客単価の意味や計算方法などを知りたい!
店舗運営において、よく耳にする客単価という言葉。客単価とは、消費者がその店で1度に購入する金額をさします。売り上げ目標を設定するために客単価の計算は重要。客単価を上げることで、店の利益アップにもつながります。
本記事では、客単価の意味や計算方法、分析するメリットをまとめました。客単価を上げる方法も解説しているので、参考にしてください。
客単価とは?
客単価の言葉の意味
客単価とは、店に来店した人が1度の購入で支払う金額を意味する言葉です。例えば、300円のコーヒーと500円のサンドウィッチを注文した場合、客単価は800円となります。客単価は、経営者にとって無視できない数字で、単価のアップは売上金額に直結します。
客単価の計算方法
客単価は1人1人計算するわけではなく、全体の売り上げ金額と客数を使って計算します。一般的に、店の利用者が1度来店したときに、支払う金額の平均を指します。
1度来店したときに支払う平均金額は、店舗の売上高を客数で割って求められます。計算式は、客単価(円)=売上高(円)/客数(人)となります。
例えば、Aさんが100円の商品を1回、Bさんが100円の商品と200円の商品を購入したとします。この場合、客単価=(100+100+200)÷2という計算式になり、客単価は200円と計算できます。この時、注文数は100円2回、200円1回の計3回になりますが、来客数は2人となるため注意が必要です。
また、何度か来店し商品を購入する顧客がいる場合、顧客が2日に分けて商品を購入した場合でも、客数は1とカウントします。既存顧客のカウントを間違わないように、注意してください。
客単価の重要性
客単価は売上高を上げるために、重要な要素のひとつです。店のコンセプトや目標売り上げ高を設定する際は、まず初めに客単価を決めることが好ましいとされています。
店舗の売上は客単価×客数で決まります。そのため、売上を上げるには客単価を上げるか、来店客数を増やす必要があります。また、集客に力を入れたとしても、単価が低ければ意味がありません。そのため、売上を上げるには客単価を重視する必要があります。
継続中のビジネスの場合は整合性の管理も大切
継続中のビジネスでは、企画のコンセプトと客単価のバランスが取れているか、をしっかりと確認してください。
目玉商品の価格を抑え、抱き合わせの商品の購入を促すことで1人あたりの単価を上げる想定が、実際は抱き合わせ商品が売れず、目玉商品だけが売れてしまい単価が下がることも考えられます。継続中のビジネスの場合は整合性の管理も大切です。
客単価を分析する主なメリット
メリット①売上やLTVの最大化に繋がる
客単価をさらに分析すると、商品群の平均価格と購入数の掛け算で示すことができます。この商品群の平均価格と購入数を分析すると、商品が安すぎるのか、ただ購入数が少ないのか課題が明確にできます。この課題を分析することで、売上を上げる対策を発見できます。
また、客単価を上げること、LTVの最大化に繋がります。LTVとは、1人の顧客が一定期間に、どれほど利益をもたらしてくれるかを測ること。顧客の購入頻度を増やすことで、LTVの増加につながります。
メリット②最適なブランディングを実現することができる
客単価を分析することで、お店のブランディングが実現できるか把握できるメリットも。コスパ重視で多くの人に、たくさんのメニューを楽しんでほしいと考える飲食店は、自然と価格を抑え、購入数が多くなる傾向にあります。
このように売上だけ見ては、注文数の変化や商品当たりの単価を明確にできません。単価を分析することで、最適なブランディングを実現することが可能になります。
メリット③適切な経営が運営が可能になる
店舗の運営を行う際、店のコンセプトを決めることは重要。しかし、実際に営業をしていない店舗のコンセプトを決めるのは困難で、コンセプトを決めた後も、想定外の出来事が起こることも。
客単価を分析することで、商品が安売りに走っていないかなど測定でき、コンセプト通りに経営できているか確認できます。計画通りに店舗が経営できているか確認する手段として、客単価の分析を行いましょう。
客単価を上げる方法
データを組み合わせて顧客の購買行動を理解する
客単価を上げるには、データを組み合わせて顧客の購買行動を理解することも需要。1か月や1年といった期間を区切り、顧客の購入回数や購入商品の傾向を考えるのが一般的です。期間を区切り顧客の行動パターンを分析することで、客単価を上げる要因が見つかることもあります。
バスケット分析を活用する
バスケット分析は、客単価を高めるために用いられる方法のひとつです。バスケット分析は、どのような商品が組み合わせて購入されていることが多いのか、過去のデータから分析します。よく例として挙げられる商品が、ビールとオムツです。
バスケット分析の結果によって、ビールをオムツを同時に購入する頻度が高いという結果がでています。バスケット分析を行う際は、商品名ごとに分析するか、カテゴリごとに分析するかルールを決めておく必要があります。
商品付加価値を高める
客単価を上げる、最もシンプルな方法として商品単価を高めるという方法が挙げられます。ただ、商品の値段を上げると単価が上がるわけではないため、注意が必要です。商品の値段が上がると、消費者にとってはネガティブな印象が強くなります。
今まで購入していた商品の値段が急に上がると、購入しなくなる消費者も少なくありません。既存の消費者が減ると、客単価も下がります。
既存商品を値上げするときは、商品付加価値を高めることが重要。値段が上がった分、品質や数量を増やし、消費者に割安だと感じてもらうことが大切です。飲食店であれば、食品の産地にこだわったり、調理方法を変えて付加価値を高める方法もおすすめです。
プロモーションやスタッフ教育を実施する
客単価を上げるには、商品だけでなく店舗運営にかかわるスタッフやプロモーション教育も重要。プロモーションとは、店のターゲットを明確にすること。客単価を上げるために、ターゲットが購入後どのようなことを思うか、困りごとは何かなど先回りして提案する必要があります。
また、スタッフを教育し、接客能力を向上させることも効果的。気持ちの良い接客の店には、自然と人が集まります。接客と同様に、電話での対応も重要。接客や電話対応など、優秀なスタッフを手本とすることで、集客力アップにつながります。接客はマニュアルを作成するなどして、最低限のレベルを維持しておきましょう。
客単価の具体的な活用法
活用法①店舗のレイアウト作りなどに活用する
客単価を分析して得たデータは、店舗のレイアウト作りにも活用できます。複数店舗を経営している場合、店舗ごとに客単価が大幅に異なることもあるため、その原因を探る必要があります。もちろん、立地や店舗面積などによって客単価に差が生まれます。
しかし、条件が同じにもかかわらず、単価に大幅な差が出ている場合は、店舗のレイアウトを客単価の高い店舗に合わせるなど、いろいろな対策を実施できます。店舗面積が広い場合は、陳列方法を変えたりしても効果的。また、商品だけでなく接客サービスのレベルも、他の店舗に合わせると良いでしょう。
活用法②KPIとして活用する
客単価はKPIとして活用することも可能。KPIとは、顧客が満足しているかの指標を意味しています。客単価が高い場合は満足している、低い場合は満足度に欠けるといった、業績のよし悪しに活用できます。
活用法③初回購入率を向上させるために活用する
初めて商品を買う時、この商品に本当に価値があるのか、価値のない商品を購入して失敗したくないと感じている人も少なくありません。このような場合にも、客単価が活用できます。自社の客単価と他社の客単価を比較することで、この商品は安くて損はしないという適正な価格を設定できます。
商品の価格設定は難しく、商品によって、この商品は使用し続けられるか分からないから初回は安く買いたい、お得な定期購入プランを利用したいなど、さまざまです。既存顧客の購入パターンを分析することで、商品の適正価格が導き出せ、初回購入率の向上につながります。
客単価を上げて店舗の売上アップを目指そう!
客単価の意味や、分析するメリットについて解説しました。店舗の売上を上げるには、客単価を上げることが重要です。
客単価を上げるには、商品付加価値を高めたり、接客サービスを充実させ、顧客が何度も来店したくなる店づくりが必要となります。本記事を参考に客単価を上げて、店舗の売上アップを目指しましょう。