在宅勤務に必要なスキルをチェックしましょう。在宅勤務ではIT機器やソフトウェアの設定を自分で行う能力が必須です。普段からパソコンやスマホの操作が苦手な人は在宅勤務はデメリットのほうが強くなるかもしれません。

自宅でパソコンを使う時に不具合が発生し、それを自分で対処できる能力が必要です。仕事で使うためのソフトやセキュリティ対策のセットアップも必要になるでしょう。その他ではクラウドサービスの登録や初期設定も自分でやる必要があります。

決して高いスキルが必要なわけではありませんが、基本的な不具合を自分でネットで検索して対処できる能力は身に付けておきましょう。

スキル②職場のルールを守る力

ある程度の自由が得られるのは大きなメリットですが、自宅で仕事をする上で職場のルールを同じように守ることが必要です。自宅で仕事をしていても会社で働いているときの基本的なルールは守り、怠けるための勤務形態ではないことを理解してください

いい加減な働き方が身に付いてしまうと、通常のオフィス勤務に戻った場合に様々な弊害が出ます。在宅勤務は常に監視されているわけではありませんが、メリットを履き違えて怠けることのないようにしましょう。

スキル③自己管理能力

在宅勤務のメリットを最大限に発揮するためには、自己管理スキルが重要です。企業の従業員として、たとえ監視されていなくても真面目に集中して業務を行うことが求められます。

時には仕事以外のサイトを閲覧したり、ゲームをしたりと別のことに時間を使ってしまうこともあるでしょう。しかし、決められた就業時間や期限を守るために自己管理を行うことが重要です。在宅勤務のメリットだけに甘えるのではなく、運動不足解消や不規則な生活にならないようにしましょう

スキル④コミュニケーション能力

面と向かって仕事をする形と異なり、在宅勤務ではWeb会議や文字によるコミュニケーションがメインになります。そのため、普段以上にコミュニケーションに気をつける必要があるのです。

在宅勤務を行うことがデメリットになるのではなく、自身のコミュニケーション能力を成長させるきっかけにしましょう。文章の組み立て方やWeb会議での反応の仕方など、離れていても相手を思いやるコミュニケーションを行ってください。

企業における在宅勤務のメリットとデメリット

メリット①企業イメージの向上に繋がる

企業における在宅勤務のメリットとデメリットを確認しましょう。在宅勤務を導入することで、企業イメージの向上につながります。昨今の新型コロナウイルスに対する意識はもちろんですが、育児や介護に対する理解を示せます。

キャリアを継続しながら仕事を続けられるのは大きなメリットですし、仕事と生活を両立させて自分らしさを守れるのは魅力的な部分です。従業員が働きやすいイメージが広まれば、企業に人材が集まって人材不足の解決にもつながるので、こちらも大きなメリットといえます。

メリット②優秀な人材を確保することができる

働きやすい環境が構築されていることが広まると、そこに優秀な人材が集まってきます。労働人口が減少している現代において、優秀な人材が確保しやすくなるのは大きなメリットです

人材を募集するために様々な媒体を利用することはコストがかかります。しかし、在宅勤務を導入していることが自然と広まれば、柔軟な働き方を求めている人材が応募する可能性が高まります。採用難を解決する方法の一つとしても在宅勤務は大きなメリットがあるので参考にしてください。

メリット③経費の削減に繋がる

在宅勤務は経費削減にも大きなメリットを与えます。通勤手当や企業内の光熱費などの削減ができるため、今までよりもコストが大幅に削減できるのです。もし、在宅勤務によって大きなメリットが得られて継続する場合、オフィスの縮小や移転も検討できます。

メリット④BCP対策に役立つ

事業継続計画を意味するBCP対策にもメリットがあります。社会構造の大きな変化や未曾有の災害などによって、通常のオフィスで業務を出来ない場合、在宅勤務が導入されているとすぐに対処できるのです

有事の際に在宅勤務で業務を継続できることは、事業継続計画におけるメリットとして参考にしてください。災害などでいきなり在宅勤務に切り替えるのは難しいだけに、早い段階で導入を進めて、多くの従業員が対応できるようにしておくのが理想といえるでしょう。

デメリット①システム導入にコストがかかる

在宅勤務を導入する際のデメリットについても確認してください。メリットの大きいシステムですが、導入を進める上では様々な事例を参考にしながら、デメリットにも注意しなければなりません。

たとえば、在宅勤務はシステム導入にコストがかかります。従業員が会社と同じような環境で在宅勤務を行うためには、インターネット環境やパソコンやタブレットなどの端末の購入費が必要です

また、Webでの進捗管理や業務報告をできるようにシステム作りをし、クラウドサービスなどの導入も検討しなければなりません。特にセキュリティ面に関するコストがかかりやすく、こういった導入するときの初期費用はデメリットになります。

デメリット②セキュリティ面での不安がある

セキュリティ面の不安はデメリットになります。企業でシステムを管理するのとは異なり、在宅勤務では情報漏えいの危険性があるのです。特にウィルスによる情報漏えいは注意が必要であり、従業員がしっかりと在宅勤務でもそれを守っているのか監視しなければなりません

システムがきっちりと構築されており、セキュリティ面でも安心感のあるクラウドサービスの利用も検討しましょう。また、在宅勤務用の新しいセキュリティルールを設定し、どこまでの作業を在宅勤務で許可するかも考える必要があります。

デメリット③勤怠管理が複雑になる

在宅勤務ではデメリットとして勤怠管理が複雑になります。従業員が育児や介護をしながら働くことを考慮すると、勤怠をどのように扱うのかが難しくなり、実際の勤務時間の把握が困難になってしまうので注意しましょう。

サボり防止と同時に、従業員が実際に働いている時間の評価を正しく行うことが求められます。在宅勤務向けの勤怠管理や在籍管理ツールを活用するために、自社の働き方にあったクラウドサービスを導入しましょう。

従業員における在宅勤務のメリットとデメリット

メリット①勤務地の制限がなくなる

企業側に続いて従業員の在宅勤務のメリットやデメリットを確認してください。従業員の場合は、勤務地の制限が無くなるのが大きなメリットです。近年では地域限定正社員などの導入も進んでいますが、通勤時間や家庭の事情を考慮した働き方を選べるのはメリットといえるでしょう

通勤における満員電車や渋滞などから解放されることで、働くことに対するモチベーションもアップします。以前なら単身赴任で家族と離れなければならなかったのが、在宅勤務を導入することで退職や転居の可能性を減らせるのです。

メリット②仕事とプライベートの両立が可能になる

価値観の多様化によって、働くだけでなくプライベートの充実を大切にする人が増えました。育児や介護だけでなく、趣味の時間を確保しながら働くことを大切にするためには、在宅勤務は重要な選択肢です。先程説明したような通勤時間の削減などは、自分のための時間を確保することにつながります。

行きと帰りの通勤時間を削減できるだけで、自分に使える時間が増えて、趣味や資格取得など自分の人生の幅を広げることが可能です。こういった働きやすい環境が整備されることで、従業員の企業に対する愛社精神も高まるので、在宅で仕事をすることは多くのメリットが得られるでしょう。

メリット③ペースを乱されることがなくなる

在宅勤務は一人で仕事のリズムを組み立てられるので、ペースを乱されないのもメリットです。業務を遮断する出来事が起きにくいことや、人間関係のわずらわしさも軽減できます。自分なりのペースで働きたい人は在宅勤務を検討してください。

デメリット①オンとオフの切り替えが難しい

自宅で仕事を行うデメリットとして、オンオフの切り替えが難しいので注意しましょう。職場で仕事をするのと異なり、ついサボってしまうためです。自分自身でスケジュールを管理し、集中できる環境を構築することでデメリットを軽減できます

デメリット②コミュニケーション不足になりやすい

在宅勤務では通話や文字だけのコミュニケーションがメインになるので、ちょっとしたことで誤解が生じやすくなります。このデメリットを防ぐためにも、Webカメラなどを活用してお互いの顔を画面越しに確認しながらコミュニケーションを取りましょう

デメリット③正当な評価が受けられないことがある

上司や人事担当者が直接目で見て仕事を確認する形ではないので、正当な評価を受けづらいのがデメリットになります。業務に対する過程を正当に評価されにくいので、勤怠管理や在籍管理ツールを活用してデメリットを軽減してください

在宅勤務を導入する時のポイント

ポイント①労務管理方法を見直す

在宅勤務のメリットを活かし、デメリットを減らすために導入時に注意することを確認しましょう。在宅勤務を導入する際は、必ず労務管理方法を見直してください。従業員の仕事を正確に評価するために重要なポイントです。

勤怠管理ツールなどを導入して、出退勤や残業、休日などをきっちりと把握しましょう。労務管理が正確に行えていれば、従業員の仕事に対する結果だけでなく過程も評価できるようになります。

ポイント②セキュリティ対策を万全にする

デメリットの部分でも触れたように在宅勤務では、セキュリティ対策が必要です。企業がより精度の高いセキュリティソフトやツールを導入し、従業員だけに任せないことが重要になります。また、Web研修などを行って従業員のセキュリティに対する意識を高めましょう。

ポイント③コミュニケーションツールを活用する

在宅勤務では直接顔を合わせる機会が減るため、コミュニケーション不足になりやすいです。情報共有ツールであるChatWorkやNotePMを活用し、仕事以外の話題も共有できるようなコミュニケーションツールを導入しましょう

ポイント④執務環境に関するルールを決めておく

執務環境に関するルールを定めることで、オンオフの切り替えをしやすくなり、仕事とプライベートを分けた在宅勤務ができるようになります。各自が準備するものやワーキングスペースに関する基本を設定することもおすすめです

在宅勤務の導入事例

兵庫県神戸市

在宅勤務の導入事例として、自治体の取り組みから確認しましょう。兵庫県神戸市では業務効率化の取り組みとして、ペーパーレス化やICT化を推進しました。そして、業務効率化の中で在宅勤務が導入されています。

在宅勤務を導入するためのロードマップを作成し、膨大な量の紙資料を電子化しました。自治体は新しいシステムを導入するのに時間がかかるイメージもあるでしょうが、神戸市ではこういった在宅勤務を始めとしてテレワークを積極的に推進しています。

日本IBM

IT企業である日本IBMは非常に早い段階から在宅勤務を導入している事例です。日本IBMは1987年に在宅勤務を取り入れており、導入は営業部から進められました。

その後、現在は週3日までの在宅勤務である「eWork」や、週4~5日の在宅勤務の「ホームオフィス」などのシステムが導入されています。また、在宅勤務以外のテレワークとしてサテライトオフィスなども導入しており、顧客が多いエリアで活用されているので、導入事例の参考にしてください。

日産自動車

日産自動車の事例では、在宅て効率的に進められる業務とそうでない業務を仕分けしている点に注目です。日産自動車は2104年から製造工程を除く全従業員が、月40時間までの在宅勤務を行えます。

この在宅勤務では、業務ルールをしっかりと定めて、メリットを活かしながら企業の生産性向上につながるように運用されている点がポイントです

日産自動車の事例から分かることは、在宅勤務に適した業務を仕分けるための見える化を行う必要性です。この事例を参考に、在宅勤務に適切な業務を把握した上で導入するようにしましょう。

東急不動産株式会社

東急不動産株式会社では、自社で販売する商品として在宅勤務に最適な住居を「テレワークモデル」として提供しています。東急不動産のように、自社の商品やサービスと在宅勤務をうまく結びつけて企業アピールにつなげている事例もメリットとして参考にしてください。

ベネッセホールディングス

ベネッセホールディングスでは、2020年10月までに出社率を5割以下にすることを目標にして在宅勤務が導入されました。その目標を達成するために、出社形態に合わせた独自の勤怠共有ツールを導入しており、新型コロナウイルスの中で新しい働き方を提示しています

在宅勤務のメリットや導入事例を覚えておこう!

在宅勤務のメリットやデメリット、導入する上でのポイントを解説しました。導入企業の事例を参考に、自社でどのようなシステム作りを行うのか検討してください。

新しい働き方を考える上でメリットの多いシステムなので、従業員のモチベーションをアップするためにも、在宅勤務を導入していきましょう!

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