シナジー効果の意味やメリットは?種類や使い方・事例もチェック

シナジー効果の意味やメリットは?種類や使い方・事例もチェック

シナジー効果の意味やメリットなどを解説!

会社を経営する方なら、一度は耳にするシナジー効果。シナジー効果は、複数の企業や企業内の異なる部門が協力して、得ることが出来る相乗効果です。協働する事で、自社だけでは難しい市場にも挑戦することができ、事業を成長させる事が可能です。

本記事では、シナジー効果とアンジー効果の違いやメリット、シナジー効果の使い方や実際の成功事例を詳しく紹介していきます。シナジー効果について興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

シナジー効果とは?

複数の企業などが協働して得られる相乗効果のこと

シナジー効果とは、複数の企業同士の協業や事業提携、会社内の企業部門が協働することで得ることが出来る相乗効果の事を言います。会社を経営している方は、必ずと言っていいほど耳にする言葉で、経営学に用いるビジネス用語です。

簡単に言えば、「自分の会社だけでは達成できない事でも複数の企業で協力することで、予想以上の成果が生じた」と考えれば分かりやすいです。また、シナジー効果は多様なシーンで取り入れる事が可能で、自社に合ったシナジー効果を利用していくことがおすすめです。

生理学や生物学におけるシナジーの意味

生理学、生物学におけるシナジーの意味は、筋肉、神経、刺激、薬物などの2つ以上が連携することによって相乗効果が生むことを意味します。生理学、生物学の分野では、筋活動に内在する協調活動の事を筋シナジーと表現され、人間だけでなく、様々な生物にも共通する構造が見受けられます。

分かりやすく説明するならば、複数存在する筋肉が同時に活動することを言います。人間は、27個の筋と18個の関節で構成されています。脳神経はこれらを制御し多彩な動作を可能にしています。

一般語におけるシナジーの意味

一般語におけるシナジーの意味は、プラスの効果を得るために共同活動することや協力活動することを意味します。数字で表せば分かりやすいです。1+1を3にするような相乗作用を生み出し、人と人が協力すれば1人では叶えられないシナジー効果を得る事ができます。

経営学におけるシナジーの意味

経営学におけるシナジーの意味は、経営戦略で販売、設備、技術などの機能を重層的に活用し、利益を相乗的に生み出す事を意味します。経営者、管理者の経験やノウハウを十分に活用して、2つの企業が協力しあい、新しい製品を作り出すこともシナジー効果の1つです。

アナジー効果との違い

アナジー効果とは、シナジー効果の反対を意味します。企業同士で協力、提携したとしても必ずしも成功するわけではありません。結果的に価値が減少し、デメリットが目立ってしまう事でマイナスの効果のみ発生することを、アナジー効果と言います

アナジー効果の他にマイナスシナジー、負のシナジー、ディスシナジー、ネガティブシナジーと表現されます。例で説明すると、「シナジー効果を見込んで協働したが、結果的にアナジー効果が起こりマイナスになってしまった」などが挙げられます。

シナジー効果の主なメリット

メリット①コスト削減に繋がる

シナジー効果の主なメリットの1つは、コスト削減につながる事です。複数の企業が協力することで、改めて仕事を見直しをしたり、重複している部門の見直しが出来ます。さらに、共通の間接費や物流経費が削減できるので、全体的のコストの削減に繋がり大きなメリットになります

複数の企業が企業ごとに行っている配送作業なども、顧客が同じであることを利用し、企業ごとが助け合って運搬作業をすれば、配送や人件費にかかるコストも削減できます。

メリット②得意先の拡大に繋がる

シナジー効果を得るために企業同士が協力しあうと、得意先が拡大できる可能性があり主なメリットになります。違う地域で活動している企業同士で提携を行えば、相手の企業の地域にも自社をアピールできるので、得意先を増やせる可能性があります。

得意先の拡大に繋がると会社に勢いをつけることができるので、事業拡大にも繋げる事ができます。これは、シナジー効果を利用した、主なメリットになります。

メリット③時間の節約になる

シナジー効果の主なメリット3つ目は、時間の節約に繋がる事です。新しい事を始めるには、始める事の専門的な知識とノウハウ、経験が必要となってきます。初めから自社だけで行おうとすれば、どうしても時間がかかってしまいます。

時間を節約するために、既に専門的な知識と経験、ノウハウを持っている企業に協力すればそれにかかる時間を省くことが出来ます。時間は限られているので、省くことが出来れば違う事に時間を使えるので大きなメリットになると言えます。

シナジー効果の主な種類

シナジー効果の種類①投資シナジー

シナジー効果には、様々な種類がありますが、主な種類の1つが投資シナジーです。投資シナジーとは、研究開発を共同に行った際に得た知識や経験を、伝え合い共有することにより得られる相乗効果の事を意味します。自社だけで研究開発費を投資するよりも、協力することによりコストを抑える事が可能です。

企業ごとに得意分野は違います。得意としている技術や経験を集結することが出来れば、より良いものを作り出す事ができるのです。

シナジー効果の種類②マネジメントシナジー

シナジー効果の主な種類2つ目は、マネジメントシナジーです。違う言い方だと、経営シナジーと呼ばれる事もあります。企業同士が協力し、経営についてのノウハウを共有することを意味しています。経営していく上で身についたノウハウの共有を行います。

経営をしていると、成功だけでなく失敗する事があります。共有することで、企業戦略の一環に取り入れる事ができ、今後経営していく上で大きなメリットになります。

シナジー効果の種類③販売シナジー

シナジー効果の主な種類3つ目は、販売シナジーです。販売シナジーとは、生産の設備や研究開発、販売組織や倉庫などを共有、活用することにより効率化を図り、得ることが出来る相乗効果を意味します。販売シナジーには「クロスセリング・アップセリング」「販売チャネルの拡大」「ブランド効果」などが挙げられます。

企業のブランドのイメージを活用し、コラボレーションすることで、商品の開発にかかる時間やコストを削減出来るだけでなく、商品の売り上げの向上を可能にすることが出来ます。

シナジー効果の使い方

業務提携でシナジー効果を発揮する

シナジー効果の使い方について詳しく解説していきます。1つ目の使い方は、業務提携をしてシナジー効果を発揮する方法です。業務提携とは、異なる技術や経験、商品を持つ複数の企業が経営資源を出し合い、協力体制を築き事業成長を図る対策の事です

シナジー効果の種類の中で、最も高いシナジー効果を得られるのは、マネジメントシナジーです。経営についてのノウハウを企業同士で共有し、企業価値を上げることで高いシナジー効果を得る事が可能です。

M&Aでシナジー効果を発揮する

シナジー効果の使い方2つ目に紹介するのは、M&Aです。M&Aとは経営用語で、Merger And Acquisitionを略した言葉。新設合併や吸収合併を含めた企業の買収、株式譲渡や事業譲渡を含めた合併を意味する言葉です。自社だけでは補えない人材や経験を持つ企業と一緒になることで、自社の弱みを補完することが出来ます。

メリットが多い M&Aですが、デメリットも存在します。それは希望通りの売却・買収候補先がなかなか見つからない事です。デメリットを回避するために、少しでもM&Aについて学びタイミングみて行動する事が大切です。

グループ一体経営でシナジー効果を発揮する

シナジー効果の3つ目の使い方は、グループ一体経営でシナジー効果を発揮する使い方です。グループ一体経営とは、親会社が子会社の経営に関与し、監督、執行レベルまで統制します。そうすることで、経営のスリム化の実現が可能になり、コスト削減にも繋がります。

多角化戦略でシナジー効果を発揮する

シナジー効果の使い方4つ目に説明するのが、多角化戦略です。多角化戦略とは、企業が売り上げや利益を伸ばすために、新事業や新製品の進出、シェア拡大を目指す事業戦略の経営用語です。多角化戦略は、水平型、集中型、垂直型、集成型の4つに分類されます。

自社に合った経営戦略を選ぶことで、より高いシナジー効果を得る事が可能です。4つの分類を詳しく解説していきます。

水平型多角化戦略

水平型多角化戦略とは、企業が保有する生産技術を活用し、似ている市場に対して新製品を提供する戦略です。例で説明すると「一般家庭向けの乗用車を生産する会社が、トラックやクレーン車などの建設車両の生産をする」や「家庭用電話機を作っている会社が、携帯電話、FAX機を生産する」などです。

集中型多角化戦略

集中型多角化戦略とは、自社が持つ生産技術の関連性が高い新しい商品を新分野へ投入することです。シナジー効果を得るためにこの使い方をすると、企業内の能力や技術資源が活用でき、大きなメリットになります。例で説明すると「業務用のアルコールを生産するメーカーが、焼酎などのお酒を生産する」などです。

垂直型多角化戦略

垂直型多角化戦略とは、生産技術の関連性が低いが、対象としてきた市場に似ている市場に新製品を投入する事です。例えば「チェーンの飲食店が、販売だけでなく生産や流通、加工などすべてを担う」や「テレビメーカーを生産する会社がテレビ台を製造する」などが該当します。

集成型多角化戦略

集成型多角化戦略とは、自社の事業に直接関連しない市場で新製品を売り出す事です。集成型多角化戦略は別の言い方で、コングロマリット型多角化とも言います。例で紹介すると「スーパーマーケットやコンビニエンスストアが銀行業務に進出する事」などが挙げられます。

シナジー効果の成功事例

成功事例①ファミリーマート

ファミリーマートは、多角化戦略のシナジー効果を利用した事例です。ファミリーマートは2018年に24時間フィットネスの「Fit&Go」をオープン。さらに次の月には、コインランドリー「ファミマランドリー」をオープンしています。どちらもファミリーマートに併設して作られています。

フィットネスジムを併設したことにより、運動前後に必要な飲食物やアイテムをファミリーマートで購入してもらうことで、新たな収益に繋げる事が可能です。コインランドリーについても、雨天時に来客を促す事が可能になります。同時にファミリーマートのブランドイメージを向上させることが出来ました。

成功事例②ソフトバンク

ソフトバンクは、M&Aのシナジー効果を利用した事例です。ソフトバンクの歴史は、企業買収なしでは語れません。ソフトバンクの始まりは、1981年に設立した「日本ソフトバンク株式会社」です。初めはパソコンのパッケージソフトを扱う会社でしたが、企業買収を繰り返し、誰でも知っている今のソフトバンクになりました。

ソフトバンクは買収と販売シナジー、操業シナジー、経営シナジーを発揮し、大きな会社に成長することが出来ました

成功事例③トヨタ自動車・スズキ

トヨタ自動車とスズキは、事業提携によるシナジー効果を利用した事例です。2017年にトヨタ自動車とスズキは、業務提携に向け検討し、2018年に資本提携されました。トヨタ自動車の得意な電動技術とスズキの得意な小型車技術を組み合わせ、商品展開を目指しました。

トヨタ自動車とスズキの部品などの調達などを共有することにより、コストを下げる事が可能になりました。さらにスズキは、インドで圧倒的な市場シェアを誇っているので、共有することによりトヨタ自動車も名前を広げる事が出来ます。

成功事例④LIXILグループ

LIXILグループは、グループ一体経営によるシナジー効果を利用した事例です。LIXILグループは、2012年に105社もの子会社の会計システムを統合しています。会計作業は各社で共通する事が多いため、システムの統合により会計部門シェアードサービスを推進できます。さらに、統合により業績を随時把握できるようになり、素早く経営判断をすることが可能になります。

シナジー効果をビジネスに活かそう!

シナジー効果の意味や主なメリット、種類や使い方を詳しく解説しました。シナジー効果を上手に取り入れる事により、自社に多くの利益をもたらすことが可能になります。しかし、シナジー効果の反対のアナジー効果にならないように注意が必要です。

シナジー効果には種類があります。企業を成長させるためにも、自分の企業に合ったシナジー効果を選ぶようにしましょう。

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