ロジカルシンキングの鍛え方は?意味やメリットについても解説!

ロジカルシンキングの鍛え方は?意味やメリットについても解説!
目次

ロジカルシンキングの鍛え方

ロジカルシンキングは、メリットが多い、コミュニケーションに使える思考法です。本記事では、ロジカルシンキングの鍛え方やメリット、トレーニング方法などを詳しく解説しています。ロジカルシンキングについて、詳しく知りたい方はぜひこの記事を参考にしてください。

ロジカルシンキングとは?

適切な判断によって結論を導き出す思考法のこと

ロジカルシンキングとは、ビジネスシーンで使用できる、人とのコミュニケーションで役に立つ考え方です。ロジカルシンキングの定義は「論理的思考や論理的な考え方、直感や感覚で物事を捉えるのではなく、道筋を立てて論理を積み重ねて結論を組み立てる考え方」とされています。

後ほど説明しますが、ロジカルシンキングには必要な要素が6個あります。この要素をしっかり押さえておくことにより、問題解決・説得力がある説明が効果的にできるようになるでしょう。

日本でロジカルシンキングが広まった背景

日本でロジカルシンキングが広まったきっかけは、2001年に話題になった「ロジカル・シンキング」という名の書籍からです。この書籍には、企業向けの論理的な思考と論理的表現能力についてやロジカルシンキングの手法などが詳しく書かれています。

そもそも日本人は、相手を否定しない言葉遣いを教え込まれて育つことが多いので、ビジネスで本音を話すのが難しく非論理的です。そのため、ロジカルシンキングが日本で広まっても、正しい鍛え方をしない限り、身に着けることは難しいと言われています。

クリティカルシンキングとの違い

クリティカルシンキングとはアメリカで広がった思考で、批判的思考と呼ばれるものです。批判的思考の思考プロセスは、主観や感情に流されることなく、物事を判断することです。教育の現場で使われる思考ですが、ビジネスでも役に立ちます。

ロジカルシンキングとクリティカルシンキングは、類似した言葉で知られています。ですが、ロジカルシンキングは、論理的思考に対して、クリティカルシンキングは批判的思考なのが、大きな違いです

ラテラルシンキングとの違い

ラテラルシンキングとは、固定概念に捉われることなく新しい発想を生み出す・多角的に考察する水平思考と呼ばれるものです。ロジカルシンキングは、問題解決をしたい時に原因を特定する場合や解決案を出す際に効果的なプロセスとされています。そのため、論理的結論は1つです。

一方、ラテラルシンキングは、様々な視点から自由な発想で創造的な問題解決をするため、結論は1つ以上になります。この結論の違いが、大きな違いです

ロジカルシンキングに必要な要素

必要な要素①主張と根拠に筋道が通っている

ロジカルシンキングの正しい鍛え方をするには、ロジカルシンキングを構成する要素を知る必要があります。覚えておくと高度なロジカルシンキングを行えるようになるので、必ず覚えましょう。1つ目に紹介する要素が、主張と根拠に筋道が通っているです。

これは、コミュニケーションや意思決定に大切なことです。筋が通った主張、根拠を作り上げるために「ピラミッド構造」という名の納得の高い論理構造を作ることが大切です

必要な要素②バイアスにとらわれていない

ロジカルシンキングに必要な要素2つ目に紹介するのは、バイアスにとらわれていないことです。バイアスとは、思考の歪み、または外的要因に左右されずに思考を行うことです。人間は提示された情報に左右されやすい一面があるため、自分の主張がずれてしまう可能性があります

一度他人の主張や情報を優先してしまうと、他の情報が埋もれてしまうので注意しましょう。ロジカルシンキングを正確に行うためには、外的要因に優劣つけることなく全体をバランス良く見渡すことが大切になります。

必要な要素③合理的であること

ロジカルシンキングに必要な要素3つ目に紹介するのは、合理的であることです。合理的であることは、問題解決において最重要です。合理的思考は、何が重要で何が重要ではないかを見極めるために必要な能力で、費用対効果の高さとも結びつきます

問題解決のために問題解決策を立てるとき、誰がどのように動くかを効率的に考える合理的思考が必要になります。物事の優先順位を考えましょう。

必要な要素④物事を適切に分解できること

ロジカルシンキングに必要な要素4つ目に紹介するのは、物事を適切に分解することです。結論を出すために、情報や論理を分解して、問題はどこにあるのか、どうして問題はおきているのか、この問題に対する対策をどうするかを見極める必要があります

情報の分解におすすめなのが、MECEという手法です。この手法を意識して分解を行うと、無駄を省いて物事を分解が出来るようになります。このMECEについては、後ほど詳しく説明します。

必要な要素⑤因果関係を正しく把握できること

ロジカルシンキングに必要な要素5つ目に紹介するのは、因果関係を正しく把握できることです。問題の本質ではない部分に注目しても、何も解決しません。因果関係を意識しながら考える事ができれば、問題の本質から離れることなく、問題の把握をすることが可能になります

必要な要素4つ目で紹介した、分解した情報・物事を因果関係で紐づけて考えれば、連鎖的な思考ができ物事の前後も確認しやすくなるため、主張が曲がることが少なくなります。さらに、日常的に因果関係を考えて過ごしていれば、ロジカルシンキングのスキルを磨くことができます。

必要な要素⑥言葉や数字が適切に扱える

ロジカルシンキングに必要な要素6つ目に紹介するのは、言葉や数字が適切に扱えることです。これはロジカルシンキングに限らず、思考において重要な要素の1つになります。言葉の定義が曖昧なまま思考を行えば、正しい判断ができなくなりますし、数字においても数字・表・グラフの癖を見極めることも重要になります

大切な情報を見逃して間違った結論を出さないためにも、言葉の定義や数値の使い分けを日常的に確認するようにしましょう。

ロジカルシンキングのメリット

メリット①問題解決能力の向上に繋がる

ロジカルシンキングで得られるメリット1つ目が、問題解決力の向上に繋がることです。問題解決能力とは、起こっている問題に対して、原因を出来る限り洗い出し対応できる解決案を作り解決を図る能力のことをいいます。問題解決能力は、ビジネスに対してとても重要なメリットです。

ロジカルシンキングの正しい鍛え方をすることで、問題を分解して分析することができ、問題解決に必要な要素が的確に分かるようになり、問題解決能力の向上に繋がります

メリット②分析力の向上に繋がる

ロジカルシンキングで得られるメリット2つ目が、分析力の向上に繋がることです。ロジカルシンキングの正しい鍛え方をすることで、物事を正しく理解することができる、分析力が高まります。ロジカルシンキングでは、起こっている問題に対して、筋道が通るための原因や構造の理解が必要になります。

ロジカルシンキングと分析力はとても関係している能力で、問題解決のために行う要素の分解や関係性を把握する作業が、分析力の向上へと導き、メリットになります。

メリット③コミュニケーション能力が向上する

ロジカルシンキングで得られるメリット3つ目は、コミュニケーション能力が向上することです。コミュニケーション能力とは、対人的なやり取りにおいてスムーズに意思疎通する能力のことです。ロジカルシンキングは、自分の主張を通すためにも相手の意見を理解することが必要になります。

相手の意見を理解するだけでなく、自分の意見を伝えることも大切なので、結果的にコミュニケーション能力が向上するのです。こういったことを繰り返していくうちに、相手との信頼関係を築くことができ、さらにスムーズに意思疎通できるようになります。相手と的確に意思疎通をとるためにも、このメリットを向上させましょう。

メリット④生産性が上がる

ロジカルシンキングで得られるメリット4つ目は、生産性が上がることです。生産性が減少する原因として、無駄な工程が多いことが挙げられます。この無駄を省くために、問題解決に役立つフレームワーク「イシューツリー」を活用するのがおすすめです。

ロジカルシンキングの正しい鍛え方をすることで、問題解決までの筋道を論理的に考えることができ、無駄な作業を十分に省くことが可能になり、メリットになります。

メリット⑤提案力や伝える力が身に付く

ロジカルシンキングで得られるメリット5つ目は、提案力の向上、伝える力が身に付くことです。提案力の向上と伝える力は、ビジネスにおいて持っていた方がいい能力の1つでメリットになります。特に企画を作る方や営業をしている方は、必須能力といってもいいほど重要なスキルでしょう。

ロジカルシンキングの正しい鍛え方をすることで、相手と話している時に、内容に対して相手が何を求めているか分かるようになります。求めている内容が分かれば、それに応える説得力のある提案を考えることが可能です。

ロジカルシンキングの代表的な概念

ロジカルシンキングの概念①MECE

MECEとは、ミーシーやミッシーと読まれ、Mutually(お互いに)Exclusive(重複せず)Collectively(全体に)Exhaustive(漏れがない)の頭文字をとった言葉です。意味は、モレなくダブリなくとされています。MECEは、ビジネスでとても役に立つので、セミナーや研修に参加して覚えることをおすすめします。

MECEで簡単に分析する方法は、ステップ1「大きな目的を設定」ステップ2「要素を洗い出す」ステップ3「洗い出した要素を細分化」です。ロジカルシンキングでは、枠にはめるだけでMECEができるフレームワークを使うことをおすすめします。フレームワークについては、後ほど詳しく説明します。

ロジカルシンキングの概念②ゼロベース思考

ゼロベース思考とは、新たな発想を得るための問題解決に有効的な考え方で、今までの知識や経験、先入観を一旦リセットしてゼロ(白紙)にしてから考える姿勢のことを指します。思い込み捉われたまま思考をスタートしてしまうと、新しい発想を生み出すことが難しいです。

固定概念をリセットするのは難しいことですが、別の視点から考えたり、目的のゴールから逆に考えてみたりすると、発想を転換することでアイデアを思いつきやすくなるでしょう。こちらも、ゼロベース思考強化研修などがあるので、参加してみるといいでしょう。

ロジカルシンキングのフレームワーク

フレームワーク①ピラミッド構造

ロジカルシンキングのフレームワーク1つ目に紹介するのが、ピラミッド構造です。ピラミッド構造というのは、自分の考えや伝えることを整理し、さらに論理性があるかを確かめた上、深めていくためのツールになります。相手の主張の問題点を探ることにも使えるとても便利なフレームワークです。

ピラミッドストラクチャーとも呼ばれており、一般的な構造は、ツリー状に論理構造が示されます。自由度が高すぎて使いこなすのに難しい所もありますが、慣れれば使いこなすことができるでしょう。

フレームワーク②要素分解ツリー

ロジカルシンキングのフレームワーク2つ目に紹介するのは、要素分解ツリー(Whatツリー)です。このフレームワークは、名前の通り要素を次々に分解していき、網羅的に把握するためのロジックツリーになります

大きなプロジェクトなどは、多数の部署と担当者と関わることになるため、どうしても進行が遅くなってしまいます。要素分解ツリーを活用することにより、要素を漏れなくダブリなく挙げていくことで何で構成されているかを整理することができます。

フレームワーク③原因究明ツリー

ロジカルシンキングのフレームワーク3つ目に紹介するのが、原因究明ツリー(Whyツリー)です。このフレームワークは、問題に対して原因を上げていき、原因の根本的な部分を突き止めるロジックツリーになります

このフレームワークの使い道は、問題の答えがなかなか見つからなかったり、対策がうまくいかないときに有効です。原因究明ツリーを活用するときの注意点は、真の原因が見えていないと正確なツリーが作れないことです。紙などに、要因をすべて書き出してから整理していくといいでしょう。

フレームワーク④イシューツリー

ロジカルシンキングのフレームワーク最後に紹介するのは、イシューツリー(Howツリー)です。このフレームワークは問題解決ツリーと呼ばれており、解決したい問題に対して解決策、改善策を挙げていくことを目的に作られたロジックツリーです

問題解決ツリーを活用するときは、きちんと分類に分けて整理していかないと漏れとダブリが生じてしまうので、注意しましょう。問題解決ツリーから派生したフレームワークとして、KPIツリーというものもあります。このフレームワークは、各要素に数値が関係しています。

ロジカルシンキングで活用する論理展開の手法

論理展開の手法①演繹法

演繹法はロジカルシンキングで活用する論理展開の手法で、三段論法、演繹的論理展開とも呼ばれています。この手法は、一般論と観察事項の2つの情報を基に、結論を必然的に導き出す思考法です。演繹法は、研修やセミナーでさらに詳しく身に付けることができます。

例えで紹介すると、野菜には栄養がある(一般論)人参は緑黄色野菜(観察事項)人参には栄養がある(結論)となります。このように、知っている別々の情報が、新しい情報にまとめることができる思考方法です。ロジカルシンキングに必要な筋道を立てることに、この演繹法はとても役に立つ考え方です。

論理展開の手法②帰納法

帰納法は先ほど紹介した演繹法とは、論理展開が逆の手法です。帰納法は、いくつかの既成事実から分かる傾向をまとめて、共通してそうな結論を導き出す思考法です。帰納法は結果や結論が確実でないことから帰納的推論とも呼ばれます。

帰納法を例で紹介すると、アメリカの経済が低迷している、中国経済が低迷している、ヨーロッパ経済が低迷しているという3つの既成事実があるとします。帰納法を用いると、この既成事実から世界の景気が悪いと結論を出すことができるのです。帰納法を身に付けたい場合は、セミナーや研修への参加をおすすめします。

ロジカルシンキングの具体的なトレーニング方法

トレーニング方法①論理に筋道を立てる

正しいロジカルシンキングの鍛え方に必要なトレーニング方法の1つ目が、論理に筋道を立てることです。本記事では、筋道を立てることの大切さを伝えてきましたが、筋道を立てることを日常的に意識してトレーニングすることが重要です。

筋道とは、論理の骨組みとなるものです。論理の骨組みを組み立てるときは、演繹法や帰納法を用いて組み立てるといいでしょう。しかし、論理の組み立てに集中しすぎてしまうと、順を追わないで進み過ぎてしまいます。こまめに確認しながら組み立てることをおすすめします。

トレーニング方法②ロジックをシンプルにまとめる

正しいロジカルシンキングの鍛え方に必要なトレーニング方法の2つ目は、ロジックはシンプルにまとめることです。日常的にロジックをできるだけ短くシンプルに、構成をするトレーニングをするといいでしょう。ロジックを簡潔にまとめる際には、因果関係や三段論法を参考にするのがおすすめです

論理としては正確で間違っていなくとも、長く複雑な構成であれば、相手に正確に伝えることは難しくなります。日常的にトレーニングしていれば、手間をかけることなく簡潔にまとめやすくなります。

トレーニング方法③論理を組み立てる時は事実をベースにする

正しいロジカルシンキングの鍛え方に必要なトレーニング方法の3つ目は、論理を組み立てる時は事実をベースにすることです。ロジカルシンキングは、前提から論理を重ねていくため、事実をベースとした前提が重要です。この前提の過程で間違いがあると、論理や結論に影響が出てしまいます。

トレーニング方法④ロジカルシンキングを常に意識する

正しいロジカルシンキングの鍛え方に必要なトレーニング方法の4つ目は、ロジカルシンキングを常に意識することです。日常的にロジカルシンキングを意識できるようにトレーニングし、目的を忘れないようにしましょう。

ロジカルシンキングは、論理的に思考をしたり、フレームワークに当てはめたりと、意識することがたくさんあります。慣れていないうちは、目的を失いかねません。最初のうちは、事実検証・仮説を立てるための手段であることを常に頭の中に入れておきましょう

トレーニング方法⑤相手目線で論理を組み立てる

正しいロジカルシンキングの鍛え方に必要なトレーニング方法の5つ目は、相手目線で論理を組み立てることです。記事の冒頭で、ロジカルシンキングはコミュニケーションで役に立つ考え方と説明しました。自分で考える分には、相手目線になる必要はあまりないのですが、相手がある場合はそうもいきません。

相手が納得するように、できるだけ簡潔にまとめて説明する必要があります。日常的に癖をつけるためには、常に相手の立場を考えるようにすることが大切です

トレーニング方法⑥セミナーや研修を受ける

正しいロジカルシンキングの鍛え方に必要なトレーニング方法の6つ目は、セミナーや研修を受けることです。ロジカルシンキングは、各団体・企業などがセミナーや研修を開催しています。人が集まるのが難しい今の時代、オンラインで行えるセミナーや研修も存在します。

研修の内容は、ロジカルシンキングで必要なフレームワークや帰納法、演繹法、MECEなどさまざまな研修内容です。研修対象者は新入社員、中堅社員、管理職がほとんどですが、高校生や大学生が研修に参加できるセミナーもあります。

トレーニング方法⑦セルフディベートを行う

正しいロジカルシンキングの鍛え方に必要なトレーニング方法の7つ目は、セルフディベートすることです。ディベートとは、1つの主題を挙げ、肯定側と否定側に分かれて2つの立場に立ち議論することで、学校教育でよく行われている手法です

セルフディベートとは、自分自身でこの2つの立場に立ち討論するもので、社内で審判や司会を用意できないなどの理由で、ディベートができないときに使える方法です。

トレーニング方法⑧ゼロベース思考を習慣化する

正しいロジカルシンキングの鍛え方に必要なトレーニング方法の8つ目は、ゼロベース思考を習慣化することです。ゼロベース思考は、ロジカルシンキングの概念で伝えた通り、新たな発想を得るときに有効な考え方です。今ある知識や経験をリセットして、考えることを習慣化しましょう

一見簡単そうに見える知識や経験、先入観のリセットは、実際に行ってみると難しいかもしれません。仲間内でフィードバックを行い、思考のプロセスを見直すようにしましょう。また、研修にゼロベース思考が学べる研修に参加してみるのもいいでしょう。

ロジカルシンキングを使った問題解決の手順

手順①仮説を立てる

ロジカルシンキングを使った問題解決の手順を、詳しく解説していきます。1つ目に解説するのは、仮説を立てることです。起きている問題に対して、正しい結論を出すためには、まずあるべき姿と現状を明確にしましょう。問題に対して仮説を立てるときは、フレームワークなどの活用がおすすめです。

仮説を立てることができると、何を明確にするべきか把握することが可能になり、情報や分析結果を上手く使うことができます。また、仮説が成り立たないときは、新たな仮説を立て直すことができるので、新たな結論を導くための手がかりになります。

手順②仮説を検証する

ロジカルシンキングを使った問題解決の手順2つ目に解説するのは、仮説を検証することです。仮説を検証していくには、イシューツリー(Howツリー)を用いるといいでしょう

イシューツリーは仮説から始まり、論点を挙げていき、それが適当なものかどうかを「はい」か「いいえ」かで答えていきます。そして、論点がすべて「はい」となったら仮説を検証できたということになります。イシューツリーを使うと、順位や重要度の高い論点だけが残るため、問題解決までの道のりが効率的に行えるようになるのです。

手順③仮説を進化させる

ロジカルシンキングを使った問題解決の手順3つ目に解説するのは、仮説を進化させることです。仮説は、事実や分析結果の確かな証拠があって、結論へと変わります。情報収集や分析作業を行えば行うほど、仮説は進化していきます。出来るだけ繰り返し行い、仮説を進化させましょう。

仮説を間違えてしまうことはよくあることです。仮説を間違えないためにも、情報集や分析作業を怠らないようにしましょう。

手順④「Why so?」や「So what?」で仮説の精度を上げる

ロジカルシンキングを使った問題解決の手順4つ目に解説するのは、「Why so?」や「So what?」で仮説の精度を上げることです。Who so?の過程では、「なぜそうなのか?」を考え、結論の証拠を問いかけます。この過程を行うことで、問題の原因を見極めることができ、解決へと繋がります

So what?の過程では、「だから何なのか?」を考えていきます。結論が明確化されたら、それを頂点にして上から下へWhy so?で考え、逆に下から上へSo what?で考えることで、ピラミッド構造がより精密に導き出すことができます。

ロジカルシンキングの限界

前提の置き方で正解が変わる

ロジカルシンキングで重要なのは、前提の置き方です。前提を間違ってしまうと、結論は変わってしまい、正解の結論が見えなくなってしまいます。前向きに考えれば、前提の分だけ正解ができるので、その中からさらに深堀りするやり方もありますが、効率的ではありません。

ロジカルシンキングのセミナーや研修では、推論の仕方やフレームワークなど、学ぶことができますが、前提の置き方については、教えてくれないです。そのため、前提を覆すためにクリティカルシンキングを活用するといいでしょう

裏付けとなる事実が無数に存在する

ロジカルシンキングには、裏付けとなる事実が無数に存在します。説得力を上げるために、無数にある事実を検証していくわけですが、これは大変困難な作業になります。すべて検証できないとなれば、無数の事実から特定した事実だけ選ぶことが必要です。

ロジカルシンキングだけを信じるのではなく、主張の説得力を上げるためのツールとして考えて、捉えるようにしましょう

論理を展開する視点も無数に存在する

ロジカルシンキングで大切な要素分解ですが、これには必ず視点が必要になります。要素分解の数だけ視点があるので、目的に対する要素分解の切り口が無数に存在することになるでしょう。さらにロジカルシンキングのセミナーや研修では、要素分解の仕方は学べるが、切り口までは学ぶことができません。別の研修を受ける必要があります。

因果関係が必ず成立するとは限らない

ロジカルシンキングに必要な要素の1つである、因果関係を正しく把握することですが、これは必ずしも成立するわけではないのを理解しときましょう。変化が大きい今の時代では、過去の因果関係を成立する保証はありません。そのため、今後において大切なのは、新しい未来の創出です。未来を見通す洞察力が今後必要になるでしょう

意思決定には使えない

ロジカルシンキングでよくある誤解が、意思決定の方法であると勘違いしていることです。確かにロジカルシンキングは、現実の抽象化や単純化に必要な能力ですが、それは材料を用意してくれるだけです。これだけでは、意思決定の方法とは言えません。

材料を用意するだけは、ロジカルシンキングで行えますが、最後の最終決定は適切な判断を下すためにも、意思決定者の高い判断能力を求められます。これは忘れずに、覚えておきましょう。

ロジカルシンキングが学べる書籍

世界一やさしい問題解決の授業

ロジカルシンキングを学ぶ際に、最初に読んでほしいのがこの「世界一やさしい問題解決の授業 」です。こちらの書籍は、問題解決の考え方を中高生にも分かるように解説しています。基礎中の基礎が書かれているので、セミナーや研修に参加する前に読んでおくと、内容が入りやすいでしょう

書籍の価格は、単行本で1,320円です。入門編として読んでほしい本なので、詳しい方が読むと少し物足りなく感じかもしれません。

マンガでわかる!マッキンゼー式ロジカルシンキング

「マンガでわかる!マッキンゼー式ロジカルシンキング」もぜひ入門編として読んでほしい書籍です。まず、漫画で書かれているので、文章を読むのが苦手な方におすすめです。そして、ロジカルシンキングの内容をイメージしやすい内容になっています

書籍の価格は、単行本が1,320円で、電子書籍が816円で購入可能です。口コミが良く、「勉強になった」や「興味の出る内容で、飽きずに読めた」など、実際に読んだ方は絶賛しています。

ロジカル・シンキング

論理的に説明する技術を学べる「ロジカル・シンキング」は、MECEやSo what?Why so?を詳しく勉強することができる書籍です。2001年に発売されて以来、30万部を突破している、とても人気のある書籍で、ロジカルシンキングを極めたい方に読んでほしいです

あまりロジカルシンキングを理解していない、初心者の方には少し難しいのでおすすめしません。ですが、セミナーや研修の後に、内容の再確認で読むとさらに理解が深まるでしょう。価格は、単行本が2,420円、電子辞書が1,568円で販売されています。

イシューからはじめよ

2010年に発売された「イシューからはじめよ」を紹介します。ロジカルシンキングの決定版やAIとデータの時代だからこそ読むべき本と、読者からとても人気の高い書籍です。これからの時代に問われる能力の、感じる、決める、伝える力が身に付きます

価格は、単行本が1,980円で、電子辞書が1,782円で購入できます。知的生産性を上げたい方に、特におおすすめしたい書籍です。ぜひ読んでみてください。

ロジカルシンキングを鍛えよう!

ロジカルシンキングについて、鍛え方やフレームワーク、メリットや問題解決の手順について詳しく紹介しました。ロジカルシンキングを身につけておくと、必ずビジネスシーンで役に立ちます。

正しい鍛え方をするためにも、積極的にセミナーや研修への参加がおすすめです。セミナーや研修にいく時間がない方は、ロジカルシンキングに関するおすすめの書籍を読んでみてください。ロジカルシンキングをマスターして、ビジネスに活かしましょう。

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