破壊的イノベーションの意味や特徴などを解説！
本記事では、破壊的イノベーションの意味について紹介します。破壊的イノベーションは、企業を経営するうえで、最も注目されているワードです。破壊的イノベーションのメカニズムや種類についてまとめました。
また、破壊イノベーションを実際におこす具体策や、企業事例なども掲載しているので、経営していくうえで、取り入れたい場合は参考にしてください。
破壊的イノベーションとは？
破壊的イノベーションの言葉の意味について紹介します。破壊的イノベーションは、グローバル化が進んでおり、VUCA世界の到来で関心が高まっています。
また、持続的イノベーションと、破壊的イノベーションとの違いなども掲載しているので、意味をしっかり覚えましょう。
破壊的イノベーションの言葉の意味
破壊的イノベーションは、1997年に故クレイトン・クリステンセン氏の書籍「イノベーションのジレンマ」で提唱された、イノベーションモデルの1つです。
すでにある企業の秩序を破壊して、業界の構造をや今ある商品を劇的に変化させるメカニズムを指します。既存の商品よりも、機能や価格を低コストにし、小型化や使い勝手を良くするメカニズムを作ります。
VUCA世界の到来により関心が強まっている
破壊的イノベーションは、グローバル化に伴い、VUCAの関心が高い傾向にあります。経済のグローバル化や商品技術の発展により、企業の外部環境が劇的に変化しています。
そのため、企業の商品や、技術を持続的に成長する事が難しいです。これらの外部環境の変化をVolatility（不安定）、Uncertainty（不確定）、Complexity（複雑性）、Ambiguity（曖昧性）の4つのメカニズムに分け、その頭文字を取ったものをVUCAと呼んでいます。
ライトフットプリント戦略にも欠かせない概念
ライトフットプリント戦略を企業に取り入れて、破壊的イノベーションのスピードを高める企業が増えています。日本の企業の商品は、国内需要の減少に対抗するために、海外で新たなメカニズムを作る必要があります。
そのメカニズムを作るために、スピードを重視したライトフットプリント戦略を導入する企業が多いです。新たな商品の開発や、海外進出をする際に、早く戦略を立てたい企業には欠かせないメカニズムでしょう。
持続的イノベーションとの違い
持続的イノベーションの意味は、既存の市場で求められている価値を上げるイノベーションの事です。破壊的イノベーションは、すでにある商品を劇的に変化しますが、持続的イノベーションは、すでにある製品に高い付加価値を付けて差別化を図ります。
日本の製造業や企業のメーカーが得意とする分野です。しかし、持続的イノベーションは、顧客が欲しい性能を超えるオーバーシューティング（過剰解決）を引き起こしてしまう可能性があるので、注意しましょう。
破壊的イノベーションの種類と特徴
次は、破壊的イノベーションの種類と特徴について紹介します。破壊的イノベーションには、ローエンド型と新市場型があります。
ローエンド型破壊的イノベーション
ローエンド型破壊的イノベーションは、低価格で使い勝手の良い商品や、サービスを投入するタイプのイノベーションモデルです。
ローエンド型は、持続的イノベーションによって、高価で複雑な商品が占める市場を狙います。ヒットすれば、既にある市場のローエンド層を取得できます。
新市場型破壊的イノベーション
新市場型破壊的イノベーションは、技術の革新によって生み出した製品やサービスを、まったく新しい市場に投入するタイプのイノベーションモデルです。もともと競合する企業がない場所を開拓して、新しい価値を普及します。
破壊的イノベーションを実際におこす具体策
次は、破壊的イノベーションを実際におこすための具体策について紹介します。ノンコンサンプションを導入して、新たな組織を立ち上げる方法もあります。また、事業の経営陣の意識改革を行い、持続的イノベーションを最大限に活用しましょう。
具体策①ノンコンサンプションを導入する
ノンコンサンプションを導入することで、新たな消費が生まれ、市場の開拓ができます。ノンコンサンプションは、無消費と呼ばれており、時間やファンド、アクセスや能力などの消費が行われていない状態を指します。
しかし、ノンコンサンプションを導入すると、すぐに売上や利益がでないため、大企業や優良企業では使われないケースが多いです。
具体策②過剰満足の顧客する
商品に付加価値を付けると顧客は喜びますが、満足度が限界に生じた場合は、過剰満足する人が増加します。ローエンド層の顧客が多い商品は、低機能や低価格をを実現した商品やサービスを投入しましょう。
また、過剰満足の顧客を見つけることで、将来的に大きなシェアを獲得する可能性があります。
具体策③新たな組織を立ち上げる
破壊的イノベーションを実際におこすには、新たな組織の立ち上げが必要です。効率化や最適化をすでに生み出している事業は、破壊的イノベーションを取り入れるのが難しいでしょう。これは企業が、ヒト、モノ、カネの分配を組織的に価値を決めているからです。
しかし、新たな企業を立ち上げるためには、価値の基準やプロセスを1回リセットする必要があります。既存の価値やプロセスや依存をなくす事が、破壊的イノベーションの近道となるでしょう。
具体策④経営陣の意識改革を行う
破壊的イノベーションを取り入れるためには、経営陣の意識の改革が必要です。経営者は、企業の存続や社員のモチベーションを上げる必要があります。
そのため、破壊的イノベーションを取り入れるためには、新規事業を立ち上げる気持ちで、経営陣をはじめ、ビジネスリーダーが率先して意識改革を行いましょう。
具体策⑤持続的イノベーションも活用する
持続的イノベーションは、活用の仕方を変えて、今ある商品をより良いものにして差別化を図ります。持続的イノベーションは、別名、メンタルモデル・イノベーションとも呼ばれています。
メンタルモデル・イノベーションは、時代の流れや環境の変化によって、顧客の意識が変わり、従来の製品の価値が上がる事です。企業の改革には破壊的イノベーションも必要ですが、持続的イノベーションも取り入れると様々な方向から見れるでしょう。
破壊的イノベーションの主な企業事例
次は、破壊的イノベーションの企業事例について紹介します。大手企業の任天堂やamazonについてまとめました。また、携帯電話業界で成功しているiPhoneや、家具業界の大手のIKEAも掲載しています。
企業事例①任天堂
任天堂株式会社が開発した「Wii」は、今までのゲーム機とは全く違う本体を発売しました。通常は1つのコントローラーを使ってゲームをしますが、Wiiは、リモコンとヌンチャクを使って操作します。
Wiiの特徴として、リモコンやヌンチャクをセンサーバーに向けて、手を動かして遊ぶゲームです。新しいゲームスタイルにする事で、子供や女性にも遊びやすいゲームへと進化しました。
企業事例②amazon
amazonは、欲しい商品がネットで気軽に買えるため、普段の生活に利用している人も多いです。新しい商品を開発するのではなく、オンラインで既存の商品を低価格で販売するサービスを生み出しました。
PC作業に抵抗のない客層のニーズに応えている事から、新市場型の破壊的イノベーションに当てはまります。しかし、既存の商品を低価格で販売している視点から見ると、ローエンド型破壊的イノベーションにも分類されるでしょう。
企業事例③iPhone（Apple）
iPhone（Apple）は、携帯電話に音楽やアプリプラットフォームなどの付加価値を付けて販売しています。もともと携帯電話は、相手と電話やメールをするのを目的とした商品です。
しかし、様々な付加価値を付ける事で、持ち運べる小型コンピューターとして使われるようになりました。
企業事例④IKEA
IKEAは、完成された家具を売るのではなく、購入した消費者が組み立てるスタイルを生み出しました。家具を組み立てて販売していないため、倉庫で大量保管が可能になり、商品の保管コスト下げる事に成功しました。
今は、組み立てるのが当たり前の企業が多いですが、当時は、他の家具メーカーや世界に衝撃を生み出した企業です。
破壊的イノベーションをおこそう！
破壊的イノベーションは、グローバル化しつつある日本企業にとって、必要なメカニズムです。しかし、イノベーションをおこすには、企業や社員の考え方や行動を変える必要があります。
従来の持続的イノベーションだけでは、通用しなくなった経済で生き残るためにも、しっかりと意味を理解して、ビジネスに取り入れましょう。
