フィールドセールスとインサイドセールスの違いを解説!
営業を行う方法としてフィールドセールスとインサイドセールスの2つの方法があります。それぞれの営業のやり方の違いや内容について紹介します。フィールドセールスとインサイドセールスの使い分けなどを含めて、自社の営業の取り組み方の参考にしてください。
フィールドセールスとインサイドセールスとは?
フィールドセールスとは「訪問型営業」のこと
2つの言葉の違いから確認していきましょう。フィールドセールスは、訪問型営業のことを意味します。また、別の言葉でアウトサイドセールスと表現されることがあるので覚えておきましょう。
フィールドセールスの仕事内容
フィールドセールスの仕事内容は、従来から行われている営業マンが企業や自宅を訪問して営業を行う形です。直接対面しながら商談や受注、アフターフォローなどを行います。
営業マンが顧客に対して直接商品の説明を行うため、細かな説明や有益な情報を提供できるのがメリットです。同時に顧客と信頼関係を構築することが重要であり、何度も顧客のもとに訪れる必要があります。
フィールドセールスを行う営業マンの人柄や表情など、様々なスキルが求められるでしょう。また、複数の訪問を行う場合、フィールドセールス担当者の精神的なストレスが大きくなるのが注意点です。
電話による営業以上にフィールドセールスは面と向かって厳しい言葉を投げかけられることがります。企業はフィールドセールス担当者のメンタルケアも積極的に行っていきましょう。
インサイドセールスとはオフィスで営業活動を行う方法のこと
逆にインサイドセールスは、電話やEメール、ダイレクトメールなどを使って、オフィスの中から営業活動を行う方法です。商品やサービス内容に興味を持っている顧客に対して連絡を行って、需要度を引き上げるのが目的になります。
インサイドセールスの仕事内容
具体的なインサイドセールスの仕事内容を確認しましょう。インサイドセールスに含まれる仕事は、マーケティング担当者やテレアポ担当者が代表的です。
もともと、インサイドセールスは国土が広いアメリカで誕生したと言われてます。直接訪問するにはあまりにも移動時間がかかるため、電話や手紙などで商品やサービスの情報を顧客に届けていました。
その後、ITやAI技術が進歩したこともあり、EメールやLINEなどのSNSサービスを使って、インサイドセールスが行われるようになりました。特に企業の働き方改革の影響は大きく、会社や自宅から顧客にセールスを行う企業が増えたのです。
フィールドセールスとインサイドセールスの違い
フィールドセールスとインサイドセールスの大きな違いは、コミュニケーションの撮り方が対面か非対面かという点です。フィールドセールスでは顧客のもとに訪れますが、インサイドセールスでは電話やメールなどでやり取りを行います。
また、フィールドセールスとインサイドセールスは両方の営業方法を活用することも多いです。インサイドセールスで顧客とのコミュニケーションを取り、本格的な受注などはフィールドセールスで行う形になります。営業マンと顔をあわせて取引を行えるので安心して決断できるのです。
フィールドセールスで重視すべきこと
インサイドセールスと連携して成果の最大化を図る
フィールドセールスを行う際にいくつかの点を重視するようにしましょう。まず大事なのは、先程紹介したインサイドセールスとの連携です。どこからどこまでフィールドセールスの役割なのか、仕事内容の違いを明確にすることが求められます。
インサイドセールスによって案件化されたものを、フィールドセールスで顧客担当する形が一般的です。扱う商品やサービス内容によって最適な形は変わってくるので、自社の部署内で丁寧に話し合いを進めましょう。
各フローの役割を明確にする
各フローの役割を明確にするのも重要です。フィールドセールスを行う時に、マーケティングやインサイドセールス担当者が状態を把握していないと、話のズレが発生します。
こういった一連の流れの中で、誰がどのタイミングで関わるかを明確にしてください。フィールドセールスとインサイドセールスが連携の取れた状態であれば、顧客に購買意欲をアップさせることができます。それぞれのサポートや部署間で共通の認識を持ち、無駄のないセールスを行ってください。
それぞれの強みを理解したうえで業務の割り振りを行う
フィールドセールスの効果を発揮するためには、インサイドセールスの強みも理解しておかなければなりません。それぞれの強みや営業方法の違いを理解し、適切な取り組みが求められます。
フィールドセールスは案件化前の懸念などを払拭できるのが強みです。また、顧客や商材によって、訪問を行うほうが話し合いがスムーズに進みます。若い世代ではインサイドセールスでも問題ありませんが、年配の方は直接顔を合わせるほうが喜ばれることが多いでしょう。
部署間での情報共有を徹底する
さきほどの各フローの役割にもつながりますが、部署間でフィールドセールスやインサイドセールスの情報共有は必須です。AIやクラウドサービスを活用して、すぐに必要な情報にアクセスできるようにしてください。企業が顧客情報を一元管理することで、情報の伝え忘れなどを防げます。
インサイドセールスで重視すべきこと
インサイドセールスの役割を明確にする
新型コロナウイルスの影響もあり、インサイドセールスは重要な意味を持ちます。多くの企業はインサイドセールスをマーケティング部門とフィールドセールスの間に置いて活用しているのです。
フィールドセールスとの連携は必須であり、同時に仕事内容の違いを明確にしなければなりません。最終的な目標は同じでも、そこまでの仕事内容は違いがあることを覚えておきましょう。
インサイドセールスの役割は、マーケティング部門が取得した見込み顧客にアプローチしていくことです。購買意欲を高めるために、電話やメールなどの非対面型のコミュニケーションを行っていきます。この中で顧客のニーズを明らかにして、商談機会を生み出しましょう。
商談機会が生まれるまで長期的な活動になることも多いです。そして、顧客の購買意欲が高まった段階でフィールドセールスにバトンタッチして、直接訪問を行います。
課題発見や提案に必要となるヒアリングを行う
インサイドセールスは、ただ電話をかけるだけが仕事ではありません。対話と通じて顧客の課題発見や適切な提案を行っていくのが役割です。マーケティングを専門に行う部門とはまた違った形で、切り口を見つけていく能力が求められます。
顧客と電話やメールを通して丁寧なヒアリングを行いましょう。自分たちが商品やサービスを押し売りするのではなく、顧客の声に耳を傾けるのが重要です。その中で顧客の課題やニーズを探り、適切なアプローチを行っていきましょう。
ノウハウを共有してチーム全体のスキルアップを図る
インサイドセールスを成功させるのは簡単なことではありません。電話がかかってきてセールスだと分かった瞬間に切られるような体験は日常茶飯事です。時には相手の世間話に付き合うだけで終わってしまうこともあります。
そういった難しさのあるインサイドセールスにおいて、実際に結果を出している企業は様々存在しているのです。個人の臨機応変なトーク術など、真似したくても真似できない部分が結果につながっていました。
時代が変わり、Eメールやネットを使ったダイレクトメールなど、様々なインサイドセールスの方法が誕生し、少しずつノウハウを共有できる時代になったのです。また、Web会議ツールなどを活用する企業が増え、営業活動の様子を見ることが可能になっています。
商談の様子を録画してノウハウを共有したり、チームで商談スキルの向上に取り組むことができるようになりました。ネットワークを活用し、インサイドセールスのノウハウを共有していきましょう。
十分な数のリードを獲得する
インサイドセールスにおいて重要なのは、十分な数のリード獲得です。フィールドセールスでは1日に4~5件ほどが一般的で、インサイドセールスの場合はさらに多くの件数をこなすことが求められます。そのため、インサイドセールスでは14件ほどが目標に設定されることが多いです。
しっかりとしたリードを獲得した上で、量より質に仕上げていくのが理想な形になります。まず、初期段階では営業をかけるべき相手を増やしていきましょう。このリードの確保によって、各部門が動き出せます。
フィールドセールスとインサイドセールスの違いを活かす方法
リアクションや相槌の取り方を変える
フィールドセールスとインサイドセールスの仕事内容の違いが確認できましたが、その違いを活かした営業方法を解説します。フィールドセールスに対してインサイドセールスは、感情や動作などの情報を伝えにくいです。
そのため、フィールドセールスと同じような情報量を与えるためには、2倍、3倍の大げさなリアクションが必要になります。同時に、相手のリズムを壊さないリアクションの取り方が求められます。相手が話しにくくならないように、リアクションや相槌を取りましょう。
コミュニケーションツールを厳選する
顧客にあわせてコミュニケーションツールを厳選しましょう。コミュニケーションは直接会話をするだけでなく、電話やEメール、Web会議システム、SNSなどが存在します。しかし、顧客の中にはパソコンやスマホなどでコミュニケーションを取ることを嫌う場合があるでしょう。
年配の方の中には、フィールドセールスのような訪問型を前提としている人がいます。フィールドセールスでコミュニケーションを築いてから、電話やネットによる交流に切り替えるのも方法です。
相手に注意を促す場面を決めておく
フィールドセールスと異なり、インサイドセールスは相手の集中力が切れやすい営業方法になります。そのため、会話の中で注意を促すポイントを絞りましょう。
やり方のコツとして「今から話すことが、今日の一番重要なポイントです」という形を取ってください。こういった言い方をすることで、相手も気持ちを入れ直して話に耳を傾けてくれます。
フィールドセールスとインサイドセールスを連携させるポイント
ポイント①顧客情報を緊密に共有する
フィールドセールスとインサイドセールスを連携させる上で、顧客情報の緊密な共有が必要です。双方が顧客とどのようなやり取りを行ったのか、興味を持った点はどのような部分かなどを共有しましょう。情報共有をしやすいようにクラウドサービスを活用するのもおすすめです。
ポイント②引き渡しタイミングを最適化する
インサイドセールスからフィールドセールスに引き渡すタイミングを最適化してください。タイミングを考える上で、予算、決済、必要性、導入時期の4つの条件を明確にすることで、引き渡しの最適化が行えます。
フィールドセールスとインサイドセールスの連携事例
連携事例①顧客セグメントに合わせた柔軟な分業
フィールドセールスとインサイドセールスの連携事例を確認しましょう。営業の取り組みでは、顧客のニーズの違いを特定して、特徴を明確にする顧客セグメントが重要な関わりを持ちます。
顧客セグメントがはっきりとしていれば、どれぐらいの人員をどちらに割けば良いかが見えてくるのです。顧客セグメントによっては、従来型のフィールドセールスをメインに行なっても問題ありません。いかに顧客への対応効率を向上させるかがポイントです。
連携事例②カスタマーサクセスへ提供する情報の蓄積
カスタマーサクセスは、顧客が商品やサービスを使うことで成功して、望ましい結果を得られるのをサポートする部門です。そのため、カスタマーサクセスはフィールドセールスとインサイドセールスの橋渡しになる存在といえるでしょう。
それぞれが得た情報をカスタマーサクセスに蓄積し、顧客が製品に関して抱えている課題を解決していくことが重要です。フィールドセールスとインサイドセールスの連携によって、その後のトラブルを解決することにもつながります。
フィールドセールスとインサイドセールスの違いを知ろう!
フィールドセールスとインサイドセールスの違いについて解説しました。フィールドセールスは従来の訪問型の営業方法で、インサイドセールスは電話やEメールなどを使ったオフィスからの営業活動です。
企業はこの両方の営業活動をうまく活用し、それぞれの割合を調整することが求められます。フィールドセールスとインサイドセールスの連携を活用し、企業をより成長させていきましょう!