リーダーの役割や求められる能力とは?マネージャーとの違いは?

リーダーの役割や求められる能力とは?マネージャーとの違いは?
目次

リーダーの役割や必要なスキルを解説!

仕事でプロジェクトなどに入ると、よく耳にするリーダーという言葉。リーダーは部下の手本になり、チームやプロジェクトを引っ張る必要があります。本記事では、リーダーの意味や役割、求められる能力について解説します。リーダーシップ論やリーダーシップ研修が注目される背景もまとめているので、参考にしてください。

リーダーの意味と役割

リーダーの言葉の意味

リーダーとは、部下を引っ張るチームやプロジェクトの代表を意味します。リーダーは、部下から信頼され、プロジェクトやチームをまとめ、与えられた仕事を遂行する必要があります。

また、チームのトップに選任された場合、自ら率先して業務を行い、問題解決をする必要があるため、自ら行動を起こす力が必要とされます。

リーダーとマネージャーとの違い

リーダーと同じ意味で使用される、マネージャーという言葉。この2つの言葉は、少し意味が異なります。マネージャーは、プロジェクトの責任者や統括役として迎えられることが多く、プロジェクトやチームの方向性を決める役割があります。また、マネージャーはチームの仲間や部下を育成する力も求められます。

また、マネージャーは部下のスキルや能力をしっかりと把握し、それぞれのスキルをしっかりと理解したうえで、部下を適材適所に配置しなければなりません。マネージャーは、部下やメンバーのお手本になるだけでなく、スキルの把握など、さらに高い能力が必要です。

リーダーとボスとの違い

ボスは支配者という意味でも使用されます。支配者の意味を持つボスは、部下に恐怖感を与え、部下を従わそうとします。一方、リーダーは、部下のやる気を引き出しながら成長させ、業務を遂行させる意味で使われることが多いです。

また、ミスをしたときも、この2つの対応は異なります。ボスは、部下がミスした時は大きな罰を与えることが多いです。リーダーは、部下がミスしてしまった場合は今後のフォローを行い、的確に指導します。

役割①部下たちのお手本になる

部下のお手本になることも、役割のひとつとして挙げられます。部下のお手本になるためには、部下から慕われる人間になる必要があります。部下がこんな人になりたいという憧れの存在になることで、自然と部下のお手本になります。

当たり前のことですが仕事に真摯に取り組み、率先してチームの問題解決をするなど、積極的に行動しましょう。部下は、率先して仕事をしているチームのトップを見ることで、自然と積極的に仕事を行えるようになります。

役割②チームや組織を正しい方向へ導く

チームや組織を正しい方向へ導くことも、役割のひとつ。会社のプロジェクトやチームは、何かの目標に向かって仕事を行うことがほとんど。

まずは、部下に小さな目標を設定し、1つ1つクリアできるように指導する必要があります。小さな目標をクリアしていくことで、本来の大きな目標達成にもつながります。

目標達成することで、チーム全体の評価にもなります。部下に自分が目標を達成し、チームに貢献できたと感じさせることで、大きく成長できます。チームが進むべき正しい方向に導き、目標達成に向けた行動をとらせましょう。

役割③労働環境を整える

部下の仕事へのモチベーションをアップさせるために、労働環境を整えることは重要。病気なのに休めない、事前の休暇申請も通らないといった環境では、部下はついてきません。チームのトップは、部下に定期的に休暇を促したり、体調を気遣う必要があります。

役割④周囲を鼓舞して士気を高める

仕事をしていると問題が発生し、うまくいかないことはよくあること。このような時には、積極的に問題解決をし、仕事を円滑に進める必要があります

このような時に、リーダーが暗い顔をしていては部下も不安になります。積極的に周囲に声掛けをし、部下が目標に向かって頑張れるようにしましょう。

役割⑤価値観や業務の意義をしっかりと共有する

部下と価値観や業務の意義をしっかり共有することも、リーダーの役割のひとつ。リーダーだけが業務の重要性や価値観を理解していては意味がありません。リーダーは、部下に業務の重要性をしっかりと伝える必要があります。

部下と情報の共有をしっかり行うためには、部下とこまめにコミュニケーションを取ることが重要。業務中の作業は、なぜ重要かなど部下と話し合いましょう。

リーダーに求められる能力

コミュニケーション能力

プロジェクトの目標や業務に意義をしっかりと伝えなけらば、部下は何をすれば良いか分からず途方に暮れることも。このときに必要な能力が、コミュニケーション能力。コミュニケーション能力が低いリーダーは、部下にプロジェクトの意義や目標を明確に伝えられません

チームのトップは話しかけずらいイメージがありますが、気軽に話かけられる雰囲気づくりも大切。部下が気軽に話かけられ、業務に関する相談を行える環境もつくりましょう。

直感で見抜いて素早く判断する能力

直感で見抜いて素早く判断する洞察力も必要。プロジェクトの成功や、会社を大きく成長させるためには、行っている業務が正しい方向に向かっているか見極める必要があります。

間違った方向に進んでいる場合、すぐに軌道修正しなければなりません。軌道修正も直感で行う必要がある場合もあります。リーダーは、経験を積み洞察力を身に付けてください。

チームをまとめる能力

リーダーには、チームをまとめる能力が求められます。リーダーは、チーム全体をまとめて目標に向かって進んでいく必要があります。リーダーシップをとり、部下を引っ張り、業務を遂行できるように導きましょう

瞬時にジャッジできる決断力

プロジェクトや業務を進めていると、大きな問題が発生し決断しなければならないことも。このとき、決断を迫られるのが会社やチームのトップ。正しい判断であるか瞬時にジャッチするためにも、日頃から決断力を培うことが重要です。

古くから付き合いのある取引先とのトラブルであっても、情に流されることなく、常に正しい判断を下すことが求められます

率先してアクションを起こす能力

部下に指示ばかりして自分は動かない、考えるばかりで行動しない人に、部下はついてきません。そのため、率先してアクションを起こす能力が求められます。

チームを引っ張るトップは、考えたことを真っ先に行動で示しましょう。万が一、トラブルが発生した場合も、自分が解決するという意気込みで仕事に取り組んでください。

業務を遂行する能力

プロジェクトは、メンバーが体調不良になり欠員が出た場合でも、納期や期日に合わせて仕事を完了させる必要があります。人数が足りなくなっても、期日までに仕事ができるように、業務を遂行する必要があります。

また、メンバーが足りずに業務が遂行できない場合、すぐに欠員補充を行います。リーダーは、自ら人事に働きかけメンバーを補填してもらえるように交渉します。このように、納期までに業務を完了させることも、求められる能力のひとつとなります。

チーム全体の責任を一身に背負う能力

業務を行うにあたって、チーム内で発生したトラブルの責任を一身に背負う必要があります。部下が失敗した場合も、すべての責任を部下に押し付けてはいけません。部下が失敗を恐れずに仕事を行う環境を作る必要があります。

失敗しても良いから、思いっきり業務に取り組もうというリームの雰囲気をつくることで、部下は安心して仕事できます。このような環境を整えることは難しく、リーダーのスキルが求められます。

周囲から人望を集めることができる能力

周囲からの人望を集めることができるかどうかも、リーダーに求められる能力のひとつ。歴代の有名なリーダーは、部下や民衆の心をつかむのかが上手く、影響力のある人がほとんど。リーダーとしての素質がある人は、人をひきつける魅力があります。

部下のことをよく考え、仕事に取り組みましょう。このように部下のことを考えて行動することで、部下もこの人のために行動しようという気持ちになります。このように、チーム内でしっかりと信頼関係を築きましょう。

部下や新しいリーダーを発掘する能力

常に次のリーダー候補を探しながら仕事を行います。リーダー候補を見つけないまま、自分が異動してしまった場合、チーム内に混乱が起こり、業務が滞ってしまうことも。このような状況は、会社や部下にとって不利益になります。

このような状況を未然に防ぐためにも、次のリーダー候補を探すことが大切。第2のリーダーを育成しながら、業務を行いましょう。

向上心を持って自分を高め続ける能力

常に勉強し新しい知識を得る必要があります。新しく得た知識を部下にアウトプットし、状況を共有します。リーダーは、現状のままで満足せず、向上心を持って自分を高め続けてください。現在の仕事や業務に関係のある知識から、得られるように心掛けてましょう

リーダーシップ論の種類

リーダーシップ論とは、会社が目標達成までのプロセスに焦点をあて、リーダーがどのようにして成功したのか、成功のポイントを導くことを目指す理論のこと。次は、リーダーシップ論の種類を紹介します。

SL理論

SL理論もリーダーシップ論の種類のひとつ。このリーダーシップ論のひとつでもあるSL理論は、1977年にハーシィとブランチャードによって、提唱されました。 SL理論は、シチュエーション・リーダーシップ論の略称で、会社やプロジェクトの部下に合わせて、リーダーが行動を変える理論を指します。

マネジリアル・グリッド論

マネジリアル・グリッド論もリーダーシップ論のひとつ。 マネジリアル・グリッド論は、人間に関する関心や業務に対する関心を9段階に分けて、指向性をもとにリーダーシップをとっていくことを重要としています。

マネジリアル・グリッド論で分析を行うことで、どのようなリーダーシップの取り方が適しているか把握できます

マネジメント・システム論

マネジメント・システム論とは、現場監督を対象に実施された研究によって誕生した、リーダーシップ論のひとつ。組織の業績とメンバーのモチベーションとの関連性を研究したものです。

PM理論

PM理論とは、チームのトップがとるべき行動に着目したリーダーシップ論。PM理論は、パフォーマンスを重視するか、集団維持機能を重視するかという、2つの軸で定義します。

パフォーマンスは、成果を上げるために発揮するリーダーシップのこと、集団維持機能は会社という集団をまとめるために発揮するリーダーシップを指します。このように、2つの項目の強さによって、リーダーシップ像を分類します。

例えば、パフォーマンスが弱く、集団維持機能が高い場合、チームワークが保たれやすが、目標達成能力に不安があることとなり、しっかりと計画や戦略を立てて、業務を遂行する力が求められます

コンセプト理論

コンセプト理論とは、会社によって異なるリーダーシップ論を具体的なパターンに落とし込んだ考え方のひとつ。冷静に判断し、カリスマ性を持って行動するという考え方は、カリスマ方リーダーシップ論。 経営危機から大幅な革命で回復させる場合に発揮する力が、変革的リーダーシップ論。

このように、会社の状況によりリーダーシップ論のパターンを研究しています。リーダーシップを発揮したい場合は、会社の状況をそれぞれのパターンに当てはめて、何が最適化を検討しても良いでしょう。

リーダーシップ研修が注目されている背景

リーダーシップ研修とは、リーダーとしての力を発揮してほしい人に受けてもらう教育のひとつ。リーダーは業務を滞りなく遂行するだけでなく、部下を育てる必要や問題が起こったときに迅速に対策する力が求められます。

このように、さまざまな場面で最大の力を発揮してもらうために研修を受けます。次は、リーダーシップ研修が注目されている背景を詳しく解説します。

インターネットによる急速な環境変化

インターネットによる急速な環境変化により、リーダーシップ論が注目されるようになりました。インターネットの普及に伴い、ダイバーシティ経営も浸透しています。このような大きな変化は会社に影響を与えることが多く、この変化に上手く対応することで、会社の強みが見えてきます

このような変化に対応し、会社を未来へ導いていくのは、会社に勤める社員です。世の中の流れに対応していくためにも、しっかりとリーダーシップをとれるリーダーを選任することが大切。

研修を受け、さまざまなスキルを身に付けたチームを引っ張るリーダーは、会社にとって必要不可欠な存在となります。

成果主義を掲げる企業の増加

少し前までは、年功序列が当たり前で、長年会社に勤めている人はリーダーに選ばれることがほとんど。しかし、最近では多くの人が成果主義を掲げる企業も増えています。

本当に優秀な人材をリーダーにし、チームや会社を引っ張ることで会社は大きな利益を得られます。能力のある人をさらに成長させるためにも、リーダーシップ研修が注目されています。

労働人口の減少と人材不足の深刻化

労働人口の減少は、企業にとって深刻な問題のひとつ。なかなか労働人口を集めることが難しいため、企業は少ない人数で会社の利益を高めていく必要があります

この労働人口の減少によって、リーダーシップ研修は注目されるようになりました。少ない人口で会社を成長させるためには、優秀な人材育成は必要不可欠。

研修を導入して、会社を引っ張れるリーダー的存在を育てていく必要があります。また、リーダーが力を発揮できるように、周囲の環境整備も重要です。

VUCAに対応できる組織作りが求められている

VUCAは、将来の見通しが立たない状況を意味する言葉。会社は、見通しが立たないことを意味するVUCAに対応できる組織作りが求められます。このような状況でも、柔軟に対応するためには、決断力を持ったリーダーを育成する必要があります

研修を取り入れることで、あらゆる場面で正しい判断を下せるリーダーが育ちます。問題解決力に優れたリーダーは、予測できない事態が起こった場合でも、チームを正しい方向に導いてくれます。このように、あらゆる場面で正確な判断ができるスキルも研修を通して得られます。

理想のリーダー像に欠かせない条件

部下に大きな仕事を任せることができる

メンバー全員が大きな仕事を受けられるようになると、会社の利益も上がり、チームも高い評価を得られます。リーダーは、部下を信頼して大きな仕事を任せましょう。いつまでもリーダーのフォローを行うだけでは、部下はいつまでも大きな仕事ができません

部下を信頼し、大きな仕事を任せることで、部下は大きい仕事を任せられたということは、リーダーから認められているという自信にも繋がります。人を信頼して部下に仕事を任せられるリーダーは、理想のリーダーといえます。

ビジョンをしっかりと伝えることができる

理想のリーダーは、チームの方向性やビジョンをメンバー全員にしっかりと伝えられます。チーム全員にビジョンをしっかり伝えることで、同じ目標に向かって仕事を進められます。チームの方向性やビジョンを伝える時には、具体的に伝えることが重要

この利益をあげるためには、まずはこの仕事から行おうといった、目標としなければならないことを具体的に伝えてください。

メンバーを適材適所に配置することができる

納期までに仕事を行うためには、メンバー全員の能力やスキルをしっかり把握することが重要。理想のリーダーは、メンバーを適材適所に配置することができます。スキルを把握し、適材適所にメンバーを配置することで、いち早く目的を達成できます。

コミュニケーションスキルの高い人には、人と接する外回りを、サポートに向いている人は、メンバーのフォローをといった、得意な仕事を見極めて配置を行います。

言動や行動に一貫性がある

意見がコロコロ変わる、その日の気分で指示の内容が異なる人は、理想のトップとは言えません。このように意見が日によって変わる人に、部下は疑問や不信感を抱きます。リーダーを信頼できなければ、プロジェクトや仕事は効率よく進みません。

リーダーの発言や意見は、影響力があることを忘れてはいけません。最終目標をしっかり確認しながら業務を行うことで、意見がぶれることはありません。業務の節目ごとに、意見をすり合わせる機会を設けても良いでしょう。

周囲から尊敬される人間である

リーダーシップのとれる理想のリーダーは、周りから尊敬されるような、性格の良い人がほとんど。周囲から尊敬される人には、自然と部下がついてきます。理想のリーダーは、仕事ができるだけではいけません。理想のリーダーになるためには、温厚で人当たりもよく、人間性を磨くことも大切。

リーダーの役割や必要な能力を覚えておこう!

リーダーの役割や役割、必要なスキルについて紹介しました。最近では、インターネットの普及など環境の変化によってリーダーシップ研修も注目されています。会社を成長させるためにも、研修などを通して、役割をしっかりと認識した人材を育てる必要があります。本記事を参考に、リーダーの役割や意味、必要なスキルを覚えておきましょう。

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