ロールモデルの意味や企業効果を知りたい！
社員のレベルをアップするためには、お手本となる人物がいるのが理想的です。そんなお手本となるロールモデルについて解説します。ロールモデルの企業効果やお手本となる人物の見つけ方についてチェックしましょう。ロールモデルを設定することで得られるメリットや注意点を参考にしてください。
ロールモデルとは？
ロールモデルの言葉の意味
まずはロールモデルの意味から確認していきましょう。ロールモデルとは「お手本になる人物」のことを意味します。考え方や行動技術、行動事例などの模範となる人物のことです。普段の生活や仕事はもちろん、キャリア形成においても自己実現のためにお手本にする存在になります。
ロールモデルが注目されている背景
ロールモデルが注目されている背景には、女性の社会進出が関係しています。働き方改革の影響などもあり、様々な制度が変更されて、出産や子育てと仕事を両立しやすい社会になりました。
その中で女性がチームリーダーや要職に就く機会も増え、同時に需要もアップしています。女性が将来のキャリアを考えたときの見本になる存在が必要となり、活躍する女性のロールモデルが求められるようになりました。そのため、男性はもちろんですが女性のロールモデルを設定することが重要です。
ロールモデルは採用活動にも有効
ロールモデルが注目されている背景や意味を理解して設定していけば、採用活動にも変化があらわれます。さきほどのように女性のお手本になる人物が存在している企業は、女性の求職者にとって安心感やキャリアプランが描きやすくなるためです。
実際に採用活動を行う上でお手本となる存在が参加していれば、具体的なイメージを得られるようになります。多彩なロールモデルを設定することで、求職者にとって入社後の働き方の見本がいることは大きなメリットになるでしょう。
ロールモデル人材がいないと退職に繋がりやすい
逆にロールモデルが設定されていない場合、退職者が増える可能性があります。これは自分のお手本となる存在がいないことでキャリアが描けず、将来に不安を抱えてしまうためです。
具体的なキャリアイメージを描けない状態でトラブルが発生すると不安はより増してしまうため、特に若手社員は迷いを生むことになります。また、「なりたい自分」のお手本がいない状態では、他社にそれを求める可能性もあるでしょう。
社員に安心してキャリアを積んでもらうためにも、ロールモデルの設定は重要です。自社に退職者が多い原因として、ロールモデルの未設定が関係しているか検討してください。
ロールモデルの企業効果
企業効果①キャリアプランが立てやすくなる
ロールモデルの企業効果を確認していきましょう。ロールモデルを設定することで得られる企業効果として、キャリアプランが立てやすくなる点に注目です。自分の上司や先輩がお手本となる存在であれば、キャリアプランが立てやすくなり、具体的なイメージを描けます。
企業効果②成長の速度を高めることができる
自分の目標を早期に設定できれば、積極的な姿勢で仕事に取り組めます。そのことで成長の速度が高まり、企業にとって有能な人材に成長してくれるのです。短期的な目標から中期的なもの、最終的なゴール地点を含めて、自分を鼓舞してくれる効果も期待できるので取り入れてみてください。
企業効果③コミュニケーションの良好に繋がる
目標となるロールモデルに対して、その道程や考え方などを相談することで、コミュニケーションが良好に行えるようになります。尊敬している相手に対して積極的に関わりを持つことで接点が増え、叱咤激励してくれる存在になるでしょう。
企業効果④組織全体の活性化に繋がる
それぞれが自分の目標に向けて進むようになれば、企業全体のエネルギーも高まります。ロールモデルとなる上司や先輩とのコミュニケーションも活発になり、仕事に対して前向きに取り組めるのでしょう。そして、企業全体により良い効果が生まれて、ビジネスチャンスも広がっていきます。
企業効果⑤女性が活躍しやすい環境を作ることができる
企業の働き方改革が進み、女性の活躍の場が広がりました。ビジネスシーンでも女性がリードする機会が増え、新しいアイデアが取り入れられています。
ロールモデルが設定されることで、女性が活躍しやすい環境が整い、育児との両立や出産後のキャリア復帰が円滑に行えるようになるでしょう。このように環境が整備されることで、企業の雇用のミスマッチや採用難の問題も解決していきます。
企業効果⑥離職者の減少に役立つ
企業や社員がロールモデルの意味をしっかりと理解し、その整備を進めると離職者の減少にも役立ちます。ビジネスを行う上で、取引先からも職場環境の良さを評価してもらえるかもしれません。そういった噂が広がることで、より良い人材が自社に入社してくることも期待できます。
ロールモデルのお手本の見つけ方
ロールモデルとなる人物の特徴
ロールモデルのお手本の見つけ方について解説します。お手本となる人物の見つけ方として、理想的なのは直属の上司です。このようにロールモデルの見つけ方で重要なことは、お手本となる人物が自分に身近であればあるほど、成長効果が高くなります。
また、社内だけに限らず同業他社や取引先などから探すことも悪くありません。柔軟な見つけ方を考えて、交流を深めましょう。場合によっては歴史上の人物や芸能人などもお手本にするのも選択肢です。
ロールモデルは複数人いると良い
また、見つけ方のポイントとしてロールモデルは複数人設定しましょう。複数人いることで自分の成長段階にあわせてお手本にできるからです。分野ごとにお手本を設定することもおすすめです。研修や取引先などで新しいロールモデルを発見するような見つけ方も検討してください。
ロールモデルは人でなくても良い
お手本となる存在を考える時に、必ずしも人である必要はありません。自分の仕事やキャリアの手本となる存在であれば良いので、お店や会社をロールモデルに設定することもおすすめです。企業が大きくなるまでの経緯や成功するまでのプロセスを参考にしてみましょう。
お手本の見つけ方①身近な上司や先輩から見つける
お手本の見つけ方として、上司や先輩は設定しやすい存在です。仕事だけでなく、日常的な部分でも学べることが多く、刺激を受けやすい存在といえるでしょう。また、他部署などから選ぶことも問題ありません。
お手本の見つけ方②接点がある外部の人物から見つける
取引先や同業他社など、接点がある外部の人を選択することもおすすめです。ビジネスの場では様々な人と交流する機会があるので、自分の可能性を広げるチャンスと考えてお手本を探してみましょう。
お手本の見つけ方③有名人や歴史上の人物から見つける
さきほど紹介したように、身近な存在や実際に存在していない人物でも問題ありません。歴史上の人物だけでなく、ドラマや漫画、アニメなどからロールモデルを設定するのも選択肢です。その時の注意点として、あまり壮大すぎるものに設定すると、実現性が薄れるので気をつけてください。
ロールモデルに求められる要件
要件①新入社員の場合
- 相手が言いたいことを性格に聞き取り、自分の中で解釈できる聴く能力
- 自分の意思を的確に伝え、相手の理解を促進できる資料などを作成できる
- 計画を設定して、その予定通りの成果を挙げられる
- 会議収集の段取りや議事録を作成し、先輩の仕事をサポートできる
- 自己成長のチャンスを探して、積極的に仕事を引き受ける姿勢
新入社員に求められるロールモデルの要件は、先輩社員や上司から出される指示を的確に理解する能力です。主体的に仕事に取り組めるような、身近な若手社員から探す見つけ方が良いでしょう。
要件②中堅社員の場合
- 相手の意図を明確に読み取り、ペースを崩さないコミュニケーションが取れる
- 相手に理解できる用語を使用し、推進案を提案できる伝達力
- 作業の重要度や所要時間を把握し、効率的に取り組める
- 会議や面談などの事前調整や仕切りができ、議事録を作成できる
- 自主的に学び、自分がベテランになる上で必要なことを考えられる
中堅社員の場合は、自分の仕事をこなすだけでなく、部下や後輩に指示を出せる人物がお手本になります。また、上司と若手社員の間を取り持つ存在として、伝達力が重要です。
他の社員や他部門との協力が必要であり、横の連携を取れる人材が参考になるでしょう。ビジネスの重要なプロジェクトや会議のスケジュール調整も行うため、そういったことがこなせるロールモデルを選んでください。
要件③ベテラン社員の場合
- どんな相手の意見でも傾聴でき、相手の真意を引き出すためのサポートができる
- 議論に参加できなかった相手に対して、現状や改善目標などを端的に説明できる
- 新入社員や中堅社員時代に経験を積み、十分な能力がある
- 事前準備を行い、会議が円滑に行えるようにサポートできる
- チーム全体のコミュニケーションを円滑にし、作業効率を高められる
ベテラン社員の場合は、チームや組織全体のパフォーマンスを引き出すことが求められます。また、社内だけでなく社外との交渉力も重要です。柔軟でみんなから尊敬されるような人物をロールモデルにしましょう。
ロールモデルを活用する時の注意点
注意点①個性が薄れてしまう
ロールモデルを活用するときの注意点を解説します。まず注意したいのが、目標としてる人物に近づこうとするあまり、その人のコピーとなってしまう点です。
現代のビジネスでは、他者との差別化が重要であり、あまり模倣しすぎると個性が薄れてしまいます。特にカリスマ的な存在が社内にいると、みんながそれをマネてしまって、均一化された社員ばかりになることがあるのです。
注意点②時代に合った設定が必要となる
お手本とする人物が現代社会とマッチしているか検討しましょう。歴史上の偉人をモデルにした場合、現代とは大きく状況が異なります。実現するためのプロセスが異なり、思ったような成果につながらない可能性があるのです。
お手本をそのままマネするのではなく、時代に合った設定に調整していきましょう。そのためにも、できるだけモデルを設定するときは身近な人物であることが理想的です。
注意点③自分だけのロールモデルを創り出す必要がある
こういった注意点を踏まえて、ロールモデルを設定する場合は自分だけの新たなモデルを創り出すようにしましょう。個性を保ちながら、時代に合った設定にしていく中で、自然と自分だけのモデルが完成していきます。
現在の状況や環境、その後の変化など様々な部分でモデル通りとはいかない部分が出てきます。そういったタイミングでは修正を行いながら、複数のお手本を参考にキャリアプランを形成していきましょう。
もし、大きな変化が起きたときは現在までのモデルにプラスして、新しいモデルを追加することもおすすめです。複数の選択肢を用意できると、環境の変化に臨機応変に対応できます。
注意点④ロールモデルを増やすには経営層の意思決定が必須
ロールモデルを増やすためには、経営層の意思決定が必須です。現場だけの取り組みでは一時的なものになりやすく、経営層が積極的にサポートすることが必要になります。
企業がどのような方向で進めていくかを示すことで、従業員もロールモデルの意味や目的を理解しやすくなるでしょう。特に女性のモデルを形成するためには、実際に管理職やチームリーダーとして活躍している状況が必要です。
そういった環境作りをするためには、経営層の意思決定が必要不可欠なので、明確な方向性を定めて行きましょう。また、モデルとなる人物を育成して支援する制度も必要になります。
いきなりロールモデルの制度を導入するのではなく、自社がこの仕組を運用できる状態か確認しましょう。その上で準備が整ったら、積極的に社員に活用を促していくのがおすすめです。
ロールモデルはビジネスパーソンに欠かせない手法！
自身のお手本となるロールモデルを設定し、キャリアプランを形成する方法について解説しました。女性の社会進出が影響し、社員の安心感や離職率低下のために導入が進んでいます。自分の理想となる人物を見つけ、自分らしさを大切にしながらキャリアプランを形成していきましょう！
