社内研修の意味や目的を解説!研修内容やメリットは何か?
社員のスキルアップや新入社員の教育などで導入されている、社内研修。社内研修は、スキルアップだけでなく企業のビジョンやミッションの周知も可能。
本記事では、社内研修の意味や目的を解説します。社内研修におすすめの課題や、実施する時のポイントもまとめているので、社内研修の導入を考えている方は参考にしてください。
社内研修とは?
社内の人間が講師役を担う研修のこと
社内研修とは、社内の人間が講師役を担い、新入社員などに研修を行うことを指します。社内研修の講師は、人事部や管理職の社員が担うことが多く、研修と同時に社内ビジョンを周知できるため、多くの企業が社内研修を導入しています。
社内研修は、研修だけでなく研修を通して社員同士の交流が深まり、コミュニケーションをとれます。部署内だけでなく、部署間同士の交流もはかれるため、社内の情報も共有できます。
最近では、社内の人間が講師を行わない社内研修も増えています。外部からセミナー講師を呼び寄せた場合も、社内研修と呼ぶ場合もあります。
外部研修との違い
外部研修とは、社外の施設や企業で行われている研修に参加すること。また、一部の企業では、外部からセミナー講師を呼び、研修を行う場合も外部研修と呼びます。外部研修では、社外から多くの人間が集まるため、社外と情報共有も可能。そのため、社外研修は効率のよい人材教育といえます。
しかし、外部研修は社内研修に比べると費用がかかるというデメリットも。社内で対応できる内容かどうか、研修内容の精査が必要です。
研修期間の目安
研修期間は、研修の内容によって異なります。例えば、新入社員が参加する新入社員研修は、1か月以上の期間を用意し、じっくりと行うことが一般的。一方、社会人経験のある中途採用者に向けての研修は、短期間で行うことが多いです。
また、スキルアップやフォローアップを目的とした研修は1日~2日が目安で、短期間のカリキュラムが組まれています。
社内研修の種類
種類①Off-JT
集合研修という意味も持つ、Off-JT。Off-JTとは、Off thi Job Trainingの略称で、外部からセミナー講師を呼び、講義やグループワーク形式で研修を進めていくことが一般的です。
Off-JTは、同じ場所、時間に多くの社員を集めて研修を行えるため、効率よく教育を進められるというメリットがあります。また、1人の講師から学ぶため、得られる知識の量に差が生まれることはありません。
効率の良い社内研修として導入されているOff-JTですが、研修参加後から実務を行うまでに一定の時間があいてしまうというデメリットも。また、多くの社員が業務から離れるため、研修期間中に企業が回らなくなる恐れもあります。
そのため、社内研修を担当する人事部や管理者は、しっかりとしたスケジュール管理が必要。研修の内容によっては、宿泊施設の準備や遠方への交通費なそ、多額の費用が必要になります。
種類②OJT
On the Job Trainingの略を意味するOJTは、多くの企業が導入している社内研修のひとつ。OJTは、実際に実務をこなしながら研修を行う手法で、実務をこなしながら知識や業務を身に付けていきます。
OJTは、実務をこなしながら知識を得るため、座学などでは学べない細かい部分まで、経験を積めます。実務を通して知識を得ていくことで、人材を即戦力化できるというメリットもあります。
OJTは、1人の研修生に対して、教育担当を1人つけるスタイルが一般的。そのため、教育担当に選ばれた社員は、実務から離れる時間が増え、必要な仕事が進まなくなる恐れもあります。そのため、人手不足の会社には不向きな社内研修と言えます。
また、教育担当のスキルによって教育の質が大きく異なります。そのため、社内研修としてOJTを行う際は、教育担当のスキルを均一化しておく必要があります。
種類③階層別研修
段階別に教育を受けていく、段階別研修。内定者、新入社員、中堅社員、管理職と社員を段階別に分け、それぞれの段階で必要な知識を学ぶ方法です。
内定者や新入社員であれば、社会人としての基本やマナー、業務についての社内研修を行います。また、中堅社員以降はさらに業務を効率化するためのスキルや、会社の経営について学びます。
種類④職種別研修
会社によっては、複数の職種があり、さまざまな部署があります。このような企業が導入している社内研修が、職種別研修です。職種別研修とは、職種別や部署別に必要な知識を学ぶ社内研修の種類のひとつ。それぞれの部署に特化した内容を行うため、効率よく知識を得られます。
種類⑤テーマ別研修
テーマ別研修は、ロジカルシンキングやビジネスマナー、マネジメントスキルなどテーマを設定し、テーマごとに研修を行う手法。 社員のスキルや段階によって、必要なスキルは異なります。
テーマ別研修は、外部研修などでも多く取り入れられている手法で、それぞれの社員に必要な知識を効率よく得られます。
種類⑥自己啓発
自己啓発も社内研修のひとつ。自己啓発とは、社員が自身で学習し、必要な知識を得ていきます。自己啓発といえば、個人が独自で行うため、社内研修と捉えられない場合もありますが、企業によっては自己啓発で必要な書籍や受講費を負担してくれることも。
自己啓発は、それぞれの社員が独自で行うため、モチベーション維持が難しいとうデメリットがあります。一方、自分が必要な知識を得られるため、効率よく教育できるというメリットもあります。
種類⑦ロールプレイ
接客やサービス業などで導入されている、ロールプレイ。実務を通して知識を得ていくという点は、OJTと類似していますが、ロールプレイでは、顧客に見立てた社員を相手に行います。OJTは、本番から始めるイメージですが、ロールプレイは、本番前の予行演習のような意味合いで利用します。
顧客に見立てた社員に対して、基本的な接客サービスや、クレーム対応を行います。実務に入る前に、いろいろなケースを経験しておくことで、クレーム発生時も柔軟に対応できます。
種類⑧グループワーク
グループワークは、座学研修で行われることが多い研修のひとつ。何人かでグループをつくり、課題について話し合い、解決していくことが一般的です。グループで行うため、他のメンバーの意見から新たな発見やアイデアが生まれることも。
グループワークは、新入社員研修で行われることが多いです。スキルアップだけでなく、社員同士のコミュニケーションを活性化する目的でも導入されています。
種類⑨e-ラーニング
パソコンやスマホでセミナーを受講する、e-ラーニング。e-ラーニングのメリットは、場所や時間を問わず、いつでも受講できるという点が挙げられます。しかし、どこでも受講できるため、企業の管理職からすれば、本当に受講しているか、スキルが身についているかと不安に感じることも。
e-ラーニングから学んだことが、社員の身についているか確認する目的として、研修の感想や小テストの実施も効果的。このような手法と組み合わせることで、社員の理解度を明確にできます。
社内研修の目的
目的①企業理念や事業内容を浸透させるため
企業理念や事業内容を社員に浸透させることも、社内研修の目的のひとつ。特に、入社したばかりの社員は経営理念や事業内容を理解している人が少なく、社内研修を通して学ぶ必要があります。
会社がどのようなかたちで社会に貢献しているか、どのような業務を行っているか理解しておくことで、スムーズに実務に入れます。
企業理念を理解し業務に取り組むことで、離職率を下げられるといメリットも。企業理念の共有は、新入社員だけでなく、中堅社員や管理職クラスの社員にも、定期的に確認をとることが重要。
目的②スキルを向上させるため
社内研修を行う主な目的が、スキルの向上です。社員の段階によって、必要なスキルが異なるため、それぞれの目的に合わせて研修を行うことが重要。新入社員であれば、ビジネススキルや基本的な業務の流れ、中堅社員であれば専門スキルの取得などが挙げられます。
管理職になると、マネジメントや経営管理などが挙げられ、それぞれに適した社内研修を行う必要があります。
目的③社員間の連動性を高めるため
社員間の連動性を高めることも、社内研修の目的のひとつ。各部署が連動して仕事を行うことで、生産性を向上させることにもつながります。
社内研修は社内の人間が集まって行うため、社員同士のコミュニケーションを活性化され、メンバーの弱みや強みを把握できます。社内でプロジェクトが発足された場合も、それぞれの特性を理解しているため、目的達成までスムーズにプロジェクトを進められます。
社内研修はスキルの向上などを目的とするのではなく、社員同士のコミュニケーションの活性化も視野に入れて行うことがおすすめです。
社内研修のメリットとデメリット
メリット①コストの削減に繋がる
社内研修は、社内で行うため、研修にかかるコストを削減できます。社外で研修を行う場合、セミナーの参加費をはじめ、社員の交通費や宿泊費がかかります。一方、社内研修は、会場費やセミナー参加費用がかかりません。
また、外部セミナーを受講する場合、人事部が管理職が仕事のスケジュール調整や、セミナーの受講予約を行う必要があります。社内研修は、社内の掲示板や社内メールを使うことで、研修内容の周知を行えます。
外部から講師を呼び寄せた場合も、講習料のみの支払いとなります。このように、研修にかかる費用を抑えられるため、多くの企業で社内研修が実施されています。
メリット②自社の独自性を研修に取り入れることができる
社内研修は、自社の独自性を研修に取り入れられるというメリットも。社外研修では、自社独自の取り組みや業務内容は取り入れられず、一般的なスキルしか学べません。
メリット③他部署との交流の機会を作ることができる
社内研修の目的としても挙げられた、他部署との交流ができることも社内研修のメリットになります。社員が一斉に研修を受け、グループワークなどを通して、お互いの特徴や仕事内容を理解できます。普段の業務では関わることの少ない部署と交流でき、さまざまな知識やアイデアが生まれることも。
他部署との交流を目的として社内研修を実施する場合は、座学だけでなく、グループワークなどを取り入れる必要があります。
社内研修のデメリットは?
社内研修は、自社の特性や業務に必要なスキルは得られますが、社外のノウハウを得られないというデメリットも。社会人としてのスキルを学ぶには、社外からのノウハウは必要不可欠。社外の人と交流を持つことで、自社では得られない知識を身に付けられます。
他社との交流は、ノウハウの取得だけでなく、会社に危機が迫ったときも、すばやく情報収集でき柔軟に対応できます。社外との交流は、さまざまなメリットがあるため、会社が成長するためにも重要。社内研修だけでなく、外部研修を上手く取り入れましょう。
社内研修の内容【新入社員】
内容①企業理念やビジョンの説明
会社で働くうえで、企業理念やビジョンの把握は重要。新入社員の社内研修では、企業理念やビジョンの説明を行うことがほとんどです。どのような経営理念をもとに、事業を行っているか理解して仕事をしなければ、能力が活かせません。
経営理念やビジョンは、中堅社員や管理職から新入社員に対して、しっかりと伝えていく必要があります。
内容②ビジネスマナー研修
新入社員の社内研修で必ず行われる内容は、ビジネスマナー研修。ビジネスマナーは、社会人として企業で働くうえで必要なスキルです。ビジネスマナーに決まった形式やルールはありませんが、あらゆるケースを想定して、研修を実施することが重要。
ビジネスマナーを身に付けるためには、なぜこのようなことをする必要があるのか、目的をしっかりと意識して行います。ビジネスマナー研修では、名刺交換などの基本的なスキルをはじめ、クレーム対応などの問題解決などを学びます。
内容③コミュニケーションの取り方の説明
新入社員の社内研修で行う内容として、コミュニケーションの取り方の説明も挙げられます。新入社員にとって、社会人生活は不安でいっぱい。緊張のあまり、本来のパフォーマンスが発揮できないということも。
新入社員が本来のパフォーマンスを発揮するためにも、他者とのコミュニケーションは必要です。社内研修では、コミュニケーションの取り方の説明だけでなく、実際にコミュニケーションを取れるような研修内容を考えましょう。
この際、同期との横のつながりだけでなく、上司ともコミュニケーションを取れる機会を設けることが重要。中途採用の場合は、すぐに部下がつくことも考えられるため、縦のつながりも意識しましょう。
内容④PCスキル研修
業務のデジタル化が進み、基本的なPC操作は働く上で必須となりました。新入社員の社内研修では、WordやExcelなどの基本操作をはじめ、ビジネスメールの使い方、社員同士の交流で使用するチャットツールなどの操作を学びます。
また、企業が独自に導入しているシステムなどの操作方法も覚える必要があります。PCスキルがなくては、業務がスムーズに行えないため、社内研修でしっかりと身に付けておきます。
社内研修の内容【管理職】
内容①新任管理職研修
新任管理職研修は、役職のついた管理職が仕事の始め方や役割を身に付けるための研修です。事業内容を理解し、人材育成を行い、業績を上げることが役割であると、意識してもらうことも目的としています。
内容②チームビルディング研修
管理職になると、チームマネジメントを行う必要があります。チームビルディングとは、メンバーの個性を活かしながらチームが目的を達成する取組みのこと。
チームビルディング研修では、チーム力をアップさせるために必要な知識を学びます。チーム力を向上させるために、ゲーム形式の研修も実施されています。
内容③上級管理職研修
上級管理職研修は、経営者の視点に立って、経営数字の捉え方やリスクマネジメントについて学ぶ研修です。
管理職として、チームをまとめ、業績を上げることに注力してきた社員が、今までとは違う役割を任せられた時に行います。上級管理職研修は、より経営層に近い視点から経営について学ぶことを目的としています。
社内研修の進め方
進め方①課題を抽出する
社内研修を進めるにあたって、まず初めに課題の抽出を行います。会社によって抱える問題や課題は異なります。会社にとっての課題を洗い出し、優先的に解決する課題は何か、明確にします。課題を明確にすることで、研修の内容や目的、ゴールを決めやすくなります。
進め方②目標を設定する
課題を明確にしたら、次は社内研修のゴールを設定します。研修のゴールを設定することは重要で、ゴールが定まっていないと、研修を行う意味がありません。研修のゴールを設定することで、目的達成までに何を行うのか、計画も立てやすくなります。
進め方③研修方法を決める
研修のゴールを設定したら、社内研修の方法を決めます。社内研修の手法はさまざまで、OJTやOff-JT、テーマ別研修やe-ラーニングから選びましょう。社内研修の内容が多くの社員に共通する場合、集合研修がおすすめ。集合研修を行うことで、社員同士の交流も深められます。
また、社員同士のスケジュール調整が難しい場合は、オンライン研修を利用しても良いでしょう。社内研修をオンラインで行うことで、社員が時間や場所を問わず、必要な研修を受けられます。
社内研修の方法として、いろいろな方法が挙げられますが、どの手法にもメリットやデメリットがあります。研修方法を決める場合は、社内研修のゴールや予算などと合わせて選びましょう。
進め方④研修計画を作る
社内研修の方法を決めた後は、研修計画の作成を行います。研修計画とは、研修を実施する期間や時期、研修を実施するにあたって必要な場所や備品、研修のテーマを具体的に作成することが重要。社内研修を成功させるには、この研修計画の作成を充実させる必要があります。
例えば、集合研修を行う場合は場所の確保、オンライン研修を行う場合は、インターネット環境の整った端末が必要です。また、講師を外部から招く場合、外部講師との打ち合わせを行いましょう。研修計画を作成する段階で、しっかりと準備を整えてください。
進め方⑤フォローアップの方法を決める
社内研修の効果を高めるためには、フォローアップがおすすめ。社内研修のフォローアップとして多く行われる手法が、アンケートやレポートの提出です。アンケートは比較的多くの社員から解答を集められますが、本当に内容を理解しているか、把握しにくいというデメリットが。
一方、レポートは社内研修の理解度を明確にできるというメリットがありますが、レポートの作成やチェックに時間がかかり、本来の業務がおろそかになることも。
アンケートやレポートをもとに、上司と話せる機会を設けることで、問題点を明確にし、次の課題にとりかかれます。それぞれの企業に合った、フォローアップの方法を行いましょう。
階層別の社内研修におすすめの課題
テーマ①新入社員の場合
社会人になったばかりの新入社員は、社会人としての基本的なスキルや、考え方を課題とした研修を行います。具体的には、コミュニケーションスキルやビジネスマナー、ロジカルシンキングなどが挙げられます。これらのスキルは、社会人1年目で身に付けることが好ましいとされています。
テーマ②中堅社員の場合
中堅社員になると、直属の部下もつき、チームやプロジェクトを牽引するリーダーに抜擢されることも。リーダーとして、部下やチームを引っ張るためには、マネジメントスキルなどが必要となります。
また、プロジェクトの成果をあげるためにも、部下やチームのメンバーのモチベーションを維持し、成果を上げるコーチング方法も重要。このように、主に人材育成を課題として研修を行いましょう。
テーマ③管理職の場合
今後の企業の経営に関わる管理職は、若手社員や中堅社員の育成や、組織全体を引っ張る力が必要。管理職の研修では、優秀な部下を育成するために、人材育成スキルを学びます。また、会社全体を率いるために、マネジメントスキルも必要。
また、管理職になると他社との商談の機会も増えます。そのため、交渉術などのスキルも社内研修で学んでおくと良いでしょう。
社内研修を実施する時のポイント
ポイント①研修内容に合った講師を選ぶ
自社のノウハウを蓄積、継承したい場合は社内の人間を講師とし、社内研修を行います。しかし、社内にはないノウハウや、現在のトレンドに関するものを課題とする場合、社外講師がおすすめ。社内研修を効果的に実施するためには、研修内容に合った講師を選びましょう。
ポイント②アンケートで社員同士の関係をチェックする
社員同士の関係チェックも重要なポイントのひとつ。新入社員同士や上司と部下が、どれくらい関係性を築けているかなどのチェックを行います。社内研修だけで、社員同士の交流が終わらないように、歓迎会を開いたり、ランチ会を開くなどすることも効果的です。
ポイント③アンケートで社員のメンタル状態をチェックする
新入社員や社員が会社で孤立していないか、社内は相談しやすい環境にあるか、定期的にチェックすることが重要。メンタル状況のチェックをおろそかにすると、社員が1人で悩み、鬱になってしまうことも。
社内研修を行う際は、研修内容の理解度を把握するだけでなく、社員1人1人のメンタル状況のチェックも欠かさずに行いましょう。
ポイント④アンケートで業務の振り返りを行う
研修を終え、普段の業務に戻ると、自分の役割や課題について意識させる必要があります。役割や課題を意識するために、アンケートなどを使い、上司と定期的に面談し業務の振り返りを行います。
業務を振り返る際は、今できていることとできていないことを整理します。現状のスキルや課題を把握することで、今後の課題を見つけられます。アンケートを作成する際も、社員の本音をどう聞き出すかなど、設問づくりも重要です。
ポイント⑤簡潔で分かりやすい資料を作る
社内研修で使用する資料は、分かりやすく簡潔なものを作成します。これは、社内研修にかかわらず、取引先に提示する資料も同じ。研修を受ける社員によって、分かりやすさの基準は異なりますが、わかりやすく簡潔に、飽きさせない資料作りを行いましょう。
また、スクリーンに投影する場合は、投影した状態をイメージしながら資料を作ると効果的。文字が小さすぎる、装飾が派手で見にくいなど、基本的なミスを事前に防げます。
また、資料作りは、起承転結がしっかりしており、伝えたいことを分かりやすく伝えることが重要。講師が伝えてばかりの研修では、飽きてしまう人も少なくありません。定期的に、課題を与えたり、飽きない工夫や仕掛けが必要です。
ポイント⑥目に見えるコストをできるだけ抑える
外部研修に比べるとコストを抑えて実施できる、社内研修ですが、意外とコストがかかります。もちろん、社内研修中も給与が発生します。このような人件費を抑えるのは難しいとされていますが、目に見えるコストは抑えることが可能。
目に見えるコストとして、会場費や外部講師費、資料代などが挙げられます。会場は社内の施設を使ったり、オンライン研修を行うことで削減できます。また、外部講師費も社内の人間が講師を担うことで抑えられます。
あらかじめ、社内研修にかけられる予算を算出しておき、予算オーバーした場合は、目に見えるコストをできるだけ抑えるように調整しましょう。
ポイント⑦魅力的な研修を心掛ける
せっかく、社内研修を実施するならば、魅力的な研修にしたいところ。魅力的な研修内容を考えることで、受講者のモチベーションもアップします。魅力的な研修内容にするために、受講者のメリットになる点を事前に周知しておくことが大切です。
ポイント⑧YouTubeを活用する時は公開範囲に注意する
オンライン研修を行う際、Youtubeを利用する企業も少なくありません。全社員が気軽に視聴できるため、便利なYoutubeですが、公開範囲に注意する必要があります。Youtubeは、公開、限定公開、非公開の3種類から公開範囲を選択可能。
社内研修で使用する動画は、メールアドレスで公開する人を限定できる、非公開設定がおすすめです。誤って、公開設定にしてしまうと、社内の機密データが漏洩する恐れもあるため、気をつけてください。
社内研修の企業事例
株式会社高島屋
株式会社高島屋は、さまざまなテーマの社内研修を実施しています。中でも、注目されているのが高島屋商い塾という、特徴的な研修。高島屋商い塾では、新入社員に必要なビジネススキルの基本から、深い知識まで、さまざまなテーマで研修を行っています。
株式会社高島屋の社内ライセンスでもある、販売士やギフトラッピングコーディネーターなどの資格を取得することも可能です。
マルハニチロ株式会社
冷凍食品を多く手掛ける、マルハニチロ株式会社では、食品衛生や製品管理に関する社内研修を実施。他にもお客様対応研修や、お客様モニタリング研修など、顧客満足度を向上させることを目的とした研修も実施しています。
さまざまな研修を実施しているマルハニチロ株式会社ですが、3300名以上の社員が研修に参加し、スキルアップを行っています。
株式会社サイバーエージェント
インターネット広告事業を展開する、株式会社サイバーエージェント。多くの新入社員を抱えるサイバーエージェントは、OJTでは新人教育を十分に行えない事態に陥りました。そこで、サイバーエージェントは社内研修制度として、ジップという制度を導入。
ジップは、社員を短期で成長するために、必要なスキルや考え方をプログラム化しました。また、社員が成長する方法を管理職が集まって議論する場も設けています。この場で決定したことは、翌月の組織体制にスピーディーに反映されます。
トヨタ自動車東日本株式会社
トヨタ自動車東日本株式会社の新入社員研修では、社会人として必要な意識づけや、事務や技術職に関する基礎知識を、半年という時間をかけて行います。トヨタ自動車の社員であることを、強く認識してもらうことが目的とされています。
また、トヨタ自動車では階層別研修も導入。キャリアアップに必要なスキル、管理職にはマネジメント研修などを実施しています。
株式会社ニコン
株式会社ニコンは、新入社員研修後に配属が決まります。配属先が決定した後、技術職と事務職に分かれて、研修を実施します。座学だけでなく、社員同士の交流を深められるように、グループワークも導入しています。
社内研修を実施して企業の課題を解決しよう!
社内研修の種類や目的について、詳しく解説しました。社内研修は、企業理念や経営方針を社員に認識させられるというメリットも。有効的な社内研修を実施するためには、明確な目標や研修計画を立てることが重要です。社内研修を実施して、企業の課題解決につなげましょう。