【書き方の参考例あり】議事録のフォーマットや項目をチェックしよう

【書き方の参考例あり】議事録のフォーマットや項目をチェックしよう

ビジネスマンであれば、議事録の書き方は必ず身につけておきたいスキルです。議事録は後から会議の内容がわかるように、見やすく簡潔に作成することがあります。

そこで今回は、議事録のフォーマットや書き方の参考例をご紹介します。議事録はコツさえ身につければ誰でも作成できるものなので、この機会にぜひチェックしてみてください。

議事録を簡潔にまとめるには?

まずは、議事録の基礎的な作成方法について解説します。5W2Hを明確にし、誰が見ても会議内容がわかるように作成することを心がけましょう。

5W2Hを明確にする

議事録は会議の内容によって作成するポイントが異なります。

例えば、具体的な決議を伴う会議の場合は、どんな内容の決議が行われたのかを明記する必要があります。

一方で、会議には決議を伴わないものもあります。それぞれのメンバーが特定の課題について解決策を提案し合うような会議の場合は、それぞれのアイディアの詳細を書き留めることが議事録作成の目的となります。

いずれの場合も、以下の5W2Hがわかるようにまとめることが大切です。

Why(なぜ)

What(何を)

When(いつ)

Who(誰が)

Where(どこで)

How(どのように)

How much(いくら)

議事録の構成をあらかじめ考えておく

議事録は単に会議の内容を書き起こせば良いというものではありません。最低限必要な情報として、以下の項目は必ずまとめておくことが大切です。

  • 会議名
  • 開催日時
  • 開催場所
  • 会議の参加者
  • 主な議題
  • 議題の背景
  • 課題
  • 会議の決定事項
  • 今後とるべき行動

特に、会議名や議題、会議の決定事項はもちろんのこと、議題の背景や今後とるべき行動もまとめてくことで、後から第三者が議事録を見た際に情報を共有しやすくなります。

また、会議内容が複雑な場合は、あらかじめ議題に関する知識を深めておくと議事録作成時にまとめやすくなるでしょう。

PREP法による見やすい文章を心がける

PREP法とは、「Point(結論)」「Reason(理由)」「Example(具体例)」「Point(まとめ)」の4つの要素を明確化するライティング手法のことです。

PREP法の文章では各パラグラフで結論から先に述べることが基本です。結論から書くことで、短時間で内容を理解することができます。

例えば、新商品の企画会議について議事録を作成する場合、一般的な文章とPREP法による文章では以下のように違いが見られます。

一般的な文章の場合

2021年6月1日、新商品の企画会議が行われた。

A部長は昨今のテレワークの増加など、ビジネスマンの働き方や家での過ごし方に大きな変化があることを指摘した。

また、B事業担当者は地方移住や2拠点生活などの需要が増加しており、ビジネスマンが住む部屋のスペースが広くなってきていることを指摘した。

C担当者が20代、30代のビジネスマン向けに行ったアンケート調査の集計結果によると、上記の指摘通り、40%以上が「地方移住を検討している」と回答している。

このような背景から、会議ではテレワークを行うビジネスマン向けのワークデスクを製品化する方向で調整することに決定した。

テレワークにより需要が高まっている広いスペースのワークデスクを販売することで、変化する仕事環境に対応することを狙いとする。

また、今後の検討事項として、開発するワークデスクの価格やサイズの検討を行う必要がある。これらの項目を盛り込んだ市場調査を7月に行い、得られた情報を製品化に向けて活用することにする。

PREP法による文章の場合

2021年6月1日、新商品の企画会議が行われ、以下のことが決定された。

①テレワークを行うビジネスマン向けのワークデスクを製品化すること

②ワークデスクの価格やサイズを市場調査し、得られた情報を製品化に活用すること

これらが決定された理由としては、自社調査によりテレワーク従事者のうち40%以上が「地方移住を検討している」と回答しているなど、今後自宅に大きなワークデスクを設置する需要が高まる見込みがある点が挙げられる。

また、会議ではA部長はビジネスマンの働き方や家での過ごし方に大きな変化があること、B事業担当者は地方移住や2拠点生活などの需要が増加しており、ビジネスマンが住む部屋のスペースが広くなってきていることを指摘している。

今後の検討事項としては、開発するワークデスクの価格やサイズの検討を行う必要がある。これらの項目を盛り込んだ市場調査を7月に行い、得られた情報を製品化に向けて活用することにする。

メモが追いつかない?議事録作成に欠かせないツールを活用しよう

議事録の作成を任されたら、便利なツールを用意しておきましょう。

議事録を作成する際は、会議の現場にノートやPCを用意するだけでは不十分です。その場でメモをするだけでは会議のスピードに追いつけず、重要な発言や決定事項を聞き逃してしまう恐れがあるからです。

後から音声を聞き返すなら、ICレコーダーは必須です。会議場の広さなどにもよりますが、録音だけなら安価なレコーダーでも十分に役立ちます。

また、最近では議事録作成支援ツールがアプリなどで提供されています。スマートフォンなどでアプリを起動しておくだけで、精度の高い書き起こしをしてくれます。

ただし、これらのソフトで書き起こされたものは議事録のフォーマットに落とし込む必要があります。あくまで第三者がみてもわかりやすい内容にすることを忘れないようにしましょう。

無駄な部分を省くことも大切

正式な議事録を作成する際には、会議中に行われた無駄な会話などを思い切って省くことも大切です。

例えば、会議冒頭で行われる挨拶などは削除しても問題ないでしょう。また、会議では話題が脱線してしまうことがしばしばありますが、議題に関係ない話題の場合は議事録から省いてしまってよいでしょう。

議事録はあくまで会議内容の要点をまとめるものです。大切な情報だけをまとめるように心がけましょう。

議事録用のメモを取る際のポイント

誰にでもわかるように要点をまとめられた議事録を書くには、メモの取り方が重要です。何も考えずにメモをしていると、後から議事録にまとめる際に苦労をすることがあります。

あらかじめメモの取り方を考えておくことで、会議終了後スムーズに議事録を書き終えることができるでしょう。議事録をスピーディーに作成できれば、上司から何度も進捗を確認されることもなくなります。

できるだけ大きなノートを使う

議事録を作成する際のメモは、できるだけ大きなノートに記録することをお勧めします。

会議では様々な参加者が発言をするため、発言者ごとにパラグラフを分けて記録する必要があります。そのため、できるだけ広いスペースが必要なのです。

また、会議は複数の議題を話し合うことも多いため、議題ごとにページを分けて記録すると後から見返しやすくなります。

議事録用のメモは単なる書き起こしとは異なります。ノートのスペースを有効活用し、視覚的にわかりやすいメモを心がけましょう。

表や図解を用いる

議事録用のメモの目的は正式な議事録のために情報を記録することですが、メモ自体を誰かに見せることはありません。

そのため、自分が理解しやすいように表や図解を書き込むと後から見返した時に内容を思い出しやすくなるでしょう。

また、自分が思いついたことやその場では理解できなかった発言や用語をメモしておき、後から調べることも大切です。

議事録の作成者は会議の内容を正確に理解しておく必要があります。メモ段階でわからなかったことは漏らさずメモしておきましょう。

メモは時系列で記載する

会議中のメモは時系列で記載することが基本となります。時系列でメモを取ることで、話の流れをつかみやすくなります。

会議では何度も同じ話題が繰り返されることがありますが、この場合議題ごとに時系列でまとめると見やすくなります。

メモにはスペースを空けておき、話題が繰り返されたとしても加筆できるようにしておきましょう。

会議の雰囲気をメモに残す工夫

会議では盛り上がった話題でも、文章に起こすと淡白になり、現場の雰囲気が伝わりづらい場合があります。

盛り上がった話題は強調するためにマーカーを引いたり、付箋をつけるなどし、できるだけその会議の雰囲気を思い出せるようにしましょう。

また、メモでは文章に「!」や「?」などを用いると雰囲気が伝わりやすくなります。議事録を作成する際にも重要な箇所を見つけやすくなるでしょう。

議事録のフォーマット例

会社によっては議事録がフォーマットかされている場合もありますが、もし指定の様式がない場合は、以下のような書式を用いて議事録を作成してみましょう。

プロダクトの販売促進に関する会議の例

商品の販売促進に関する会議の場合は、以下のように決定事項や検討事項を明確に記録することが大切です。

●作成日:2021年6月1日

●会議名:新商品の販売促進会議

●開催日時:2021年6月1日(月)11時〜12時

●開催場所:当社2F共同会議室

●会議出席者:A部長、B課長、C担当者、D(議事録作成者)

●議題:新商品の販売促進に関して

●参考資料:資料1、資料2

●決定事項:

    1.販売開始から3ヶ月間はターゲティング広告を活用する

    2.関係各社の販売ブースにて当社商品を扱ってもらう

●会議の内容:決定事項の背景や発言者の内容、多数決の結果など

●今後の検討事項:広告の出稿はいつまで続けるか、KPIの再設定など

●次回会議予定:決定している場合は記載する

自社商品の販売に関する議事録は、マーケティング戦略やKPIの設定などが重要な話題を記録することになるため、後から第三者が参考として見返す可能性が高い重要な書類になります。

具体的な通知や今後の展開について聞き逃さないようにしっかり準備をする必要があります。

コンテンツ企画に関する会議の例

自社メディアやランディングページに掲載するコンテンツを企画する会議の場合は、各メンバーのフラッシュアイディアなども重要な資料となるため、数値目標よりも発言そのものを漏らさず記録することを意識しましょう。

具体的には、以下のような書式で記録すると見やすくなります。

●作成日:2021年7月1日

●会議名:自社コンテンツ企画会議

●開催日時:2021年7月1日(月)11時〜12時

●開催場所:当社2F共同会議室

●会議出席者:A人事部長、B課長、C担当者、D(議事録作成者)

●議題:自社サイト採用ページのコンテンツ企画に関して

●参考資料:資料1、資料2

●対象者:新卒、中途

●決定事項:

    1.本社、支社それぞれの若手にインタビューする

    2.採用特設ページの文章やデザイン、サイト設計はE社に委託する

    3.   応募者が入社した後の働き方についてイメージしやすいコンテンツにする

●会議の内容:発言内容から主なものを記載

●今後の検討事項:動画の作成、会社概要ページの更新

●次回会議予定:決定している場合は記載する

上記のように、採用ページの更新や見直しを含めた企画会議は多くの会社で開催されています。

企画会議は必ずしも数値など客観的なデータをもとに進行されるとは限らず、各メンバーのブレインストーミングのような要素も含まれます。

そのため、思いつきのアイディアであってもしっかり記録し、後からどのような発言があったか見返せるようにしておきましょう。

議事録を社内で共有する

議事録は文書として印刷するとともに、メールで社内に共有することがあります。

作成した議事録をメールで送付する場合は、以下のようにメール文でも概要をお知らせすると読み手も理解しやすくなります。

件名:新製品販売会議の結果について

関係者各位

お疲れ様です。企画推進部の○○です。6月1日に開催された会議の議事録が完成しましたので、メールにて共有させて頂きます。

なお、会議の概要については以下のとおりです。

(議題)

新製品○○の開発について

(決定事項)

新製品○○の開発を決定する

(理由)

市場調査の結果により決定

(今後の予定)

製品の価格やサイズ等の詳細は別途調査を実施し決定

(添付資料)

6月1日「新製品企画開発会議」会議議事録(Word文書)

詳細については、添付した議事録にて内容をご確認ください。どうぞよろしくお願いいたします。

企画推進部 ○○

内線 ×××

メール文はあまり長くなりすぎないように、議事録の内容を要約して伝えるようにしましょう。

議事録は鮮度を大事にスピーディーな提出を心がけよう

議事録は会議の内容を関係者の間で共有し、後から情報を共有したり確認するために用いられる書類です。

議事録はあくまで誰かに見られ、活用されることが目的なのであり、書庫に保存しておくことが目的ではありません。

そのため、会議終了後速やかに作成し、上司に提出することが求められます。

議事録をすぐに提出するためには、今回ご紹介したようにあらかじめフォーマットを決めておき、要点をまとめられるようにしておきましょう。

良い議事録を作成できれば、それだけ社内で高い評価を得られるはずです。

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