オフショアリングのメリットやデメリットを知りたい!
本記事では、オフショアリングのメリットとデメリットについて紹介します。オフショアリングは、企業の必要な業務を海外に移管する手法の事を言います。
オフショアリングを実行した際のメリットについてまとめました。また、オフショアリングの言葉の意味や、業務内容について掲載しているので、仕組みを知りたい人は参考にしてください。
オフショアリングとは?
まずは、オフショアリングについて紹介します。オフショアリングの言葉の意味やアウトソーシングとの違いをまとめました。
オフショアリングの言葉の意味
オフショアリングは、「Offshore」から生まれており、「海岸から離れている」という意味で使われています。経済用語では、企業で行っている業務の一部、または全部を海外に移動する意味で使われます。日本国内で運営していた企業の業務を、国外に移して経営していく手法です。
オフショアリングの種類
オフショアリングには、2つ種類があります。1つは、海外にある他の企業と連携し、委託先として業務を外部に発注します。もう1つは、自社が行っていた業務を海外に送り、現地で法人を設立します。そして、子会社として立ち上げて業務を遂行する方法です。
どちらもアウトソーシングと相性が良いので、組み合わせて使う企業も多いでしょう。
アウトソーシングとの違い
オフショアリングは、企業の業務を海外に移す手法です。一方でアウトソーシングは、他の企業に業務を委託して、仕事をしてもらいます。委託先は、日本国内でも海外でも、自社のグループに所属していなければ成立します。
「海外に業務を移動する」と、「他の企業に委託する」のでは大きな違いがあるので、注意しましょう。
オフショアリングの業務内容
次は、オフショアリングの業務内容について紹介します。オフショアリングは、移動する業務内容によって問題が発生してしまう可能性があります。オフショアリングに向いている業務を見極めましょう。
生産系業務
生産系業務は、オフショアリングに最もおすすめの業務です。生産ラインが確立しており、製造する際のマニュアルがしっかりできていれば、問題ありません。
現地のスタッフも短時間で業務をこなせるようになるので、分かりやすいマニュアルを作りましょう。また、比較的人件費などのコストが低くなる地域に工場を設置すると、費用を抑えながら業務が可能です。
デスクワーク業務
オフショアリングの目的をしっかり把握していれば、デスクワーク業務もおすすめです。マニュアルがしっかりできていれば、伝票の整理や会計のデータ入力など経理業務もできます。
また、プログラミングやデザイン業務など、英語をメインとした業務の場合、海外でも使えるので安心です。さらに、海外からの問い合わせが多い企業は、 コールセンターなどのカスタマーサービスでの英語の対応ができます。
専門性の高い業務
オフショアリングを取り入れて、専門性の高い業務を海外に移動するケースもあります。開発センターを海外に移して研究開発を行うケースや、法務や会計のスペシャリストをグローバル化するなど、数多くの企業がオフショアリングを利用しています。
オフショアリングのメリット
次は、オフショアリングのメリットについて紹介します。オフショアリングを取り入れると、コスト削減に繋がります。また、コストを抑えながら労働力を確保でき、グローバル化に対応できるのでおすすめです。
メリット①コスト削減に繋がる
オフショアリングを導入すると、今までかかっていたコストを削減できます。オフショアリングを取り入れている企業は、コスト削減を目的にする理由で導入しているケースが多いです。
アジアに企業を構えると、日本よりも物価が安いので、コスト削減に繋がります。物価が安い場所に企業を構える事で、生産や人件費コストを抑えられ、大きな利益を生み出せます。
メリット②労働力を確保することができる
オフショアリングは、コスト削減の他にも、労働力も確保できます。日本は現在、少子高齢化が進んでおり、労働人口が減少しています。
その一方で、オフショアリングを実行した企業は、海外の人材を採用できるので、働き盛りの社員を確保できるでしょう。また、海外にも高いスキルや有能な技術を持った人材も多くいあるので、専門知識が必要な業務の場合でも、問題ありません。
メリット③グローバル化に対応することができる
オフショアリングは、海外に拠点を持てるため、その国で新しくビジネスを始めるのに有利です。日本の企業のグローバル化が進んでいるため、多くの経営者は海外に事業を移動しています。
もちろん、日本の顧客に向けてオフショアリングを導入する企業も多いです。しかし、現地で新しくビジネスを生み出せれば、コストを削減しながら大きな利益を得られる可能性もあります。
オフショアリングのデメリット
次は、オフショアリングのデメリットについて紹介します。オフショアリングは、コストを削減し、新たな利益を生み出せるメリットがあります。しかし、コミュニケーションが取りづらく、育成が難しいケースもあるので、注意しましょう。
デメリット①コミュニケーションが取りづらい
オフショアリングを導入すると、現地の社員とのコミュニケーションが取りづらいです。例えば、海外の会社に業務委託すると、自社で業務をすべて管理できません。
また、自社と現地とでは、文化や言葉の違いにより、コミュニケーション不足になる可能性があります。コミュニケーションをこまめに取って、業務のミスを減らしましょう。
デメリット②人材育成が難しい
日本と海外では、ビジネスルールや法律、労働環境がすべて違うため、育成に時間がかかります。また、業務委託の場合は、労働者が他の企業に属するため、直接指導するのが難しいです。自社で新しく社員を採用した場合は、面接時にしっかり確認し、管理体制を整えましょう。
デメリット③人件費が高騰することがある
オフショアリングは、人件費が抑えられるメリットがあります。しかし、最近アジア諸国では、人件費が大幅に上昇しているため、注意しましょう。
インドネシアでは、2018年から1年間で平均7.5%も賃金が上がっています。海外進出を考えている企業は、現地の平均賃金などをしっかり確認しましょう。
デメリット④技術やノウハウが流失するリスクがある
海外に企業を移動させると、技術や組織のノウハウが流出する恐れがあります。企業は、外に漏らしてはいけない機密情報が多いです。そのため、機密情報を守るためには、徹底した情報の管理が必要です。
しかし、オフショアリングを実行すると情報や独自の技術が流出する恐れがあります。事故を防ぐためにも、労働基準やルールを徹底しましょう。
日本の主要なオフショアリング先
次は、日本の主なオフショアリング先を紹介します。日本は、中国やインド、ベトナムなどアジア圏内に企業を構えるケースが多いです。
中国
中国は他の国と比べると、シェア率が高く、企業の8割がオフショアリング先にしています。中国は日本との距離が近いため、オフショアリングしやすいです。しかし、それだけではなく、生産コストが抑えられるほか、人口が多いことから、様々なスキルを持った人材も数多く存在します。
インド
インドは中国の次に企業に人気があり、日本企業の約15%のシェアを占めています。インドは年々人が増加しており、将来中国を抜いて世界1位の人口になるでしょう。
そのため、インドで導入する企業が増えています。また、インドはIT分野において、世界で高く評価されているため、優秀なスキルを持った人材が多いです。
ベトナム
インドや中国と比べるとベトナムは、人件費が安いので、コスト削減にオフショアリングを行う企業が増えています。また、ベトナムは、真面目な人が多いので、勉強に積極的に励んでくれます。
その姿が、日本人と似ているので、一緒に働いても問題が起こりにくいと評価が高いです。さらに、最近ではエンジニアなどのITに強い人材も増加しているため、検討している企業が増えています。
オフショアリングは企業の成長に効果的な経営手法!
オフショアリングは、企業を成長させるのに最も効果的な手法です。海外に企業を移動させる事は、ある種の賭けになるので、気軽に実行するのが難しいです。
しかし、オフショアリングは、人件費や生産費などのコストを削減できるので、メリットがたくさんあります。オフショアリングはを導入する際は、目標をしっかり確認ながら取り入れましょう。