マイクロラーニングの特徴を詳しく解説!
みなさんはマイクロラーニングという学習方法を知っていますか?毎日、多忙な生活を送るビジネスパーソンは、なかなかまとまった勉強時間が取りづらいですよね。
そこで、今回はマイクロラーニングの特徴やメリット・デメリット、導入事例について解説します。また、マイクロラーニングの具体的なサービスも紹介するので、ぜひ活用してください。
マイクロラーニングとは?
マイクロラーニングの言葉の意味について解説します。また、マイクロラーニングとeラーニングの違いについても解説するので、二つの学習スタイルをよく理解しましょう。
マイクロラーニングの言葉の意味
マイクロラーニングとは、5分程度の短時間で視聴できるコンテンツを利用した学習法を指します。パソコンだけではなくスマートフォンやタブレットといった、モバイル機器からも視聴できる点が特徴です。
また、マイクロラーニングは学習内容がコンパクトにまとめられています。そのため、忙しいビジネスパーソンでも通勤時間などのスキマ時間を利用して、スマートフォンから学習することが可能です。また、コンテンツの中にはクイズ形式などゲーム感覚で学習できるものが多く、現代に合った学習スタイルといえるでしょう。
eラーニングとの違い
マイクロラーニングとeラーニングには、コンテンツの時間に大きな違いがあります。マイクロラーニングは数分程度にコンテンツがまとめられており、細かい単位で学習することが可能です。気軽にスキルアップの学習が提供できるメリットがあります。
一方、これまで主流だったeラーニングは、数十分~1時間程度のコンテンツが多く、主に研修などで利用されてきました。eラーニングは綿密に学習計画がされた長編のコンテンツが多いという特徴があります。
マイクロラーニングは「eラーニングをコンパクトにまとめたもの」と捉えてよいでしょう。
マイクロラーニングが注目されている背景
時間と場所を選ばずに学習できるマイクロラーニングは、なぜ最近注目されているのでしょうか。ここでは、マイクロラーニングが注目されている背景について紹介します。
従来型eラーニングの学習スタイルの限界
従来型のeラーニングの学習スタイルとしては、数十分~1時間程度の学習コンテンツをオフィスのパソコンを使って視聴する方式を取っていました。しかし、「集中が続かず、思った以上に学習効果が得られない」「忙しすぎて視聴する時間がない」などの問題が発生します。この問題を解決する方法として、マイクロラーニングが登場したのです。
ミレニアル世代の志向の変化
マイクロラーニングの導入が普及した背景には、ミレニアル世代の志向の変化も大きく影響しています。ミレニアル世代とは、一般的に1980年代から2000年代初頭に生まれた人を指しており、いわゆる「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代です。
このミレニアル世代は、パソコンではなくスマートフォンなどのモバイル機器の利用を好むという特徴があります。スマートフォンを利用して短時間で学習ができるマイクロラーニングは、ミレニアル世代との親和性が高いといえるでしょう。
コンテンツ配信方法の多様化
情報技術の発達に伴い、マイクロラーニングのコンテンツ配信の方法が多様化してきました。例えばLMS(学習管理システム)だけでなく、モバイル機器や社内SNS、ナレッジマネジメントシステムなどさまざまなプラットフォームからコンテンツを配信する方法があります。
これによって、社員の特徴に合ったプラットフォームで学習できるようになり、企業としてマイクロラーニングが実施できる学習環境が整ってきました。
マイクロラーニングのメリット
マイクロラーニングのメリットについて解説していきます。
メリット①スキマ時間に学習することができる
マイクロラーニングのメリットの一つ目は、スキマ時間に学習できることです。マイクロラーニングのコンテンツは短時間で視聴できるので、通勤電車の中や休憩時間などのスキマ時間に手軽に学習できます。
マイクロラーニングで学習する際は、事前にコンテンツをダウンロードしておくとよいでしょう。学習したいときに通信する必要がないので、ネット環境が整っていない場所でも学習できます。また、職場ではパソコンで学習し、自宅や移動中ではスマートフォンで学習するといった多様な学び方も可能です。
メリット②学習の負担が少ない
マイクロラーニングのメリットの二つ目は、学習の負担が少ないことです。ただでさえ普段の業務で忙しいビジネスパーソンにとっては、スキルアップのための勉強は大きな負担になるでしょう。
しかし、マイクロラーニングなら短時間で学習できるため、学習者の負担が小さいです。時間や労力をあまりかけることなく取り組めるので、学習を継続しやすく業務への負担が少なく済むでしょう。
メリット③記憶に定着しやすい
マイクロラーニングのメリットの三つ目は、記憶に定着しやすいことです。人の記憶ほど曖昧なものはありません。人間の記憶は、一度に記憶するよりも短期間で繰り返し学習したほうが記憶に残りやすいです。
マイクロラーニングは短時間のコンテンツを繰り返し学習できるので、記憶の定着とも相性がよいといえます。適度な休憩を挟みながら集中して学習しましょう。
メリット④集中力が途切れにくい
マイクロラーニングのメリットの四つ目は、集中力が途切れにくいことです。マイクロラーニングは従来のeラーニングに比べて、集中力を持続させやすく効果的な学習方法といえます。
人間の集中力は15分周期といわれています。そのため、1つのコンテンツを長時間視聴するよりも15分単位で細切れに学習した方が集中力が持続するでしょう。
また、移動時間や仕事の休憩時間など、短く期限が決まった時間に人は集中しやすいことがわかっています。空き時間をうまく利用してスキルアップを目指しましょう。
メリット⑤最新の内容に更新しやすい
マイクロラーニングのメリットの五つ目は、最新の内容に更新しやすいことです。現在の社会において、IT技術などの分野は頻繁に内容が変化します。
修正が必要になったコンテンツが長時間のものだと、内容の更新が難しいというデメリットがあります。その点マイクロラーニングは、コンテンツの修正は比較的容易に済ますことができますし、製作者の修正負担の軽減が期待できるでしょう。
マイクロラーニングのデメリット
続いて、マイクロラーニングのデメリットについて解説していきます。マイクロラーニングは、コミュニケーションによって学習理解を深める内容や学習範囲が広い内容に対しては不向きというデメリットがあります。従来のeラーニングや研修と組み合わせて学習させるのがポイントです。
デメリット①理解が不十分になりやすい
マイクロラーニングのデメリットの一つ目は、理解が不十分になりやすいことです。マイクロラーニングでコンテンツを作りたい場合は、説明が容易にできるものに限られてしまいます。
そのため、詳細に内容を説明する必要のある特定の理論や事例などは、内容をコンパクトにまとめることが難しいので、マイクロラーニングには不向きです。
デメリット②学習範囲の広さによっては対応できないこともある
マイクロラーニングのデメリットの二つ目は、学習範囲の広さによっては対応できないこともあることです。例えば、試験内容の範囲が膨大な難易度の高い試験を考えてみましょう。
このタイプの試験は、合計の学習時間が数百時間を超えます。マイクロラーニングは数分間の学習を積み上げていく学習スタイルなので、こういった数百時間の学習には不向きといえるでしょう。
デメリット③ディスカッションや演習には不向き
マイクロラーニングのデメリットの三つ目は、ディスカッションや演習には不向きなことです。マイクロラーニングは、ディスカッションやグループワークなどの対人でのコミュニケーションによって学習効果を高めるような内容を取り扱うことができません。
マイクロラーニングは社員一人ひとりがスキマ時間を利用して個別に学習するスタイルが向いているのです。そのため、eラーニングや集合研修も活用しつつ、要点や復習として活用するようにしましょう。
デメリット④コンテンツの自作が難しい
マイクロラーニングのデメリットの四つ目は、コンテンツの自作が難しいことです。マイクロラーニングのコンテンツを自社で作成するには、当然教材を作るためのコストやスキルが必要となります。
そのため、自社で質の高いコンテンツを作ることは容易ではありません。マイクロラーニングのコンテンツを作るためにはどれくらいのコストがかかり、費用対効果がどれくらいなのかを見極める必要があります。
マイクロラーニングを活用する時のポイント
マイクロラーニングを活用する際のポイントについて紹介します。もし導入する際はマイクロラーニングやeラーニングなど、それぞれの特徴を理解することが重要です。
コンテンツを分割しない
マイクロラーニングを導入して成果を出すには、作成するコンテンツを分割しないようにしましょう。マイクロラーニングの定義ともいえる原則があります。それは「Not Chunking、Not Continuation、Not Breaking Down Docs(大量ではなく、続編もない、ドキュメントを分割しない)」という考え方です。
そのため、マイクロラーニングのコンテンツを作成するときは、この原則に従ってコンテンツを作成しましょう。連続する講座ではなく、1コンテンツが独立して完結することが重要です。
適切な配信ツールやプラットフォームを選ぶ
マイクロラーニングで成果を出すには、自社に適した配信ツールやプラットフォームを選ぶようにしましょう。社員が使いやすい配信ツールはどれなのかを調査し、自発的に学習できる学習環境を整えることが重要です。
マイクロラーニングのサービスの中には、一定期間の利用無料というサービスを設けているものもあります。このようなサービスを利用して「期待する効果が得られそうか」などを事前に確認しましょう。
集合研修や実地トレーニングと併用する
先に紹介したとおり、マイクロラーニングは全ての学習に有効な教育方法ではないので、他の方法と組みわせることが重要です。例えば、「マイクロラーニングは集合研修の予習・復習教材として利用する」「e-ラーニングでの学習をベースとして確認テストをマイクロラーニングで行う」といった方法が考えられます。
このように、従来の集合研修やe-ラーニングなどの教育方法を組み合わせて学習させると、より一層高い学習効果を得やすくなるでしょう。
マイクロラーニングの導入事例
マイクロラーニングの特徴を効果的に生かした導入事例について解説します。マイクロラーニングを導入することで、コスト削減から組織のパフォーマンスの向上まで幅広いメリットが得られるので、ぜひ導入を検討してみましょう。
導入事例①新入社員研修への活用
マイクロラーニングの導入事例として、新入社員研修への活用があげられます。新入社員は電話対応や名刺交換、業界の基礎的な知識など、身につけるべき知識やマナーがたくさんあるでしょう。
このようなマナーや知識を動画で解説することで、具体的なイメージをしやすく知識も定着しやすくなります。集団研修の復習や予習のためにマイクロラーニングを導入してもよいでしょう。
導入事例②全社的な育成プランへの反映
マイクロラーニングのシステムは、社員の現在の学習状況やこれまでの履歴をデータとして確認できます。また、コンテンツの内容が細分化されているので、社員が「どの分野に多く興味を持っているか」を分析できるのです。そして、分析した結果を全社的な育成プランに反映させられます。
導入事例③管理職研修への活用
導入事例として管理職研修への活用もあります。多忙な管理職こそ、一度に集まって研修を行うよりも空き時間を有効活用したいでしょう。また、管理職は一般社員よりも人件費が高いので、全体研修を開いてしまうと高いコストもかかってしまいます。
そこで、マイクロラーニングを利用して学習すれば、コストを抑えられますし、面倒なスケジュール調整を行うも必要ありません。マネジメントスキルをはじめとした、適切なスキルや能力をもつ管理職を育てましょう。
導入事例④従業員に対する学習の習慣化
マイクロラーニングを導入することで、会社全体に学習する風土を作れます。マイクロラーニングにはコンテンツが短く、スマートフォンを利用して手軽に学習できるという特徴がありました。
社員にとっても学習のハードルが低いので、学習を習慣化させやすいでしょう。「毎日、1コンテンツだけでも実施する」というルールを作るとよいかもしれません。
導入事例⑤ノウハウのインプット
最後に紹介する導入事例として、ノウハウのインプットがあげられます。先ほど紹介したとおり、マイクロラーニングは情報更新にも対応しやすいという特徴がありました。
能力の高い社員からノウハウを提供してもらうことで、企業全体の社員のスキルを向上させることができるので、チームや組織のパフォーマンス向上に繋がります。このようにして、マイクロラーニングの特徴を生かして社員の教育方法として取り入れましょう。
マイクロラーニングのサービス例
学習メリットの高いマイクロラーニングを活用する企業も増えてきました。ここでは、マイクロラーニングのサービスの事例を紹介します。
マイラ
マイクロラーニングのサイトであるマイラは、株式会社アイ・ラーニングが提供するコンテンツ作成支援サービスです。定額で、基礎的なスキル向上させるためのコンテンツを好きなだけ利用できます。法人向けに無料トライアルも設けており、30日間、全てのコンテンツが無料です。
また、受講完了時にもらえるバッジやポイントというゲーム要素を取り入れています。学習者の自発的な学習を促すことが可能なサービスとなっています。お試しに会員登録してみてはいかがでしょうか。
UMU(ユーム)
学習者のパフォーマンス向上を目的として開発されたプラットフォーム「UMU(ユーム)」は、ユームテクノロジージャパン株式会社が運営しています。オンラインやオフライン、集合や個別を問わず利用でき、それらをブレンドすることも容易です。
マイクロラーニングという教育方法で学びを日々の業務の中に組み込みながら、豊富な機能によって高い学習効果を発揮します。マイクロラーニングによって総合的な教育を革新するためのサービスであるといえるでしょう。
LOGOSWARE Spotty
ロゴスウェア株式会社が運営する「LOGOSWARE Spotty」は、作業手順がマニュアル化された業務の学習教育に最適なマイクロラーニングシステムです。動画・画像付きの手順コンテンツの作成機能が搭載されており、配信したコンテンツの閲覧状況やWebテストの点数や合否結果を取得できます。「100名利用で月額9,800円」という低価格プランもあるのでぜひ利用してみましょう。
インソース
幅広い研修用コンテンツの提供や講師派遣を運営している株式会社インソースは、マイクロラーニングの導入支援サービスも提供しています。企業の課題や現状に合わせて、「スキルマップ策定と教育体系づくり」「教材作成(教材テンプレートや動画教材」「プラットフォーム(動作環境)の構築」という3つのサービスを提供しています。
PIP-Maker
PIP-Maker(ピーアイピー・メーカー)とは、いつも業務で使用しているパワーポイント資料から音声付き動画を作成するソフトです。動画作成のスキルがなくても問題なく、最短5分で動画コンテンツを作ることができます。
社内研修用のマイクロラーニングコンテンツはもちろん、業務マニュアルや営業支援ツールなど、幅広いシーンで活用できることが特徴です。また、パワーポイント上にハイパーリンクを設置すれば、クイズやアンケートを作成できます。
Handbook
Handbookとは1,500件以上の導入実績を持つ、モバイル向けコンテンツ管理システムです。会議資料やマニュアル、研修教材などの書類・画像・動画をクラウド上で簡単に集中管理し、スマートフォンなどのモバイル端末で活用できるようになります。また、コンテンツ配信だけでなくアンケート機能もあるので、現場の評価を収集することも可能です。
マイクロラーニングを導入して学習効果を高めよう!
これまでマイクロラーニングの特徴やメリット・デメリット、導入事例について解説してきました。マイクロラーニングは移動時間などのスキマ時間を有効活用できるという特徴があります。
ただし、長時間の学習を必要とする内容に向かないなどのデメリットも存在するため、教育方法をすべて置き換えることはできません。他の教育方法と組み合わせるなどの工夫が大切です。マイクロラーニングに興味のある方は、ぜひサービスの利用を検討してみてください。