グループ面談の意味を解説!質問内容や対策法は何か?
ビジネスシーンにおけるグループ面談とは、会社と面談相手の相互理解を深め、お互いの方向性のすり合わせを行うためのコミュニケーションの場であり、採用前や採用後など幅広い場面で行われています。
そこでこの記事では、グループ面談の言葉の意味や質問内容、グループ面接との違い、対策方法などを紹介します。グループ面談に不安や疑問を持っている方には必見の内容です。
グループ面談とは?
グループ面談の言葉の意味
グループ面談とは、「複数人で直接面会して話をすること」を意味します。グループ面談は、企業と応募者との間で情報共有し、相互理解を深めることが目的です。また、企業が優秀な人材を獲得するために、積極的に応募者を増やそうとする目的もあります。
ビジネスシーンで活用されている
グループ面談はビジネスの場でよく活用されており、企業が採用活動をする際の採用前や採用後など、幅広い場面で行われています。また社内活動としても、内定者や社員に対するフォローアップやモチベーションの向上を目的に行われることも多いです。
グループ面談を効率的に活用することで、現職社員の早期離職を防ぐことに繋がったり、新しい優秀な人材の確保に結び付くことができます。
グループ面接との違い
よく混同されやすい手法ですが、「グループ面談」と「グループ面接」との違いについてみていきましょう。この2つは、実施する目的に違いがあります。
グループ面接を行う目的は、複数の応募者の中から人材を選ぶために行われる手法であり、あくまで選考の一部として使われます。一方、グループ面談とは、企業と複数の応募者との双方理解を目的とするため、選考には関係ありません。
グループ面談の種類
種類①カジュアル面談
グループ面談には、採用候補者とコミュニケーションを図るためのカジュアル面談があります。この面談は、カジュアルという名前のとおり、企業の人事担当者と採用候補者がお互いに対等な立場で、固い雰囲気なしでやり取りします。
選考活動の前の段階で行われるため、面接とは違い、選考への直接の影響はありません。このグループ面談によって、採用候補者はその企業の社風やキャリア、福利厚生などについて気軽に質問できます。
種類②リクルーター面談
グループ面談の一種であるリクルーター面談は、その企業の元従業員であるOB・OGと人事担当者が中心になって行うグループ面談です。このグループ面談は、新卒採用で用いられる手法であり、リクルーターの出身大学の後輩に接触して、採用候補者を探します。
リクルーター面談の特徴といえば、社内ではなく社外、例えばカフェやラウンジなどで行われる点です。採用候補者としては、リラックスした雰囲気の中で人事担当者と会話できることがメリットでしょう。
種類③内定者面談
グループ面談の中には、内定者面談もあります。内定者面談は、内定を出した相手に対して、実際の業務に関する情報や勤務条件などを伝える場です。内定者と社内の従業員との間で積極的にコミュニケーションを取る機会を設けても良いでしょう。
このグループ面談で重要なポイントは、内定者の入社後のミスマッチをなくすことです。内定者の早期離職を防ぐためにも、内定者の現時点での疑問や質問をしっかり聞き入れましょう。
種類④社内面談
最後のグループ面談の種類として、社内面談が挙げられます。このグループ面談は、会社の全従業員が対象であり、従業員のパフォーマンスを最大化することが目的です。
社内面談の実施タイミングは大きく分けて2つあります。1つ目は、人事制度の構築などの経営戦略に基づいて行われる「定期型」、2つ目が上司や人事担当者が従業員に対して面談の必要を感じたときに随時実施される「不定期型」です。
グループ面談のメリット
ここでは、グループ面談を行うメリットについて解説します。企業と採用候補者の双方のメリットをしっかり理解しましょう。
メリット①企業側からアプローチをかけることができる
グループ面談の1つ目のメリットは、企業側からアプローチをかけられることです。面接とは違い、グループ面談という形をとれば、応募を待たずに企業側から採用候補者に向けてアプローチをかけることができます。
グループ面談は、知名度の高い大企業ならともかく、まだ実績の少ない企業にとっては、採用候補者に自社の魅力を知ってもらえる良い機会です。魅力的な技術や業務環境を持っている企業にとっては、グループ面談は非常に効果の高いアプローチ方法となるでしょう。
メリット②新たな入社志望者の獲得に繋がる
グループ面談の2つ目のメリットは、新たな入社希望者の獲得に繋がることです。前述したとおり、面接とは違い、選考前に行われるカジュアルな雰囲気のグループ面談もあります。
その場をうまく利用して、採用候補者に自社に入社して働くメリットを伝えましょう。上手くいけば、採用候補者が自社に興味を持ち、自社を応募するきっかけになるかもしれません。
メリット③人材の見極めを慎重に行うことができる
グループ面談の3つ目のメリットは、 人材の見極めを慎重に行うことができることです。通常の採用選考では、エントリーシートなどの書類と面接の中だけで、自社にマッチした人材かどうか見極めます。応募者一人ひとりにゆっくりと向き合う時間がないので、面接の中だけで自社に合った人材を見極めるのは非常に難しいでしょう。
それに対してグループ面談ならば、穏やかな雰囲気の中で、採用候補者が気になることを自由に確認することができます。そのため、人事担当者としては、相手の思いを丁寧にくみ取ることができ、人材を慎重に見極めることができるのです。
メリット④相手が気軽に応じやすい
グループ面談の4つ目のメリットは、 相手が気軽に応じやすいことです。グループ面談は通常の面接と比べて、「気軽さ」という観点でみれば、圧倒的にハードルが低いといえます。
グループ面談であれば、選考準備のように特別な準備を必要としません。企業側からすると負担も少ないですし、採用候補者は「話を聞くだけなら」と前向きに応じてくれる可能性が高いでしょう。
グループ面談の方法
アイスブレイクを活用する
グループ面談の始めは、採用候補者の緊張をほぐすために、アイスブレイクを効果的に利用しましょう。アイスブレイクとは、ビジネスの場でもよく利用されており、ミーティングやグループワークなどの導入として用いられます。
グループ面談の導入としてアイスブレイクを行うと、「相手を受け入れている」という姿勢を示すことができるのです。人事担当者は、穏やかな笑顔で今回のグループ面談を引き受けてくれた感謝を伝えましょう。
自社の紹介と面談担当者自身の自己紹介を行う
グループ面談では、初めにアイスブレイクを行って面談者の緊張がほぐれてきたら、面談担当者の自己紹介と自社の紹介を行います。
みなさんは「自己開示の返報性」という心理学のテクニックをご存じでしょうか。このテクニックは「自身の情報を相手に提示すると、相手は自分のことに好感を持ってくれる」というものです。
これをうまく利用して、面談担当者から面談相手に歩み寄って、自己開示しましょう。本音で話しやすい雰囲気を作ることが大切です。
面談相手の話をしっかりと聞く
グループ面談では、面談相手の話をしっかり聞きましょう。ビジネスに限らず、相手の話をしっかり聞くことはコミュニケーションの基本です。
ここでのポイントは、決して相手の話を遮らず、適切な相槌を打つこと。グループ面談では、面談相手がこれまで取り組んできた活動や自身のキャリアなどについて自由に話してもらいましょう。
自由に質問できる時間を設ける
お互いについてある程度理解できたら、面談相手が自由に質問できる時間を設けます。ここまでのステップをうまくこなしていたら、面談相手から気軽に質問されるはずです。
質問されたら、質問内容をしっかりくみ取り、真摯に答えてあげましょう。グループ面談において、質問時間は情報収集を補うだけでなく、現段階の双方の距離感を確認することもできます。
クロージングを行う
グループ面談の最後は、次へ繋げるためのクロージングを行いましょう。クロージングでは、相手の満足度を確認し、このグループ面談が有意義な時間だったことを伝えます。面談相手の良い悪いにかかわらず、むやみに関係が悪化しないよう十分配慮しましょう。
グループ面談の質問内容
ここでは、グループ面談の質問内容についてみていきます。グループ面談において、面談担当者は次のような質問をして、面談相手が自社に必要な人材かどうか見極めましょう。
質問内容①取得している資格やスキル
まずは、面談相手の取得している資格やスキルを把握しましょう。面談担当者は、その資格やスキルをどのような目的で取得したのかという説明をしてもらい、面談相手の行動特性や学習能力を図ります。
ここで注意したいのは、「資格を数多く保有しているので優秀な人材」「特に資格やスキルを何も保有していないので不要な人材」などといった安易な判断しないことです。その人材の持つポテンシャルや可能性を見極めることが重要になります。
質問内容②仕事に対する価値観
面談者の仕事に対する価値化を把握することも大切です。グループ面談という場を利用して、仕事に対する思いや応募企業の選定を行う上で重視している基準などを尋ねましょう。面談相手の仕事に対する価値観を確かめることができます。
また、将来希望している業務や職場環境を質問することで、面談相手の将来的なビジョンも共有することができます。実務に直結する要素についても積極的に質問するよう心がけましょう。
質問内容③自社への理解が深まるような質問
面談担当者は自社への理解が深まるような質問をしましょう。企業にとって、新卒で入社する人材の早期離職は大きな課題となっています。
採用には時間やコストをかけて行うため、早期離職は企業に多大な損失を与えるのです。それを防ぐために、面談者には自社への理解を深めてもらい、入社後のミスマッチを発生させないことが重要です。
グループ面談の対策
最後にグループ面談の対策について解説します。面談担当者は今から紹介する対策方法をしっかり理解して、適切に対策しておきましょう。
コミュニケーション力の高い面談担当者を設定する
グループ面談の対策として挙げられるのは、コミュニケーション能力の高い人材を面談担当者として設定することです。面談の担当者は、面談者の情報や悩みを引き出しながら、自社の説明も合わせて行うという難しい役割が与えられます。
そのためグループ面談の担当者には、相手の意思や感情、思考を把握して適切にコミュニケーションができる能力と、深い自社理解を有した人材を抜擢する必要があるのです。
面談相手にプレッシャーを与えないように
グループ面談の対策として、面接相手にプレッシャーを与えないように注意することが挙げられます。グループ面談は、企業と面談者との間で情報共有し、相互理解を深めることが目的です。
面談者には気軽に質問してもらい、自社の理解を深めてもらう必要があるため、面談相手にプレッシャーを与えることのないように注意しましょう。最初に適度な雑談を入れて、相手の緊張をほぐすことが大切ですよ。
面談の目的を明確にしておく
グループ面談では、面談の目的を明確にする対策をしておきます。人は目的や内容が明らかでないと、大きな不安を感じるものです。
そのため、面談の目的が「選考を意識しておらず、リラックスした状態で情報交換を行う場である」ことをしっかりと伝える必要があります。目的が明確であれば、面談相手が不安を感じることはなくなります。
情報を一元管理する
グループ面談の対策として、採用プロセスの情報を一元管理することが重要です。グループ面談は面接の過程で候補者の不安解消を目的として組まれることが少なくありません。実際に面接を一旦中断し面談を組み、そこでの質疑応答を踏まえて、次回の面接への気持ちを固める応募者もいます。
もちろん応募者の入社への気持ちは移り変わるため、適切なタイミングで柔軟な対応が求められます。応募者毎の採用プロセスを効率的に管理し、細やかなアプローチをすることが重要なのです。
グループ面談を実施して優秀な人材を獲得しよう!
ここまで、グループ面談の言葉の意味や質問内容、グループ面接との違いについて解説してきました。グループ面談とは、面接と違い選考には関係ありません。候補者の不安を取り除いて、自社への理解を深めてもらうことが目的です。
企業の経営者や人事担当者は、今回紹介したグループ面談の方法や対策を適切に理解して、ぜひ自社の採用プロセスを見直してみてください。