KJ法のやり方を伝授!具体例やメリット・デメリットも解説!

KJ法のやり方を伝授!具体例やメリット・デメリットも解説!

KJ法のやり方をマスターしたい!

新しいアイデアを生み出したり、問題を解決するための方法として、思いついた発想を整理して言語化していくまとめ方がKJ法です。

KJ法の具体的なやり方は、紙に思いついたことを書いていき、それをグループ化して系列ごとに分類して整理、分析し、図解などを用いてまとめ上げていきます。KJ法のやり方をマスターして、アイデアや情報を効率よく課題解決へ結び付けていきましょう。

KJ法とは?

全体を俯瞰して整理整頓する技法のこと

具体的な事実から原則を引き出し、類似情報を集めて新しい分類を作る帰納法の1つがKJ法です。KJ法では紙やカードに思いつくまま自由に書き出した様々なアイデアを広い視野で把握して整理整頓をしていき、書き出されたアイデアを図解・文章化するまとめ方で情報共有します。

KJ法を用いることによって、分類したデータからその裏にあるロジカルな視点でのまとめ方で新しい発想を発見することができます。KJ法によって、物事の本質を知り、問題に対して様々な見解を得ることが、問題解決への糸口となるでしょう。

KJ法の由来

KJ法は元東京工業大学名誉教授で日本を代表する文化人類学者の川喜田二郎氏の発想法が元になっています。川喜田氏は長年野外研究を続けていくなかで、膨大な学術データをの啓発的なまとめ方として考案した際に編み出された独創的な技法でした。

その過程で本質的な問題の特定や新しいアイデアが生まれることに気付いて文献にまとめられたのが「発想法」です。川喜田氏は企業や大学にその発想法を直接指導して積極的に普及活動をしました。

普及した発想法はその考案者である川喜田氏のイニシャルをとって「KJ法」と名付けられました。KJ法は現在、学校や企業のワークショップで活用されています。

KJ法の主なメリット

メリット①アイデアを可視化することができる

KJ法では紙やカードに頭に浮かんだ発想を書き出していくので、メリットとしてアイデアを可視化することができます。目に見える形で残された様々なアイデアは、記憶に残るでしょう。

書いた紙は並べ替えや整理が自由にできます。また可視化するまとめ方により、参加者全員でアイデアを正しく共有することができ、解決策を見出していくことができるでしょう。

メリット②倫理的に結論を導き出すことができる

KJ法のメリットとして、物事を筋道を立てて考えるロジカルシンキングが可能なことがあります。多くの情報を書きだし、整理整頓するまとめ方により、倫理的に結論を導き出すことができます。

ロジカルシンキングは、自分のアイデアを参加者に分かりやすく伝えることができるメリットがあります。そこから、課題の解決策を見つけることができ、新しいアイデアを創出することが可能でしょう。

メリット③課題や問題点が抽出できる

KJ法には課題や問題点を抽出できるメリットがあります。個人個人が紙やカードに発想を書き出していくことにより少数意見の抽出が可能です。そこから、幅広い視野でアイデアを分析し、それらを要素別に分類し、整理することで偏りのない考えを得ることができます。

KJ法による様々な角度からのアイデアを表面化するまとめ方で、より多くの視点から課題や問題点を話し合うことができ、課題解決へと結びつけることができるでしょう。

KJ法の主なデメリット

デメリット①アイデアが参加者に依存しやすい

多くのアイデアを導くメリットがあるKJ法ですが、そのアイデアが参加者に依存しているため、その集団の特性によって参加する人達の考え方が偏っていると、引き出される意見が偏ってしまうデメリットがあります。

そのため、KJ法を実施するメンバー構成を考えるときにできるだけマイノリティの発言者を含むようにし、様々な価値観での意見が出されるようなメンバーでKJ法を活用します。そして、柔軟な発想でのアイデアが多角的な視点で分析されることにより、KJ法は活かされるでしょう。

また、メンバー間のパワーバランスを適切に調整することも大切です。全てのメンバーがアイデアを自由に出し合えるような環境のもとでKJ法を実施することが、KJ法のデメリットを解消するために好ましいでしょう。

デメリット②手間がかかる

KJ法のデメリットとして多くの人が挙げるのが、手間がかかることです。まず様々な視点でアイデアを出し合える参加者を集めることは、想像以上に難しいでしょう。KJ法を活かすためには、より多くのアイデアを集めることが必須ですが、そのためには多くの参加者を集めることが大切です。

そして集められた参加者にアイデアを書いてもらう紙やカードを用意し、それらを分析・整理し、グループ化してまとめることは、手間と労力を要します。特に大人数になるとかなりの時間を費やすことになります。

また最近のIT化やリモートワークの普及で、KJ法のように人が集まって紙と筆記用具をにアイデアを書くという環境が整いにくくなっているので、最近はKJ法をパソコンで行える無料ソフトやツールが開発されています。

KJ法のやり方の具体例

KJ法に必要なもの

KJ法を実施するためには、まず書くための紙やカード、筆記用具が必要です。紙はできれば付箋が望ましいでしょう。また、可能であればカードの色を3~4色用意しておくと後から意見をまとめやすくなります。ポストイットであれば、5色で1つのセットがあるので、これを使うと便利です。

また、アイデアを書きこむペンも何色か用意しておき、重要な部分を色分けしておくと、書き込んだ内容がわかりやすくなります。

KJ法のやり方の具体例①カードを作る

KJ法のやり方としてはまず、テーマを決めて参加者に伝え、テーマに関連のあることを思いつくままにアイデアを付箋やカードに書き出していき、たくさんのラベルを作ります。アイデアは脳内で発想したものだけでなく、インターネットで調べた情報でも可能です。

注意点として、1枚のカードに1つの事柄を書き出すようにしましょう。また書き出す内容は、抽象的で長い文章ではなく、具体的で簡潔な文章にした方が、他の参加者に伝えやすくなります。

ブレインストーミングのやり方

参加者がアイデアを出し合うブレインストーミングをKJ法と合わせて使うとより効果的です。ブレインストーミングはとにかくアイデアを多く出し合うことが重要でしょう。

そのため、1つの意見にこだわったり、他人の意見を批判したりしないように注意が必要です。ただ、他人の意見に付け足しをするのは、その後の意見をまとめるときに有効的でしょう。

KJ法のやり方の具体例②カードを整頓する

KJ法ではアイデアを書き出した付箋やカードを整理していく必要があります。そのためにはまず、カードを机などに無造作に広げていくのですが、その際広げられたカードにどのようなアイデアが書き出されているかを眺めて全体像を掴んでおくと、その後の整理整頓がしやすくなるでしょう。

次に、似た内容のアイデアのカードを集めて、小さなグループを作っていきます。このとき、どのグループにも属さないアイデアもあるので、そのカードはグループから外しておきましょう。

グループ化したカードの束には共通点を見出しとして表札を付けます。表札は違う色の付箋やカードにすると分かりやすいです。その表札をみて、また似たような内容のものは中グループとしてまとめていき、可能であればさらに大グループに整頓していきます。

KJ法のやり方の具体例③グループの図解を行う

次に整理整頓したカードの束をグループごとに並べます。表札の内容を軸に関連性のある束ごとに並べ替える空間配置を行いますが、その時、→や=を使ったり、線で囲んだりして関係を図解化して表現すると全体像が把握しやすくなるでしょう。

この空間配置を大グループ、中グループ、小グループの順に細かくしていき、倫理的に整除していきます。

KJ法のやり方の具体例④文章化してアイデアをまとめる

KJ法の実施で最後に大切な作業が、図解化したアイデアの相関性を言葉にして文章としてまとめることです。文章化することで、参加者以外の人にもアイデアの共有がしやすくなり、議論を深めて課題の解決へ繋げることができるでしょう。

KJ法でアイデアをまとめよう!

KJ法は、多くの参加者がアイデアを出し合うため、自分では気づかないような広い視野で新しいアイデアを得たり、課題の本質を多角的な視点で見つけることができる技法です。そのため現在、KJ法は多くの会社や学校のワークショップに活用されています。

KJ法を正しいやり方で活用することは、斬新的なアイデアや革新的な発想を生み出すことができ、課題解決の糸口となるでしょう。

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