ライフキャリア・レインボーとは?意味や役割・メリットを解説!

ライフキャリア・レインボーとは?意味や役割・メリットを解説!
目次

ライフキャリア・レインボーの意味や役割を知りたい!

ライフキャリア・レインボーとは、場面(ライフステージ)5つと役割(ライフロール)8つで組み合わし表され、人によって書き方も異なります。本記事では、ライフキャリア・レインボーの言葉の意味や注目されている背景、メリットを詳しくまとめています。

ライフキャリア・レインボーのライフステージや役割についても解説しているので、ライフキャリア・レインボーに興味がある方は、参考にしてください。

ライフキャリア・レインボーとは?

ライフキャリア・レインボーの言葉の意味

ライフキャリア・レインボーとは、1950年代にドナルド・E・スーパーという米国の教育学者が発表したキャリア理論です。キャリアは一生展開し続けるという考えで、キャリア=職業と捉えずに年齢、役割(ライフロール)、場面(ライフステージ)の組み合わせと定義しています。

人生の中で、家庭や社会で役割・経験を積み重ねることにより、キャリアが形成されていきます。このような積み重ねを虹に例えて、「ライフキャリア・レインボー」や「ライフキャリアの虹」と呼ばれています

ライフキャリア・レインボーの歴史

ライフキャリア・レインボーの歴史は、とても古く1950年代に発表された理論です。先ほど伝えた通り、発表者はドナルド・E・スーパーという方で、ライフキャリア・レインボーはキャリア理論の古典とも言われています。とても歴史が古いですが、この理論は国や地域、時代が変わっても世界的に広く利用することができます。

ライフキャリアの言葉の意味

ライフキャリアとは、仕事のキャリアだけでなく、家庭や趣味、地域との関りなどで経験を積み重ねて、多様な生き方を含めた生き方の全体を表している言葉です。それぞれ並行して訪れる人生のイベントに優先順位を付けながら、より自分らしい人生を送れるように準備しましょう。

そもそもキャリアという言葉は、職業や技能などの経験、経歴を指していて「狭義のキャリア」と定義されており、そこに生活や生命、生涯という意味のライフが付け加えられると「広義のキャリア」と定義されます。

企業におけるライフキャリア

人生100年時代と言われている今、人生で1番時間を費やすのは仕事している時間です。より充実した人生を送るために、今働いている企業の中で、どのようなライフキャリアを形作り、実行していくのかを考える必要があるでしょう

そして、考えることで仕事に対してのモチベーションが維持、向上に繋がり、退職した後の人生がより充実したものにすることができます。

ライフキャリア・レインボーが注目されている背景

人生100年時代の到来

医療やITが発達したことにより、人生100年時代に突入している今、楽しく充実した人生を送るために先を見据えた人生設計が必要になります。海外の研究では、2007年に生まれた子供の半数が107歳以上生きるとされており、日本は健康寿命が世界一の長寿社会です。

長寿の時代で1番問題になるのが介護問題で、介護の中でも、1人で複数人の介護を迫られる多重介護問題が多発するでしょう。多重介護となると、まず外に出て働くのは難しくなります。仕事だけに捉われずに、将来の変化を見据えてキャリアを構築していくことが重要です

グローバリズムによる人材の多様化

ライフキャリア・レインボーが注目されている背景2つ目が、グローバリズムによる人材の多様化です。厚生労働省が令和2年10月に発表した「外国人雇用状況」によると、外国人労働者数は172.4万人と過去最高を更新しています。また、今後さらに外国人労働者が増加すると見込まれています。

外国人労働者が増えれば、今後の働き方が変わってくるでしょう。また、仕事のあり方も変わってくる可能性もあるので、変化を見逃さないようにしましょう。

予知が難しい世の中の変化

ライフキャリア・レインボーが注目されている背景2つ目は、予知が難しい世の中の変化です。働き方が多様化やAIの進化、世界的感染症の流行など、現代社会は変化しています。テレワークが主流になりつつある今、今後の働き方は大きく変わってくるでしょう。

今後仕事とプライベートの境目があいまいになる可能性が高いので、一度きりの自分の人生どのように生きるかを大きく考える必要があるでしょう。

ライフキャリア・レインボーのメリット

メリット①現在の生活状況を把握することができる

ライフキャリア・レインボーのメリット1つ目は、現在の生活状況を把握することができることです。今の生活の中で、自分が何に1番時間を使っているか、エネルギーを使っているかを数値に表すことで可視化することが可能になります

例えば、仕事5割、プライベート5割で生活のバランスを考えている人が、実際にライフキャリア・レインボーで表してみたら、仕事にエネルギーを使い過ぎていた。または、プライベートで充実しすぎて、仕事を疎かにしていた。など分かるでしょう。

メリット②自分の価値観を認識することができる

ライフキャリア・レインボーのメリット2つ目は、自分の価値観を認識することができることです。これまでに行ってきたことを書き出し可視化することで、達成感を得ることができます。また、可視化することで自分の価値観を確認することができ、自分を認めることができるでしょう

自分を認めることができれば、今後の自信に繋がります。付いた自信はあらゆる場面で自分を強くし、背中を押してくれるでしょう。

メリット③理想のライフロールバランスを考えることができる

ライフキャリア・レインボーのメリット3つ目は、理想のライフロールバランスを考えることができることです。メリット2つ目では、自分の価値観を認識することができました。それをもとに自分の理想となるライフロールのバランスを考えることができます

ライフキャリア・レインボーのライフステージ

ライフステージ①成長段階

ライフキャリア・レインボーのライフステージ1つ目は、成長段階です。第1期である成長段階は、0歳~14歳までの身体的発達や自己概念の形成が主になります。家庭や学校などで自分を形成して、興味や関心、能力について考えを発達させる期間です

さらに、職業世界に対する関心やなぜ働くかなどを意味を考えて、理解するのもこのライフステージの第1期になります。

ライフステージ②探索段階

ライフキャリア・レインボーのライフステージ2つ目は、探索段階です。15歳~24歳までの期間は、さまざまな分野の職業を知り、働きたいと思う特定の仕事を絞りこんでいく段階です。絞りこむためには、その職業に必要な条件を知る必要があります。

学校生活や地域活動、アルバイトを含む仕事などを通してさまざまなことを経験し、失敗を繰り返すことで役割や自分の好みが分かるようになるでしょう

ライフステージ③確立段階

ライフキャリア・レインボーのライフステージ3つ目は、確率段階です。25歳~44歳までの期間は、自分に合っている職業をみつけることができ、自分の役割や立場、地位などの地位を固めるキャリア初期の段階になります。キャリアの理想像を明確にして、安定の仕事につき、責任のある仕事を行うことで職業的専門性が高まるでしょう

ライフステージ④維持段階

ライフキャリア・レインボーのライフステージ4つ目は、維持段階です。45歳~64歳までの期間は、ライフステージ3段階目の確率段階で確立した、自分の地位や役割を守る段階になります。さらに、新しい能力や知識を身に付け、自分に与えられた責任を果たす時期でもあります

この時期の最後には、退職後のライフキャリアも考えておいた方がいいでしょう。先に考えておくことで、その後の人生がより良いものとなります。

ライフステージ⑤解放段階

ライフキャリア・レインボーのライフステージ5つ目は、解放段階です。65歳からの期間は、職業活動から離脱して、新しいキャリア人生「シニアライフ」を充実させる時期になります。職業活動中にできなかった地域活動や趣味、余暇活動を積極的に行い楽しみながら過ごしましょう。

ライフキャリア・レインボーの役割

役割①子供や学生の場合

ライフキャリア・レインボーの子供・学生の役割は、未熟のうちは親に保護され一緒に過ごし、あらゆる場面からさまざまなことを吸収する役割です。

また、小学校、中学校、高校、大学までの学生は、学業に真剣に取り組む役割です。1日を勉強に使える時間は、大人になってからは取ることが難しいです。学生の内に役割を理解して、真剣に取り組みましょう。子供と学生の役割はライフステージの1段階目、成長段階に当てられます。

役割②職業人や配偶者の場合

ライフキャリア・レインボーの職業人・配偶者の役割の紹介です。まず職業人は、アルバイト、パート、派遣・契約社員、会社員などすべての働く人を意味しています。また、配偶者の役割は法律的夫婦である夫、妻だけでなく、共に生活するパートナーもこの役割になります

基準の組み合わせでは、職業人はライフステージの模索段階、確立段階、維持段階に当てはまり、配偶者は確立段階、維持段階、解放段階に当てられます。

役割③家庭人や親の場合

ライフキャリア・レインボーの家庭人・親の役割を解説します。家庭人の役割は、家庭内で家事全般を任されることが多い、家族の一員としての役割を意味しています。また親の役割は、子供を育てる義務を持つ役割と、安定した家庭生活が送れるようにする役割を意味しています

基準の組み合わせで家庭人と親のライフステージは、どちらも同じく、確立段階、維持段階、解放段階に当てはまります。

役割④余暇人や市民の場合

ライフキャリア・レインボーの余暇人・市民の役割を解説します。余暇人の役割は、多用な趣味を持ち、自分の好きなことを楽しむ役割を意味します。また、市民の役割は、社会の一員としてボランティアや地域活動をする役割を指しています。さらに、納税なども役割もここの役割です

基準の組み合わせで余暇人と市民のライフステージは、どちらも同じく、模索段階、確立段階、維持段階、解放段階が当てはまります。

ライフキャリア・レインボーの具体例

①20代の場合

ライフキャリア・レインボーの20代の具体例を紹介します。20代は、ライフステージに例えると、模索段階~確立段階へと移る時期になります。

学生を卒業して職業人の仲間入りになり、子供の役割から次第に卒業していくことになるでしょう。好みの職業分野を見つけて、試行錯誤を繰り返しながら自分のスキルと適正を見極めることで、方向性を探します

②30代の場合

ライフキャリア・レインボーの30代の具体例を紹介します。30代は、ライフステージに例えると確立段階に当てはまります。自分の能力を存分に発揮できる職業を見極めて、今付いている職業に貢献できる専門性を高める時期です

また、多くの方が30代で結婚して、配偶者の役割も担うようになります。そこに子供が生まれた場合は、親としての役割も追加され、家庭人としての責任も強くなるでしょう。女性は育児に専念するために、職業人としての役割から離れることも多いです。

③40代の場合

ライフキャリア・レインボーの40代の具体例を紹介します。40代は、確立段階~維持段階へと移行していく時期になります。付いている職業の専門性を高めることができたら、実績を積み上げ確立して、維持するようにしましょう

キャリアを順調に積み上げ、管理職となる人も増えてくる段階です。女性は、育児が落ち着いてくる時期なので、職業人に戻るケースも増えます。

④50代の場合

ライフキャリア・レインボーの50代の具体例を紹介します。50代は、ライフステージに当てはめると維持段階になります。今まで積み上げてきたキャリア、実績、地位を維持する段階です。

また、職業人としての役割が次第に薄れていき、退職に向けて余暇人・市民の役割が増えていくでしょう。親が高齢になることから介護を行う場合は、子供としての役割も担うことになります。

ライフキャリア・レインボーと女性のキャリアの関係性

女性のキャリアの特徴

ライフキャリア・レインボーと女性のキャリアの関係性について、解説します。日本は昔から「女性は家で家事に専念するべき」という考えが根強く残っています。そのため、結婚や出産、育児を機に職業人としての役割から離れる人が多いのが現状です

日本の労働力を表しているグラフでは、女性の労働力率はM字になっており、20代から30代の女性は仕事を辞める傾向になっています。出産を機に退職する日本の女性は、20代で73.1%、30代で50.5%との調査結果が実際に出されています。また、育児が落ち着く40代頃にまた、職業人として復帰する女性が多いようです。

女性のキャリアとの関係性

ライフキャリア・レインボーは、女性がキャリアを形成する上で有効な理論と言われています。女性は、結婚や出産、育児などの人生のイベントが男性よりも多いです。そしてイベントが多い分、ライフロールの数や役割が変化しやすい傾向にあります。

女性は、様々な人生の変化により、不安やストレスを抱えている方が多いです。ライフキャリア・レインボーを用いて人生を可視化することにより、価値観や現状の役割を明確にすることが可能になり、今の役割に前よりも向き合うことが可能になるでしょう

ライフキャリア・レインボーを学んでキャリアアップしよう!

ライフキャリア・レインボーについて、今注目されている背景やメリット、女性のキャリアの関係性について詳しく説明しました。

ライフキャリア・レインボーを活用することで、自分を見つめ合う機会になり、現状の本質的な問題を解決することができるでしょう。この記事を参考に今の自分の役割を再確認して、理想のライフロールをバランスを考えましょう。

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