ソーシャルリクルーティングのメリットや始め方を知りたい!
優秀な人材をいち早く採用するために、導入されることが増えているソーシャルリクルーティング。よりポテンシャルの高い人材に企業側からアプローチできることから、近年、注目が高まっています。この記事では、ソーシャルリクルーティングを導入するメリット・デメリットや、具外的な始め方について解説します。
また、ソーシャルリクルーティングを成功させるポイントや、ソーシャルリクルーティングを導入している企業事例も紹介しますので、優秀な人材を採用するための参考にしてください。
ソーシャルリクルーティングとは?
まずここでは、ソーシャルリクルーティングの言葉の意味や目的、ダイレクトリクルーティングとの違いについて解説していきます。
ソーシャルリクルーティングの言葉の意味
ソーシャルリクルーティングとは、FacebookやTwitterといったSNSを活用した採用方法のことを言います。日本では2010年頃から、IT企業などの一部の企業でソーシャルリクルーティングが導入されていました。
近年、SNSが広く普及し、就職活動を行う20代においてはSNSの利用率はほぼ100%となっています。こうした背景から、ソーシャルリクルーティングを導入する企業が増えているのです。
ソーシャルリクルーティングの目的
ソーシャルリクルーティングは、従来の求人方法のように応募者を待つだけではなく、企業側から求めている人材にアプローチすることができます。
SNSによって双方向にコミュニケーションを重ねることが可能なため、企業側も求職者もお互いをよく知り、ミスマッチが起こりにくいという利点があります。
また、SNSを活用している、よりポテンシャルの高い人材にいち早くアプローチし、優秀な人材を採用することも大きな目的です。
ダイレクトリクルーティングとの違い
ソーシャルリクルーティングもダイレクトリクルーティングも、企業側から人材にアプローチする点は同じです。ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングの違いは、ソーシャルリクルーティングがSNSだけを活用するのに対し、ダイレクトリクルーティングは、SNSのほかにも人材バンクなども活用する点にあります。
ソーシャルリクルーティングが行われるSNSの種類
ソーシャルリクルーティングが行われるSNSにはそれぞれに特徴があります。ここでは、それぞれのSNSの特徴と、どのようなソーシャルリクルーティングに適しているのかを説明していきます。
種類①Facebook
Facebookは、アメリカ・カリフォルニア州のFacebook, Inc.が提供するSNSです。世界最大規模のユーザー数を誇り、実名制が高いという特徴があります。このため、友人や仕事関係のつながりが多いとされ、利用者は30代~40代が中心です。
ビジネスで利用されることも多いため、質が高い人材が獲得しやすい傾向があり、ソーシャルリクルーティングでも活用されることの多いSNSです。
Facebookは、ブランドのイメージを発信したり、求人情報の発信などのソーシャルリクルーティングに適しているSNSです。
種類②LinkedIn
LinkedIn(リンクトイン)とは、アメリカで開発された、ビジネスシーンに特化したSNSです。個人でも企業でも登録ができ、世界で6億人以上のユーザー数を誇り、日本国内のユーザーも200万人を超えています。
企業向けの採用機能があり、企業は採用情報を掲載できます。ユーザーは企業情報を収集したり、応募もLinkedInから行うことができます。LinkedInは実名で登録し、同僚や取引先など、ビジネス上のつながりでフォローし合うのが特徴となっています。
Facebookでは、プライベートとの使い分けが難しいと悩む人も多い中、LinkedInはビジネス利用に限定されているため、そうした悩みが解消されます。フォロー相手の投稿はタイムライン上に表示され、ダイレクトメッセージを送ることもできます。
また、LinkedInには15,000以上のラーニング講座もあり、e-ラーニング講座を受講できることも大きな特徴です。日本ではまだ知名度の低いSNSですが、優秀な人材が多く登録しており、ソーシャルリクルーティングには欠かせないSNSのひとつでしょう。
種類③ブログ
自分の意見や日記風の情報などを公開するためのwebサイトの一種です。個人サイトで利用されるほか、近年では、企業のサービスや情報を公開するためにも利用されることが増えています。
長文のテキストや画像、動画なども投稿できるため、投稿者の考え方などをよく知ることができ、コメント欄でやり取りも可能です。
一方で、投稿者が広告収入などで、ブログによって報酬を受けている場合もあります。ブログをソーシャルリクルーティングに活用する場合には、記事の内容が広告主の意に沿ったものに寄せられていないかなどに注意し、記事の内容をよく精査する必要があります。
種類④Twitter
若者を中心に人気の高いSNSで、一回に投稿できるテキストは140文字までの制限がありますが、リツイート機能により、ツイートの拡散性が高いという特性があります。
また、フォロー機能によって、知らない人とも共通の趣味などで繋がりやすいのも特徴で、企業のマーケティングに利用されることも多くあります。
一方で、匿名性が高く、間違った情報でもあっという間に拡散されてしまう場合があり、注意が必要です。ソーシャルリクルーティングでTwitter活用するには、最新の企業情報を発信する場合などに利用すると良いでしょう。
種類⑤YouTube
YouTubeは、動画投稿をメインとする動画共有サービスで、人気の高い動画投稿者は「YouTuber(ユーチューバー)」と呼ばれ、注目を集めています。
YouTuber(ユーチューバー)はいまや、子供が将来なりたい職業でも上位にランクするほどの人気があり、芸能人なども続々と参入しています。
テキストや画像に比べて、動画は非常に多くの情報を伝えることができるため、影響力の大きいSNSです。登録すれば無料で利用できるため、YouTubeを利用して動画で企業の魅力を伝えるなどして、ソーシャルリクルーティングに活用できます。
種類⑥Instagram
インスタグラムは写真の投稿に特化したSNSで、「インスタ映え」という言葉を生むなど、20~30代の、特に女性に人気のあるSNSです。
このインスタグラムをソーシャルリクルーティングに活用すれば、おしゃれなどに感度の高い、若い女性やデザイン系などの募集に有効です。
また、近年では、多くのフォロアー数がいるインフルエンサーに自社の商品のプロモーションを依頼するケースも増えています。
ソーシャルリクルーティングのメリット
ソーシャルリクルーティングを効果的に取り入れることは、企業に大きなメリットをもたらします。ここでは、ソーシャルリクルーティングのメリットを項目別に掘り下げていきます。
メリット①双方のコミュニケーションが気軽に取れる
ソーシャルリクルーティングのメリットの一つ目は、なんといっても気軽に双方向のコミュニケーションが取れることです。それぞれのSNSのメッセージ機能などを利用すれば、メールほど堅苦しくならずに、ターゲットの人材と直接コミュニケーションをとることができます。
メリット②ブランドイメージが伝えやすい
ソーシャルリクルーティングのメリットの二つ目は、企業のブランドイメージが伝えやすい事があげられます。企業の求人広告や、情報更新の少ない企業の公式ホームページでは、どうしても会社の雰囲気が伝わりづらいことがあります。
各種SNSをソーシャルリクルーティングに活用して、リアルタイムに情報を発信することで、より身近で詳しい情報を伝えることができます。
企業のブランドイメージを的確に伝えることで、入社後のお互いのミスマッチを減らして、離職率を競らすことに役立ちます。
メリット③情報分析が可能になる
ソーシャルリクルーティングのメリットの三つめは、企業側で求職者の情報分析が可能になることです。企業が求めている人材のSNS情報を集めて分析することも、SNSのソーシャルリクルーティング活用のひとつです。
履歴書や面接だけでははかることのできない人柄やスキルなども、SNSの投稿を通して見極めることができ、こうした分析もミスマッチを減らす方法のひとつです。
メリット④コストを安く抑えることができる
ソーシャルリクルーティングのメリットの四つ目は、人材の採用にかかるコストを安く抑えることができる点です。従来のように求人広告を出す求人方法は広告費がかかり、料金によって広告を出せる範囲や期限も限られていました。
しかし、ソーシャルリクルーティングでは、ほとんどのSNSがアカウント登録をすることで無料で利用することができます。広告範囲の制限もなく、SNSの種類によっては、国内に限らず世界中に情報を発信することも可能です。求職者とのやり取りも無料で行うことができ、大幅にコストを抑えることができます。
ソーシャルリクルーティングのデメリット
企業にとって多くのメリットのあるソーシャルリクルーティングも、場合によってはデメリットになってしまうことがあります。ここでは、ソーシャルリクルーティングがデメリットになってしまう場面について、詳しく説明します。
デメリット①コンテンツを作成し続ける労力が必要になる
ソーシャルリクルーティングのデメリットの一つ目は、コンテンツを作成し続けなければならないことです。常に最新の情報が投稿されるSNSでは、定期的に情報を発信し続けなければ、ほかの情報に埋もれて求職者にじょうほうが届かなくなってしまいます。
このため、常にコンテンツを作成し続ける労力がかかります。また、コメントの返信やアカウントの管理なども必要となります。
デメリット②炎上や情報漏洩の危険性がある
企業が伝えたい情報をいち早く拡散できることはSNSの大きなメリットですが、誤った情報や漏洩情報もあっという間に拡散してしまいます。また、十分に配慮した投稿をしていても、何かのはずみでいわゆる「炎上」を引き起こしてしまう場合があります。
炎上は企業イメージを損なう原因にもなってしまうので、投稿前にチェック体制を設けるなどの十分な注意が必要です。
デメリット③SNS情報が正しいか判断する必要がある
SNSの利用者の中には、都合の悪い情報は載せずに、見られたい情報だけを投稿している場合もあります。
SNSをソーシャルリクルーティングに活用する場合には、その情報がどれだけ正しいのか判断することが大切になります。
ソーシャルリクルーティングの始め方
ここからは実際にソーシャルリクルーティングを始める方法について解説していきます。ソーシャルリクルーティングを始める際の参考にしてください。
始め方①気になる人材にコンタクトを取る
ソーシャルリクルーティングによって気になる人材が見つかったら、SNSを活用してコンタクトをとりましょう。コミュニケーションを重ねながら、採用候補者の人となりを確認するとともに、企業側も自社の情報をよく知ってもらう努力が必要です。
始め方②採用候補者の選考を進める
ソーシャルリクルーティングでは、採用候補者のSNSでの振る舞いを見て、人となりをはかることも可能です。採用候補者がどのような人とつながっているかや、コミュニケーションの取り方などを見ることで、どのような人物かを確認しながら線香を進めていきます。
始め方③情報収集を行う
SNSで情報収集をしてソーシャルリクルーティングに活用するには、ハッシュタグなどを利用すると便利です。会社に関するキーワードで検索することで、自社に対する考えや反応を伺い知ることもできます。
始め方④企業の情報を積極的に発信する
ソーシャルリクルーティングでは、情報の収集だけでなく、企業の情報を発信していくことも大切です。定期的なSNSへの投稿が、より多くの人に情報を見てもらうことに繋がります。多くの人の目に触れる機会が増えれば、それだけ求める人材に接する機会を増やすことができます。
始め方⑤SNSの投稿に動画やライブ配信を組み込む
ソーシャルリクルーティングに動画の投稿やライブ配信を活用すると、テキストや画像だけとはくらべものにならないくらいの情報を届けることができます。
採用イベントや社内情報などのライブ配信などを組み込むことができれば、興味を持ってもらえる機会が各段に増えて、より幅広い人材から採用を行うことが出来るでしょう。
ソーシャルリクルーティングを成功させるポイント
ソーシャルリクルーティングの運用を行うには、いくつかの成功させるポイントがあります。ここではソーシャルリクルーティングを成功させるポイントを紹介します。
ポイント①定期更新を続ける
ソーシャルリクルーティングを成功させるポイントの一つ目は、定期更新をすることです。こまめに更新を行えば、それだけたくさんのSNSユーザーの目に触れる機会が多くなります。更新日を決めて定期的に更新することが、ソーシャルリクルーティングを成功させるポイントとなるのです。
ポイント②方向性を明確にする
自社のターゲットとする人材はどんな人材なのかをしっかりと確認したうえで、ターゲットに合わせた方向性を設定しましょう。
自社のどういった部分をアピールすれば、獲得したい人材に興味を持ってもらえるのかを考えて発信することが大切です。また、どのような距離感で返信対応を行うかなど、事前によく確認しておきましょう。
ポイント③SNSを連携させる
ソーシャルリクルーティングにSNSを活用するには、各SNSを連携させることが有効です。ターゲットとなる人材が、自社の利用しているSNSを利用していない可能性もあるため、複数のSNSを運用することがソーシャルリクルーティングの成功のカギとなります。
ポイント④SNSの投稿を分析する
ソーシャルリクルーティングを成功させるためには、投稿内容をそのままにせず、そのコンテンツにどれくらいの反応があったのかを分析しましょう。ターゲットがより反応する投稿を分析することで、情報をより広く拡散させることが大切です。
ポイント⑤SNS広告を活用する
情報を拡散させる方法のひとつとして、SNS広告を活用する方法があります。広告料金がかかりますが、性別や年齢などでターゲットを絞って、SNS上に広告を法事することができます。狙ったターゲットに絞って情報を届けられる分、短期間での成果が望めます。
ソーシャルリクルーティングの企業事例
それでは、ここからは実際にソーシャルリクルーティングを導入して、成功している企業事例を紹介します。企業によって、導入しているSNSに違いがあり、それぞれがその企業に合った方法で導入しています。
企業事例①株式会社博報堂
Facebookを利用したソーシャルリクルーティングの成功事例に、博報堂の事例があります。博報堂グループ新卒採用専用のアカウントをFacebookに開設しています。採用情報やイベント情報はもちろん、社員の紹介なども投稿されていて、社内の情報に親しみやすい雰囲気が特徴です。
企業事例②株式会社NTTドコモ
NTTドコモも、Facebookを活用したソーシャルリクルーティングの成功事例です。NTTドコモもFacebookに新卒採用専用のページを開設していて、社員や企業の魅力を伝える情報を投稿しています。
また、NTTドコモでは、Facebook限定のライブセミナーを開催することで、学生の質問にリアルタイムに回答するイベントを開催しています。
ライブで回答できなかった質問は、後日タイムラインで回答を行うなど、学生の疑問を解消するために、丁寧に対応している企業です。
企業事例③伊藤忠商事株式会社
伊藤忠商事は、広報のFacebookアカウントをソーシャルリクルーティングに活用していまる事例です。採用情報の発信のほかにも、社員紹介や社内の雰囲気が伝わるように配慮して投稿されています。
また、業務に関する動画もたくさん投稿されていて、求職者がより業務内容をつかみやすいように工夫されています。
企業事例④アイティメディア株式会社
日本でソーシャルリクルーティングを導入した先進企業と言われるのがアイティメディア株式会社です。2009年頃にはすでにTwitterによって人材の選出を行っていました。ソーシャルリクルーティングの活用により、コミュニケーションを重ねて相互理解を深め、多くのエントリーの獲得に結び付けました。
企業事例⑤株式会社講談社
講談社もソーシャルリクルーティングにTwitterを活用している企業です。採用担当のアカウントをTwitterに開設して、採用情報を発信したり、インターンの様子なども紹介しています。漫画家からの応援イラストが紹介されたり、柔らかな口調で、親しみやすい雰囲気が特徴のアカウントです。
企業事例⑥スターバックス
スターバックスは、ソーシャルリクルーティングに複数のSNSを活用している企業です。Facebookには採用ページを開設して、社員が楽しく働く様子などを投稿しています。
また、スターバックスでは、FacebookのほかにもTwitterやYouTubeなどのSNSも活用していて、ドリンクを作って提供する窓の動画なども紹介しています。こうしたSNSの投稿を通じて、実際にどのような仕事をするのか、雰囲気を味わうことができます。
ソーシャルリクルーティングを成功させよう!
ソーシャルリクルーティングとは何か、メリットや企業事例について解説しました。人口減少によって、人手不足が深刻化する中で、従来通りの採用方法では人材が集まらないという事態が起きています。
そのような状況下で、SNSの普及やコロナ禍でのリモートワークなどへの働き方の変化によって、今、ソーシャルリクルーティングの有効性が高まっています。ソーシャルリクルーティングを上手に活用することができれば、より自社にマッチした優秀な人材の獲得に役立ちます。
また、従来の人材採用には、求人広告などの多額の費用がかかりましたが、基本的に無料のSNSを活用するソーシャルリクルーティングなら、大幅にコストカットすることも可能です。ぜひ、ソーシャルリクルーティングを活用して、優秀な人材の確保に役立ててください。