RPA化とは?メリット・デメリットから導入手順・事例を解説!

RPA化とは?メリット・デメリットから導入手順・事例を解説!
目次

RPA化を詳しく解説!メリットやデメリットは?

最近、コロナ渦の影響もあって、注目されているRPA化。RPAとは、ロボットを作成し作業量の多い業務を自動システム化するツールです。企業はビジネスを継続し成長させるためにも、RPAの導入を検討していることでしょう。この記事では、RPA化の言葉の意味やメリット・デメリット、実際のRPA化の企業事例について紹介します。

RPA化とは?

RPA化の言葉の意味やAIとの違いがなんでしょうか?まずは、RPA化の意味などの基礎的な部分についてわかりやすく紹介していきます。

RPA化の言葉の意味

RPA化とは、「コンピューター上で行われる業務プロセスや作業を人の代わりに自動化する」という意味です。人間が繰り返し行う、キーボード入力やクリックなどの定常的な業務が自動的にシステム化できることから、仮想知的労働とも呼ばれています。

ルール化されている定型業務に向いている

RPA化する業務に向いているのが、ルール化されている定型業務です。RPA化するには、あらかじめ決められた手順のとおり、何度も同じ操作を繰り返すような単調作業に向いています。例えば「社員の勤怠入力チェック」「大量のデータ入力」「一斉メールの送信」などが挙げられます。

人間に長時間、単純作業を行わせると、ミスが増え、作業効率が落ちます。その点、ロボットはミスなく何時間でも作業できるので、定型業務をシステム化するには、圧倒的にRPAが向いているのです。

パソコンのみで完了する業務にも向いている

次のRPA化に向いている業務は、パソコンのみで完了する業務です。RPA化する際は、まず、パソコンにRPAのツールをインストールします。そして、パソコン上のみで完結する業務の手順を記憶し、システム化していくのです。

このようにパソコン上で動作する単純な作業の繰り返しであれば、RPA化は最大限の効果を発揮するでしょう。

AIとの違い

RPA化とは、一般的に、現行業務を自動化させるためにシステム化することを指します。一方、AIはPRAなどのシステム内に組み込まれており、データをもとに判断や作業の振り分けを行う機能を意味します。

RPA化は、基本的には人間が設定したルールに従って作業を実行するだけです。それに対して、AIは人間が設定したルールはもちろん、自律的に判断できます。

RPA化のメリット

メリット①人件費の削減に繋がる

RPA化する最大のメリットは、人件費の削減に繋がることです。定型業務はRPA化して、ロボットに任せた方が正確でより早く作業を終わらすことができます。

そのため、RPA化することで早く終わった作業分のコストや人為的なミスのリカバリーコストの削減が期待できます。また、人件費と比較しても、RPA化する際の運用・保守にかかるコストの方が安く済むことがほとんどです。

メリット②人為的なミスを防ぐことができる

RPA化することで人為的なミスを防ぎ、業務品質の向上が期待できます。ロボットは決められたルールに従って、性格に作業するので意味のない人為的なミスを防止できるのです。

人が作業する場合、どうしても抜け漏れなどのヒューマンエラーが発生してしまいます。こうしたヒューマンエラーを回避するための、チェックやフォローなども不要になることもメリットといえるでしょう。

メリット③24時間稼働させられる

ロボットは24時間365日稼働させられます。経営者の視点からすると、休みなく働いてくれる優秀な人材を雇用しているようなものです。RPAにまかせる作業プロセスが多ければ多いほど、労働時間を短縮させることができ、働き方改革にも繋がります。

メリット④付加価値の高い業務に集中することができる

RPA化することによって、付加価値の高い業務に集中できる人材が増えます。RPA化する対象の業務は、誰にでもできる単純作業が多く、非生産的です。そういった業務をRPA化することで、人間にしかできない意味を感じられるクリエイティブな業務に集中して取り組めるようになります。

メリット⑤現場単位の業務から導入することができる

RPAを導入して業務を自動システム化するには、高度なプログラミング技術は必要ありません。感覚的に設計・開発ができるRPAのツールが数多く存在するので、現場レベルの人材でもRPAをカスタマイズできます。誰でも操作できる汎用性が魅力といえるでしょう。

これまでは、業務プロセスやフロー、ルールが少しでも変わると、それをどうシステム化させようかと悩む機会が多くありましたが、RPAツールを使えばその場で迅速に修正点を反映させることができます。

RPA化のデメリット

デメリット①業務が停止することがある

RPA化することのデメリットといえば、業務が停止するという問題点があることでしょう。RPAはITシステムなので、バグやシステム障害が発生してしまうと作業が止まってしまいます。また、サーバの基準を超えるような動作を実行した場合、サーバがダウンする恐れもあります。

そのため、なるべくバグが発生しないように、コードレビューの時間を設けたり、テストに抜け漏れがないように十分注意する必要があります。

デメリット②情報漏洩の恐れがある

ネットワークに繋がったサーバーにRPAツールをインストールした場合、サイバー攻撃や不正アクセスされる危険性があります。実際に情報漏洩をした場合、会社の信用は大きく低下するでしょう。

企業の大切な資産を守るためにも、システムのバージョンを常に最新の状態を維持したり、IDやパスワードを暗号化したりするなどの情報セキュリティ対策を取りましょう。また、社員全員に情報セキュリティの教育をしておくことも忘れずに。

デメリット③業務がブラックボックス化してしまう

実際にRPA化した現場でよく見られる問題点が、システム化した業務がブラックボックス化してしまうことです。業務担当者が部署移動や退職をした場合、適切に後任の担当者に引き継ぎを行わないと、作業内容や手順がブラックボックス化します。

その対処方法として挙げられるのは、RPA化する業務に関わる手順をマニュアルに落とし込んでおくことです。どんな担当者でも理解できるように、業務プロセスを詳細にマニュアル化しておきましょう。

デメリット④指示の内容が間違っていても作業を続けてしまう

RPA化の最後のデメリットして、指示の内容が間違っていても作業を続けてしまうことが挙げられます。この問題はRPAの開発者側が適切にテストを行わなかったり、業務担当者と詳細にヒアリングしていなかったことが原因でしょう。

RPAは出された指示の内容をそのまま正確に行うので、指示の内容が間違っていても、途中で止まることなく作業を続けてしまいます。こういった問題を防ぐために、定期的なメンテナンスで業務フローと処理内容に差異がないか確認しましょう。

RPA化の導入手順

導入手順①目的を明確にする

RPA化する際は、まずRPA化する目的を明確化しましょう。RPA化にかかわらず、まず始めはその作業をする意味や目的を決めてから実作業を行います。

RPA化の目的の事例として、「業務を効率化させて、リードタイムや時間外労働時間を短縮したい」「入力ミスや情報管理ミスなどのヒューマンエラーを防ぎたい」「RPA化対象の作業を担当している社員の保有スキルを最大限に活用したい」などが挙げられます。

導入手順②ホワイトカラー業務を洗い出す

RPA化する次の手順として、ホワイトカラー業務を洗い出します。RPAする対象の業務として、「同じ作業を繰り返す業務」や「ルール変更・作業手順が少ない業務」などを部門ごとに分けてまとめます。

この時点では、細かな選別や適用後のシミュレーションを行わず、とにかくRPA化対象の作業を洗い出しましょう。

導入手順③RPAに置き換える業務を選別する

前の手順でRPA化したい業務が洗い出せたら、その中からRPA化する業務を選別していきます。実際にシステム化した際に、最も費用対効果の高い業務が適切でしょう。

また、長期に渡って実務を担当してきた社員の意見に耳を傾けることが重要です。そうすると、導入後のイメージを描きながら業務選別を進めることができます。

導入手順④RPAツールを選定する

RPA化する対象の業務が選別したら、RPAツールを選定します。RPAツールの種類は多数存在し、ツールによって特徴が異なります。有名なRPAツールとして挙げられるのは、「WinActor」「BizRobo!」「UiPath」などです。

導入を検討する前に、RPA化して何を改善したいのか目的を明確にすることで、システムに適合したRPAの導入ができるでしょう。

導入手順⑤トラブルの予測や対処を検討する

RPAツールが決まったら、前もってトラブルの予測や対処を検討しておきます。この手順を行うことで、実運用時にトラブルが発生した際に、冷静に対処することが可能です。

検討する時は、各従業員が保有するITスキルや業務部門ごとの連携体制をよく確認した上で、具体的な対策を練りましょう。そうすることで、業務停止期間の最小化を図ることができます。

導入手順⑥パイロット導入を実施する

次のRPA化する手順として、パイロット導入を実施します。RPA化のロボットを開発する方法は「自社開発」か「ベンダーに依頼」の2つに分かれます。

自社開発でPRA化を選択した場合は、自社にロボット開発の専門スキルを保有した社員がいるか確認しましょう。ロボット開発・改修のスキルがなければ、エラーの発生確率が高くなってしまいます。

また、ベンダーにRPA化を依頼したならば、ロボットの更新作業を続けていく上では改修作業に時間がかかってしまいます。どちらの開発方法が適切なのか十分に検討して、パイロット導入を実施しましょう。

導入手順⑦導入後に効果の検証や見直しを行う

パイロット導入から得られた情報を活用し、次は本格導入します。RPA化は導入した後の効果の検証や見直しが重要です。RPA化をした投資に見合う効果が得られているかを評価しなければなりません。

RPA化の効果の検証や見直しでは、数値化した指標を使って評価しましょう。具体的な例として、「人件費およびRPA化関連費の総コスト」「エラー発生件数」「部門の平均残業時間」「従業員満足度」「顧客満足度」などが挙げられます。

RPA化の企業事例

企業事例①GMOメディア株式会社

まず初めに企業事例として取り上げるのは、インターネットメディア事業・デジタルコンテンツ提供事業を行うGMOメディア株式会社です。Web広告の効果を検証するためには、大量のデータ転記作業が発生します。そのため、データ転記作業を効率化したかったのです。

RPA化後は、なんと月間150時間程度の時間短縮に成功しました。社員が定型業務ではないクリエイティブな仕事へ時間を使えるようになったので、仕事満足度も向上したとのこと。

企業事例②株式会社船井総研コーポレートリレーションズ

次にRPA化の企業事例として挙げられるのは、セールスディベロップメント事業やモニタリング・リサーチ事業を行う株式会社船井総研コーポレートリレーションズです。この会社は、毎年開かれる大規模なセミナー・研修会の顧客管理作業の効率化を目指してRPA化を検討しました。

RPA化した結果、1件当たり5分かかっていた業務が1分30秒に短縮し、残業時間が大幅に減少しました。現在では、顧客参加の登録業務は全体の99%以上をRPAが行っています。

企業事例③株式会社ドラマ

最後のRPA化の企業事例として、アミューズメントとホームエンターテインメントの2事業を柱とする株式会社ドラマを取り上げます。この会社がRPA化を検討した理由として、「EC対応のシステム構築費用削減」「ECサイトの在庫表示更新を効率化」が挙げられます。

RPA化をした結果、ECサイト上の在庫の更新作業を1日1回から毎時1回に変更できました。人間では不可能だったタイムラグがRPA化することによってなくなったため、サービス品質の向上に繋がったのです。

RPA化を導入して業務の効率化を図ろう!

これまで、RPA化の言葉の意味やメリット・デメリット、実際にRPA化を実施した企業事例について紹介しました。定型業務をRPAを導入してシステム化することは、さまざまなメリットがあります。

近年、少子高齢化の進行により、中小企業における人手不足は深刻化している中で、RPA化はその問題を解消するために最適な手段です。RPAのロボットの作成方法や実運用ポイントなどを学ぶために、まずはRPAのセミナーに参加してみましょう。

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