他の人の目が届かないテレワークでは、集中力が途切れがちです。しかし、こなすべき仕事の量は変わらず、通勤時間分の余裕があるはずです。結果的に時間に追われてしまう・・そんな経験をされた方も少なくないのではないでしょうか。この記事では、テレワークによって集中が阻害される要因を分析し、その対策をお伝えします。
テレワーク時に集中力が下がる要因
テレワークでは会社以外の自宅やカフェで仕事をします。上司や同僚が周りにいないため、集中力が下がる方もいるのではないでしょうか。
縁結び大学の調査では約98%の方が、テレワーク中にモチベーションや集中力が下がったと回答がありました。
主な原因は以下が考えられます。
- 脳疲労
- 精神疲労
- 環境
上記のように疲労が関係しています。さらに仕事をする環境も集中力に影響があるでしょう。自宅の場合、生活の場で仕事をすることになるので、どうしても気持ちの切り替えが難しいです。
こちらではテレワーク時に集中力が下がる要因を解説していきます。
脳疲労(パソコン・スマホなどの見過ぎ)
脳疲労とは、一言で言うと脳が疲れていることです。人間が起きている間は、常に何かしらの情報が入ってくるため、休みなく脳から指示が出ています。
その結果疲労が蓄積して、身体の疲れが抜けない状態になります。気づかない間に、疲れが溜まりやすく、場合によっては寝てもよくならないこともあるでしょう。
脳疲労の原因は、パソコン・スマホなどの見過ぎで起こります。テレワークは通勤時間がない分、通常よりも残業時間が増えがちです。そのため1日中パソコンやスマホの画面を見ていることになり、脳に疲労が溜まるでしょう。
パソコンやスマホは情報量が多いのが特徴です。画面を見続けていれば、脳や身体が活性化します。常に気が張っている状態なので、リラックスできません。
また以下の項目に多く当てはまる方は、脳疲労が溜まっている可能性が高いので注意が必要です。
- 食事を美味しいと感じない
- 不安や無気力になりやすい
- 夜中や早朝に目が覚める
- 激しく体を動かしていないのに疲れる
- 便秘になりやすい
- イライラしがち
- 自分の仕事は残業してでも終わらせる
- 物忘れがひどい
まずは睡眠をしっかり取るのが大切です。休息をとっても治らない場合は、病院で診察を受けてみましょう。
精神疲労(多すぎるタスクやプレッシャー)
2つ目の要因は精神疲労です。精神疲労とは肉体よりも心の疲れが大きい状態です。主な原因には、仕事が関係しており多すぎるタスク量やプレッシャーが挙げられます。
テレワークで働く場所が自宅やカフェに変わっても、仕事量は変わりません。慣れない環境での仕事になるため、精神的に疲れが溜まりやすいでしょう。
さらに自分の働いている姿を上司や同僚に見せられないため、サボっていると疑惑を持たれたくないですよね。会社勤務より、成果を上げようとプレッシャーを感じてしまうでしょう。
その結果、精神疲労が溜まる原因になります。症状がひどい場合、うまく睡眠が取れないことにつながります。肉体的な疲れも取りづらくなるため、悪循環になります。
精神疲労の症状は以下のとおりです。
- イライラしやすい
- 肩こりがひどい
- 動悸が起こる
- 胃や腸に違和感を感じる
- 気持ちが晴れない
- 寝つきが悪い
- 何度も目が覚める
上記のような症状が見られたら、精神疲労の可能性が高いです。そのためできる限り、運動をしたり趣味に没頭したりして、リフレッシュするのが重要です。
環境
テレワークの働く環境によって集中できないことがあります。
自宅の場合、生活の場なので、仕事とは関係ないさまざまなものが置いてあるでしょう。例えば漫画・本・ゲームなどです。休憩のつもりで漫画を読んでしまったら、思ったよりも時間が過ぎていることも考えられます。
またカフェの場合、自分以外のお客様もいるため、話し声や物音が自然と耳に入ってきます。周囲が気になって、集中できません。さらに大きい声が出せないので電話やビデオ会議もしづらいです。
サテライトオフィスの場合、ブースごとに仕切りがあるので、集中しやすいです。しかし他社の従業員も多くいるため、コンプライアンスを気にしなければなりません。少し席を外しただけで、パソコンの画面を盗み見されたり、盗難にあったりなどの可能性が少なからずあります。
テレワークだとどこで働いていても、周囲が気になってしまい、集中できないことになるでしょう。
テレワーク時に集中力を高めるための対策
ここまでにテレワーク時に集中力が低下する原因を解説してきました。原因を把握しているだけでは、対策ができません。集中力を高める対策を知りたい方もいるでしょう。
こちらでは以下の対策を解説していきます。
- 生活リズムを整え体調を改善する
- 実現可能なスケジュールを立てる
- 作業環境を整える
一つひとつ解説しますので、ご自身のテレワークに活用してみてください。
生活リズムを整え体調を改善する
通勤時間がなく、起きたらそのまま仕事ができてしまうため、夜更かしをして出勤時間ギリギリまで寝ている方もいるでしょう。そのため生活リズムが崩れやすくなります。疲れが取れにくくなり、仕事中の集中力は続きません。
そこで生活リズムを整える対策は以下になります。
- 睡眠をしっかりとる
- 時間を区切って短い休憩を取る
上記を行うことで、体調の改善ができるでしょう。
睡眠をしっかりとる
生活リズムが崩れる一番の原因は睡眠不足です。特に太陽の光を浴びる時間が遅くなるほど、体内の時刻が会わなくなり、生活リズムが崩れます。
昼夜逆転している生活を送っていると、昼間の仕事中に眠くなります。集中が続かずミスを起こす可能性が高くなるでしょう。
また睡眠時間が少なくなる場合、疲労回復が十分に行われません。前日の疲れが溜まったまま仕事をすることになります。肉体的・精神的に負担がかかり体調が悪くなるでしょう。最悪の場合、病気になって働けなくなることもあるので注意が必要です。
そのため、睡眠をとって規則正しい生活を送るのが大切です。前日の疲れが残らなくなり、集中力が上がるため、業務を効率よくこなせるでしょう。
時間を区切って短い休憩を取る
予め作業時間を短く設定して、定期的に休憩を入れるようにしましょう。
人の集中力が続く時間は、最長90分と言われています。それ以上続けて作業を行う場合、集中力は切れてしまいます。
例えば小学校の授業は45分行って休憩です。大学の場合、90分授業を行って休憩になります。
そのため仕事に集中する時間は長くても90分までにするのが効果的です。長時間の作業が苦手な方は、ご自身に合わせて30分にしたり、15分にしたり工夫してみてください。
休憩時間には、なるべくパソコンやスマートフォンから離れるのが有効です。情報量が多く、脳に刺激を与えてしまいます。休んでいない状態と同じです。
外の空気を吸ったり、ストレッチをしたりでリフレッシュするのがおすすめです。
実現可能なスケジュールを立てる
テレワークでは、社内の会議を行うときに移動が発生しません。取引先への訪問も少なく、ビデオ会議を使用して打ち合わせを行なう方も多いでしょう。時間を有効活用できるため、スケジュールを詰め込んでしまう方もいるかもしれません。
例えば1日中会議の予定を入れると、休憩する時間が取れなかったり、常に気を張っているので疲れが溜まりやすかったりします。自分の仕事をする時間がなく、残業することも。
テレワークでは、実現可能なスケジュールを立てるのが重要です。人それぞれこなせる仕事量は違うため、自分の業務と相談しながらスケジュールを立てましょう。
こちらではスケジュールを立てるときの対策を解説していきます。
- アプリ・手帳の活用
- タスク管理
アプリ・手帳の活用
スケジュールを管理するなら、アプリ・手帳を活用するのがおすすめです。予定を目に見えるようにしておくと、漏れがなくなります。気になったとき、すぐに確認もできるので仕事の効率化にも役立つでしょう。
スケジュール管理の方法は、主に以下の2種類あります。
- アプリ
- 手帳
1つ目がアプリを使ってスケジュールを管理する方法です。パソコンやスマホで簡単に入力でき、いつでもすぐに見られます。予定時間が近づいてくると、自動的に通知で知らせてくれるため、抜け漏れがなくなるでしょう。
中にはクラウドサービスと連携しているアプリもあり、複数人のスケジュールを確認できたり、入力したりできます。上司や同僚の予定が把握できるので、打ち合わせの予定がスムーズに組めます。
スケジュール管理アプリは以下のとおりです。
- Googleカレンダー
- Yahoo!カレンダー
- Stock
- ジョルテ
- Timetree
2つ目は手帳を使う方法になります。紙の手帳に予定を書き込んでいくので、記憶に残りやすいです。自由に書き込めるため、ストレスを感じにくいのが特徴です。
ご自身の使いやすい方法でスケジュール管理して、効率的に仕事をこなしましょう。
タスク管理(書き出す、可視化する、消し込む)
仕事をする上で、タスク管理は非常に重要です。タスクを整理できないと、いつまでに何をやればいいのかがわかりません。またテレワークではコミュニケーションの機会が少なくなりがちです。チームメンバーが何をしているかが気になるでしょう。
タスクを見えるようにするのは自分だけでなく、周囲の方にとっても必要なことです。
タスク管理したことがない方は、まず書き出してみましょう。その後可視化すると見やすくなり、納期から逆算した行動が可能です。終わったタスクは消せば、残っているものだけになるのでスッキリします。
タスク管理を行うための方法はさまざまあります。紙に書き出す方法やツールを使う方法です。クラウドサービスと連携していれば、チームメンバーと共有できるため、業務のやり忘れが減ります。
タスク管理ツールは以下のとおりです。
- Backlog
- Redmine
- Trello
- monday.com
- Asana
作業環境を整える
テレワークの集中には作業環境も関係あります。パソコンの画面は小さいので見えづらかったり、スマホアプリをしたりするでしょう。
周囲の姿が見えないので、無意識に仕事とは関係ないことをやってしまいがちです。集中力を上げるには、作業環境を整えるのがおすすめです。
お金はかかりますが一度環境を作ってしまえば、長期間集中できるので業務の効率化ができます。
こちらでは以下2種類の対策を解説していきます。
- PCモニターを見やすい大きさにする
- 手が届く場所にスマホを置かない
作業環境作りの検討材料にしてみてください。
PCモニターを見やすい大きさにする
テレワークでは持ち運びがしやすいノートパソコンを使用している方が多いでしょう。カフェやサテライトオフィスでも、自宅にいるのと変わらず仕事がこなせます。
しかしノートパソコンは、比較的画面が小さいです。文字も小さいため、画面との距離が近くなります。さらに長時間見ていると疲れが溜まりやすく、集中力が切れるでしょう。
そこでPC用のモニターを使用しましょう。パソコンよりも画面が大きいので、文字が見やすいです。自然に画面との距離も保てます。細かい作業もやりやすく、集中して業務の効率化ができるでしょう。
また姿勢の改善ができるので、疲れない体勢で仕事ができます。
モニターには小さいサイズから、大きいサイズまで幅広くあります。ご自身に合った大きさを選びましょう。
手が届く場所にスマホを置かない
スマホの中にはゲームやSNSなど、さまざまな誘惑があります。集中が切れると、無意識にスマホを使っている方もいるかもしれません。
そこで仕事中はスマホを手の届かない場所に、置いておくのがおすすめです。手の届く範囲にあると、つい使ってしまいます。遠いところにあれば、取りに行くのが面倒なので、スマホを使う回数が減るでしょう。
また通知をオフにしたり、最低限のアプリだけにしたりすると、さらに効果が期待できます。
どうしても辞められない方は、タイマー付きで鍵がかけられるボックスに入れるのがおすすめです。設定した時間になるまで、開けられないので強制的にスマホから遠ざけられます。
設定時間を工夫して、集中できる環境を整えましょう。