テレワークやリモートワーク中のハラスメント事例を知りたい!
テレワークやリモートワークの普及が進んでいますが、同時にハラスメントの問題が起きています。テレワークやリモートワークの導入を進めていく上で、ハラスメント対策が必要なのです。テレワークやリモートワークのために必要なハラスメント対策や起きる原因について解説します。
テレワークやリモートワーク中に起きるハラスメントの現状
働き方改革により「リモハラ」の被害が拡大している
テレワークやリモートワークを行う上でハラスメントが起きています。こういったテレワークやリモートワークにおけるハラスメントは「リモハラ」と呼ばれているのです。在宅勤務などにおけるテレワークやリモートワークにおいて、オンラインを介して行われるハラスメントがリモハラにあたります。
働き方改革や新型コロナウイルス対策として、テレワークやリモートワークを導入する企業が増えました。しかし、オフィスにおけるハラスメントとは違った形で、テレワークやリモートワークでリモハラが行われているのです。
上司のコミュニケーションを不快に感じている人の割合
メリットが多いテレワークやリモートワークですが、ある調査によると上司によるコミュニケーションの取り方が不快だと感じたのは約80%に達しています。
後ほどそういったハラスメントの事例も紹介しますが、テレワークやリモートワークという環境におけるコミュニケーションはよく考えて行わなければなりません。自分の行動が相手に不快感を与えていないか考えながらテレワークやリモートワークは行うようにしましょう。
自社にハラスメントがあると感じている人の割合
また、直接リモハラを受けていない人でも、自社の企業に問題があると考えている割合は多いようです。これは自社にリモハラがあると感じている人の割合が30%という調査データからも考えられる点になります。
また、この内訳では男性は約38%、女性は約23%となっていました。一般的にハラスメントと聞くと女性のほうが被害にあっているイメージがあるかもしれませんが、テレワークやリモートワークでは男性の方が嫌がらせを受けているようです。
その理由として、テレワークやリモートワークという性質上、勤務時間外の電話などを強要されていることが多くなっていました。また、場合によってはテレワークやリモートワークを導入しているのに、出社を強要されることも問題になっているので、自社の現状を再調査するようにしましょう。
管理職も部下とのコミュニケーションに不安を抱えている
このテレワークやリモートワークにおけるハラスメントでは、上司側も悩みを抱えています。業務の進捗状況が分かりにくい点や、オンラインにおけるコミュニケーションの取り方が分からないことが悩みになっているのです。
テレワークやリモートワーク中にハラスメントが起きる原因
原因①部下との距離感を見誤ってしまうため
テレワークやリモートワーク中にハラスメントが起きる原因を確認していきましょう。ハラスメントが起きる原因として、部下との距離感を見誤ってしまうことが関係しています。テレワークやリモートワークでは、仕事とプライベートの区別がつきにくいことでハラスメントが起きてしまうのです。
原因②仕事とプライベートの切り替えが難しいため
通常であればオフィス内という上司や同僚の目がある状況で仕事をしますが、テレワークやリモートワークではプライベートのような感覚に陥るのがハラスメントにつながってます。
これはいわゆるセクハラ的なハラスメントに限らず、相手の日常や家族に関することにまで関与することも該当します。隣の部屋に家族がいることを分かっているのに、怒鳴りつけたり不快になる発言を行うことはハラスメントと受け取られる可能性が高いでしょう。
原因③自宅のプライベート空間が伝わってしまうため
テレワークやリモートワークではWebカメラを使う機会も多いです。Web会議のためにカメラをつけることによって、自身のプライベート空間が相手に伝わってしまうため、そのことからハラスメントにつながることがあります。
あくまでWebカメラをつけるのは仕事上止む終えない理由であり、自分の部屋を相手に見せたくて行っていることではありません。そのことを勘違いしてテレワークやリモートワーク中に、部屋に関する質問や指摘はハラスメントに該当します。
原因④勤怠管理の難しさによって過剰な干渉や指示が増えるため
相手の状況が分かりにくいテレワークやリモートワークでは、進捗状況や業務指示のために過干渉になりやすい点が挙げられます。オフィスで部下の仕事を見ているのとは異なるため、上司としてはついテレワークやリモートワークで連絡過多や質問過多になってしまうのも原因です。
原因⑤仕事環境の変化にストレスを感じているため
慣れないテレワークやリモートワークは上司にとっても部下にとってもストレスになっています。また、その理由としてコロナ禍も関係しており、二重三重のストレス環境が存在しているのです。
そういった精神状態がテレワークやリモートワークの場でハラスメントにつながっていることも考えられます。ハラスメントを抑えるためには、上司や部下のメンタルヘルスを改善することも必要といえるでしょう。
テレワークやリモートワーク中のハラスメントが与える影響
職場の雰囲気が悪化する
テレワークやリモートワーク中のハラスメントが与える影響は甚大です。テレワークやリモートワークという本来なら働きやすい環境を与えてくれるものが、ハラスメントが原因で不快感が強いものになれば職場の雰囲気は悪化します。
こういったハラスメントに関する噂が広まると、部下はテレワークやリモートワークに対するやる気を失い、上司に対する不信感も高まります。通常のオフィス業務においてもハラスメントに対する不信感から、部下が上司との交流を控える可能性も考えられるので注意しましょう。
労働意欲が低下する
テレワークやリモートワークでハラスメントを受けた部下は、労働意欲が低下します。また、そういったハラスメント被害を知った同僚も労働意欲が低下していくのです。テレワークやリモートワークで上司との信頼関係が崩れると、企業全体の業績悪化につながることも起きかねません。
訴訟に発展するケースもある
ハラスメント行為を放置したままにすると、行った人はもちろんですが企業自体が訴えられる可能性があります。ハラスメント行為によって裁判を起こされたことがニュースなどで報じられると、企業イメージは大きくダウンするでしょう。
テレワークやリモートワーク中のハラスメント事例
ハラスメント事例①プライベートに言及する
テレワークやリモートワーク中のハラスメント事例をチェックしてください。自分ではそのつもりが無くてもハラスメント行為を行っている可能性があるからです。
ハラスメント事例として多いのが、相手のプライベートに言及することです。テレワークやリモートワークで部屋が映っている状態で、相手の服装や置いてあるものなどにしつこく質問するようなことは避けましょう。また、恋人の存在などプライベートに踏み込みすぎるのはハラスメント事案です。
ハラスメント事例②監視するような言動をとる
ハラスメント事例にあたるものとして、過度な監視行動は要注意です。上司として部下の進捗状況などが気になるとはいえ、相手を追い詰めるような監視行動は問題行為になります。
ハラスメント事例③オンライン飲み会に強く誘う
テレワークやリモートワークが普及し、オンライン飲み会のような催しも話題になりました。しかし、上司と部下のコミュニケーションとして、飲みニケーションはオンラインで行うとしてもやりすぎは問題行為です。
特にテレワークやリモートワークでは「家にいるならできるでしょ」と相手のプライベートを侵害しやすくなります。自宅にいるからと相手の予定を考えずに時間を奪う可能性もあり、上司と部下の信頼関係を損なう事例として覚えておきましょう。
ハラスメント事例④業務上必要のないやりとりを行う
自宅などで行うテレワークやリモートワークは、仕事とプライベートの境が曖昧になりやすいです。そのため、業務上とは関係のないやりとりが起きやすくなります。
部下から相談を持ちかけられて話をすることもあるでしょうが、上司から一方的に関係のないやりとりを行うのは控えましょう。また、そういった相談内容を他の人に漏らすようなことは大きな問題なので注意してください。
ハラスメント事例⑤Webカメラの常時接続を強要する
非常に危険な行為として、相手に常時Webカメラを接続するのを強要するのはNGです。テレワークやリモートワークの仕事の進捗状況を確認するなら、タスク管理ツールなどを導入すれば十分に行えます。
WebカメラはWeb会議など一部の状況以外で接続する必要はありません。ハラスメントとして訴えられる可能性が高い行為であり、先程の過度な監視につながる行為です。タスク管理ツールの「Trello」や「asana」などを活用し、Webカメラで監視するような行為は避けましょう。
テレワークやリモートワーク中のハラスメントの対策法
Webカメラにプライベートな部分が映りこまないようにする
テレワークやリモートワーク中のハラスメントは、上司も部下も双方が対策を取る必要があります。被害者にも加害者にもならないように、テレワークやリモートワーク中のハラスメント対策を行いましょう。
Webカメラを使うときは、部屋を整理してプライベートな部分が映りこまないようにしましょう。布をかけたり仕事用の部屋を用意することも重要です。映像に映っているものは気になって質問したくなるので、仕事に関係のないものは片付けておきましょう。
業務の進行状況を細かく伝える
仕事の進捗状況は相手から質問されるよりも、自分から積極的に発信していきましょう。仕事のやり方で分からない点はメールやチャットで相談し、サボらずに行っていることを感じさせることが必要になります。
また、業務中に席を離れることになった場合は、チャットのステータスを「離席中」に変更するのもおすすめです。こういったテレワークやリモートワークならではの配慮がハラスメント対策につながるので気をつけましょう。
配慮ある言動を心掛ける
配慮のある言動を心がけることでお互いの誤解を防ぐことができます。テレワークやリモートワークで相談事を行うときも、相手の誤解を生んだり、不快に感じさせたりしないようにしましょう。直接顔をあわせるのとは異なり、チャットやWebカメラだけでは誤解が生まれやすい状況です。
相手を追い込むような言い方や監視しているような発言は避けるようにしましょう。また、相談事も結論を出すような形ではなく、相手の話を聞いてあげて気分を和らげる程度の距離感にするのがおすすめです。
社内ルールの決定と明文化を行う
テレワークやリモートワークに関する社内ルールの決定と明文化を行いましょう。オフィス業務とは異なり、テレワークやリモートワークに適したルールを設定することがハラスメント対策につながります。業務中にプライベートに踏み込むようなやり取りを避けるように、注意喚起を行ってください。
ハラスメントの周知と啓発を行う
企業はハラスメントに該当する行為の周知と啓発を行ってください。企業側が具体例や事例を提示して、トラブルが起きる前に対処することが必要になります。
相談窓口を設置する
ハラスメントに対する相談窓口を設置しましょう。ハラスメントを受けた側だけでなく、行ってしまった側も相談できる環境が必要です。相談できる環境があれば、早期に問題に取り組めるので悪化を防げます。
実際に被害を受けた場合は証拠を揃える
テレワークやリモートワークでハラスメントが起きた場合、その証拠を残すことが重要です。メールやチャットであれば内容を残すかスクショを行いましょう。また、通話やWebカメラを使っている場合は録音や録画が有効です。
相談するときに証拠が残っていれば、第三者も判断がしやすくなります。一方的な訴えだけでは企業側も対応しにくいので、証拠を残すことを忘れないようにしましょう。
テレワークやリモートワーク中のハラスメントを防ごう!
テレワークやリモートワーク中のハラスメントの事例や対策法について解説しました。オフィス業務とは異なり、テレワークやリモートワークでは誤解が生まれやすくなります。相手を不快にさせることや追い込むような言動を控えるようにしましょう。
また、テレワークやリモートワークではWebカメラを使うことを想定し、部屋を片付けてプライベートに関わるものは映さないように配慮しましょう。今後もテレワークやリモートワークの導入は進んでいくことが予想されているので、企業もハラスメント対策をしっかりと行って活用していきましょう!