オーナーシップとは?意味や具体例・リーダーシップとの違いも!

オーナーシップとは?意味や具体例・リーダーシップとの違いも!
目次

オーナーシップの意味やメリットなどを解説!

グローバル化や多様化で、企業は組織力の強さが求められています。より自主的に動ける人材を育てることで企業競争の中で生き抜くことができるのです。企業の中に所属して与えられた仕事を何気なくこなすのではなく、当事者意識を持つオーナーシップのある人材が必要になっています。

仕事をする中でこのオーナーシップを持った人材を育てることにチャレンジしましょう。オーナーシップの意味やメリット、育成するときのポイントや注意点についてまとめたので参考にしてください。

オーナーシップとは?

個人が当事者意識を持って向き合う姿勢のこと

オーナーシップというのは「自らが属する組織、課題、仕事に対して当事者意識を持って向き合う姿勢や関係性」のことを意味します。つまり、自分が仕事をただただこなすだけでなく、自分の問題や仕事と考えて積極的に取り組む姿勢のことです。

オーナーシップが必要とされている背景

この当事者意識というのがオーナーシップの意味のポイントになります。オーナーシップが必要とされるようになったのは、企業の多角化やグローバル化が関係しています。また、少子高齢化もオーナーシップが必要な理由と考えられているのです。

一人の有能な人材が企業全体を引っ張っているようなカリスマ性だけでは、現代社会ではリスクが高い、という問題があります。ベンチャー企業などではそういった人材が技術革新をもたらすことがありますが、大きな企業では従業員それぞれが当事者意識を持つことが重要です。

こういった時代の変化の中で、オーナーシップが企業にとって意味のある考えになりました。自分の仕事に対する責任感や知識を得る意味でも、オーナーシップを浸透させていきましょう。

リーダーシップとの違い

似た言葉としてリーダーシップがあります。普段から使うことが多い言葉ですが、オーナーシップとは意味が異なります。リーダーシップの場合は「チームなどの向かう方向やビジョンを示して、メンバーを鼓舞する力」のことです

リーダーシップは他の人間に対して発揮するもので、チーム全体のマネジメント要素が強くなります。オーナーシップの場合は自分自身に関係するもので、自身の役割を考えるセルフマネジメント要素が強い点で意味が違うのです。

フォロワーシップとの違い

もう一つ近い言葉としてフォロワーシップ、というものが存在します。フォロワーシップは「組織やリーダーの方針に自らの意思で賛同して、積極的に支援する」ことです。

フォロワーシップとオーナーシップでは、自主的に取り組むか、フォローする側にまわるか、という点で意味が異なってきます。企業においてオーナーシップ、フォロワーシップ、リーダーシップのそれぞれの人材が整っていることが重要なので検討してください。

オーナーシップを使用した例文

株主は会社の所有者としてのオーナーシップ(所有者)と配当金として受け取る権利としてのオーナーシップ(所有権)を持ち合わせている。

オーナーシップ(責任感)を意識することによって、適度な緊張感と高い集中力を維持しながら仕事に取り組むことができる。

https://bizhint.jp/keyword/156248

オーナーシップの意味を理解した上で、具体的な例文を確認しておきましょう。このように所有者や所有権としての使い方もできますし、責任感という意味でも使える言葉です。また、その他にも当事者意識という形でも使える言葉になっているので、改めてオーナーシップの意味を確認しておきましょう。

仕事におけるオーナーシップの具体例

具体例①能動的に仕事をしている

仕事におけるオーナーシップの具体例を紹介します。この考え方において重要なのは、自分で探し、自分で解決していく姿勢です。こういった能動的な仕事のスタイルがオーナーシップの代表的な具体例といえるでしょう。

チームの中でプロジェクトを成功に導くために、自分で必要なことを考えて調査し、実践していくような人材です。こういった人材がいることで、自然とリーダーシップの役割も果たして、全体のモチベーションもアップします。

具体例②スケジュール管理ができている

スケジュール管理をしっかりと行うこともオーナーシップの具体例に該当します。仕事をする上で納期を守るのは重要なことであり、そのためにスケジュール調整を行っていくことが必要です。

自分の仕事のタイムラインを作成して管理し、持ち合わせている能力でどれぐらい時間がかかるのか計算しましょう。こういったスケジュール管理が効率良くできることも、与えられて受け身になるのではなく、積極的に行動する具体例になります。

具体例③自分の役割をしっかりと理解している

業務における自分の役割を理解することも、オーナーシップに必要なことです。その役割を果たすために必要なことを考え、時には上司に相談しましょう。リスケジュールや仕事の方向性を修正する能力を持った人も、オーナーシップの具体例です。

オーナーシップを持つ人の主な特徴

特徴①コミュニケーション能力がある

具体例を紹介しましたが、実際にそういったオーナーシップを持つ人の特徴を確認しましょう。リーダーシップを持つ人の特徴ともつながりますが、コミュニケーション能力は重要な要素です。

自分で決めて動く中では、チーム内で協力を求めたり相談したりする必要があります。また、自分がどういったことを求められているか把握することも必要です。受け身のままでは問題を解決するスピードも遅くなり、当事者意識も持ちにくくなります。

特徴②責任感が強い

当事者意識を持つ人は責任感が強い人です。「誰かがやってくれる」という他人任せの考えの人ではなく、「自分がこの問題を解決するんだ」という意思を持つ人がオーナーシップを持つ人の特徴になります

困難な仕事に対して、どうやって解決すればいいかを考えて、効率化や生産性を向上させるために動ける人材です。また、責任感とあわせてポジティブな性格の人も含まれるので参考にしてください。

特徴③自分の長所や短所を理解している

自分の長所や短所を理解している人も特徴の一つです。得意な分野を把握していることで積極的に動けますし、苦手な分野をわかっていれば協力を求めることができます

こういった客観性を持つことで、チーム全体で問題に取り組む姿勢が生まれるでしょう。他の特徴と合わさることで当事者意識を持ちながら、積極的に仕事に打ち込める人材です。

オーナーシップのメリット

メリット①研修効果や育成効率の向上に繋がる

当事者意識を持って課題に取り組めるため、研修効果や育成効率も向上します。何気なく研修を受けるのではなく、普段自分が感じている疑問を解決するための答えを見つけようと、前向きに話を聞く姿勢が生まれるでしょう。一つ一つの説明の意味がアップし、効率の良い育成につながります。

メリット②パフォーマンスを最大化させるために役立つ

自分の脳力をしっかりと把握することで、得意なことや苦手なことがわかり、適切なパフォーマンスを引き出せるようになります。

パフォーマンスを発揮するために適切なスケジュールを組み立て、必要な部分で他の人にサポートを要請することもできるでしょう。そして、その考えを他の社員も共有出来ていれば全体のパフォーマンスも引き上げられます。

みんながこのメリットや意味を把握することで、最大限のパフォーマンスを発揮できるのです。苦手な部分があることを恥ずかしがらずに、それを補える関係を築きましょう。

メリット③従業員満足度の向上に繋がる

自分で考え、チームと協力して結果を出せることは従業員満足度の向上につながります。結果を出せれば自分の力に手応えを感じることができるのです。この満足度が全体に良い影響を広げていくのがメリットになります。

メリット④顧客満足度の向上にも繋がる

それぞれがしっかりと自分の仕事をこなすため、商品やサービスの質が向上します。ミスやトラブルが減ることで顧客満足度が向上し、継続した取引や売上につながるでしょう。提供者側が責任感を持った仕事をしていれば、顧客も安心感を得られます。

メリット⑤次世代リーダーの育成環境を構築することができる

オーナーシップはリーダーシップの要素もある考え方です。そのため、こういった考えを持った人材が成長していく中で、自然と次世代リーダーの育成が可能になります。

組織を自分のこととして考えられる人材が育成されると、企業利益を考えて動くようになります。そして、よりよい方法を考えながら経営者としての視線を持つ人物に成長するのも大きなメリットです。具体例で紹介したような人材を育てて、その考えを他の社員にも波及していきましょう。

メリット⑥組織力やチーム力を高めることができる

自分で考えられる人材が複数いると、トラブルのときの対応力に大きな違いが生まれます。外部環境が変化していく中で、「どうにかなるだろう」という他人任せの考えでは問題を乗り越えられません。

オーナーシップを持った人物がいることで、組織力やチーム力が高まり、トラブルにも迅速に対応できます。他人任せとは違い、外部環境の変化を敏感に読み取り、影響を最小限に抑えてくれるのです。こういった姿勢が他の社員にも影響を与え、全体の組織力がアップするのが大きなメリットになります。

メリット⑦グローバル化によるリスクを最小化する

さきほどの組織力やチーム力が高まることで、グローバル化に対するリスクも最小化にできます。企業の多角化によってグローバル化は重要な要素です。しかし、そこには様々な課題やリスクが存在しています。

特に現地企業との意思疎通や経営理念を共有することが課題です。そういったときに、オーナーシップを持った社員を育成することができれば、現地の従業員も日本企業と考えを共有できます。グローバルの問題を抱えている企業はオーナーシップを取り入れていきましょう。

オーナーシップを育成する時のポイントと注意点

ポイント①オーナシップを学ぶ機会を作る

オーナーシップを育成するときのポイントと注意点を確認しましょう。まず大切なことは、オーナーシップについて学ぶ機会を作ることです。

冒頭でリーダーシップとの違いなどを紹介しましたが、実際にこのことを理解できている従業員は多くありません。この考え方がどういったものなのかを具体例を参考に、研修などを通して学ぶ機会を設定してください。必要な知識を企業側が提供し、組織運営の考え方を学ばせることも大事です。

ポイント②権利を与えて試行錯誤ができる環境を構築する

考えや意味が理解できたら、それを実践できる環境を構築してあげましょう。当事者意識を植え付けるために、自分から動ける状態にし、権限や権利を与えてください。時には必要な権利などについて面談などで相談に乗ってあげることも求められます。

企業によってオーナーシップの形も様々です。試行錯誤を繰り返して自社に適したオーナーシップの持ち主を育てていきましょう。適正が無さそうに見える人物でも、権利を与えられると才能を開花することもあります。権利が負担にならないように見守りながら試すこともおすすめです。

ポイント③風通しの良い組織風土を構築する

権利を与えられても最初から成功するとは限りません。そういった失敗や間違いを許容できる雰囲気作りも行ってください。風通しの良い組織風土が構築できれば、失敗を恐れずに自分から動ける人材が育成できます

そのために上司も部下を見守り我慢することが重要です。成功した部下をしっかりと褒めて、オーナーシップを持った仕事ができたことを評価しましょう。

オーナーシップを育成する時の注意点

このオーナーシップを育成していく上で注意したいのが、常に能力を発揮できる人ばかりではない点です。得意でない分野に対してはどうしても積極的な態度に出れないこともあります。

また、そういったオーナーシップやリーダーシップを得意としない性格の部下もいるので、無理に追い立ててもストレスを抱えてしまうのです。場合によってはパワハラ問題に発展する可能性もあるので、個人の性格や考え方を理解した上で育成しましょう。

オーナーシップを育てて組織力を高めよう!

オーナーシップの意味や目的、具体例やリーダーシップとの違いについて解説しました。オーナーシップを持つ人材が多いと外部環境の変化やグローバル化に対して、影響を最小限にできるのが大きなメリットです。

また、当事者意識を持つことで自分から動ける人材になり、企業全体のモチベーションがアップします。具体例や研修を通して育成することが重要です。適切な人材を発掘し、オーナーシップを育てて組織力を高めましょう!

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