ポータブルスキルとは?身につける方法やテクニカルスキルとの違いも!

ポータブルスキルとは?身につける方法やテクニカルスキルとの違いも!

ポータブルスキルを身につける方法を知りたい!

経験や資格だけでは図れない、人柄や性格などの能力の評価基準であるポータブルスキル。今、このポータブルスキルが注目を集め、採用活動や人事考課で取り入れられたり、研修を設ける企業も増えています。この記事では、アフターコロナの時代に身に付けておきたいポータブルスキルについて、詳しく解説します。

ポータブルスキルとは?

昨今注目を集めるポータブルスキルとはいったい何なのでしょうか。ここでは、ポータブルスキルの言葉の意味や、なぜポータブルスキルが必要なのか、テクニカルスキルなどとの意味の違いについて解説します。

ポータブルスキルの言葉の意味

近年、よく耳にするポータブルスキルとは、どんな意味なのでしょうか。厚生労働省はポータブルスキルについて、「業種や職種が変わっても通用する『持ち運び可能な能力』」と定義しています。特定の業種や職種にとらわれない、その人の人柄や性格などの評価を意味し、資格などのように明確な基準はありません。

ポータブルスキルが必要とされる理由

かつては終身雇用が一般的であり、企業の育成計画にのっとったテクニカルスキルを身に付けることが重要でした。しかし、近年の社会情勢や新型コロナウイルスの流行によるダメージで、突然の配置転換や転職を余儀なくされるケースも増えています。

このような状況下で、ポータブルスキルを身に付けていれば、業種や職種にとらわれずに活用することができます。また、企業側でも、急な配置転換にも柔軟に対応できる、ポータブルスキルを持った人材の必要性が高まっています。

スタンススキルとの違い

スタンススキルとは、「物事に対峙するその人の立ち位置」や「仕事に取り組む姿勢」などを言います。ポータブルスキルのベースとなり、長期的なキャリアを考える上で重要なスキルです。「何ができるか」ではなく、「どのように取り組むか」を表わし、モチベーションを指す場合もあります。

テクニカルスキルとの違い

テクニカルスキルとは、特定の業種や職種で必要とされる能力や資格のことを言います。専門性が高い仕事に求められ、テクニカルスキルを有していれば、同業種の就職や転職の際に大きな強みとなります。

しかし一方で、テクニカルスキルが活用できる場面は限定的であるため、これに対して、業種や職種が変わっても活用することができるポータブルスキルが注目を集めているのです。

アンポータブルスキルとの違い

アンポータブルスキルとは、持ち運びができないスキルのことを言います。特定の職種のみで活用できる専門知識などががこれに当たります。

職務を果たす上で、アンポータブルスキルを身に付けることは不可欠です。しかし、近年の先行き不透明な社会情勢の中で、転職をしない場合でも、急な配置転換が起きるケースも増えています。そうした配置転換などの場合でも、ポータブルスキルを有していれば、幅広く柔軟に対応することができるでしょう。

ポータブルスキルの主なメリット

メリット①採用力の向上に繋がる

以前は採用に際して、専門知識や技術を重視する傾向がありました。しかし、例え知識や経験が豊富であっても、自社での活躍に繋がらないケースもありました。

その一方で、ポータブルスキルを有する人材は、専門知識が不足していても、入社後の成長や活躍が期待できます。ポータブルスキルに着目することは、ミスマッチや離職を防ぎ、採用力の精度の向上につながるのです。

メリット②人材の最適配置に役立つ

ポータブルスキルは、「業種や職種が変わっても通用する能力」であり、業績にプラスして評価することで、的確に個人の能力を把握できます。専門技術のほかに、ポータブルスキルも評価に加えることで、人材の持つ能力を最適な場所に配置することに役立てられます。

メリット③効率的な人材育成や能力開発ができる

個々のポータブルスキルを把握することによって、その人その人に合わせた育成計画を立てることができ、効率的な人材育成や能力開発につながります。また、個々がポータブルスキルを身に付けて柔軟な視点を備えることにより、業務の効率化やさらなる能力の向上へとつながることが考えられます。

ポータブルスキルの構成要素

構成要素①思考力

思考力はあらゆるスキルの土台となる能力です。思考力を身に付けておくことで他のスキルも効率的に得られると言われています。世の中にあふれるたくさんの情報の中から必要な情報を見極め、どう活かすのでしょうか?

日々生まれる疑問に対して、どのような考え方で解決方法を導き出すのか。常時から思考力を鍛えることで、適切な判断力や決断力も身に付けることができます。ポータブルスキルを身に付けるには、まずは思考力を磨いていくと、効率的に身に付けることができるでしょう。

構成要素②対課題スキル

対課題スキルとは、その名の通り課題を解決する能力のことです。仕事を進めていくうえでは、さまざまな問題を解決することが求められる場面が多くあります。

そうした中で問題に対処し、解決に導く能力は大変重要視されるスキルです。「課題を解決すること」こそが、企業の存在価値であり、対課題スキルはどのような職種でも必要とされるスキルです。

構成要素③対人スキル

対人スキルとは、コミュニケーション能力や、他社との関係を築く能力などを言います。複雑な仕事を調整したり、雑多なタスクに対応するために重要なスキルです。対人スキルの高い人材は、円滑なコミュニケーションで効率的に仕事を進めていくことができるため、企業からも高く評価されます。

ポータブルスキルを身につける方法

経験や資格ではないポータブルスキルを、どのように身に付ければよいのか。ここからはポータブルスキルを身に付ける方法を紹介していきます。

計画を立ててから仕事に取り組む

ポータブルスキルを身に付けるためには、計画を立ててから仕事に取り組むことが重要です。まず、仕事の全体像をつかみ、そこから優先順位をつけて計画を組み立てていくことで、ポータブルスキルの土台の思考力を高めることができます。

また、その都度、進捗状況や顧客のニーズに合わせて計画を見直し、柔軟に対応できるよう取り組んでいくことなどが、ポータブルスキルを磨くことにつながっていきます。

人事評価を活用して部下を育成していく

ポータブルスキルの要素の中には、その人が持つ能力だけではなく、マネジメントスキルも含まれています。このマネジメントスキルを磨くためには、人事評価を活用して有益なフィードバックを行い、部下の最適な育成につなげていくという方法があります。

日常生活の中でも課題を見つける

日々の生活の中で、課題や疑問を見つけることは、ポータブルスキルの土台である思考力を高めるために役立ちます。日常生活の中で課題を見つけ、原因を洗い出し、解決を導く作業を繰り返すことで、自然と思考力を身に付けることができるのです。

ポータブルスキルの研修事例

ここまでポータブルスキルについて、その意味やメリット、身に付ける方法について解説してきました。しかし、ポータブルスキルを独学で習得するには限界があります。ここからは、ポータブルスキルを実践して学べる研修事例を紹介しますので、興味のある方は参考にしてください。

研修事例①株式会社インソース

株式会社インソースは、東証一部上場の社会人教育・コンサルティング企業で、新入社員から中堅・管理職までの社員研修などのサービスを提供している企業です。テーマ別研修や階層別研修など、様々なテーマのラインナップがあり、すべてオンライン研修に対応しています。

研修事例②株式会社リクルートマネジメントソリューションズ

株式会社リクルートマネジメントソリューションズが提供する公開型社員研修サービス「リクルートマネジメントスクール」は、異業種交流型の研修サービスです。1~3日コースや3時間コース、オンラインコースなど、多彩なラインナップがあり、必要なポイントを手軽に受講できます。

研修事例③厚生労働省

厚生労働省のホームページに、平成26年度に実施された「“ポータブルスキル”活用研修」の参加者用テキストやロールプレイング動画がアップされています。また、社内研修などで活用するための講義者用テキストやすライトなども用意されているため、これらを活用して社内研修を行うこともできます。

ポータブルスキルを身につけよう!

急速なテクノロジーの変化や、新型コロナウイルスの流行による影響など、先行きの予測が困難な時代にポータブルスキルは必要不可欠なスキルとなっています。

この先に訪れる不透明なアフターコロナを生き抜くためにも、ぜひ、ポータブルスキルを磨いて柔軟な対応力を身に付け、さらなる飛躍に役立ててください!

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