リモートワークとテレワークの違いなどについて詳しく紹介!
近年、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、リモートワークやテレワークという言葉をよく耳にするようになりました。実際にIT業界を中心にテレワークを導入する企業も増えてきています。
どちらも在宅勤務をする意味で使われていますが、明確な違いはあるのでしょうか?今回の記事では、リモートワークとテレワークの違いなどを詳しく解説します。
テレワークの意味と働き方の種類
テレワークの意味
テレワークを英語で表すとteleworkになります。このteleは、古代ギリシア語で「遠い」を意味する接頭語です。workは「仕事」を意味します。
よって、テレワークとは、tele(遠い)+work(仕事)でtelework(遠隔の仕事)という造語になります。また、ICTを活用した時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を意味します。
テレワークには大きく3種類あり、在宅勤務、モバイルワーク、サードプレイスオフィス勤務が含まれます。
種類①在宅勤務
在宅勤務とは、従業員の自宅で勤務する形態です。作業は主にPCを使用して行い、チャットツールやWeb会議を使って社員同士でコミュニケーションをとる必要があります。
導入にあたっては、機器の購入やインターネット環境の整備が必要になります。通勤の時間が省けたりとメリットは大きいですが、仕事に集中できる環境づくりも必要になります。
種類②モバイルワーク
モバイルワークは、インターネット環境さえ整っていれば、いつでもどこでも好きなところで勤務できる形態です。外に持ち出せるノートPCなどの通信機器があれば、移動中や外出先で勤務可能です。最近では、無料Wi-Fiを導入する店舗や施設が増えているので、モバイルワークしやすい環境になりつつあります。
一方で注意すべきこともあり、覗き見や盗難の恐れがあります。ウイルスに感染するリスクもあるので、セキュリティ面は十分に対策が必要です。
種類③サテライトオフィス勤務
サテライトオフィス勤務とは、企業が勤務地以外に設けた仕事場で働く勤務体系です。特徴として前者の2つと違うのは、コワーキングスペースやコールセンターなど、特定の施設を利用するという点です。地方に住む社員のために、オフィスを設置する場合もあるようです。
リモートワークの意味とテレワークとの違い
リモートワークの意味
リモートワークは、遠隔を意味するremoteと、仕事を意味するworkを組み合わせた造語です。テレワークと同様に、オフィス外で仕事をする勤務体系を表しており、国や自治体は、テレワークを統一用語としています。
先ほど紹介したテレワークと大きな違いは定義されていません。ただし、それぞれの言葉の意味を考えると、テレワークとリモートワークでは、少し意味合いが違います。
違い①言葉ができた時期
まず、テレワークとリモートワークでは、その言葉ができた時期が違います。テレワークは、比較的古くから使われている言葉なのに対し、リモートワークという言葉は使われ始めた時期こそ明確ではないものの、比較的新しい言葉です。
そもそもテレワークという言葉はアメリカが発祥地です。1970年代から使われ始め、日本では1980年代に、テレワークという働き方が広まりました。
違い②使う人の傾向
テレワークは、官公庁や大手企業、個人事業主で使う人が多いです。一方、リモートワークは、IT企業やフリーランス、業務委託の人で中心に使う人が多いと言われています。
リモートワークという言葉が比較的新しい時期に使用し始められたことを考えると、IT企業やフリーランスの人がリモートワークという言葉を使用していることがわかるでしょう。
リモートワークやテレワークを導入するメリットと問題点
メリット①優秀な人材が確保できる
テレワークを実施している企業は、従業員からすると魅力的な職場環境に映ります。現代社会では、多様な働き方を求める労働者が増えており、仕事とプライベートを両立するワークライフバランスを重視しています。
そのため、テレワーク導入は優秀な人材を確保できます。また、子育てや介護といった事情で今までは仕事を続けることができなかった、既存の人材の雇用も維持できます。
メリット②コスト削減に繋がる
リモートワーク、テレワークの普及によって、企業が抱えるさまざまなコストを削減できます。リモートワークによって、通勤や出張する必要がなくなり交通費や旅費などが不要になりました。
また、出勤する人を制限すればオフィスの規模を縮小化できます。当然、家賃や施設費などのコストを削減につながるでしょう。
メリット③生産性が向上する
通勤にかかる労力が必要なくなり、ストレスが軽減できる。一人で働くほうが集中して取り組める。このような理由から、テレワーク導入によって生産性が向上することも期待できます。
朝の満員電車や車の渋滞、雑音が耳に入りやすい職場環境。このような状況では、集中して仕事がしずらいといった労働者は多くいます。生産性の向上に期待できるのは納得できるでしょう。
問題点①情報漏洩のリスクが高くなる
経営者の視点からみると、最も不安が大きいのは情報漏洩のリスクです。従業員の自宅のネットワーク環境のセキュリティ対策が甘い場合、ハッキングやウイルス感染といった被害に遭い、情報漏洩する可能性があります。
企業の信用が大きく関わってくるので、ウイルス対策ソフトの導入はもちろん、従業員に情報漏洩・セキュリティ対策についての教育も必須です。
また、外出した際にUSB メモリなどの記録媒体や社用パソコンを持ち歩く場合があります。紛失や盗難のリスクが高まり、第三者の手にわたった場合、機密情報や個人情報が流失するリスクもあります。
問題点②業務状況の把握が難しいメリット
テレワークやリモートワークでは、従業員の作業が目に届かないため、業務の状況が把握しずらくなります。サービス残業や「さぼり」を見抜けないため、電話やチャットツールなどで進捗をこまかく確認する必要があります。
毎朝朝礼を行ったり、始業や終業の際には管理者に日報メールを送る、進捗管理ツールを利用するなど、対策を必ず行うようにしましょう。
問題点③コミュニケーション不足になりやすい
テレワークでは、従業員同士のコミュニケーションが取りづらくコミュニケーション不足になりやすいです。人との会話が少なくなるため、在宅勤務という環境はメンタルヘルス不調をきたしやすい環境といえるでしょう。適度にチャットツールやWeb会議システムを利用して、頻繁にコミュニケーションをとるようにしましょう。
リモートワークやテレワークにおすすめのツール
チャットツール
Chatwork
Chatworkはメール、電話、会議など仕事で必要なコミュニケーションをより効率的にするためのチャットツールであり、国内利用者数No.1 の中小企業向けビジネスチャットです。個人間のやり取りから社内で広く使う場面にまで幅広く使えるChatworkは、業務の確認やコミュニケーションツールとして便利なチャットツールです。
ビデオ通話から音声通話機能まで有しており、中小企業から個人事業主・フリーランスまで、多くの人に使用されています。
Slack
Slackは、アメリカのSlack Technology社が開発し運営しているビジネスチャットツールです。元々はGlitchというゲームの映像配信サービスを開発スタッフたちが社内のコミュニケーション用に作ったツールでしたが、これを商用化したのがSlackだと言われてます。
slcackは過去の会話を確認できたり、検索機能の絞り込み条件の設定が豊富です。また、ファイルの共有が簡単であり、CCをつけなくてもよいというメリットがあります。
オンライン会議ツール
Zoom
ZoomはWeb会議システムの中ではトップシェアを誇っており、世界各国75万以上の企業や組織で利用されています。ほかの主要なWeb会議システムに比べて接続の安定性が高く、画質・音質が良いという特徴がある、便利な会議ツールです。
また同時接続数も100~1,000人と多いので、シーンを限定せずに利用できます。普及度も高いので、現時点ではZoomがオンライン会議ツールの最適解と言えるケースがほとんどです。
Microsoft Teams
Microsoft Teamsはマイクロソフト社が推奨するMicrosoft365のコミュニケーションツールです。以前からコミュニケーションツールとして使われていたSkype for businessの後継として登場しました。
Teamsにはチャットや通話機能に加えて、ビデオ会議、ファイル共有、Officeアプリとの連携機能があります。Microsoftのアカウントがあれば無料での利用も可能ですので、現在幅広い企業が導入しています。
リモートワークとテレワークの違いを理解しておこう!
テレワークとリモートワークでは、言葉ができた時期や使い人の傾向によって、言葉の意味に違いがあります。その違いを理解しながら、2つの言葉を使っていきましょう。
また、テレワークやリモートワークにおすすめのツールも増えてきています。円滑にコミュニケーションするために今回紹介したツールを導入してみてはいかがでしょうか?