ピラミッド型組織やフラット型組織の特徴を解説!
組織にはさまざまな形態が存在します。その中でも、今回はピラミッド型組織、フラット型組織、ネットワーク型組織の特徴とメリットやデメリット、ネットワーク型組織の特徴とピラミッド型組織からの移行手順について紹介します。それぞれの組織形態の特徴をよく理解して確認してみてください。
ピラミッド型組織の特徴
ピラミッド型組織は昔ながらの組織形態として日本では最も普及している組織形態です。まずは、ピラミッド型組織の特徴について紹介します。
階層型の組織形態
ピラミッド型組織とは、従来の企業組織の構造形態の一つであり、組織のトップ(経営者)に権利や責任を置き、命令や指示がトップダウン方式で行われます。上から社長、部長、課長、係長、一般社員というように階層別に組織されます。
このピラミッド型組織のモデルは「階層型組織」や「ヒエラルキー型組織」とも呼ばれることもあり、最も広く使われる組織構造です。
ピラミッド型組織のメリット
ピラミッド型組織のメリットとして「仕事を細かく分けることができるので、作業の専門性や効率性を高められる」「職場のルールが明確化されるため、社員を束縛しやすい」「問題が発生した場合、部門ごとで責任を区別しやすい」「昇進フローがはっきりとしているので、人材を安定的に確保できる」などが挙げられます。高い生産性と業務効率が大きな特徴です。
ピラミッド型組織のデメリット
日本の高度経済成長期を支えてきたピラミッド型組織にはデメリットがいくつかあります。実際にピラミッド型組織と他の組織形態を組み合わせて、最適な組織を構築する企業も見られます。
ピラミッド型組織のデメリットとして「変化の激しいビジネス環境に対応しにくい」「階層が多いため、意思伝達などに時間がかかる」「社員の自発的な行動を抑えてしまう」などが挙げられます。
フラット型組織の特徴
フラット型組織とはその名の通り、フラットな状態を目指した組織形態です。続いて、フラット型組織の特徴について紹介します。
高い自立性を持って行動する組織形態
フラット型組織とは、高い自立性を持って行動する組織形態を指します。ピラミッド型組織とは異なり、階層を少なくし、組織の下層に権限を委譲することによって成り立っています。
ビジネス環境の変化が激しい時代において、意思決定が遅い企業はいずれ淘汰されてしまうでしょう。それを防ぐためにも、社員一人ひとりが判断基準を持つことが重要です。上司による意思確認を待たずに行動できるフラット型組織は、今の環境に適していると言えるでしょう。
フラット型組織のメリット
前述したとおり、フラット型組織は今のビジネス環境に適した組織構造と言えます。フラット組織のメリットとして「中間管理職が減るため、人件費を削減できる」「経営層と現場社員が連携しやすくなることで、現場の意見が反映されやすくなる」「上司と部下が一体感を持って、目標達成のための価値観やビジョンを共有しやすくなる」などが挙げられます。
フラット型組織のデメリット
フラット型組織は上司や部下の仕事力が低いと、組織としてうまく機能しません。フラット型組織のデメリットとして「そもそも社員の問題解決力が低い場合、組織全体の業務遂行力が低下してしまう可能性がある」「管理職を削減しているため、中堅社員のモチベーションを低下させる」「意思決定が分権化されるので、意思決定が遅くなる場合がある」などが挙げられます。
ネットワーク型組織の特徴とピラミッド型組織からの移行手順
最後に、ネットワーク型組織の特徴とピラミッド型組織からの移行手順について紹介します。
特定のリーダーや上司を作らない組織形態
ネットワーク型組織とは、ピラミッド型組織などの拘束力や命令権の強い組織に対して、特定のリーダーや上司の命令権が弱く、メンバーが自立して意思決定し相互に作用しあう組織のことを指します。誰がその組織のメンバーなのか境界が曖昧であるという特徴があり、メンバーの主体的判断と責任が保証されています。NPO・NGOなどがネットワーク型組織の代表的な例です。
ネットワーク型組織のメリット
ネットワーク型組織のメリットは、従業員が新たなスキル・知識を身につける機会が増えることです。ネットワーク型組織は上司からの命令もなく、部署・役職も関係なく交流が持てるので、情報共有がしやすくなります。その結果、お互いの持っているスキルや知識を教え合う環境が構築され、社員同士でお互いのスキルを高めやすくなるのです。
ネットワーク型組織のデメリット
ネットワーク型組織のデメリットは、何か問題があった際の責任の所在があいまいになりやすいことです。その原因はネットワーク型組織はピラミッド型組織のように組織の階層構造がないことが挙げられます。
また、組織のメンバーがバラバラに行動してしまい、組織のまとまりがなくなる可能性もあるでしょう。これらのデメリットをなくすためには、組織のメンバーに対して、高い責任感と自己管理能力を高めていく必要があります。
移行手順①目的を明確にして個人の能力を高める
ピラミッド型組織からネットワーク型組織へ移行するためには、まず、組織の目的を明確にして、個人の能力を高めるために人材を育成しましょう。
「なぜ組織形態を変更するのか」という目的をメンバーと共有し組織内に浸透させる必要があります。そして、少人数のプロジェクトを作ることによって個人の能力を高めて、ネットワーク型組織に適した人材を育成しましょう。
移行手順②コミュニケーションが取りやすい環境を作る
ネットワーク型組織の成功の秘訣は、組織の風通しの良さにあります。組織のメンバーが積極的にコミュニケーションするために、コミュニケーションが取りやすい環境を事前に作っておくことをおすすめします。
社員同士の心の距離を縮めるために、ランチ会や計画的な面談などを実施するのが良いでしょう。
ピラミッド型組織やフラット型組織の特徴を覚えておこう!
ここまで、ピラミッド型組織・フラット型組織・ネットワーク型組織の特徴とメリット・デメリット、ネットワーク型組織の特徴とピラミッド型組織からの移行手順について紹介してきました。
それぞれの組織形態には当然メリット・デメリットが存在し、それが自社に合うかどうかを見極める作業が必要になってきます。今の時代背景や自社の風土に合わせて、適切な組織形態を作っていきましょう。