マインドセットの意味は?ビジネスで成功するために必要なやり方は?

マインドセットの意味は?ビジネスで成功するために必要なやり方は?

マインドセットの意味やビジネスで成功するやり方を解説!

マインドセットとは、これまでの自身の体験や先入観、教育から作られる固定化された考え方のことです。近年、多くの企業がマインドセットを活用して、若い人材の育成をしています。また、キャリアを重ねた社員がスキルアップするためにも、マインドセットは重要な要素の一つです。

そこで今回は、マインドセットの意味や心理学上の分類、ビジネスで成功するために必要なやり方について解説します。

マインドセットとは?

まず初めに、マインドセットの言葉の意味や影響力を心理学に基づいて紹介します。

マインドセットの言葉の意味

マインドセットとは、「人間の行動の根幹をなしている思考様式や心理状態」を意味します。このマインドセットは、これまでの経験や受けてきた教育など、さまざまな要素によって影響されるものです。生まれながらの性格や親や周囲の人間関係から植え付けられた価値観などは重要なポイントになります。

ただし、マインドセットは時が経つにつれて変化するものであり、出会った人や経験した事象などによって影響を受けます。後天的な要因から受ける影響のほうが強い場合も考えられるでしょう。マインドセットは一人ひとり異なるので、自分の心理状態を把握しながら改善していくことで人間的な成長に繋がります。

また、人間個人だけでなく「組織のマインドセット」という表現もあります。企業が歩んできた歴史がその企業のマインドセットとして定着していることもあるようです。

マインドセットの影響力

マインドセットの影響力は強力であり、周囲の人間にも感染します。例えば、その組織に属している従業員は、自然とその企業のマインドセット(経営理念やビジョンなど)を共有するようになります。

そのため、企業が持続的な成長をするためにも、企業や社員一人ひとりのマインドセットを見直すことが重要になるでしょう。

ビジネスの場でのマインドセットの分類

続いて、ビジネスの場でマインドセットとして分類される「成長型マインドセット」と「停滞型マインドセット」について紹介します。いずれもアメリカの心理学者であるキャロル・スーザン・ドウェックにより提唱された概念です。

①成長型マインドセット

まず、成長型マインドセットとは、「人間の能力は自分の努力次第で成長できるという考え方」を意味します。「しなやかマインドセット」とも呼ばれることが多いです。

このマインドセットは努力すればどんな課題も解決できるという思考なので、成長型マインドセットを磨けば学習に意欲的になり、積極性も増します。たとえ問題が解決できなくても、そこから何か自身のためになる知識や経験を得られることを喜びと感じるのです。

②停滞型マインドセット

停滞型マインドセットとは、「人間の能力はもともと固定的なものであり、変わることはないという考え方」を意味します。停滞型マインドセットの傾向が強いと、自分の能力以上のことをできないと考えるので、挑戦に対して非常に消極的で、失敗を避ける行動をとりがちです。

また、発生した問題を解決できなかった場合、「自分は能力のない人間」と落ち込み、失敗から何も学ぼうとしません。ビジネスにおいて、固定型マインドセットを持った人間が成功をつかむことは難しいでしょう。

心理学上でのマインドセットの分類

マインドセットは心理学上で2種類に分類されます。

①個人のマインドセット

個人のマインドセットとは、「その人が生まれた時代背景や経験、信念などから形成される、個人が持つ思考傾向」を意味します。また、先ほど紹介した成長型マインドセットと硬直型マインドセットは、どちらかしか持っていないということはなく、両方を持っている人が多いです。

分かりやすいように例を出すと、自分が簡単だと思える得意な分野では積極的に挑戦したいという成長型のマインドセットになり、不得意な分野では失敗を避けて挑戦しない硬直型のマインドセットとなる人です。

②組織や企業のマインドセット

企業や組織のマインドセットとは、「企業の経営理念やビジョンから形成され、社風という形」を意味します。こちらも分かりやすいように、リフレッシュ休暇を社員に与えようとした時のある会社(A社とB社)の捉え方についてみていきましょう。

A社は「わが社は新しいことに対して積極的に取り組む、もっとほかにもモチベーションが上がる施策を考えよう」と捉え、B社は「わが社はそんな前例にないことできない、このままでいく」と捉えます。この場合、A社は「成長型のマインドセット」であり、B社は「停滞型のマインドセット」といえます。

このように、マインドセットとは、個人だけのものではなく企業や組織にも存在するのです。

マインドセット教育の必要性

次に、マインドセット教育の必要性についてみていきましょう。

従業員が自信を持てるようになるため

従業員がマインドセットを学ぶと、自分に自信が持てるようになります。自信とは、簡単なことでも良い小さな成功体験の積み重ねによって身に付くものです。

成長型マインドセットを身に付けると、目標に対して前向きに取り組み、目標を達成するまで最後までやり抜きます。その過程で小さな成功体験を経験するため、「努力すれば自分にもできるのだ」という考え方が自然と身に付くようになるでしょう。

キャリアに対して前向きになれるため

成長型マインドセットを持つ社員は、キャリアに対しても前向きに捉えるため、管理職へのキャリアアップを目指します。「現状維持、今のポジティブのままで問題ない」という考えはないのです。

なので、どんどん簡単なことから進んで業務に取り組んだり、スキルアップのための研修を受講するなど自己投資を欠かしません。こういった従業員が企業に増えるのは、経営者にとっても喜ばしいことでしょう。

ポジティブシンキングが波及するため

たくさんの社員が成長型マインドセットを持つことで、組織全体にポジティブシンキングが波及します。ポジティブシンキングをする人は、陰口などのネガティブな話題を口にしたがりません。そのため、組織全体の雰囲気が明るくなり、「自分の意見を受け入れてもらいやすい」という安心感に繋がるでしょう。

組織全体にポジティブシンキングを広げることは、簡単なことではなく、長い時間を要します。大切なのは、長期的な視点と目の前のタスクを地道にこなしていくことです。

ビジネスで成功するために必要なマインドセットのやり方

ここでは、ビジネスに成功するためのマインドセットのやり方を紹介します。簡単に取り組めるやり方もあるので、ぜひ実践してみましょう。

良いと思うことをやってみる

自分が良いと思ったことを進んでやってみましょう。頭の中ではやった方が良いと思っていても、実際に行動しない人が大半です。「失敗が怖い」「簡単じゃない」「めんどくさい」などの理由が考えられます。

しかし、ビジネスにおいて挑戦する際には、リスクを覚悟しなければなりません。まずは、自分を信じて良いと思うことをやってみましょう。

どうしたらできるのかを考える

実際に行動し始めると、壁にぶつかることが多いでしょう。そんな時に人は悩みますが、自分にはできなさそうだから諦めようと考える人もいます。

しかし、そこで思考停止してはいけません。成功をつかむためには「どうしたら解決できるか」「どうしたら前進できるか」と思考し続けることが大切です。

失敗を恐れずに行動を起こし続ける

挑戦には失敗がつきものです。確かに失敗することは辛いことですし、周りの人に迷惑をかけることでしょう。それでも失敗を恐れずに挑戦し続ける人が成功するのです。

どうしても辛い時は、アドラー心理学の「課題の分離」という概念を使うことをおすすめします。この心理学は「自分の課題でないことには気を病まない」という考え方が根本にあります。

すぐに行動する習慣をつける

現代の変化の激しいビジネスにおいて、すぐに行動することは重要です。あなたのアイデアは、もうすでに他の誰かが思いついていることがほとんどでしょう。

それに人は考え過ぎると、自分ができない理由を探しがちです。そのため、すぐに行動することがビジネスを成功に導くポイントとなります。

学びや成長を求め続ける

自分の市場価値を高めるために、時間やお金の投資も惜しむべきではありません。自ら進んで学びや成長を求め続けるべきです。

今の時代では、自分の持っているスキルはすぐに腐敗化します。そのため、本業はもちろん、空き時間や休日にも進んで自己研磨し、自分に必要な心理学やスキルを学ぶべきです。

一度始めたことをやり抜く

自分でやると決めたことは、最後までやり抜きましょう。昔から「継続は力なり」と言われるほど、物事を継続してやり続けることは重要なのです。

ただ、意志の弱い人ほど、なかなか自分のやりたいことを習慣化できないですよね。習慣化するためには、毎日やることのハードルを下げて、簡単なものから取り組むことがポイントになります。

自分の人生に責任を持つ

最後にマインドセットのやり方として紹介することは、自分の人生には責任を持つことです。他責思考は人の成長を妨げます。

何か問題が発生した後は、「今後、自分が改善できることはないだろうか」という思考を持つことが重要です。その際は、さきほど紹介したアドラー心理学のとおり、自分が解決できそうな課題だけを考えるようにしましょう。

マインドセットを変える方法

最後に、マインドセットを変える方法を4つの段階に分けて紹介します。

目標や望む姿を言語化する

マインドセットを変えるための最初のやり方は、目標を言語化することです。自分の目標や望む姿を言語化することで意識に定着します。

まずは、自分の頭の中で、目標を達成した時の自分の姿や感情、周りの人たちなどを想像してみましょう。そして、漠然としたイメージをできるだけ明確にビジョン化します。

言語化したことを書き記す

次のマインドセットを変えるためのやり方として、言語化したことを書き記すことが挙げられます。A4用紙にビジョン化した自分の目標を書き出すことから始めてみましょう。簡単な箇条書きでもかまいません。

目標を一つに絞る際は、自分の漠然としたイメージをできるだけ細かく明確に言語化することが重要です。その目標を基にして計画を立てていきます。計画を立てる時は、今すぐに自分ができるくらい詳細に落とし込むことが大切です。

周囲からフィードバックをもらう

目標が定まった後は、実際に行動し周囲からフィードバックをもらいましょう。ビジネスの世界でよく用いられる、PDCAサイクルを意識することが重要です。

マインドセットを変えるためには、自分だけではなく周りの人間のサポートも必要になってきます。コーチングができる人、いわゆるメンターを見つけるのが良いでしょう。定期的にメンターと連絡を取って、フィードバックをもらうと、成長が加速しますよ。

現実に即した軌道修正を行う

実践を続けてその都度、起動修正を行うことで、目標自体も高度なものへ成長していきます。ここでは、こだわりを持たずに現実に即した軌道修正を行いましょう。 PDCAサイクルのPlan→Do→ Check→ ActのAct(改善)の部分が重要です。

マインドセットを変える時の注意点

マインドセットとは、自分の今までの経験や周囲の環境によって作られた強固な考え方です。この凝り固まったマインドセットを変えることは、もちろん簡単なことではありません。

マインドセットを急に変えようとすると、人は大きなストレスを感じます。 こうした過度なストレスは、自己否定や挫折に繋がる恐れがあるのです。

マインドセットは今までの考え方を否定して、新たな自分の価値観を構築するやり方なので、決して焦らずに意識付けさせましょう。

マインドセットを実践してビジネスで成功しよう!

ここまで、マインドセットの意味や心理学上の分類、ビジネスで成功するために必要なやり方について解説してきました。マインドセットを停滞型から成長型に変えることは、自分の人生に大きな変化をもたらします。ビジネスに限らず、どんなことでも成功しやすくなるでしょう。

しかし、マインドセットを身に付けることは簡単なことではなく、使い方次第では良くない方向に進む可能性もあります。新しくマインドセットを再構築する際は、決して焦らずに意識付けさせましょう。

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